有価証券報告書-第82期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/19 10:22
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの業績は、前期比で売上高は横ばい、営業利益・当社株主に帰属する当期純利益は減益となった。売上高については、スマートフォンや半導体関連の需要が減速したことに加え、下半期(2018年10月~2019年3月)には製造業の景況感の悪化がグローバルに拡大したことで、主力の制御機器事業や電子部品事業が同期間に低調に推移したが、ヘルスケア事業や社会システム事業などの成長が寄与し、前期比で横ばいとなった。営業利益については、将来の成長に向けて販管費や開発費を戦略的に増加させたことにより、前期比で減少した。
売上高は8,594億82百万円(前期比0.1%減)となり、売上総利益率は41.2%(同0.4ポイント減)、営業利益は766億33百万円(同11.2%減)、法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益は754億32百万円(同9.5%減)、当社株主に帰属する当期純利益は543億23百万円(同14.0%減)となった。
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資産の部は、前連結会計年度末に比べ49億26百万円増加し7,498億78百万円、負債の部は前連結会計年度末に比べ60億1百万円増加して2,435億67百万円、純資産の部は前連結会計年度末に比べ10億75百万円減少し5,063億11百万円となった。
オペレーティング・セグメントの業績は、次のとおりである。
a.インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
自動車業界では先進技術ならびに地産地消に伴う設備投資需要は底堅く、加えて食品業界を中心とした省人化ニーズの高まりもあり、需要が堅調に推移した。これらの需要に対し、幅広い商品ラインナップとソリューション提案力を活かした販売活動の効果により、自動車業界・食品業界では売上高を伸ばすことができた。一方で、デジタル業界では、スマートフォンや半導体関連の設備投資需要が減速したことに加えて、下半期に製造業の景況感の悪化がグローバルに拡大したことにより、売上高は減少した。これらの結果、当期の売上高は前期比で横ばいとなった。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、3,982億円52百万円(前期比1.1%減)(うち外部顧客に対する売上高は、3,918億26百万円(同1.1%減))、セグメント利益(営業利益)は、中期を見据えた持続的成長に向けた戦略的な人財投資および研究開発投資を実行したことに加え、円高の影響を大きく受けたことから、628億95百万円(同15.0%減)となった。
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b.エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス(電子部品事業)
民生業界では、米州、欧州での好調な事業環境を背景に需要が好調に推移し、顧客ニーズを確実に捉えることができた。車載業界では中国での購買意欲低下により需要が減少した。アミューズメント業界では市場縮小の影響もあり需要が減少した。これらの結果、当期の売上高は前期比で減少した。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、1,542億38百万円(前期比4.9%減)(うち外部顧客に対する売上高は、997億3百万円(同4.5%減))、セグメント利益(営業利益)は、外部顧客および当社グループ事業への売上高の減少に加え、将来の成長を見据えた新商品開発や生産性改善投資により、81億65百万円(同34.5%減)となった。
(注)経営管理区分の見直しにより、第82期より、「その他事業」傘下の一部を「電子部品事業」の事業
セグメント等に含めて開示している。これに伴い、第81期を新管理区分に組み替えて表示している。
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c.オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス(車載事業)
当社製品を搭載した車種のモデルチェンジなどの影響により、米州、欧州、中国における需要は低調に推移した。一方で、アジアにおいては、好調な自動車生産や二輪向け商品の需要増加により、好調に推移した。これらの結果、当期の売上高は前期比で横ばいとなった。
この結果、当セグメント合計の当期の売上高は、1,308億73百万円(前期比1.7%減)(うち外部顧客に対する売上高は、1,304億百71万円(同0.5%減))、セグメント利益(営業利益)は、売上高は横ばいにとどまる一方で、収益性の改善などにより、63億23百万円(同8.7%増)となった。
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d.ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
駅務システム事業や交通管制・道路管理システム事業の堅調な更新需要に対応して、顧客ニーズを踏まえたソリューション提案活動を実施した。これらの結果、当期の売上高は前期比で増加した。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、808億28百万円(前期比7.0%増)(うち外部顧客に対する売上高は、750億23百万円(同6.7%増))、セグメント利益(営業利益)は売上高の増加や収益性の改善により、57億63百万円(同19.5%増)となった。
(注)2018年10月における経営管理区分の見直しにより、「その他事業」傘下の一部を「社会システム事業」の
事業セグメントに含めて開示している。これに伴い、第81期および第82期第2四半期連結累計期間を新管
理区分に組み替えて表示している。
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e.ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
