有価証券報告書-第142期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済状況は、国内では、新型コロナウイルス感染対策が段階的に緩和され、経済活動が正常化に向かったことから、個人消費に回復の兆しがみられ、企業収益が改善する中で設備投資も徐々に回復するなど、景気は緩やかに持ち直しました。海外では、米国では高インフレや政策金利の引き上げが景気を押し下げたものの緩やかな回復が続きました。欧州は足踏み状態にありますが、中国はゼロコロナ政策の解除を機に内需主導で回復傾向にあるなど、総じて緩やかな持ち直しが続きました。しかしながら、地政学的リスクの高まり、エネルギー価格や原材料価格の高騰をはじめとしたインフレの進行、世界的な金融引き締めなど、今後の世界経済の先行きは不透明な状況が続いています。
こうした経済環境の下、当社グループは当期を初年度とする2024年度までの第12次中期経営計画(以下、第12次計画)をスタートさせました。第12次計画では、「収益基盤の強化と成長領域への仕込み」の期間と位置付け、「収益基盤の強化」として、不採算商品・事業の再編、収益改善・合理化を進め、「成長領域への仕込み」として、増産・拡販への対応、経営基盤の強化に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の売上高は1,394億94百万円(前期比9.3%増加)、営業利益は89億69百万円(前期比4.1%減少)、経常利益は124億5百万円(前期比0.8%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は100億24百万円(前期比10.5%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(工業機材)
国内では、主要顧客である自動車業界の減産が長期化し、その影響が鉄鋼、ベアリング業界にも広がったことから、売上げは減少しました。海外では、北米は自動車関連向けの拡販により増加し、中国はベアリング向けが堅調に推移しました。東南アジアでは顧客の生産が減少した影響を受けましたが、為替の影響もあり、海外全体では売上げは増加しました。オフセット砥石などの汎用砥石及び研磨布紙は、国内向けは概ね横ばいで推移したものの、海外向けが伸び悩み、売上げは減少しました。その結果、工業機材事業の売上高は、574億77百万円(前期比0.2%増加)、営業利益は23億52百万円(前期比23.0%減少)となりました。
(セラミック・マテリアル)
電子ペーストは、需要の減少と顧客の在庫調整の影響を受け、売上げは大きく減少しました。電子部品材料は、自動車向けは堅調に推移したものの通信分野向けが低迷し、売上げは減少しました。厚膜回路基板は、センサー用が堅調に推移したことから、売上げは増加しました。石膏は東南アジア及びアフリカ向けが減速し、売上げは減少しました。セラミックコアは需要が回復したことから、売上げは増加しました。蛍光表示管は、コロナ禍からの需要回復と為替の影響により、売上げは増加しました。セラミック原料は耐熱ガラス及び強化ガラス用が大きく増加しました。その結果、セラミック・マテリアル事業の売上高は、492億6百万円(前期比20.8%増加)、営業利益は48億44百万円(前期比10.7%減少)となりました。
(エンジニアリング)
主力の乾燥炉及び焼成炉は、リチウムイオン電池及び電子部品分野が堅調に推移したことにより、売上げは増加しました。混合攪拌装置は、主要分野の食品・化学向けは低調でしたが、新分野である環境・半導体向けが補い、売上げは前年並みとなりました。濾過装置は、ベアリング・工作機械向けは低調でしたが、環境配慮型の新商品の投入もあり、売上げは前年並みとなりました。超硬丸鋸切断機は自動車部品向けが振るわず横ばい、ロードカッターは前年並みとなりました。その結果、エンジニアリング事業の売上高は、259億5百万円(前期比9.8%増加)、営業利益は20億50百万円(前期比0.2%減少)となりました。
(食器)
国内は、ホテル・エアライン向けはコロナ禍の落ち込みから回復傾向にあることに加え、直営店とオンラインの販売が増加したことから、売上げは増加しました。海外は、米国では年間を通じて主要顧客の在庫調整の影響を受け低迷しましたが、アジア地域において中国・インド向けの販売が伸長したことに加え、為替の影響もあり、海外全体では売上げは増加しました。その結果、食器事業の売上高は、69億5百万円(前期比15.8%増加)、2億77百万円の営業損失となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ170億23百万円(10.4%)増加し1,805億85百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ68億61百万円(15.3%)増加し516億23百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ101億61百万円(8.6%)増加し1,289億61百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ2億75百万円増加し、120億8百万円となりました。また、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは37億37百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は2億13百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を125億83百万円計上したものの、売上債権が70億4百万円増加したことに加え、棚卸資産が59億円増加したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、130億48百万円の支出増加となりました。(前連結会計年度は128億35百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は35億24百万円となりました。これは主に投資有価証券の売却により16億53百万円の収入があったものの、有形及び無形固定資産の取得により53億58百万円支出したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、22億98百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は33億6百万円となりました。これは主に配当金の支払額が24億96百万円あったものの、短期借入金の純増減額が68億74百万円増加したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、86億95百万円の収入増加となりました。(前連結会計年度は53億89百万円の支出)
