有価証券報告書-第140期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、人や物の流れが抑制され、世界経済は大きな影響を受けました。徐々に経済活動が再開し、国内では設備投資や輸出に緩やかな回復の兆しも見られますが、コロナ禍の収束には至らず、先行き不透明な状況が続きました。
こうした経済環境の下、第11次中期経営計画の2年目である当連結会計年度においては、従来の基本戦略に最優先事項として「選択と集中の加速」を加え、開発・製造から販売までを通して分析し、採算性の良い事業や商品群に経営資源を集中して、成長性と収益性を向上させるための事業体制の整備を推進しました。
ⅰ)競争力のある新商品・新技術開発の促進
開発項目の選択と集中により開発スピードを高めております。特に、セラミック・マテリアル事業とエンジニアリング事業では、自動車の電動化や通信の高速化に伴い需要が増加している電子部品分野とリチウムイオン電池分野に向けた新商品開発と新用途開拓を進めております。
ⅱ)海外生産拠点の増強と海外市場開拓の推進
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、中国蘇州工場の増産やタイ工場の増設など、計画に遅延が生じております。新型コロナウイルス感染症と世界経済の動向を引き続き注視しながら、早期の計画実現を目指してまいります。
ⅲ)国内販売体制、製造体制の再整備
工業機材事業において、営業効率の向上、物流コスト低減のため、営業拠点の統合・再編に取り組みました。また、セラミック・マテリアル事業では、国内工場で製造ラインを新設し、積層セラミックコンデンサ等の電子部品材料の生産能力を増強しました。
ⅳ)ものづくり強化活動、環境活動、安全衛生活動、働き方改革と事業活動の一体化
全社横断組織を設け、製造・技術部門においては、安全・品質・生産における日常管理及び標準を維持する仕組みづくり、営業・開発・管理部門においては、標準化を通じた業務効率の向上に、それぞれ主体的に取り組むとともに、定期的な活動報告会などを通して情報を共有しています。コロナ禍においてもWeb会議等を活用し、これら諸活動を推進しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は1,070億0百万円(前期比11.3%減少)、営業利益は25億57百万円(前期比39.2%減少)、経常利益は44億80百万円(前期比29.0%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億6百万円(前期比17.8%減少)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(工業機材)
国内では、主要顧客である自動車、鉄鋼、ベアリング業界において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う大幅な生産調整の影響を受け、期末に向けて回復基調であったものの、売上げは減少しました。海外では、中国で経済活動の再開や需要回復を見込んだ生産増加の兆しがみられ、欧米や東南アジアで緩やかな回復が見られたものの、売上げは大きく減少しました。オフセット砥石などの汎用砥石も、国内外共に減少しました。その結果、工業機材事業の売上高は、500億94百万円(前期比14.5%減少)、10億98百万円の営業損失となりました。
(セラミック・マテリアル)
電子ペーストは、高速移動体通信用及びパソコン用電子部品の需要が堅調に推移したことにより、売上げは大きく増加しました。電子部品材料は、通信インフラ用が堅調に推移したことに加え、自動車用も回復したことから売上げは増加しました。厚膜回路基板は、顧客からの需要減の影響を受け売上げは大きく減少しました。石膏、触媒担体は、国内外共に減少しました。セラミックコアは、顧客の生産調整の影響を受け減少しました。セラミック原料、蛍光表示管は、いずれも大きく減少しました。その結果、セラミック・マテリアル事業の売上高は、327億80百万円(前期比1.7%増加)、営業利益は30億99百万円(前期比39.7%増加)となりました。
(エンジニアリング)
主力の乾燥炉及び焼成炉は、コロナ禍における装置の据付工事の延期及び設備投資の抑制により、売上げは減少しました。混合攪拌装置は、一般化学業界向けの受注が低調で売上げは減少しました。濾過装置は、ベアリング向けの大型装置の納入がありましたが、国内外とも需要が低調に推移し、売上げは減少しました。超硬丸鋸切断機は、国内外共に自動車・工作機械用の低迷により大きく減少しました。その結果、エンジニアリング事業の売上高は、187億20百万円(前期比16.2%減少)、営業利益は18億71百万円(前期比28.5%減少)となりました。
(食器)
国内市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、オンライン販売が増加したものの、エアライン、百貨店、ホテル・レストラン向けの販売がいずれも落ち込み、売上げは大きく減少しました。海外市場も、オンライン販売が増加したものの、米国では、大型専門店が休業した影響を受け減少し、その他の国・地域では、ホテル・レストラン及びエアライン向けがいずれも低迷し、全体でも減少となりました。その結果、食器事業の売上高は、54億4百万円(前期比27.6%減少)、13億14百万円の営業損失となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ89億82百万円(6.2%)増加し1,549億5百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億48百万円(3.0%)減少し409億17百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億30百万円(9.9%)増加し1,139億88百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1億98百万円減少し、97億41百万円となりました。また、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは16億98百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は59億3百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を40億96百万円計上したことに加え、たな卸資産が20億16百万円減少したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、23億29百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は76億1百万円となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得により64億30百万円支出したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、1億28百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動で得られた資金は15億97百万円となりました。これは主に配当金の支払額が11億72百万円あったものの、短期借入金の純増減額が28億10百万円増加したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、38億8百万円の収入増加となりました。(前連結会計年度は22億10百万円の支出)
