有価証券報告書-第72期(2023/01/01-2023/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高止まり、各国の金融引き締めに伴う景気の減速見通しや不安定な為替相場など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。一方で、脱炭素化に向けた世界的な流れは持続しており、各国政府による方針を受けて企業の設備投資の拡大が引き続き期待されております。今後、自動車の電動化が加速すると同時に電源の高性能化(高効率化・小型化・軽量化)が求められるようになると見込まれており、バッテリー、デバイス、エネルギーといった市場においては、設備投資環境が中長期的に堅調に推移すると予測しております。
当連結会計年度におきましては、脱炭素化に向けた世界各国の取り組みを受け、受注高は前連結会計年度の実績を上回りました。市場別では、デバイス市場においては期初から日本や台湾において需要の落ち込みが見られ、バッテリー市場においては下期以降、中国の需要が落ち込みました。一方で、エネルギー市場関連の計測器需要が幅広い地域で引き続き高い状態で推移し、全体を牽引いたしました。顧客の所在地別では、アジア地域において主として中国での計測器需要が弱く、当該地域の受注高は前連結会計年度の実績を下回りましたが、その他の地域では伸長いたしました。
また、部品欠品による一部製品の出荷停止状況の解消、本社工場における増床・増築による生産能力強化により、3期連続で連結売上高は過去最高となりました。為替相場が円安に推移したことも、増収増益要因となっております。
開発面では、新しい社会を顧客と協創する関係を構築するため、2023年4月に稼働を開始した協創ラボラトリーにおいて、顧客とともに課題解決に取り組み、マーケットの観点での製品企画を進めてまいりました。
生産面では、重点市場を含む顧客への供給責任を果たすことを最優先に部品を調達したことに加え、多くの部品の価格が高騰したことから、原材料を中心に棚卸資産の残高が高い水準で推移しております。この現状を踏まえ、当社は棚卸資産の残高を適正な水準とするための取り組みを全社一丸となって継続して進めてまいりました。また、さらなる生産能力増強のため、本社工場から約2kmに立地する土地建物の売買契約を当連結会計年度に締結いたしました。2024年7月中旬の稼働に向け、環境整備工事を進めております。
販売面では、成長著しいインドネシア市場の深耕強化を目的に、当社の孫会社にあたるインドネシア販売会社を当社の子会社といたしました。また、重要市場及び重点顧客の深耕、新規顧客の開拓を目的に当社の国内営業組織及び中国販売子会社における営業組織の再編に取り組んでまいりました。
利益面では、顧客への供給責任を果たすことを最優先に様々なルートで市価を上回る価格で部品を調達したこと及び多くの部品の価格高騰により、売上原価が押し上げられております。一方で、為替相場が当初の想定に比べ円安に推移し売上高が増加したことは、増益要因となりました。
以上により、当連結会計年度における業績は、売上高391億54百万円(前連結会計年度比13.9%増)、営業利益79億55百万円(同12.5%増)、経常利益82億36百万円(同13.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益63億29百万円(同18.7%増)になりました。
当社グループの目標とする経営指標のうち「売上高営業利益率20%」及び「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」につきましては、当連結会計年度において目標を達成いたしました。また、「海外売上高比率70%以上」につきましては、当連結会計年度の実績は63.3%になりました。
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金、建設仮勘定が増加したため、前連結会計年度末と比較して46億44百万円増加し、452億50百万円になりました。
負債は、未払費用が減少いたしましたが、賞与引当金が増加したため、前連結会計年度末と比較して3億1百万円増加し、81億28百万円になりました。
純資産は、利益剰余金が増加したため、前連結会計年度末と比較して43億43百万円増加し、371億22百万円になりました。
なお、当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して29億8百万円増加し、147億45百万円になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、84億38百万円の収入(前連結会計年度比579.7%増)になりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益82億33百万円及び賞与引当金の増加額28億88百万円であります。主な減少要因は、未払費用の減少額25億53百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、33億53百万円の支出(同127.4%増)になりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、23億20百万円の支出(同5.5%減)になりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