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
ⅰ)総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ170億23百万円(10.4%)増加し、1,805億85百万円となりました。うち、流動資産が149億43百万円増加の886億3百万円、固定資産が20億80百万円増加の919億82百万円であります。これは主に受取手形及び売掛金並びに棚卸資産が増加したことによるものです。
ⅱ)負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ68億61百万円(15.3%)増加し、516億23百万円となりました。これは主に短期借入金及び電子記録債務が増加したことによるものです。
ⅲ)純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ101億61百万円(8.6%)増加し、1,289億61百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ698円24銭増加して8,881円90銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の72.2%から71.0%に減少しました。
(経営成績)
ⅰ)売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ118億52百万円(9.3%)増加の1,394億94百万円となりました。なお、販売活動の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
ⅱ)経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ1億4百万円(0.8%)減少の124億5百万円となりました。主な要因としては、売上原価の増加により売上総利益率が悪化したこと及び販売費及び一般管理費が増加したことによるものであります。
ⅲ)特別利益・特別損失
当連結会計年度の特別利益は12億51百万円であり、主なものは投資有価証券売却益10億26百万円であります。また、当連結会計年度の特別損失は10億73百万円であり、主なものは固定資産処分損5億6百万円であります。
ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、125億83百万円の税金等調整前当期純利益となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は100億24百万円となりました。
1株当たり当期純利益は694円56銭となり、自己資本利益率は前連結会計年度の7.9%から8.1%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入れ又は社債の発行により資金調達することとしております。
運転資金につきましては、期限が一年以内の短期借入金で資金調達を行っております。国内におきましては、キャッシュ・マネジメント・システムにより当社が一括して資金を調達して各連結子会社に必要資金を分配し、海外におきましては、各々の連結子会社が運転資金として使用する現地通貨にて調達することを基本としております。2023年3月31日現在の短期借入金の残高は124億50百万円であります。
設備投資等の長期資金につきましては、自己資金を原則とし、一部を長期借入金により調達することとしております。
2023年3月31日現在の現預金残高は146億1百万円で、当社グループとして十分な水準の手元資金を確保していると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況に基づく仮定により、様々な見積りを行っており、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
ⅰ)繰延税金資産
繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収が不確実と考えられる部分は、評価性引当額としています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
なお、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い、繰延税金資産の修正を行うため、当期純利益額が変動する可能性があります。
ⅱ)退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の期待運用収益率に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い債券の利回りを基礎として決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
ⅲ)固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、損益を悪化させる可能性があります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済状況は、国内では、新型コロナウイルス感染対策が段階的に緩和され、経済活動が正常化に向かったことから、個人消費に回復の兆しがみられ、企業収益が改善する中で設備投資も徐々に回復するなど、景気は緩やかに持ち直しました。海外では、米国では高インフレや政策金利の引き上げが景気を押し下げたものの緩やかな回復が続きました。欧州は足踏み状態にありますが、中国はゼロコロナ政策の解除を機に内需主導で回復傾向にあるなど、総じて緩やかな持ち直しが続きました。しかしながら、地政学的リスクの高まり、エネルギー価格や原材料価格の高騰をはじめとしたインフレの進行、世界的な金融引き締めなど、今後の世界経済の先行きは不透明な状況が続いています。
