有価証券報告書-第155期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績
当連結会計年度の当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により世界経済全体が大きく減速しました。感染拡大の一旦の落ち着きとともに経済の回復も進みましたが、足元では新型コロナウイルスの変異種を含めた感染再拡大や、半導体不足・原材料価格の高騰など、先行きは不透明な状況にあります。
このような状況のなか、当連結会計年度の業績は、第1四半期連結会計期間の減収減益を7月以降のインド、日本での販売回復や経費削減努力等でカバーできず、連結売上高は3兆1,782億円と前連結会計年度に比べ3,102億円(8.9%)減少しました。営業利益は売上減、原材料価格高騰等により1,944億円と前連結会計年度に比べ207億円(9.6%)減少しました。
経常利益は金融収支の改善もあり2,483億円と前連結会計年度に比べ29億円(1.2%)増加、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益142億円の計上もあり、1,464億円と前連結会計年度に比べ122億円(9.1%)増加しました。
事業別セグメントの業績は、次のとおりです。
① 四輪事業
第1四半期連結会計期間の減収減益を7月以降のインド、日本での販売回復や経費削減努力等でカバーできず、売上高は2兆8,766億円と前連結会計年度に比べ2,808億円(8.9%)減少しました。営業利益は売上減に加え、原材料価格高騰もあり1,720億円と前連結会計年度に比べ251億円(12.7%)減少しました。
② 二輪事業
大型二輪の販売シーズンである第1四半期連結会計期間の落込み、さらにインド、アセアンなど小型二輪の販売減少の影響により、売上高は2,065億円と前連結会計年度に比べ361億円(14.9%)減少しました。営業利益は体質改善による経費削減等により26億円と前連結会計年度に比べ19億円増加しました。
③ マリン事業他
・マリン事業
北米を中心とした大型船外機の需要拡大により、売上高は834億円と前連結会計年度に比べ89億円(11.9%)増加し、営業利益も171億円と前連結会計年度に比べ30億円(21.1%)増加しました。
・その他事業
電動車いす、太陽光発電、不動産等その他事業は、不動産売上の減等により売上高は117億円と前連結会計年度に比べ22億円(16.1%)減少し、営業利益は27億円と前連結会計年度に比べ5億円(14.7%)減少しました。
・マリン事業他合計
売上高は951億円と前連結会計年度に比べ67億円(7.5%)増加し、営業利益は198億円と前連結会計年度に比べ25億円(14.6%)増加しました。
所在地別の業績につきましては、日本、欧州、及びアジアは、第1四半期連結会計期間の減収減益を7月以降にカバーできず、当連結会計年度の業績は減収減益となりました。
また、ROEにつきましては、当連結会計年度は9.2%となりました。当社では株主還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、引き続き資本効率の向上に取り組んでまいります。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。
(注) 1 マリン事業他の生産実績は販売価格によります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。
4 当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注状況について該当事項はありません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は4兆364億円(前連結会計年度末比6,966億円増加)となりました。負債の部につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の見通しが不透明な中、手元資金を十分に確保すべく、第1四半期連結会計期間において4,000億円の新規借入を実施した結果、有利子負債残高は7,708億円(前連結会計年度末比3,666億円増加)となり、負債の部合計では2兆44億円(前連結会計年度末比4,583億円増加)となりました。純資産の部は、2兆320億円(前連結会計年度末比2,383億円増加)となりました。
自己資本比率につきまして前連結会計年度までは45%を目標として改善に取り組んでまいりましたが、第1四半期連結会計期間において新規借入を実施したことに伴い低下し、当連結会計年度末では41.8%となりました。今後も、資金確保とのバランスを見ながら、自己資本比率の改善を重要な経営課題として取り組んでまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は9,244億円となり、前連結会計年度末に比べ5,040億円増加しました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
第2四半期連結会計期間以降の業績回復に伴い、4,154億円の増加(前連結会計年度は1,715億円の資金増加)となりました。これは2018年3月期に続く過去2位の高水準となります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
日本やインド等での有形固定資産の取得による支出等により、2,330億円の減少(前連結会計年度は2,970億円の資金減少)となりました。
その結果、フリー・キャッシュ・フローは1,824億円の増加(前連結会計年度は1,255億円の資金減少)となりました。
なお、設備投資につきまして、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染影響により、緊縮財政で計画していた投資案件を一部延期したこと、ロックダウン等により投資活動ができない時期があったこと等により1,709億円(前連結会計年度は2,364億円)となりました。今後は中期経営計画で5ヵ年合計1兆2,000億円と目標を掲げたとおり、引き続き成長投資を推進してまいります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
第1四半期連結会計期間において新型コロナウイルス感染拡大の見通しが不透明な中、手元資金を十分に確保すべく4,000億円の新規借入を実施したことに伴い、3,026億円の増加(前連結会計年度は807億円の資金増加)となりました。新型コロナウイルスの感染再拡大等を踏まえ、今後の事業資金リスクを勘案し、当面、現状レベルの手元資金を確保しておきたいと考えています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものの内容及び金額は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(1) 経営成績