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
ⅰ)総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ89億82百万円(6.2%)増加し、1,549億5百万円となりました。うち、流動資産が34億83百万円減少の650億58百万円、固定資産が124億65百万円増加の898億47百万円であります。これは主に仕掛品が減少したものの、保有株式の株価上昇に伴い投資有価証券の時価総額が増加したことによるものです。
ⅱ)負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億48百万円(3.0%)減少し、409億17百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加により繰延税金負債が増加したものの、支払手形及び買掛金並びに設備関係支払手形が減少したことによるものです。
ⅲ)純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億30百万円(9.9%)増加し、1,139億88百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことに加え、その他有価証券評価差額金及び退職給付に係る調整累計額が増加したことによるものです。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ698円45銭増加して7,684円78銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の69.0%から71.6%に増加しました。
(経営成績)
ⅰ)売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ136億11百万円(11.3%)減少の1,070億0百万円となりました。なお、販売活動の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
ⅱ)経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ18億32百万円減少の44億80百万円となりました。主な要因としては、売上高の減少によるものであります。
ⅲ)特別利益・特別損失
当連結会計年度の特別利益は1億82百万円であり、主なものは投資有価証券売却益1億63百万円であります。また当連結会計年度の特別損失は5億66百万円であり、主なものは減損損失3億5百万円であります。
ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、40億96百万円の税金等調整前当期純利益となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は28億6百万円となりました。
1株当たり当期純利益は194円54銭となり、自己資本利益率は前連結会計年度の3.3%から2.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入れ又は社債の発行により資金調達することとしております。
運転資金につきましては、期限が一年以内の短期借入金で資金調達を行っております。国内におきましては、キャッシュ・マネジメント・システムにより当社が一括して資金を調達して各連結子会社に必要資金を分配し、海外におきましては、各々の連結子会社が運転資金として使用する現地通貨にて調達することを基本としております。2021年3月31日現在の短期借入金の残高は69億83百万円であります。
設備投資等の長期資金につきましては、自己資金を原則とし、一部を長期借入金により調達することとしております。長期借入金の残高は9億15百万円であります。
2021年3月31日現在の現預金残高は122億62百万円で、当社グループとして十分な水準の手元資金を確保していると考えております。新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞で、厳しい経営環境が続くと予想しており、運転資金確保の重要性を認識しておりますが、取引金融機関とは長年良好な関係を築いており、今後の資金調達について、現時点では問題はないと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況に基づく仮定により、様々な見積りを行っており、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症による影響については、第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項の(追加情報)「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積り」に記載の仮定に基づき会計上の見積りを行っておりますが、現時点では不確実性が高く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ)繰延税金資産
繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収が不確実と考えられる部分は、評価性引当額としています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
なお、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い、繰延税金資産の修正を行うため、当期純利益額が変動する可能性があります。
ⅱ)退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の期待運用収益率に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い債券の利回りを基礎として決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
ⅲ)固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、損益を悪化させる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、人や物の流れが抑制され、世界経済は大きな影響を受けました。徐々に経済活動が再開し、国内では設備投資や輸出に緩やかな回復の兆しも見られますが、コロナ禍の収束には至らず、先行き不透明な状況が続きました。
こうした経済環境の下、第11次中期経営計画の2年目である当連結会計年度においては、従来の基本戦略に最優先事項として「選択と集中の加速」を加え、開発・製造から販売までを通して分析し、採算性の良い事業や商品群に経営資源を集中して、成長性と収益性を向上させるための事業体制の整備を推進しました。
ⅰ)競争力のある新商品・新技術開発の促進
