有価証券報告書-第116期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/09/16 13:39
【資料】
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【項目】
159項目
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の業績について、受注高は、グループ全体で267億2百万円(前期比12.9%増)と前期比で増加となりました。主な要因は、上下水道事業における水道分野での浄水場建設・更新案件の新規契約締結が堅調に伸びたこと、並びに複数年での運転管理委託契約の更新案件数が増加したこと等によるものです。その結果、当連結会計年度末における受注残高は、338億69百万円(前期比20.1%増)と過去最高額となりました。
売上高は、グループ全体で210億35百万円(前期比15.0%増)と前期比で増加となりました。主な要因は、上下水道事業における下廃水分野での大型案件を中心とした出来高進捗、並びに水道分野でのメンテナンス案件の受注拡大及び新規の運転管理委託案件の増加に伴うものです。
損益の状況については、増収により売上総利益が増加したことから、営業利益は、12億80百万円(前期比21.3%増)と前期比で大幅な増加となりました。しかし、営業外費用において関連会社であるSKME社での持分法による投資損失11億72百万円の発生等により経常利益は、53百万円(前期比94.1%減)となりました。更に、特別損失においてSKME社への貸付金に対する貸倒引当金繰入額13億12百万円の計上等により、親会社株主に帰属する当期純損失は、17億25百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益5億89百万円)となりました。
セグメント別の経営成績については、次のとおりであります。
[上下水道事業]
受注高は、水道分野での浄水場建設・更新案件の新規契約締結が堅調に伸びたこと、並びに複数年での運転管理委託契約の更新案件数が増加したことにより246億41百万円(前期比11.5%増)、売上高は、下廃水分野での大型案件を中心とした出来高進捗、並びに水道分野でのメンテナンス案件の受注拡大及び新規運転管理委託案件の増加に伴い192億55百万円(前期比17.5%増)、営業利益は、11億51百万円(前期比19.0%増)となりました。
[環境事業]
受注高は、新規顧客における廃水処理案件受注により12億11百万円(前期比51.1%増)、売上高は、受注残高の減少を当期メンテナンス等の受注高増でカバーしたものの8億77百万円(前期比26.8%減)、営業損失は、11百万円(前期は営業損失13百万円)となりました。
[機器事業]
受注高は、国内外への標準製品の拡販により8億49百万円(前期比15.6%増)となり、売上高は、当期受注高の増加により8億90百万円(前期比27.9%増)、営業利益は、高採算製品の販売増により1億32百万円(前期比37.5%増)となりました。
[その他の事業]
不動産賃貸を行った結果、売上高は、12百万円(前期比5.2%増)、営業利益は、8百万円(前期比60.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
前期と比較して30百万円増加し、178億58百万円となっております。主な要因は、現金及び預金が31億17百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が27億71百万円、預け金が8億1百万円増加したこと等によるものです。
(固定資産)
前期と比較して10億40百万円減少し、42億69百万円となっております。主な要因は、有形固定資産は、95百万円増加した一方、無形固定資産は、23百万円、投資その他の資産は、貸倒引当金の計上などにより11億12百万円減少したことによるものです。
(流動負債)
前期と比較して10億16百万円増加し、104億6百万円となっております。主な要因は、支払手形及び買掛金が13億76百万円増加した一方、預り金が8億45百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
前期と比較して26百万円減少し、24億77百万円となっております。主な要因は、退職給付に係る負債が76百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
前期と比較して20億円減少し、92億43百万円となっております。主な要因は、利益剰余金が19億40百万円減少したこと等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、持分法による投資損失11億72百万円の計上、貸倒引当金の増加13億30百万円があった一方、税金等調整前当期純損失12億92百万円の計上、売上債権の増加25億14百万円、預り金の減少8億46百万円があったこと等から、前連結会計年度末に比べ23億61百万円減少し、当連結会計年度末には54億71百万円(前期比30.1%減)となりました。
近年の営業活動によるキャッシュ・フローの特徴として、連結会計年度ごとの収支に大きな変動がある水道分野でのDB案件や下廃水分野での大型案件の受注に伴い、工事着手から引渡し又は工事出来高検収を経て入金に至るまでに、当社グループが支出する工事資金が増加傾向にあります。そのため、一部は契約に基づき顧客からの前払金で資金調達を行いながら、グループ全体では、現在の現預金及び預け金をこれら大型案件遂行のための原資として活用、対応しております。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、9億48百万円(前期は2億44百万円の収入)となりました。これは主に持分法による投資損失11億72百万円の計上、貸倒引当金の増加13億30百万円があった一方、税金等調整前当期純損失12億92百万円の計上、売上債権の増加25億14百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、11億98百万円(前期は7億27百万円の支出)となりました。これは主に関係会社貸付けによる支出6億43百万円、貸付けによる支出4億93百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2億14百万円(前期は49百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額2億14百万円があったこと等によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
上下水道(百万円)19,241118.1
環境(百万円)88274.3
機器(百万円)876125.7
合計(百万円)20,999115.5

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の生産実績は、外注加工費及び購入部品費を含んでおります。
b) 受注実績
当連結会計年度の受注実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当社グループは主として受注による生産を行っておりますが、一部見込みによる生産を行っております。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
上下水道24,641111.533,264119.3
環境1,211151.1578236.6
機器849115.62639.5
合計26,702112.933,869120.1

(注)1.当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
上下水道(百万円)19,255117.5
環境(百万円)87773.2
機器(百万円)890127.9
報告セグメント計(百万円)21,023115.0
その他(百万円)12105.2
合計(百万円)21,035115.0

(注)1.当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度における主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上の顧客は以下の通りです。なお、前連結会計年度において総販売実績に対する割合が10%以上の顧客はございません。
(単位:百万円)
顧客の名称又は氏名販売実績関連するセグメント名
大任町2,615上下水道

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載の通りとなります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a) キャッシュ・フローの状況
「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りとなります。
b) 資金調達の状況
当社は、資金効率及び調達コスト等の観点から、自己資金及び工事契約に基づく顧客からの工事前払金により資金調達を行っております。
c) 資金需要の状況
当社の資金需要のうち、主なものは運転資金となります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入及び外注製作・工事費の支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、成長投資や株主還元等があります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来発生する事象に対しての見積り及び仮定設定を行う必要があり、経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と判断した見積りや仮定を継続的に採用しております。しかしながら、これらの見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、新型コロナウィルス感染症の影響に係る仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載の通りとなります。
a) 収益及び費用の計上:当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他は工事完成基準を適用しております。工事進行基準の適用に当たっては、工事収益総額、工事原価総額及び当連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積り、売上高、売上原価を認識しております。
b) 受注損失引当金:受注工事の損失発生に備えるため、当連結会計年度末の手持受注工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見込額を計上しております。
c) 貸倒引当金:取立不能の恐れのある債権には、必要と認める額の貸倒引当金を計上しております。
d) 繰延税金資産:法人税に対応する繰延税金資産は、評価性引当額を除きその全額が回収可能であるとの判断に基づき計上しております。
e) 投資の減損:保有する取引先等及び関係会社の株式等について、上場株式は、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合に、また、非上場株式及び関係会社株式・出資金は、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合に、将来の回復可能性を検討し、評価損を計上しております。