有価証券報告書-第61期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 15:37
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの事業環境は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化の影響によるエネルギー・原材料価格の上昇、欧米でのインフレ進行に伴う政策金利の引き上げの継続、中国での不動産開発投資に始まる内外需要の低迷による景気の減速など世界的な不況感が継続しており、先行き不透明な状況が続いています。
このような環境のもと、半導体・電子デバイス・プリント基板市場においては、世界的にパソコンやスマートフォンなどの最終需要に回復の兆しが見え始めているものの、足元で関連する設備投資の抑制や稼働の低調が継続しています。また、関連する最先端ICパッケージ基板市場においても、最終製品の需要低迷が続いており、一時的な設備投資の抑制が発生するなど、引き続き注視が必要な状況です。一方で、5Gの実用化やIoT・AI活用が進展し、関連する需要の中長期での拡大が期待されます。フラットパネルディスプレイ市場においては、巣ごもり需要が一巡し、液晶パネルメーカー各社の稼働の低調が継続しています。映像関連市場においては、世界全域でコロナ禍からの正常化に向けた経済活動再開により映画館の稼働や設備投資の回復が進みました。また、一般映像機器市場においても、イベント等の回復に伴い、堅調な市況が継続しています。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は、3,375億4千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ139億2千3百万円増加いたしました。主な増加要因は、一部光学装置の売上時期後倒しによる棚卸資産の増加であります。一方、主な減少要因は、減損損失の計上による有形固定資産の減少であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、1,005億7千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ210億5千4百万円増加いたしました。主な増加要因は、配当支払や自己株式購入等の資金需要による長期借入金の増加であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,369億7千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億3千万円減少いたしました。主な増加要因は、当連結会計年度末にかけて円安が進行したことによる為替換算調整勘定の増加及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加であります。一方、主な減少要因は、配当支払及び自己株式消却による利益剰余金の減少であります。
b.経営成績
当連結会計年度は、売上高は1,794億2千万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は129億7千6百万円(前年同期比18.2%減)、経常利益は160億8千8百万円(前年同期比20.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は107億8千5百万円(前年同期比21.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しており、前年同期の比較及び分析は、変更後の区分に基づいて記載しております。
(Industrial Process事業)
[露光用ランプ]
巣ごもり需要の一巡により液晶パネルメーカー各社で生産調整が継続し、液晶パネル向けで販売が低調に推移しました。一方で、パソコンやスマートフォンなどの最終需要が徐々に回復基調となり、半導体や電子デバイス向けで稼働が堅調に推移し販売が増加したことや円安による為替効果もあり、増収となりました。
[OA用ランプ]
需要は堅調であるものの、前期のセットメーカーでの部材不足緩和による需要増加の反動により、ランプの販売が減少し、減収となりました。
[光学機器用ランプ]
液晶パネルメーカー各社の生産調整が継続しているため、主に液晶パネル向け光源の販売が減少し、減収となりました。
[光学装置(露光装置)]
5Gの実用化やIoT・AIの進展に伴うデータセンター向けサーバー需要等の高まりは継続しているものの、半導体市況悪化長期化の影響により、設備投資の抑制が発生したため、関連する最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置及び直描式露光装置の販売が減少し、減収となりました。
[光学装置(その他)]
主に、巣ごもり需要の一巡により、液晶パネル向けの設備投資が減速したことにより、関連する装置の販売が減少し、減収となりました。
なお、利益面では、減収に加え、光学装置を中心とした将来に向けた戦略投資(R&D等)を拡大したこと及び光学装置や光学機器用ランプなどの付加価値の高い製品の販売が減少したことで利益率が低下し、減益となりました。
以上の結果、Industrial Process事業の売上高は821億3千1百万円(前年同期比8.2%減)、セグメント利益は108億7千6百万円(前年同期比40.4%減)を計上いたしました。
(Visual Imaging事業)
[プロジェクター用ランプ]
コロナ禍からの回復に伴う映画館の稼働改善によりシネマプロジェクター用クセノンランプの需要は堅調に推移したものの、一般映像向けプロジェクター用ランプにおいて、固体光源化が進んだ影響により販売が減少し、減収となりました。
[映像装置(シネマ)]
前期に発生した部材不足の解消が進み、映画館におけるプロジェクターの置き換え需要を取り込んだことでデジタルシネマプロジェクターの販売が増加しました。また、円安による為替効果もあり、増収となりました。
[映像装置(一般映像)]
イベント等を中心とした高度な映像演出ニーズの高まりが継続し、需要が堅調に推移したほか、第2四半期連結会計期間における大型案件の検収や円安による為替効果もあり、増収となりました。
なお、利益面では、増収に加え、映像関連機器において前期に発生した部材コスト高騰の影響緩和により、部材価格が正常化し仕入原価の改善が進んだこと及び一般映像向けハイエンド機種の販売割合が増加したことで利益率の改善が進み、増益となりました
以上の結果、Visual Imaging事業の売上高は805億5千7百万円(前年同期比16.9%増)、セグメント利益は58億8千7百万円(前年同期比69.5%増)を計上いたしました。
(Life Science事業)
主に環境衛生向け光源の販売が減少し、減収となりました。一方、前期において計上した棚卸資産評価損が減少したこと及び環境衛生向け事業の戦略見直しによる投資抑制を行ったことにより、増益となりました。
以上の結果、Life Science事業の売上高は52億1千5百万円(前年同期比7.2%減)、セグメント損失は23億2千9百万円(前年同期はセグメント損失51億3千5百万円)を計上いたしました。
(Photonics Solution事業)
レーザーモジュール等の販売増加及び事業譲受による売上高増加の効果により、増収となりました。一方で、事業譲受による販管費の増加や開発費の増加により、減益となりました。
以上の結果、Photonics Solution事業の売上高は102億5千万円(前年同期比10.7%増)、セグメント損失は15億1千3百万円(前年同期はセグメント損失2億9千3百万円)を計上いたしました。
(その他事業)
客先製造ラインの稼働低下に伴い、点灯装置の販売が減少しました。
以上の結果、その他事業の売上高は13億2千7百万円(前年同期比25.2%減)、セグメント利益は1億3千6百万円(前年同期はセグメント損失3億9千4百万円)を計上いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ49億8千2百万円増加し624億9千8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、89億6千6百万円の収入(前連結会計年度は8億7千1百万円の収入)となりました。
