有価証券報告書-第58期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大に始まりました。新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な中、経済活動が再開されましたが、再び全世界的に拡大し、北米やEMEA(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)では再びロックダウンが導入されました。その後、感染対策や復興に向けた政府支援などが進んでいますが、各国間や業種間で経済回復に差が生じ、引き続き不確実な状態が続いています。
このような経済環境のもと、当社グループの事業環境について概観いたしますと、映像関連市場において、シネマ分野では、全世界の映画館で休業が相次ぎ、第2四半期から徐々に再開が進むも、第3四半期では、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響により、北米やEMEAなどを中心に主要コンテンツの公開延期や映画館の再開時期後ろ倒し、再閉鎖・稼働時間縮小の動きが見られました。また一般映像分野では、各国のアミューズメントパークや商業施設などの映像関連施設において、臨時休業やイベント自粛が相次ぎ、第2四半期からアジアを中心に緩やかに回復傾向にあるものの、シネマ分野と同様に北米やEMEAにおいては再び大規模な行動制限や商業施設の再閉鎖など回復の動きが鈍化しました。また、全世界的にイベントの自粛も継続しました。このような事業環境から、映像関連市場全般で需要が大幅に減少しました。一方、半導体や電子デバイス市場においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響により、一部で装置据え付け及び立上げ作業の遅れが見られたものの、5Gの実用化やIoT・AIの活用進展により、半導体・電子デバイス市場の需要は拡大しました。フラットパネルディスプレイ市場では、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要にて、モバイルやモニター向けなどの液晶パネル需要の高まりにより、関連する生産設備の稼働が高水準で推移しました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は、2,902億7千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ153億7千万円増加いたしました。主な増加要因は、債権回収及び一時的な運転資金の借入による現金及び預金の増加、保有投資有価証券の含み益の増加による投資有価証券の増加であります。一方、主な減少要因は、売上高減少及び債権回収に伴う受取手形及び売掛金の減少であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、790億9千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億9千6百万円増加いたしました。主な増加要因は、保有投資有価証券の含み益の増加による繰延税金負債の増加、一時的な運転資金の借入による短期借入金の増加であります。一方、主な減少要因は、仕入高減少に伴う支払手形及び買掛金の減少であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,111億8千万円となり、前連結会計年度末に比べ104億7千4百万円増加いたしました。主な増加要因は、保有投資有価証券の含み益の増加によるその他有価証券評価差額金の増加であります。一方、主な減少要因は、配当支払及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことによる利益剰余金の減少であります。
b. 経営成績
当連結会計年度は、売上高は1,185億5千8百万円(前年同期比25.4%減)、営業利益は7億6千4百万円(前年同期比88.5%減)、経常利益は34億7百万円(前年同期比61.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は6億8千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益89億6千7百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較分析しております。
(光源事業)
光源事業の売上高は458億3千3百万円(前年同期比21.9%減)、セグメント利益は32億3千2百万円(前年同期比46.7%減)を計上いたしました。
放電ランプのうち、露光用UVランプについてはリプレイス需要が増加したものの、シネマプロジェクター用クセノンランプ及びハロゲンランプについては固体光源の採用増加や新型コロナウイルス感染拡大の影響により需要が大幅に減少し、光源事業全体の売上高は減少しました。
(光学装置事業)
光学装置事業の売上高は390億4千1百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は8億4千5百万円(前年同期はセグメント損失5億8千5百万円)を計上いたしました。
最先端ICパッケージ基板向け分割投影露光装置及びプリント基板向け直描式露光装置、またEUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の販売が増加したため、光学装置事業全体の売上高は増加しました。
(映像装置事業)
映像装置事業の売上高は310億6千3百万円(前年同期比49.0%減)、セグメント損失は34億9千1百万円(前年同期はセグメント利益9億3百万円)を計上いたしました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、デジタルシネマプロジェクターの販売が大幅に減少したため、映像装置事業全体の売上高は減少しました。
(その他事業)
新型コロナウイルスの影響により、各種成型機などを中心に投資延期などが相次ぎ、売上高は27億6千3百万円(前年同期比18.6%減)、セグメント利益は5千6百万円(前年同期比85.6%増)を計上いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ113億7千2百万円増加し704億1千8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、145億1千7百万円の収入(前連結会計年度は11億7千9百万円の収入)となりました。