よって、生産実績及び受注実績につきましては製品の分類別情報を、販売実績につきましては製品の分類別情報及び顧客の所在地別情報を記載しております。
a. 生産実績
(注)金額は売価換算価額で表示しております。
b. 受注実績
c. 販売実績
(a) 製品の分類別実績
(b) 顧客の所在地別実績
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、見積り、判断につきましては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高止まり、各国の金融引き締めに伴う景気の減速見通しや不安定な為替相場など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。一方で、脱炭素化に向けた世界的な流れは持続しており、各国政府による方針を受けて企業の設備投資の拡大が引き続き期待されております。今後、自動車の電動化が加速すると同時に電源の高性能化(高効率化・小型化・軽量化)が求められるようになると見込まれており、バッテリー、デバイス、エネルギーといった市場においては、設備投資環境が中長期的に堅調に推移すると予測しております。
当連結会計年度におきましては、脱炭素化に向けた世界各国の取り組みを受け、受注高は前連結会計年度の実績を上回りました。市場別では、デバイス市場においては期初から日本や台湾において需要の落ち込みが見られ、バッテリー市場においては下期以降、中国の需要が落ち込みました。一方で、エネルギー市場関連の計測器需要が幅広い地域で引き続き高い状態で推移し、全体を牽引いたしました。顧客の所在地別では、アジア地域において主として中国での計測器需要が弱く、当該地域の受注高は前連結会計年度の実績を下回りましたが、その他の地域では伸長いたしました。
この結果、当社グループの売上高、営業利益、経常利益ともに前連結会計年度を上回り、3年連続で過去最高の結果になりました。
また、目標とする経営指標の一つであります売上高営業利益率につきましては、20%を目標に掲げております。当連結会計年度におきましては、顧客への供給責任を果たすことを最優先に様々なルートで市価を上回る部品を調達したこと及び多くの部品の価格高騰により、売上原価が押し上げられております。しかしながら、部品欠品による一部製品の出荷停止状況の解消、本社工場における増床・増築による生産能力強化により、売上高が大幅に増加したことにより、売上高営業利益率は20.3%と2年連続で目標を達成することができました。売上高営業利益率を改善させるため、開発面では、重点市場として捉えております、バッテリー、デバイス、エネルギーの各分野に向けて顧客密着で高付加価値製品の開発を進め、製品を販売してまいります。
目標とする経営指標の一つであります自己資本当期純利益率(ROE)につきましては、10%以上を目標に掲げております。当連結会計年度は売上高当期純利益率が高い状態を維持したことから、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度から1.0ポイント上昇し、18.1%になりました。
また、もう一つの目標とする経営指標であります海外売上高比率につきましては、70%以上を目標に掲げております。当連結会計年度の実績は63.3%と未達となりましたが、海外売上高は前連結会計年度に比べ28億15百万円伸長いたしました。今後は、海外販売子会社を中心にHIOKIブランドの浸透を図り売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における製品区分別の状況は、次のとおりであります。
(自動試験装置)
ベアボード検査装置は高精細化が進む半導体市場、また実装基板検査装置は電子化が進む自動車市場の高度な要求への対応を進めてまいりました。これにより受注高は好調に推移いたしましたが、製品仕様の多様化により生産リードタイムが長期化し、受注残高が増加しております。また、今後高成長が見込まれるインド市場に向けて、国策のMake in Indiaに対応した現地生産の実装基板検査装置を投入いたしました。
この結果、売上高は28億82百万円(前連結会計年度比10.6%減)になりました。
(記録装置)
世界各国においてエネルギーを有効利用するため、熱エネルギーと電力を同時に管理する需要が高まっております。また、EVの航続距離延伸や充電時間短縮などを目的としてバッテリーの高電圧化が進み、セル単位で電圧や温度の推移を把握することが極めて重要になっております。こうした市場動向を背景に、データロガーの需要も高まっております。この市場に向け、温度計測用データロガーに高精度電流計測機能を追加する新モジュールと、高耐圧多チャネルに対応した高速データロガーの新製品を投入いたしました。
この結果、売上高は54億26百万円(同7.4%増)になりました。
(電子測定器)