こうした経済環境の下、当社グループは当期を初年度とする2024年度までの第12次中期経営計画(以下、第12次計画)をスタートさせました。第12次計画では、「収益基盤の強化と成長領域への仕込み」の期間と位置付け、「収益基盤の強化」として、不採算商品・事業の再編、収益改善・合理化を進め、「成長領域への仕込み」として、増産・拡販への対応、経営基盤の強化に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の売上高は1,394億94百万円(前期比9.3%増加)、営業利益は89億69百万円(前期比4.1%減少)、経常利益は124億5百万円(前期比0.8%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は100億24百万円(前期比10.5%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(工業機材)
国内では、主要顧客である自動車業界の減産が長期化し、その影響が鉄鋼、ベアリング業界にも広がったことから、売上げは減少しました。海外では、北米は自動車関連向けの拡販により増加し、中国はベアリング向けが堅調に推移しました。東南アジアでは顧客の生産が減少した影響を受けましたが、為替の影響もあり、海外全体では売上げは増加しました。オフセット砥石などの汎用砥石及び研磨布紙は、国内向けは概ね横ばいで推移したものの、海外向けが伸び悩み、売上げは減少しました。その結果、工業機材事業の売上高は、574億77百万円(前期比0.2%増加)、営業利益は23億52百万円(前期比23.0%減少)となりました。
(セラミック・マテリアル)
電子ペーストは、需要の減少と顧客の在庫調整の影響を受け、売上げは大きく減少しました。電子部品材料は、自動車向けは堅調に推移したものの通信分野向けが低迷し、売上げは減少しました。厚膜回路基板は、センサー用が堅調に推移したことから、売上げは増加しました。石膏は東南アジア及びアフリカ向けが減速し、売上げは減少しました。セラミックコアは需要が回復したことから、売上げは増加しました。蛍光表示管は、コロナ禍からの需要回復と為替の影響により、売上げは増加しました。セラミック原料は耐熱ガラス及び強化ガラス用が大きく増加しました。その結果、セラミック・マテリアル事業の売上高は、492億6百万円(前期比20.8%増加)、営業利益は48億44百万円(前期比10.7%減少)となりました。
(エンジニアリング)
主力の乾燥炉及び焼成炉は、リチウムイオン電池及び電子部品分野が堅調に推移したことにより、売上げは増加しました。混合攪拌装置は、主要分野の食品・化学向けは低調でしたが、新分野である環境・半導体向けが補い、売上げは前年並みとなりました。濾過装置は、ベアリング・工作機械向けは低調でしたが、環境配慮型の新商品の投入もあり、売上げは前年並みとなりました。超硬丸鋸切断機は自動車部品向けが振るわず横ばい、ロードカッターは前年並みとなりました。その結果、エンジニアリング事業の売上高は、259億5百万円(前期比9.8%増加)、営業利益は20億50百万円(前期比0.2%減少)となりました。
(食器)
国内は、ホテル・エアライン向けはコロナ禍の落ち込みから回復傾向にあることに加え、直営店とオンラインの販売が増加したことから、売上げは増加しました。海外は、米国では年間を通じて主要顧客の在庫調整の影響を受け低迷しましたが、アジア地域において中国・インド向けの販売が伸長したことに加え、為替の影響もあり、海外全体では売上げは増加しました。その結果、食器事業の売上高は、69億5百万円(前期比15.8%増加)、2億77百万円の営業損失となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ170億23百万円(10.4%)増加し1,805億85百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ68億61百万円(15.3%)増加し516億23百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ101億61百万円(8.6%)増加し1,289億61百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ2億75百万円増加し、120億8百万円となりました。また、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは37億37百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動に使用した資金は2億13百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を125億83百万円計上したものの、売上債権が70億4百万円増加したことに加え、棚卸資産が59億円増加したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、130億48百万円の支出増加となりました。(前連結会計年度は128億35百万円の収入)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は35億24百万円となりました。これは主に投資有価証券の売却により16億53百万円の収入があったものの、有形及び無形固定資産の取得により53億58百万円支出したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、22億98百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により得られた資金は33億6百万円となりました。これは主に配当金の支払額が24億96百万円あったものの、短期借入金の純増減額が68億74百万円増加したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、86億95百万円の収入増加となりました。(前連結会計年度は53億89百万円の支出)
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
生産高(百万円) | 前年同期比(%) | |
工業機材 | 47,014 | 98.2 |
セラミック・マテリアル | 28,889 | 88.0 |
エンジニアリング | 6,215 | 116.2 |
食器 | 4,446 | 135.5 |
合計 | 86,566 | 96.9 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