この主な内訳は、減価償却費の発生69億8千8百万円及び売上債権の減少68億8千万円による収入と、仕入債務の減少24億4千6百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、34億1千8百万円の支出(前連結会計年度は43億9千4百万円の収入)となりました。
この主な内訳は、定期預金の払戻54億4千8百万円及び投資有価証券の売却及び償還52億5千5百万円による収入と、有形固定資産の取得63億4百万円、定期預金の預入68億1千9百万円及び投資有価証券の取得23億9千5百万円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、7億8千4百万円の支出(前連結会計年度は203億6千3百万円の支出)となりました。
この主な内訳は、長期借入による57億7千8百万円の収入と、長期借入金の返済65億6千4百万円及び配当金の支払31億4千1百万円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は販売価格にて算定しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、光学装置事業の生産実績に著しい変動がありました。これは主にIoT進展に伴う大容量かつ高速データ処理用データセンター向けサーバーの需要の増加によるものであります。
4.当連結会計年度において、映像装置事業の生産実績に著しい変動がありました。これは主に新型コロナウイルス感染拡大による世界各地での映画館休業、イベントの中止や延期及びアミューズメントパークなどの商業施設の臨時休業の影響によるものであります。
b. 受注実績
当社グループの生産は過去の販売実績及び市場調査による需要の予測並びに将来の予測等を考慮し、生産計画を設定し、これに基づいて勘案された見込生産であります。
c. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、光源事業及び映像装置事業の販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるものでありますが、その内容等については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 c.経営成績の分析」における各セグメント別の経営成績の分析に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当連結会計年度は、2020年7月に公表した中期経営計画で「基礎固めの再挑戦」と位置づけ、2022年度に向けて持続的成長に向けた収益構造の転換を図り、その中で経営方針を「自立型(個別最適)」から「連帯型(全体最適)」へと大きくシフトチェンジをしていくこととし、各事業領域における「攻める戦略」と「防ぐ戦略」を主軸に、全体最適を実現するための「束ねる戦略」を掲げてまいりました。しかし、当連結会計年度に発生した新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上高は、1,185億円(達成率91.2%)で期初目標を達成することができませんでした。
a. 防ぐ戦略
光源事業においては、既存事業で高い品質と競争力確保への取り組みを積極的に行いました。各市場におけるシェアを維持・拡大し安定した収益性を確保していくために、品質向上及び労働生産性向上を目的とした生産工場でのIT・ロボット化の取り組みを継続して進めるなどの原価低減を進めてまいりました。露光用UVランプにおいて、5Gの実用化やIoT・AIの活用進展などを背景に堅調に推移しました。加えて、巣ごもり需要によるモバイルやモニター向けなどの液晶パネル需要の高まりにより、生産設備の稼働が高水準で推移し、リプレイス需要が増加しました。また、環境衛生分野で抗ウイルス・除菌用紫外線技術Care222への需要が急速に高まり、量産投資を進め量産体制を構築し、販売を開始しました。一方で、シネマプロジェクター用及びデータプロジェクター用ランプ市場において、プロジェクター光源の固体光源(LD・LED)採用が想定以上に拡大していることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、ランプ需要が減少しました。その結果、当初の計画を下回り推移しました。
光学装置事業においては、高コスト体質による収益性の課題がありましたが、これを改善するために取り組んだ利益重視の施策(適正価格での受注や製品の標準化)や生産工程に見直し(ファブライト化やITなどを活用した生産改革)などの体質改善策が功を奏し、収益性は改善傾向にあります。また、最先端ICパッケージやEUVリソグラフィマスク検査用EUV光源などの需要増加を背景としたラインアップ強化や生産能力強化に取り組み、収益性の維持・改善が進みました。その結果、当初の計画を上回り推移しました。
映像装置事業においては、各種の構造改革施策を、計画よりも前倒しで実行し、固定費削減を進めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、映像装置の販売は低迷しました。その結果、映像装置事業は、当初の計画を下回り推移しました。
b. 攻める戦略
攻める戦略では、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の事業化を着実に進展させ、環境衛生分野における紫外線を使った抗ウイルス・除菌用紫外線技術Care222の新規事業の立ち上げを行いました。
他にも、成分検査装置、Organs on Chip、感染予防ソリューションの3つに事業を絞り、数年先の黒字化を目指し、積極的な投資等による推進を強化しております。
c. 経営成績の分析
当連結会計年度は、新しい中期経営計画1年目にあたります。1年目は新型コロナウイルス感染症拡大による影響を大きく受け、その後の回復を目指しましたが、影響が想定より長引き、売上高では計画値を下回り推移しましたが、固定費を中心とした経費削減を積極的に進めたことにより営業利益では計画値を上回り推移しました。