この主な内訳は、税金等調整前当期純利益の計上156億8千1百万円、減価償却費の発生83億2千5百万円及び減損損失の発生71億7千1百万円による収入と、投資有価証券売却損益の発生69億8千7百万円、棚卸資産の増加30億円、仕入債務の減少56億9千8百万円及び法人税等の支払59億4百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、53億9千4百万円の収入(前連結会計年度は11億7千5百万円の支出)となりました。
この主な内訳は、定期預金の払戻124億5千3百万円及び投資有価証券の売却及び償還98億9千8百万円による収入と、定期預金の預入81億8千8百万円及び有形固定資産の取得79億3千6百万円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、134億8千9百万円の支出(前連結会計年度は268億1千1百万円の支出)となりました。
この主な内訳は、長期借入れ250億円による収入と、自己株式の取得306億5千4百万円及び配当金の支払58億9千1百万円の支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
Industrial Process事業(百万円)80,35286.6
Visual Imaging事業(百万円)57,282120.6
Life Science事業(百万円)3,252130.0
Photonics Solution事業(百万円)9,551100.2
報告セグメント計(百万円)150,43998.8
その他(百万円)98491.6
合計(百万円)151,42398.8

(注)上記金額は販売価格にて算定しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループの生産は過去の販売実績及び市場調査による需要の予測並びに将来の予測等を考慮し、生産計画を設定し、これに基づいて勘案された見込生産であります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
Industrial Process事業(百万円)82,12491.8
Visual Imaging事業(百万円)80,534116.9
Life Science事業(百万円)5,21292.8
Photonics Solution事業(百万円)10,243110.6
報告セグメント計(百万円)178,115102.8
その他(百万円)1,30574.5
合計(百万円)179,420102.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 第2次中期経営計画の振り返り
2030年のありたい姿の実現に向け、2020年7月に公表した第1次中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)では目標を達成し、2023年5月に公表した第2次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)では、1年目となる2023年度は期初計画に対し、特に半導体市況悪化の影響により、売上高は未達となったものの、経費効率の改善や円安による為替効果もあり、営業利益は達成することができました。ただし、半導体の市況悪化の影響が長期化するなどの事業環境の変化が生じ、第2次中期経営計画の再検証を行った結果、最終年度である2025年度の売上高、営業利益目標が未達となる見通しとなりました。
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このような状況を踏まえ、改めて第2次中期経営計画の見通し修正に至った要因を分析し、外部要因として「半導体製造装置の市場動向の変化とPCパッケージ基板市場の急減速」、内部要因として「成長事業における主要顧客層への依存」「EUV競争環境変化」「不採算事業の影響」を認識しました。一方で、将来のプラス要因として、2023年12月に発表した「アプライドマテリアルズ社との業務提携」を認識しました。これらの分析結果を踏まえて見出された戦略重点分野の更なる強化を図るべく、「事業ポートフォリオの変革」を推し進めるとともに計画の厳格なモニタリングを行うことでより実現可能性の高い企業価値向上シナリオとした新成長戦略「Revive Vision 2030」を策定し、公表を行いました。
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なお、新成長戦略の詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)新成長戦略」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務・資本政策の基本的な方針
当社グループは、財務の健全性・安定性、資本効率の向上、安定的・継続的な株主還元のバランスを追求するとともに、企業価値向上のために経営資源を適切に配分することを財務戦略の基本方針としております。
株主還元については、株主の皆様に対する利益還元が企業として最重要課題の一つであることを常に認識し、安定的な配当の実施に加え、資本効率、業績、キャッシュ・フローの状況等を勘案しながら自己株式の取得を行っております。なお、自己株式については、保有上限を発行済株式総数の5%を目途とし、その部分を上回る自己株式については毎期消却することを基本方針としております。
b.資金需要及び資金調達について
当社グループの資金需要として、原材料、商品等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用に加え、設備投資、研究開発及びM&Aのための資金や配当支払、自己株式の取得等を見込んでおります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は基本的に自己資金によって賄い、設備投資やM&A等の長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入も活用しております。なお、当連結会計年度末における借入金の残高は288億6千5百万円となっております。
当社グループは当連結会計年度末において現金及び現金同等物624億9千8百万円を保有しており、また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りが必要とされますが、これらの見積りについては、過去の実績、現在の状況に応じ合理的な根拠を有した仮定や基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点での見積りと異なることも考えられます。
当社グループにおける連結財務諸表作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
a.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、課税主体ごとに将来の課税所得又は税金等調整前損益を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は主に将来の課税所得又は税金等調整前損益の見積りに依存するため、これらの見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
c.退職給付債務及び退職給付費用
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算されております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

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