開発項目の選択と集中により開発スピードを高めております。特に、セラミック・マテリアル事業とエンジニアリング事業では、自動車の電動化や通信の高速化に伴い需要が増加している電子部品分野とリチウムイオン電池分野に向けた新商品開発と新用途開拓を進めております。
ⅱ)海外生産拠点の増強と海外市場開拓の推進
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、中国蘇州工場の増産やタイ工場の増設など、計画に遅延が生じております。新型コロナウイルス感染症と世界経済の動向を引き続き注視しながら、早期の計画実現を目指してまいります。
ⅲ)国内販売体制、製造体制の再整備
工業機材事業において、営業効率の向上、物流コスト低減のため、営業拠点の統合・再編に取り組みました。また、セラミック・マテリアル事業では、国内工場で製造ラインを新設し、積層セラミックコンデンサ等の電子部品材料の生産能力を増強しました。
ⅳ)ものづくり強化活動、環境活動、安全衛生活動、働き方改革と事業活動の一体化
全社横断組織を設け、製造・技術部門においては、安全・品質・生産における日常管理及び標準を維持する仕組みづくり、営業・開発・管理部門においては、標準化を通じた業務効率の向上に、それぞれ主体的に取り組むとともに、定期的な活動報告会などを通して情報を共有しています。コロナ禍においてもWeb会議等を活用し、これら諸活動を推進しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は1,070億0百万円(前期比11.3%減少)、営業利益は25億57百万円(前期比39.2%減少)、経常利益は44億80百万円(前期比29.0%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億6百万円(前期比17.8%減少)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(工業機材)
国内では、主要顧客である自動車、鉄鋼、ベアリング業界において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う大幅な生産調整の影響を受け、期末に向けて回復基調であったものの、売上げは減少しました。海外では、中国で経済活動の再開や需要回復を見込んだ生産増加の兆しがみられ、欧米や東南アジアで緩やかな回復が見られたものの、売上げは大きく減少しました。オフセット砥石などの汎用砥石も、国内外共に減少しました。その結果、工業機材事業の売上高は、500億94百万円(前期比14.5%減少)、10億98百万円の営業損失となりました。
(セラミック・マテリアル)
電子ペーストは、高速移動体通信用及びパソコン用電子部品の需要が堅調に推移したことにより、売上げは大きく増加しました。電子部品材料は、通信インフラ用が堅調に推移したことに加え、自動車用も回復したことから売上げは増加しました。厚膜回路基板は、顧客からの需要減の影響を受け売上げは大きく減少しました。石膏、触媒担体は、国内外共に減少しました。セラミックコアは、顧客の生産調整の影響を受け減少しました。セラミック原料、蛍光表示管は、いずれも大きく減少しました。その結果、セラミック・マテリアル事業の売上高は、327億80百万円(前期比1.7%増加)、営業利益は30億99百万円(前期比39.7%増加)となりました。
(エンジニアリング)
主力の乾燥炉及び焼成炉は、コロナ禍における装置の据付工事の延期及び設備投資の抑制により、売上げは減少しました。混合攪拌装置は、一般化学業界向けの受注が低調で売上げは減少しました。濾過装置は、ベアリング向けの大型装置の納入がありましたが、国内外とも需要が低調に推移し、売上げは減少しました。超硬丸鋸切断機は、国内外共に自動車・工作機械用の低迷により大きく減少しました。その結果、エンジニアリング事業の売上高は、187億20百万円(前期比16.2%減少)、営業利益は18億71百万円(前期比28.5%減少)となりました。
(食器)
国内市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、オンライン販売が増加したものの、エアライン、百貨店、ホテル・レストラン向けの販売がいずれも落ち込み、売上げは大きく減少しました。海外市場も、オンライン販売が増加したものの、米国では、大型専門店が休業した影響を受け減少し、その他の国・地域では、ホテル・レストラン及びエアライン向けがいずれも低迷し、全体でも減少となりました。その結果、食器事業の売上高は、54億4百万円(前期比27.6%減少)、13億14百万円の営業損失となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ89億82百万円(6.2%)増加し1,549億5百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億48百万円(3.0%)減少し409億17百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億30百万円(9.9%)増加し1,139億88百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1億98百万円減少し、97億41百万円となりました。また、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは16億98百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は59億3百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を40億96百万円計上したことに加え、たな卸資産が20億16百万円減少したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、23億29百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動に使用した資金は76億1百万円となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得により64億30百万円支出したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、1億28百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動で得られた資金は15億97百万円となりました。これは主に配当金の支払額が11億72百万円あったものの、短期借入金の純増減額が28億10百万円増加したことによるものです。
前連結会計年度との比較では、38億8百万円の収入増加となりました。(前連結会計年度は22億10百万円の支出)
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
生産高(百万円) | 前年同期比(%) | |
工業機材 | 42,936 | 92.8 |
セラミック・マテリアル | 24,647 | 104.8 |
エンジニアリング | 6,954 | 98.4 |
食器 | 2,620 | 79.3 |
合計 | 77,159 | 96.3 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
工業機材 | 48,884 | 84.3 | 6,844 | 85.0 |