なお、当連結会計年度の新型コロナウイルス感染症による当社グループへの業績影響は、売上総利益ベースで156億円のマイナス影響となり、主に光源事業のシネマプロジェクター用クセノンランプ、映像装置事業の業績に影響しました。
セグメント別の影響は以下の通りです。
(光源事業)
[放電ランプ]
露光用UVランプについては、半導体・電子デバイス向け需要は、5Gの実用化やIoT・AIの活用進展などを背景に堅調に推移しました。加えて、フラットパネルディスプレイ市場でのモバイルやモニター向けなどの液晶パネル需要の高まりにより、生産設備の稼働が高水準で推移し、リプレイス需要が増加しました。一方、シネマプロジェクター用クセノンランプについては、プロジェクターにおける固体光源(LD・LED)の採用増加に伴うランプ需要の減少に加え、新型コロナウイルスの影響により全世界の映画館で休業が相次ぎ、その後映画館再開の動きも、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響により回復が鈍化・想定以上に遅れたため、リプレイス需要が大幅に減少しました。また、データプロジェクター用ランプについても、プロジェクターにおいて固体光源の採用が加速していることに加え、新型コロナウイルスの影響によるプロジェクター需要減少もあり、需要が減少しました。
[ハロゲンランプ]
OA用途においては、ペーパーレス化の動きに加え、新型コロナウイルスの影響による企業設備向けOA機器の需要減少もあり、ランプ需要が減少しました。
(光学装置事業)
5Gの実用化やIoT・AI進展に伴うデータセンター向けサーバー需要の高まりから、最先端ICパッケージ基板向け分割投影露光装置及びプリント基板向け直描式露光装置の販売が増加しました。また、EUVリソグラフィ技術進展による次世代半導体の量産ニーズの高まりにより、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の販売が増加しました。一方、液晶関連装置においては、大型投資が一巡したことにより販売が減少しました。
(映像装置事業)
シネマ分野では、市場全体で固体光源を搭載したプロジェクターニーズの高まりにより、前期にRGBレーザープロジェクターを市場投入し販売が拡大しました。しかし、今期に入り、新型コロナウイルスの影響による全世界での映画館休業が相次ぎ、その影響が長期化したため、シネマチェーンの経営状況悪化や先行きの不透明さによる投資意欲減退・抑制につながり、デジタルシネマプロジェクターの販売が大幅に減少し、前年同期比で減収となりました。また、一般映像分野においても、新型コロナウイルスの影響拡大によるアミューズメントパークなどの商業施設の臨時休業や、イベントの自粛(延期・キャンセル)が相次ぎ、アジアを中心に緩やかに再開しているものの、新型コロナウイルス再拡大の影響から、全般的に投資の抑制や後ろ倒しが生じ、プロジェクターの販売が大幅に減少しました。
(その他事業)
新型コロナウイルスの影響により、各種成型機などを中心に投資延期などが相次ぎました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 財務・資本政策の基本的な方針
当社グループは、財務の健全性・安定性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元のバランスを追及するとともに、企業価値向上のために経営資源を適切に配分することを財務戦略の基本方針としております。
株主還元については、株主の皆様に対する利益還元が企業として最重要課題の一つであることを常に認識し、安定的な配当の実施に加え、キャッシュ・フローの状況等を勘案しながら自己株式の取得を行っております。なお、自己株式については、保有上限を発行済株式総数の5%を目途とし、その部分を上回る自己株式については毎期消却することを基本方針としております。
b. 資金需要及び資金調達について
当社グループの資金需要として、原材料、商品等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、設備投資、研究開発及びM&Aのための資金や配当支払等を見込んでおります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は基本的に自己資金によって賄い、設備投資やM&A等の長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入も活用しております。なお、当連結会計年度末における借入金の残高は246億3千4百万円となっております。
当社グループは当連結会計年度末において現金及び現金同等物704億1千8百万円を保有しており、また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りが必要とされますが、これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点での見積りと異なることも考えられます。
当社グループにおける連結財務諸表作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
a. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
b. 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得の見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
c. 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算されております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大に始まりました。新型コロナウイルス感染症の収束が不透明な中、経済活動が再開されましたが、再び全世界的に拡大し、北米やEMEA(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)では再びロックダウンが導入されました。その後、感染対策や復興に向けた政府支援などが進んでいますが、各国間や業種間で経済回復に差が生じ、引き続き不確実な状態が続いています。