中国のバッテリー市場では需要の鈍化が見られましたが、脱炭素化に向けた自然エネルギーやEV、充電設備などのインフラの開発に向けた設備投資は引き続き活発であり、この流れは世界各国に波及しております。また、水素エネルギーに対する期待が高まり研究投資も積極的に行われており、活発な引き合いをいただいております。これらの市場に向け、高い信頼性を要求されるEV用モーターを検査する新方式の安全検査装置や、大電流が流れるEVや充電設備などの機能を確認する高性能な抵抗計、車内の微小な消費電流も正確に検出できる高精度電流センサーなど複数の新製品を投入いたしました。
この結果、売上高は213億74百万円(同20.4%増)になりました。
(現場測定器)
再生可能エネルギーの増加による電源の分散化が進み、太陽光発電はもとより、データセンターや通信インフラなど、電気設備の保守メンテナンスの重要性が引き続き高まっております。また近年では、EVの修理時における安全確認の重要性が高まっており、その際に必要な現場測定器を専用システムとして組み合わせ市場に投入いたしました。
この結果、売上高は76億60百万円(同15.2%増)になりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、人件費、新製品開発に必要な研究開発費、営業費用、管理費用及び設備投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を充当しております。
当社グループの経営方針、経営戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高止まり、各国の金融引き締めに伴う景気の減速見通しや不安定な為替相場など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。一方で、脱炭素化に向けた世界的な流れは持続しており、各国政府による方針を受けて企業の設備投資の拡大が引き続き期待されております。今後、自動車の電動化が加速すると同時に電源の高性能化(高効率化・小型化・軽量化)が求められるようになると見込まれており、バッテリー、デバイス、エネルギーといった市場においては、設備投資環境が中長期的に堅調に推移すると予測しております。
当連結会計年度におきましては、脱炭素化に向けた世界各国の取り組みを受け、受注高は前連結会計年度の実績を上回りました。市場別では、デバイス市場においては期初から日本や台湾において需要の落ち込みが見られ、バッテリー市場においては下期以降、中国の需要が落ち込みました。一方で、エネルギー市場関連の計測器需要が幅広い地域で引き続き高い状態で推移し、全体を牽引いたしました。顧客の所在地別では、アジア地域において主として中国での計測器需要が弱く、当該地域の受注高は前連結会計年度の実績を下回りましたが、その他の地域では伸長いたしました。
また、部品欠品による一部製品の出荷停止状況の解消、本社工場における増床・増築による生産能力強化により、3期連続で連結売上高は過去最高となりました。為替相場が円安に推移したことも、増収増益要因となっております。
開発面では、新しい社会を顧客と協創する関係を構築するため、2023年4月に稼働を開始した協創ラボラトリーにおいて、顧客とともに課題解決に取り組み、マーケットの観点での製品企画を進めてまいりました。
生産面では、重点市場を含む顧客への供給責任を果たすことを最優先に部品を調達したことに加え、多くの部品の価格が高騰したことから、原材料を中心に棚卸資産の残高が高い水準で推移しております。この現状を踏まえ、当社は棚卸資産の残高を適正な水準とするための取り組みを全社一丸となって継続して進めてまいりました。また、さらなる生産能力増強のため、本社工場から約2kmに立地する土地建物の売買契約を当連結会計年度に締結いたしました。2024年7月中旬の稼働に向け、環境整備工事を進めております。
販売面では、成長著しいインドネシア市場の深耕強化を目的に、当社の孫会社にあたるインドネシア販売会社を当社の子会社といたしました。また、重要市場及び重点顧客の深耕、新規顧客の開拓を目的に当社の国内営業組織及び中国販売子会社における営業組織の再編に取り組んでまいりました。
利益面では、顧客への供給責任を果たすことを最優先に様々なルートで市価を上回る価格で部品を調達したこと及び多くの部品の価格高騰により、売上原価が押し上げられております。一方で、為替相場が当初の想定に比べ円安に推移し売上高が増加したことは、増益要因となりました。
以上により、当連結会計年度における業績は、売上高391億54百万円(前連結会計年度比13.9%増)、営業利益79億55百万円(同12.5%増)、経常利益82億36百万円(同13.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益63億29百万円(同18.7%増)になりました。
当社グループの目標とする経営指標のうち「売上高営業利益率20%」及び「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」につきましては、当連結会計年度において目標を達成いたしました。また、「海外売上高比率70%以上」につきましては、当連結会計年度の実績は63.3%になりました。
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金、建設仮勘定が増加したため、前連結会計年度末と比較して46億44百万円増加し、452億50百万円になりました。