当連結会計年度の当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により世界経済全体が大きく減速しました。感染拡大の一旦の落ち着きとともに経済の回復も進みましたが、足元では新型コロナウイルスの変異種を含めた感染再拡大や、半導体不足・原材料価格の高騰など、先行きは不透明な状況にあります。
このような状況のなか、当連結会計年度の業績は、第1四半期連結会計期間の減収減益を7月以降のインド、日本での販売回復や経費削減努力等でカバーできず、連結売上高は3兆1,782億円と前連結会計年度に比べ3,102億円(8.9%)減少しました。営業利益は売上減、原材料価格高騰等により1,944億円と前連結会計年度に比べ207億円(9.6%)減少しました。
経常利益は金融収支の改善もあり2,483億円と前連結会計年度に比べ29億円(1.2%)増加、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益142億円の計上もあり、1,464億円と前連結会計年度に比べ122億円(9.1%)増加しました。
事業別セグメントの業績は、次のとおりです。
① 四輪事業
第1四半期連結会計期間の減収減益を7月以降のインド、日本での販売回復や経費削減努力等でカバーできず、売上高は2兆8,766億円と前連結会計年度に比べ2,808億円(8.9%)減少しました。営業利益は売上減に加え、原材料価格高騰もあり1,720億円と前連結会計年度に比べ251億円(12.7%)減少しました。
② 二輪事業
大型二輪の販売シーズンである第1四半期連結会計期間の落込み、さらにインド、アセアンなど小型二輪の販売減少の影響により、売上高は2,065億円と前連結会計年度に比べ361億円(14.9%)減少しました。営業利益は体質改善による経費削減等により26億円と前連結会計年度に比べ19億円増加しました。
③ マリン事業他
・マリン事業
北米を中心とした大型船外機の需要拡大により、売上高は834億円と前連結会計年度に比べ89億円(11.9%)増加し、営業利益も171億円と前連結会計年度に比べ30億円(21.1%)増加しました。
・その他事業
電動車いす、太陽光発電、不動産等その他事業は、不動産売上の減等により売上高は117億円と前連結会計年度に比べ22億円(16.1%)減少し、営業利益は27億円と前連結会計年度に比べ5億円(14.7%)減少しました。
・マリン事業他合計
売上高は951億円と前連結会計年度に比べ67億円(7.5%)増加し、営業利益は198億円と前連結会計年度に比べ25億円(14.6%)増加しました。
所在地別の業績につきましては、日本、欧州、及びアジアは、第1四半期連結会計期間の減収減益を7月以降にカバーできず、当連結会計年度の業績は減収減益となりました。
また、ROEにつきましては、当連結会計年度は9.2%となりました。当社では株主還元を重要な経営課題の一つとして認識しており、引き続き資本効率の向上に取り組んでまいります。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。
セグメントの名称 | 生産実績 | 販売実績 | ||
前期比 | 前期比 | |||
四輪事業 | 2,638千台 | △10.5% | 28,766億円 | △8.9% |
二輪事業 | 956千台 | △28.2% | 2,065億円 | △14.9% |
マリン事業他 | 800億円 | △2.3% | 951億円 | +7.5% |
合計 | ― | ― | 31,782億円 | △8.9% |
(注) 1 マリン事業他の生産実績は販売価格によります。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。
4 当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注状況について該当事項はありません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は4兆364億円(前連結会計年度末比6,966億円増加)となりました。負債の部につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の見通しが不透明な中、手元資金を十分に確保すべく、第1四半期連結会計期間において4,000億円の新規借入を実施した結果、有利子負債残高は7,708億円(前連結会計年度末比3,666億円増加)となり、負債の部合計では2兆44億円(前連結会計年度末比4,583億円増加)となりました。純資産の部は、2兆320億円(前連結会計年度末比2,383億円増加)となりました。
自己資本比率につきまして前連結会計年度までは45%を目標として改善に取り組んでまいりましたが、第1四半期連結会計期間において新規借入を実施したことに伴い低下し、当連結会計年度末では41.8%となりました。今後も、資金確保とのバランスを見ながら、自己資本比率の改善を重要な経営課題として取り組んでまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は9,244億円となり、前連結会計年度末に比べ5,040億円増加しました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
第2四半期連結会計期間以降の業績回復に伴い、4,154億円の増加(前連結会計年度は1,715億円の資金増加)となりました。これは2018年3月期に続く過去2位の高水準となります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
日本やインド等での有形固定資産の取得による支出等により、2,330億円の減少(前連結会計年度は2,970億円の資金減少)となりました。
その結果、フリー・キャッシュ・フローは1,824億円の増加(前連結会計年度は1,255億円の資金減少)となりました。
なお、設備投資につきまして、当連結会計年度は新型コロナウイルス感染影響により、緊縮財政で計画していた投資案件を一部延期したこと、ロックダウン等により投資活動ができない時期があったこと等により1,709億円(前連結会計年度は2,364億円)となりました。今後は中期経営計画で5ヵ年合計1兆2,000億円と目標を掲げたとおり、引き続き成長投資を推進してまいります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
第1四半期連結会計期間において新型コロナウイルス感染拡大の見通しが不透明な中、手元資金を十分に確保すべく4,000億円の新規借入を実施したことに伴い、3,026億円の増加(前連結会計年度は807億円の資金増加)となりました。新型コロナウイルスの感染再拡大等を踏まえ、今後の事業資金リスクを勘案し、当面、現状レベルの手元資金を確保しておきたいと考えています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものの内容及び金額は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。