このような経済環境のもと、当社グループの事業環境について概観いたしますと、映像関連市場において、シネマ分野では、全世界の映画館で休業が相次ぎ、第2四半期から徐々に再開が進むも、第3四半期では、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響により、北米やEMEAなどを中心に主要コンテンツの公開延期や映画館の再開時期後ろ倒し、再閉鎖・稼働時間縮小の動きが見られました。また一般映像分野では、各国のアミューズメントパークや商業施設などの映像関連施設において、臨時休業やイベント自粛が相次ぎ、第2四半期からアジアを中心に緩やかに回復傾向にあるものの、シネマ分野と同様に北米やEMEAにおいては再び大規模な行動制限や商業施設の再閉鎖など回復の動きが鈍化しました。また、全世界的にイベントの自粛も継続しました。このような事業環境から、映像関連市場全般で需要が大幅に減少しました。一方、半導体や電子デバイス市場においては、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響により、一部で装置据え付け及び立上げ作業の遅れが見られたものの、5Gの実用化やIoT・AIの活用進展により、半導体・電子デバイス市場の需要は拡大しました。フラットパネルディスプレイ市場では、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要にて、モバイルやモニター向けなどの液晶パネル需要の高まりにより、関連する生産設備の稼働が高水準で推移しました。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は、2,902億7千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ153億7千万円増加いたしました。主な増加要因は、債権回収及び一時的な運転資金の借入による現金及び預金の増加、保有投資有価証券の含み益の増加による投資有価証券の増加であります。一方、主な減少要因は、売上高減少及び債権回収に伴う受取手形及び売掛金の減少であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、790億9千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億9千6百万円増加いたしました。主な増加要因は、保有投資有価証券の含み益の増加による繰延税金負債の増加、一時的な運転資金の借入による短期借入金の増加であります。一方、主な減少要因は、仕入高減少に伴う支払手形及び買掛金の減少であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,111億8千万円となり、前連結会計年度末に比べ104億7千4百万円増加いたしました。主な増加要因は、保有投資有価証券の含み益の増加によるその他有価証券評価差額金の増加であります。一方、主な減少要因は、配当支払及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことによる利益剰余金の減少であります。
b. 経営成績
当連結会計年度は、売上高は1,185億5千8百万円(前年同期比25.4%減)、営業利益は7億6千4百万円(前年同期比88.5%減)、経常利益は34億7百万円(前年同期比61.0%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は6億8千7百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益89億6千7百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較分析しております。
(光源事業)
光源事業の売上高は458億3千3百万円(前年同期比21.9%減)、セグメント利益は32億3千2百万円(前年同期比46.7%減)を計上いたしました。
放電ランプのうち、露光用UVランプについてはリプレイス需要が増加したものの、シネマプロジェクター用クセノンランプ及びハロゲンランプについては固体光源の採用増加や新型コロナウイルス感染拡大の影響により需要が大幅に減少し、光源事業全体の売上高は減少しました。
(光学装置事業)
光学装置事業の売上高は390億4千1百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は8億4千5百万円(前年同期はセグメント損失5億8千5百万円)を計上いたしました。
最先端ICパッケージ基板向け分割投影露光装置及びプリント基板向け直描式露光装置、またEUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の販売が増加したため、光学装置事業全体の売上高は増加しました。
(映像装置事業)
映像装置事業の売上高は310億6千3百万円(前年同期比49.0%減)、セグメント損失は34億9千1百万円(前年同期はセグメント利益9億3百万円)を計上いたしました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、デジタルシネマプロジェクターの販売が大幅に減少したため、映像装置事業全体の売上高は減少しました。
(その他事業)
新型コロナウイルスの影響により、各種成型機などを中心に投資延期などが相次ぎ、売上高は27億6千3百万円(前年同期比18.6%減)、セグメント利益は5千6百万円(前年同期比85.6%増)を計上いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ113億7千2百万円増加し704億1千8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、145億1千7百万円の収入(前連結会計年度は11億7千9百万円の収入)となりました。
この主な内訳は、減価償却費の発生69億8千8百万円及び売上債権の減少68億8千万円による収入と、仕入債務の減少24億4千6百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、34億1千8百万円の支出(前連結会計年度は43億9千4百万円の収入)となりました。
