有価証券報告書-第83期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/24 13:02
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、期初からの米中貿易摩擦の影響により製造業の景況感が停滞したことに加え、第4四半期に新型コロナウイルス感染症の影響が拡大して、グローバルに厳しい状況となりました。このような環境のもと、当社グループの業績は、前期比で売上高と営業利益がともに減少しました。なお、売上総利益率は、生販開が一体となって継続的に推進してきた収益構造改革の効果により過去最高となり、稼ぐ力を着実に高めています。また、当期の当社株主に帰属する当期純利益は、2019年10月31日に車載事業の日本電産株式会社グループへの譲渡が完了したことによる売却益514億50百万円を計上した結果、前期比で大幅に増加しました。制御機器事業や電子部品事業においては、下半期にデジタル業界の一部に回復が見られたものの、自動車業界などの製造業の設備投資が低調に推移し、売上高・営業利益が前期比で減少しました。社会システム事業においては、国内の駅務・交通システムなどの更新需要が堅調に推移し、売上高・営業利益はともに前期比で大きく増加しました。ヘルスケア事業においては、国内や北米で需要が伸び悩み、売上高は前期比で減収となったものの営業利益は増益となりました。
売上高は6,779億80百万円(前期比7.5%減)となり、売上総利益率は44.8%(同0.4ポイント増)、営業利益は547億60百万円(同18.6%減)、継続事業からの法人税等、持分法投資損益控除前当期純利益は518億36百万円(同21.4%減)、当社株主に帰属する当期純利益は748億95百万円(同37.9%増)となりました。
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資産の部は、前連結会計年度末に比べ82億46百万円増加し7,581億24百万円、負債の部は前連結会計年度末に比べ180億32百万円減少して2,255億35百万円、純資産の部は前連結会計年度末に比べ262億78百万円増加し5,325億89百万円となりました。
オペレーティング・セグメントの業績は、次のとおりです。
オペレーティング・セグメント別連結売上高構成比
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a.インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
デジタル業界では、設備投資の需要が期初から低調に推移したものの、下半期には半導体関連で一部の投資が再開するなど回復の兆しが見られました。一方、自動車業界では世界的な新車販売台数の減少に伴い投資が抑制されたことなどにより、需要が低迷しました。これらに加えて、円高による為替の影響などもあり、売上高は前期比で大きく減少しました。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、3,578億82百万円(前期比10.1%減)(うち外部顧客に対する売上高は、3,527億62百万円(同10.0%減))、セグメント利益(営業利益)は、売上高の減少および為替の影響により535億95百万円(同14.8%減)となりました。
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b.エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス(電子部品事業)
中国では、輸出減少による設備投資の抑制や消費者の購買意欲の低下によって、家電や工作機械・車載などの需要が大きく減少しました。米州・欧州でも顧客の低調な景況感から需要が減少しました。これらに加えて、円高による為替の影響などにより、売上高は前期比で大きく減少しました。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、1,324億18百万円(前期比14.1%減)(うち外部顧客に対する売上高は、883億57百万円(同14.3%減))、セグメント利益(営業利益)は、外部顧客および当社グループ事業への売上高の減少に加えて、為替の影響により、9億18百万円(同88.8%減)となりました。
(注)車載事業を非継続事業に分類したことに伴い、第82期の「電子部品事業」の「セグメント間の内部売上」の一部を「外部顧客に対する売上高」に組み替えて表示しています。
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c.ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
駅務システム事業や交通管制・道路管理システム事業の堅調な更新需要に対応して、顧客ニーズを踏まえたソリューション提案活動を実施しました。これらの結果、当期の売上高は前期比で大きく増加しました。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、903億27百万円(前期比11.8%増)(うち外部顧客に対する売上高は、845億1百万円(同12.6%増))、セグメント利益(営業利益)は売上高の増加や収益性の改善により、81億80百万円(同41.9%増)となりました。
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d.ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