セラミック・マテリアル | 32,768 | 103.2 | 3,583 | 99.7 |
エンジニアリング | 19,778 | 98.0 | 12,884 | 108.9 |
食器 | 5,258 | 72.6 | 345 | 70.3 |
合計 | 106,690 | 91.0 | 23,658 | 98.7 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 内、海外売上高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 海外売上割合 (%) |
工業機材 | 50,094 | 85.5 | 14,286 | 81.5 | 28.5 |
セラミック・マテリアル | 32,780 | 101.7 | 17,171 | 111.4 | 52.4 |
エンジニアリング | 18,720 | 83.8 | 8,785 | 85.2 | 46.9 |
食器 | 5,404 | 72.4 | 2,767 | 82.9 | 51.2 |
合計 | 107,000 | 88.7 | 43,011 | 92.3 | 40.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
ⅰ)総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ89億82百万円(6.2%)増加し、1,549億5百万円となりました。うち、流動資産が34億83百万円減少の650億58百万円、固定資産が124億65百万円増加の898億47百万円であります。これは主に仕掛品が減少したものの、保有株式の株価上昇に伴い投資有価証券の時価総額が増加したことによるものです。
ⅱ)負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億48百万円(3.0%)減少し、409億17百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の増加により繰延税金負債が増加したものの、支払手形及び買掛金並びに設備関係支払手形が減少したことによるものです。
ⅲ)純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ102億30百万円(9.9%)増加し、1,139億88百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことに加え、その他有価証券評価差額金及び退職給付に係る調整累計額が増加したことによるものです。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ698円45銭増加して7,684円78銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の69.0%から71.6%に増加しました。
(経営成績)
ⅰ)売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ136億11百万円(11.3%)減少の1,070億0百万円となりました。なお、販売活動の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
ⅱ)経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ18億32百万円減少の44億80百万円となりました。主な要因としては、売上高の減少によるものであります。
ⅲ)特別利益・特別損失
当連結会計年度の特別利益は1億82百万円であり、主なものは投資有価証券売却益1億63百万円であります。また当連結会計年度の特別損失は5億66百万円であり、主なものは減損損失3億5百万円であります。
ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、40億96百万円の税金等調整前当期純利益となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は28億6百万円となりました。
1株当たり当期純利益は194円54銭となり、自己資本利益率は前連結会計年度の3.3%から2.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入れ又は社債の発行により資金調達することとしております。
運転資金につきましては、期限が一年以内の短期借入金で資金調達を行っております。国内におきましては、キャッシュ・マネジメント・システムにより当社が一括して資金を調達して各連結子会社に必要資金を分配し、海外におきましては、各々の連結子会社が運転資金として使用する現地通貨にて調達することを基本としております。2021年3月31日現在の短期借入金の残高は69億83百万円であります。
設備投資等の長期資金につきましては、自己資金を原則とし、一部を長期借入金により調達することとしております。長期借入金の残高は9億15百万円であります。
2021年3月31日現在の現預金残高は122億62百万円で、当社グループとして十分な水準の手元資金を確保していると考えております。新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞で、厳しい経営環境が続くと予想しており、運転資金確保の重要性を認識しておりますが、取引金融機関とは長年良好な関係を築いており、今後の資金調達について、現時点では問題はないと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況に基づく仮定により、様々な見積りを行っており、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症による影響については、第5 経理の状況 1連結財務諸表 注記事項の(追加情報)「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積り」に記載の仮定に基づき会計上の見積りを行っておりますが、現時点では不確実性が高く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
ⅰ)繰延税金資産
繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収が不確実と考えられる部分は、評価性引当額としています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
なお、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い、繰延税金資産の修正を行うため、当期純利益額が変動する可能性があります。
ⅱ)退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の期待運用収益率に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い債券の利回りを基礎として決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
ⅲ)固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、損益を悪化させる可能性があります。