この主な内訳は、定期預金の払戻54億4千8百万円及び投資有価証券の売却及び償還52億5千5百万円による収入と、有形固定資産の取得63億4百万円、定期預金の預入68億1千9百万円及び投資有価証券の取得23億9千5百万円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、7億8千4百万円の支出(前連結会計年度は203億6千3百万円の支出)となりました。
この主な内訳は、長期借入による57億7千8百万円の収入と、長期借入金の返済65億6千4百万円及び配当金の支払31億4千1百万円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 光源事業(百万円) | 44,055 | 91.1 |
| 光学装置事業(百万円) | 45,264 | 135.1 |
| 映像装置事業(百万円) | 18,369 | 43.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 107,689 | 87.0 |
| その他(百万円) | - | - |
| 合計(百万円) | 107,689 | 87.0 |
(注)1.上記金額は販売価格にて算定しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、光学装置事業の生産実績に著しい変動がありました。これは主にIoT進展に伴う大容量かつ高速データ処理用データセンター向けサーバーの需要の増加によるものであります。
4.当連結会計年度において、映像装置事業の生産実績に著しい変動がありました。これは主に新型コロナウイルス感染拡大による世界各地での映画館休業、イベントの中止や延期及びアミューズメントパークなどの商業施設の臨時休業の影響によるものであります。
b. 受注実績
当社グループの生産は過去の販売実績及び市場調査による需要の予測並びに将来の予測等を考慮し、生産計画を設定し、これに基づいて勘案された見込生産であります。
c. 販売実績
販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 光源事業(百万円) | 45,774 | 78.1 |
| 光学装置事業(百万円) | 38,999 | 107.8 |
| 映像装置事業(百万円) | 31,052 | 51.0 |
| 報告セグメント計(百万円) | 115,826 | 74.4 |
| その他(百万円) | 2,732 | 81.2 |
| 合計(百万円) | 118,558 | 74.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、光源事業及び映像装置事業の販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるものでありますが、その内容等については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 c.経営成績の分析」における各セグメント別の経営成績の分析に記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当連結会計年度は、2020年7月に公表した中期経営計画で「基礎固めの再挑戦」と位置づけ、2022年度に向けて持続的成長に向けた収益構造の転換を図り、その中で経営方針を「自立型(個別最適)」から「連帯型(全体最適)」へと大きくシフトチェンジをしていくこととし、各事業領域における「攻める戦略」と「防ぐ戦略」を主軸に、全体最適を実現するための「束ねる戦略」を掲げてまいりました。しかし、当連結会計年度に発生した新型コロナウイルス感染拡大の影響により売上高は、1,185億円(達成率91.2%)で期初目標を達成することができませんでした。
a. 防ぐ戦略
光源事業においては、既存事業で高い品質と競争力確保への取り組みを積極的に行いました。各市場におけるシェアを維持・拡大し安定した収益性を確保していくために、品質向上及び労働生産性向上を目的とした生産工場でのIT・ロボット化の取り組みを継続して進めるなどの原価低減を進めてまいりました。露光用UVランプにおいて、5Gの実用化やIoT・AIの活用進展などを背景に堅調に推移しました。加えて、巣ごもり需要によるモバイルやモニター向けなどの液晶パネル需要の高まりにより、生産設備の稼働が高水準で推移し、リプレイス需要が増加しました。また、環境衛生分野で抗ウイルス・除菌用紫外線技術Care222への需要が急速に高まり、量産投資を進め量産体制を構築し、販売を開始しました。一方で、シネマプロジェクター用及びデータプロジェクター用ランプ市場において、プロジェクター光源の固体光源(LD・LED)採用が想定以上に拡大していることに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、ランプ需要が減少しました。その結果、当初の計画を下回り推移しました。
光学装置事業においては、高コスト体質による収益性の課題がありましたが、これを改善するために取り組んだ利益重視の施策(適正価格での受注や製品の標準化)や生産工程に見直し(ファブライト化やITなどを活用した生産改革)などの体質改善策が功を奏し、収益性は改善傾向にあります。また、最先端ICパッケージやEUVリソグラフィマスク検査用EUV光源などの需要増加を背景としたラインアップ強化や生産能力強化に取り組み、収益性の維持・改善が進みました。その結果、当初の計画を上回り推移しました。
映像装置事業においては、各種の構造改革施策を、計画よりも前倒しで実行し、固定費削減を進めました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、映像装置の販売は低迷しました。その結果、映像装置事業は、当初の計画を下回り推移しました。
b. 攻める戦略
攻める戦略では、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の事業化を着実に進展させ、環境衛生分野における紫外線を使った抗ウイルス・除菌用紫外線技術Care222の新規事業の立ち上げを行いました。
他にも、成分検査装置、Organs on Chip、感染予防ソリューションの3つに事業を絞り、数年先の黒字化を目指し、積極的な投資等による推進を強化しております。