中国、欧州、アジアでの血圧計の需要は堅調に推移しました。一方、国内では消費税増税などにより需要が伸び悩み、北米では米中貿易摩擦による影響で需要が減少しました。また、第4四半期にはグローバルに新型コロナウイルス感染症の影響を受けました。これらに加えて、円高による為替の影響を受けて、売上高は前期比で減少しました。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、1,124億39百万円(前期比2.8%減)(うち外部顧客に対する売上高は、1,119億99百万円(同3.0%減))、セグメント利益(営業利益)は、為替の影響を受けながらも生産性向上と固定費の効率的な運用などにより、135億11百万円(同3.7%増)となりました。
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e.その他
その他のセグメントでは、新規事業の探索・育成と社内カンパニーに属さない事業の育成・強化を本社直轄事業として担当しています。
環境事業は、蓄電システムの需要の拡大を受けて好調に推移しました。
バックライト事業は構造改革の実行により売上高は前期比で大きく減少しました。
この結果、当セグメント合計の当連結会計年度の売上高は、404億43百万円(前期比17.2%減)(うち外部顧客に対する売上高は、364億28百万円(同12.7%減))、環境事業の売上高の増加やバックライト事業の構造改革の効果などにより、セグメント利益(営業利益)は6億70百万円(前期は4億73百万円の損失)となりました。
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② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因およびキャッシュ・フロー関連指標は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期純利益753億35百万円や減価償却費286億5百万円の計上、売上債権の減少や未払税金の増加などにより、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、897億87百万円の収入(前期比185億42百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
生産能力の増強や将来に向けた成長投資を実行する一方で、事業譲渡による収入があり、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、286億39百万円の収入(前期比635億96百万円の収入増)となりました。
なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加えたフリーキャッシュ・フローは、1,184億26百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いや自己株式の取得などにより、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、294億30百万円の支出(前期比113億53百万円の支出減)となりました。
以上の他、為替による増減の結果、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末から816億83百万円増加し、1,855億33百万円となりました。将来の成長のための投資や機動的な株主還元を実施する一方で、当期末の株主資本比率は70.0%となり、健全な財務体質を維持しています。また、格付け機関から高格付けを獲得しており、高い調達力を維持しています。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
直近5連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりです。
回次第79期第80期第81期第82期第83期
決算年月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月2020年3月
株主資本比率(%)65.167.267.967.270.0
時価ベースの株主資本比率(%)104.8149.7177.0141.9149.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率0.00.00.00.00.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ219.6487.0429.5165.2388.9

(注)・株主資本比率:株主資本/総資産 ・時価ベースの株主資本比率:株式時価総額/総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式数を控除)により算出しています。
3. 営業活動によるキャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書中の「支払利息の支払額」を使用しています。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額で示すことはしていません。
当連結会計年度における販売実績をオペレーティング・セグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
インダストリアルオートメーションビジネス352,76290.0
エレクトロニック&メカニカルコンポーネンツビジネス88,35785.7
ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス84,501112.6
ヘルスケアビジネス111,99997.0
その他36,42887.3
消去調整他3,93373.1
合計677,98092.5

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 販売実績が総販売実績の100分の10以上となる相手先はないため、相手先別販売実績については記載を省略しています。
3 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