工業機材 | 57,438 | 97.5 | 7,938 | 99.5 |
セラミック・マテリアル | 49,532 | 119.9 | 4,477 | 107.9 |
エンジニアリング | 34,252 | 124.7 | 25,562 | 148.5 |
食器 | 7,196 | 120.6 | 642 | 182.9 |
合計 | 148,419 | 111.0 | 38,620 | 130.1 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 内、海外売上高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 海外売上割合 (%) |
工業機材 | 57,477 | 100.2 | 20,668 | 106.5 | 36.0 |
セラミック・マテリアル | 49,206 | 120.8 | 19,711 | 89.3 | 40.1 |
エンジニアリング | 25,905 | 109.8 | 12,172 | 103.4 | 47.0 |
食器 | 6,905 | 115.8 | 3,864 | 111.8 | 56.0 |
合計 | 139,494 | 109.3 | 56,416 | 99.5 | 40.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
ⅰ)総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ170億23百万円(10.4%)増加し、1,805億85百万円となりました。うち、流動資産が149億43百万円増加の886億3百万円、固定資産が20億80百万円増加の919億82百万円であります。これは主に受取手形及び売掛金並びに棚卸資産が増加したことによるものです。
ⅱ)負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ68億61百万円(15.3%)増加し、516億23百万円となりました。これは主に短期借入金及び電子記録債務が増加したことによるものです。
ⅲ)純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ101億61百万円(8.6%)増加し、1,289億61百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものです。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ698円24銭増加して8,881円90銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の72.2%から71.0%に減少しました。
(経営成績)
ⅰ)売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ118億52百万円(9.3%)増加の1,394億94百万円となりました。なお、販売活動の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
ⅱ)経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ1億4百万円(0.8%)減少の124億5百万円となりました。主な要因としては、売上原価の増加により売上総利益率が悪化したこと及び販売費及び一般管理費が増加したことによるものであります。
ⅲ)特別利益・特別損失
当連結会計年度の特別利益は12億51百万円であり、主なものは投資有価証券売却益10億26百万円であります。また、当連結会計年度の特別損失は10億73百万円であり、主なものは固定資産処分損5億6百万円であります。
ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、125億83百万円の税金等調整前当期純利益となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は100億24百万円となりました。
1株当たり当期純利益は694円56銭となり、自己資本利益率は前連結会計年度の7.9%から8.1%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入れ又は社債の発行により資金調達することとしております。
運転資金につきましては、期限が一年以内の短期借入金で資金調達を行っております。国内におきましては、キャッシュ・マネジメント・システムにより当社が一括して資金を調達して各連結子会社に必要資金を分配し、海外におきましては、各々の連結子会社が運転資金として使用する現地通貨にて調達することを基本としております。2023年3月31日現在の短期借入金の残高は124億50百万円であります。
設備投資等の長期資金につきましては、自己資金を原則とし、一部を長期借入金により調達することとしております。
2023年3月31日現在の現預金残高は146億1百万円で、当社グループとして十分な水準の手元資金を確保していると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況に基づく仮定により、様々な見積りを行っており、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
ⅰ)繰延税金資産
繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収が不確実と考えられる部分は、評価性引当額としています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
なお、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い、繰延税金資産の修正を行うため、当期純利益額が変動する可能性があります。
ⅱ)退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の期待運用収益率に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い債券の利回りを基礎として決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
ⅲ)固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、損益を悪化させる可能性があります。