c. 経営成績の分析
当連結会計年度は、新しい中期経営計画1年目にあたります。1年目は新型コロナウイルス感染症拡大による影響を大きく受け、その後の回復を目指しましたが、影響が想定より長引き、売上高では計画値を下回り推移しましたが、固定費を中心とした経費削減を積極的に進めたことにより営業利益では計画値を上回り推移しました。
なお、当連結会計年度の新型コロナウイルス感染症による当社グループへの業績影響は、売上総利益ベースで156億円のマイナス影響となり、主に光源事業のシネマプロジェクター用クセノンランプ、映像装置事業の業績に影響しました。
セグメント別の影響は以下の通りです。
(光源事業)
[放電ランプ]
露光用UVランプについては、半導体・電子デバイス向け需要は、5Gの実用化やIoT・AIの活用進展などを背景に堅調に推移しました。加えて、フラットパネルディスプレイ市場でのモバイルやモニター向けなどの液晶パネル需要の高まりにより、生産設備の稼働が高水準で推移し、リプレイス需要が増加しました。一方、シネマプロジェクター用クセノンランプについては、プロジェクターにおける固体光源(LD・LED)の採用増加に伴うランプ需要の減少に加え、新型コロナウイルスの影響により全世界の映画館で休業が相次ぎ、その後映画館再開の動きも、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響により回復が鈍化・想定以上に遅れたため、リプレイス需要が大幅に減少しました。また、データプロジェクター用ランプについても、プロジェクターにおいて固体光源の採用が加速していることに加え、新型コロナウイルスの影響によるプロジェクター需要減少もあり、需要が減少しました。
[ハロゲンランプ]
OA用途においては、ペーパーレス化の動きに加え、新型コロナウイルスの影響による企業設備向けOA機器の需要減少もあり、ランプ需要が減少しました。
(光学装置事業)
5Gの実用化やIoT・AI進展に伴うデータセンター向けサーバー需要の高まりから、最先端ICパッケージ基板向け分割投影露光装置及びプリント基板向け直描式露光装置の販売が増加しました。また、EUVリソグラフィ技術進展による次世代半導体の量産ニーズの高まりにより、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の販売が増加しました。一方、液晶関連装置においては、大型投資が一巡したことにより販売が減少しました。
(映像装置事業)
シネマ分野では、市場全体で固体光源を搭載したプロジェクターニーズの高まりにより、前期にRGBレーザープロジェクターを市場投入し販売が拡大しました。しかし、今期に入り、新型コロナウイルスの影響による全世界での映画館休業が相次ぎ、その影響が長期化したため、シネマチェーンの経営状況悪化や先行きの不透明さによる投資意欲減退・抑制につながり、デジタルシネマプロジェクターの販売が大幅に減少し、前年同期比で減収となりました。また、一般映像分野においても、新型コロナウイルスの影響拡大によるアミューズメントパークなどの商業施設の臨時休業や、イベントの自粛(延期・キャンセル)が相次ぎ、アジアを中心に緩やかに再開しているものの、新型コロナウイルス再拡大の影響から、全般的に投資の抑制や後ろ倒しが生じ、プロジェクターの販売が大幅に減少しました。
(その他事業)
新型コロナウイルスの影響により、各種成型機などを中心に投資延期などが相次ぎました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. 財務・資本政策の基本的な方針
当社グループは、財務の健全性・安定性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元のバランスを追及するとともに、企業価値向上のために経営資源を適切に配分することを財務戦略の基本方針としております。
株主還元については、株主の皆様に対する利益還元が企業として最重要課題の一つであることを常に認識し、安定的な配当の実施に加え、キャッシュ・フローの状況等を勘案しながら自己株式の取得を行っております。なお、自己株式については、保有上限を発行済株式総数の5%を目途とし、その部分を上回る自己株式については毎期消却することを基本方針としております。
b. 資金需要及び資金調達について
当社グループの資金需要として、原材料、商品等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、設備投資、研究開発及びM&Aのための資金や配当支払等を見込んでおります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は基本的に自己資金によって賄い、設備投資やM&A等の長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入も活用しております。なお、当連結会計年度末における借入金の残高は246億3千4百万円となっております。
当社グループは当連結会計年度末において現金及び現金同等物704億1千8百万円を保有しており、また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りが必要とされますが、これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点での見積りと異なることも考えられます。
当社グループにおける連結財務諸表作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
a. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
b. 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、課税所得の見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
c. 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算されております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。