4 「その他」の販売実績は、環境事業、バックライト事業などの販売実績です。
5 「消去調整他」の販売実績は、オペレーティング・セグメントに該当しない子会社などが含まれています。
6 「オートモーティブエレクトロニックコンポーネンツビジネス(車載事業)」を非継続事業に分類したことに伴い、前連結会計年度を非継続事業の金額を除いた継続事業の金額に組み替えて比較を行っています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は米国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 Ⅰ重要な会計方針の概要 F 会計処理基準」に記載しています。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
中期経営計画「VG2.0」の3年目である当連結会計年度は、社会システム事業は堅調に業績を伸ばすことができましたが、制御機器事業、電子部品事業、ヘルスケア事業においては、期初からの米中貿易摩擦の影響による事業環境の停滞に加え、第4四半期には新型コロナウイルス感染症の影響が拡大し、売上高は、前連結会計年度と比較して546億円(7.5%)減少して6,779億80百万円となりました。
b.損益状況
売上総利益率は、全事業で付加価値の高い商品を顧客に提供したことに加えて、生販開が一体となって継続的に推進してきた収益構造改革の効果により、前連結会計年度と比較して0.4ポイント上昇し、44.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、全社的に固定費のコントロールおよび削減に取り組んだ結果、前連結会計年度と比較して59億41百万円(2.8%)減少して2,029億54百万円となりました。
試験研究開発費は、将来の成長に向けた投資を強化した一方で、必要な投資を厳選した結果、前連結会計年度と比較して33億47百万円(6.8%)減少して459億88百万円となりました。
その他費用―純額―は、構造改革費用の発生などにより前連結会計年度と比較して15億82百万円(117.9%)増加して29億24百万円となりました。
また、2019年10月31日に車載事業の日本電産株式会社グループへの譲渡が完了したことによる売却益514億50百万円を計上しました。
以上の結果、当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して205億72百万円(37.9%)増加して748億95百万円となりました。
なお、当連結会計年度における対米ドル、対ユーロおよび対人民元の平均レートはそれぞれ109.1円(前期比1.6円の円高)、121.2円(前期比7.6円の円高)、15.7円(前期比0.8円の円高)となりました。
<「VG2.0」6つの経営指標>下記に掲げる「VG2.0」で定めた6つの経営指標のうち、売上総利益率、ROIC、ROE、EPSの4つの経営指標については、2020年度目標を当連結会計年度において上回っています。
当連結会計年度2020年度目標
売上高6,780億円1兆円
売上総利益率44.8%41%以上
営業利益548億円1,000億円
ROIC14.1%10%以上
ROE14.5%10%以上
EPS365.3円300円以上

③ 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末の資産の部は、AEC(車載事業)の譲渡を完了したことにより、売却予定資産が減少する一方で、現金及び現金同等物の増加やオペレーティング・リース使用権資産の計上などにより、前連結会計年度末に比べ82億46百万円増加して7,581億24百万円となりました。また、負債の部はオペレーティング・リース負債が増加しましたが、売却予定負債の減少、加えて、企業年金制度の改定により退職給付引当金が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ180億32百万円減少して2,255億35百万円となりました。純資産の部は、当社株主に帰属する当期純利益を計上する一方、自己株式の取得の実行などにより、前連結会計年度末に比べ262億78百万円増加して5,325億89百万円となりました。株主資本比率は前連結会計年度末の67.2%から70.0%と2.8ポイント増加しました。
以上の結果、デットエクイティレシオは、前連結会計年度の0.48から0.43となりました。期末発行済株式総数に基づく1株当たり株主資本は、前連結会計年度の2,455円24銭から、2,626円62銭となりました。
④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資本効率を高めつつ、事業運営に必要な流動性と多様な調達手段を確保することを基本方針としています。
グループの資金は、本社および各エリア本社にて一括運用・調達を行うことにより、手元資金の効率的な運営を図っています。手元資金を上回る大型の投資案件を実行する場合には、金融機関からの借入や社債などの負債調達を基本に、調達規模や市場環境に応じて、柔軟に調達手段を選択していきます。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は185,533百万円であり、加えて金融機関との間で300億円のコミットメントライン契約を締結しています。なお、重要な有利子負債残高はありません。
また、支配権の変動や大幅な希薄化をもたらす資本政策については、投下資本利益率(ROIC)、株主資本利益率(ROE)および1株当たり利益(EPS)等への影響を十分に考慮した上で合理的な判断を行い、資金使途の内容と回収計画を取締役会において十分に審議のうえ決議するとともに、投資家・株主への説明を行います。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しています。

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