負債は、未払費用が減少いたしましたが、賞与引当金が増加したため、前連結会計年度末と比較して3億1百万円増加し、81億28百万円になりました。
純資産は、利益剰余金が増加したため、前連結会計年度末と比較して43億43百万円増加し、371億22百万円になりました。
なお、当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して29億8百万円増加し、147億45百万円になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、84億38百万円の収入(前連結会計年度比579.7%増)になりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益82億33百万円及び賞与引当金の増加額28億88百万円であります。主な減少要因は、未払費用の減少額25億53百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、33億53百万円の支出(同127.4%増)になりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、23億20百万円の支出(同5.5%減)になりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
よって、生産実績及び受注実績につきましては製品の分類別情報を、販売実績につきましては製品の分類別情報及び顧客の所在地別情報を記載しております。
a. 生産実績
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 前年同期比(%) | ||
自動試験装置 | (千円) | 2,838,170 | 85.2 |
記録装置 | (千円) | 5,671,970 | 114.4 |
電子測定器 | (千円) | 21,813,191 | 120.0 |
現場測定器 | (千円) | 7,693,061 | 114.1 |
周辺装置他 | (千円) | 1,852,690 | 108.8 |
合計 | (千円) | 39,869,084 | 114.2 |
(注)金額は売価換算価額で表示しております。
b. 受注実績
受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) | |
自動試験装置 | 3,394,241 | 104.5 | 1,909,052 | 136.6 |
記録装置 | 5,501,751 | 108.7 | 602,051 | 114.4 |
電子測定器 | 19,420,481 | 99.8 | 2,161,953 | 52.5 |
現場測定器 | 7,412,454 | 106.4 | 504,962 | 67.0 |
周辺装置他 | 1,781,971 | 104.8 | 127,618 | 82.3 |
合計 | 37,510,899 | 102.9 | 5,305,638 | 76.4 |
c. 販売実績
(a) 製品の分類別実績
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 前年同期比(%) | ||
自動試験装置 | (千円) | 2,882,969 | 89.4 |
記録装置 | (千円) | 5,426,186 | 107.4 |
電子測定器 | (千円) | 21,374,743 | 120.4 |
現場測定器 | (千円) | 7,660,741 | 115.2 |
周辺装置他 | (千円) | 1,809,392 | 106.7 |
合計 | (千円) | 39,154,033 | 113.9 |
(b) 顧客の所在地別実績
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | 前年同期比(%) | |||
国内 | (千円) | 14,368,250 | 115.9 | |
海外 | アジア | (千円) | 17,971,722 | 106.0 |
アメリカ | (千円) | 3,374,745 | 128.8 | |
ヨーロッパ | (千円) | 2,699,235 | 145.2 | |
その他の地域 | (千円) | 740,079 | 137.6 | |
計 | (千円) | 24,785,782 | 112.8 | |
合計 | (千円) | 39,154,033 | 113.9 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、見積り、判断につきましては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高止まり、各国の金融引き締めに伴う景気の減速見通しや不安定な為替相場など、依然として先行きが不透明な状況が続いております。一方で、脱炭素化に向けた世界的な流れは持続しており、各国政府による方針を受けて企業の設備投資の拡大が引き続き期待されております。今後、自動車の電動化が加速すると同時に電源の高性能化(高効率化・小型化・軽量化)が求められるようになると見込まれており、バッテリー、デバイス、エネルギーといった市場においては、設備投資環境が中長期的に堅調に推移すると予測しております。