グローバルで血圧計の需要が堅調に推移したことに加え、中国、日本、米州を中心にオンラインチャネルでの販促強化などにより、売上は好調に推移した。これらの結果、当期の売上高は前期比で増加した。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、1,156億65百万円(前期比6.3%増)(うち外部顧客に対する売上高は、1,154億93百万円(同6.5%増))、セグメント利益(営業利益)は、成長のための研究開発投資を増加させる一方、売上高の増加と生産性向上により、130億33百万円(同16.3%増)となった。
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f.その他
その他のセグメントでは、新規事業の探索・育成と社内カンパニーに属さない事業の育成・強化を本社直轄事業として担当している。
環境事業は、蓄電システムの需要の拡大を受けて好調に推移した。
バックライト事業は、事業の最適化を進めたことにより低調に推移した。
これらの結果、当期の売上高は前期比で減少した。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、488億53百万円(前期比6.5%減)(うち外部顧客に対する売上高は、417億39百万円(同5.9%減))、環境事業の売上高の増加やバックライト事業の固定費最適化効果などにより、セグメント損失(営業損失)は4億73百万円(前期は11億58百万円の損失)となった。
(注)経営管理区分の見直しにより、第82期より、「その他事業」傘下の一部を「電子部品事業」の事業
セグメント等に含めて開示している。これに伴い、第81期を新管理区分に組み替えて表示している。また、2018年10月における経営管理区分の見直しにより、「その他事業」傘下の一部を「社会システム事業」の事業セグメントに含めて開示している。これに伴い、第81期および第82期第2四半期連結累計期間を新管理区分に組み替えて表示している。
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② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因およびキャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期純利益549億91百万円の計上や減価償却費304億59百万円の計上の一方で、売上の拡大に伴う運転資金の増加などにより支出増となり、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、712億45百万円の収入(前期比24億28百万円の収入減)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
生産能力の増強や将来に向けた成長投資の実行による資本的支出などにより、資本的支出は390億45百万円となった。その結果、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、349億57百万円の支出(前期比208億85百万円の支出減)となった。
なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの金額から投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリーキャッシュ・フローは、362億88百万円となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 配当金の支払や自己株式取得など株主還元施策を行ったことにより、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、407億83百万円の支出(前期比77億1百万円の支出増)となった。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ27億73百万円減少し、1,102億50百万円となった。将来の成長のため、積極的な投資や機動的な株主還元の実施により、さらなる資本効率の向上を図るとともに、株主資本比率は67.2%と健全な財務体質を維持して、資金需要に対する調達力を確保している。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
直近5連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりである。
回次第78期第79期第80期第81期第82期
決算年月2015年3月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月
株主資本比率(%)68.965.167.267.967.2
時価ベースの株主資本比率(%)165.6104.8149.7177.0141.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率0.00.00.00.00.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ310.5219.6487.0429.5165.2

(注)・株主資本比率:株主資本/総資産 ・時価ベースの株主資本比率:株式時価総額/総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算している。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式数を控除)により算出している。
3. 営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としている。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書中の「支払利息の支払額」を使用している。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額で示すことはしていない。
当連結会計年度における販売実績をオペレーティング・セグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
インダストリアルオートメーションビジネス391,82698.9
エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス99,70395.5
オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス130,47199.5
ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス75,023106.7
ヘルスケアビジネス115,493106.5
その他41,73994.1
消去調整他5,227101.0
合計859,48299.9

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 販売実績が総販売実績の100分の10以上となる相手先はないため、相手先別販売実績については記載を省略している。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
4 「その他」の販売実績は、環境事業、バックライト事業などの販売実績である。
5 「消去調整他」の販売実績は、オペレーティング・セグメントに該当しない子会社などが含まれる。
6 経営管理区分の見直しにより、第82期より「その他」傘下の一部を「エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス」の事業セグメントおよび「消去調整他」に含めて開示している。また、2018年10月における経営管理区分の見直しにより、「その他」傘下の一部を「ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス」の事業セグメントに含めて開示している。これに伴い、第81期を新管理区分に組み替えて表示している。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成している。連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合がある。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
中期経営計画「VG2.0」の2年目である当連結会計年度は、ヘルスケア事業、社会システム事業は堅調に業績を伸ばすことができたが、制御機器事業、電子部品事業、車載事業においては、年度後半から米中貿易摩擦の影響により事業環境が想定以上に停滞し、売上高は、前連結会計年度と比較して5億円(0.1%)減少して8,594億82百万円となった。
b.損益状況
売上総利益率は、全事業で付加価値の高い商品を顧客に提供したことに加えて、生産技術の革新などによる不断のコストダウン、生産ラインのさらなる自動化推進による生産性の向上などを図ったが、米中貿易摩擦による関税増加や為替影響などにより、前連結会計年度と比較して0.4ポイント下落し、41.2%となった。
販売費及び一般管理費は、主力の制御機器事業におけるセールスエンジニアの増員やITインフラの整備などを中心とした将来の成長を支える投資を計画通りに実行した結果、前連結会計年度と比較して72億2百万円(3.4%)増加して2,196億83百万円となった。
試験研究開発費は、制御機器事業など将来の成長に必要な投資を強化した一方で、必要な投資を厳選した結果、前連結会計年度と比較して13億円(2.2%)減少して577億77百万円となった。
その他費用―純額―は、固定資産売却益の発生などにより前連結会計年度と比較して16億86百万円(58.4%)減少して12億1百万円となった。
以上の結果、当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して88億36百万円(14.0%)減少して543億23百万円となった。
なお、当連結会計年度における対米ドル、対ユーロおよび対人民元の平均レートはそれぞれ110.7円(前期比0.5円の円高)、128.8円(前期比0.6円の円高)、16.5円(前期比0.2円の円高)であった。
<「VG2.0」6つの経営指標>下記に掲げる「VG2.0」で定めた6つの経営指標のうち、売上総利益率、ROIC、ROEの3つの経営指標については、2020年度目標を当連結会計年度において上回っている。
当連結会計年度2020年度目標
売上高8,595億円1兆円
売上総利益率41.2%41%以上
営業利益766億円1,000億円
ROIC10.6%10%以上
ROE10.8%10%以上
EPS260.8円300円以上

③ 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末に比べ、有形固定資産の増加などにより、49億26百万円増加して7,498億78百万円となった。また、負債の部は支払手形及び買掛金・未払金や未払費用が減少する一方で、退職給付引当金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ60億1百万円増加して2,435億67百万円となった。純資産の部は、当社株主に帰属する当期純利益の計上する一方で、自己株式の取得の実行などにより、前連結会計年度末に比べ10億75百万円減少して5,063億11百万円となった。株主資本比率は前連結会計年度末の67.9%から67.2%と0.7ポイント減少した。
以上の結果、デットエクイティレシオは、前連結会計年度の0.47から0.48となった。期末発行済株式総数に基づく1株当たり株主資本は、前連結会計年度の2,400円37銭から、2,455円24銭となった。
④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載している。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することを基本方針としている。
グループの資金は、本社および各エリア本社にて一括運用・調達を行うことにより、手元資金の効率的な運営を図っている。手元資金を上回る大型の投資案件を実行する場合には、金融機関からの借入や社債などの負債調達を基本に、調達規模や市場環境に応じて、柔軟に調達手段を選択していく。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は110,250百万円であり、重要な有利子負債残高はない。
また、支配権の変動や大幅な希薄化をもたらす資本政策については、投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)等への影響を十分に考慮した上で合理的な判断を行い、資金使途の内容と回収計画を取締役会において十分に審議のうえ決議するとともに、投資家・株主への説明を行う。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載している。

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