当連結会計年度におきましては、脱炭素化に向けた世界各国の取り組みを受け、受注高は前連結会計年度の実績を上回りました。市場別では、デバイス市場においては期初から日本や台湾において需要の落ち込みが見られ、バッテリー市場においては下期以降、中国の需要が落ち込みました。一方で、エネルギー市場関連の計測器需要が幅広い地域で引き続き高い状態で推移し、全体を牽引いたしました。顧客の所在地別では、アジア地域において主として中国での計測器需要が弱く、当該地域の受注高は前連結会計年度の実績を下回りましたが、その他の地域では伸長いたしました。
この結果、当社グループの売上高、営業利益、経常利益ともに前連結会計年度を上回り、3年連続で過去最高の結果になりました。
また、目標とする経営指標の一つであります売上高営業利益率につきましては、20%を目標に掲げております。当連結会計年度におきましては、顧客への供給責任を果たすことを最優先に様々なルートで市価を上回る部品を調達したこと及び多くの部品の価格高騰により、売上原価が押し上げられております。しかしながら、部品欠品による一部製品の出荷停止状況の解消、本社工場における増床・増築による生産能力強化により、売上高が大幅に増加したことにより、売上高営業利益率は20.3%と2年連続で目標を達成することができました。売上高営業利益率を改善させるため、開発面では、重点市場として捉えております、バッテリー、デバイス、エネルギーの各分野に向けて顧客密着で高付加価値製品の開発を進め、製品を販売してまいります。
目標とする経営指標の一つであります自己資本当期純利益率(ROE)につきましては、10%以上を目標に掲げております。当連結会計年度は売上高当期純利益率が高い状態を維持したことから、自己資本当期純利益率(ROE)は前連結会計年度から1.0ポイント上昇し、18.1%になりました。
また、もう一つの目標とする経営指標であります海外売上高比率につきましては、70%以上を目標に掲げております。当連結会計年度の実績は63.3%と未達となりましたが、海外売上高は前連結会計年度に比べ28億15百万円伸長いたしました。今後は、海外販売子会社を中心にHIOKIブランドの浸透を図り売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。
なお、当連結会計年度における製品区分別の状況は、次のとおりであります。
(自動試験装置)
ベアボード検査装置は高精細化が進む半導体市場、また実装基板検査装置は電子化が進む自動車市場の高度な要求への対応を進めてまいりました。これにより受注高は好調に推移いたしましたが、製品仕様の多様化により生産リードタイムが長期化し、受注残高が増加しております。また、今後高成長が見込まれるインド市場に向けて、国策のMake in Indiaに対応した現地生産の実装基板検査装置を投入いたしました。
この結果、売上高は28億82百万円(前連結会計年度比10.6%減)になりました。
(記録装置)
世界各国においてエネルギーを有効利用するため、熱エネルギーと電力を同時に管理する需要が高まっております。また、EVの航続距離延伸や充電時間短縮などを目的としてバッテリーの高電圧化が進み、セル単位で電圧や温度の推移を把握することが極めて重要になっております。こうした市場動向を背景に、データロガーの需要も高まっております。この市場に向け、温度計測用データロガーに高精度電流計測機能を追加する新モジュールと、高耐圧多チャネルに対応した高速データロガーの新製品を投入いたしました。
この結果、売上高は54億26百万円(同7.4%増)になりました。
(電子測定器)
中国のバッテリー市場では需要の鈍化が見られましたが、脱炭素化に向けた自然エネルギーやEV、充電設備などのインフラの開発に向けた設備投資は引き続き活発であり、この流れは世界各国に波及しております。また、水素エネルギーに対する期待が高まり研究投資も積極的に行われており、活発な引き合いをいただいております。これらの市場に向け、高い信頼性を要求されるEV用モーターを検査する新方式の安全検査装置や、大電流が流れるEVや充電設備などの機能を確認する高性能な抵抗計、車内の微小な消費電流も正確に検出できる高精度電流センサーなど複数の新製品を投入いたしました。
この結果、売上高は213億74百万円(同20.4%増)になりました。
(現場測定器)
再生可能エネルギーの増加による電源の分散化が進み、太陽光発電はもとより、データセンターや通信インフラなど、電気設備の保守メンテナンスの重要性が引き続き高まっております。また近年では、EVの修理時における安全確認の重要性が高まっており、その際に必要な現場測定器を専用システムとして組み合わせ市場に投入いたしました。
この結果、売上高は76億60百万円(同15.2%増)になりました。
b. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、人件費、新製品開発に必要な研究開発費、営業費用、管理費用及び設備投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を充当しております。
当社グループの経営方針、経営戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。