有価証券報告書-第157期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 17:03
【資料】
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【項目】
162項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
(1) 経営成績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境につきましては、日米金利差拡大に伴う円安の進行が業績への追い風となった一方、半導体不足に伴い計画通り生産・販売が出来ないこと、及び原材料価格の高騰は、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度も通年に渡り課題となりました。半導体不足に関しては、取引先様との連携強化を通した調達力の強化、及び設計変更をはじめとする対応力の強化を図り、四輪車・二輪車ともに生産・販売は前連結会計年度を上回りました。また、原材料価格高騰に関しては、海外におきまして値上げを実施することで、収益の確保に努めてまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては増収増益となりました。売上高は4兆6,416億円となり前連結会計年度に比べ1兆733億円(30.1%)増加しました。営業利益は3,506億円となり前連結会計年度に比べ1,591億円(83.1%)増加しました。なお、増益のうち、為替円安は1,006億円の増益効果がありました。経常利益は3,828億円となり前連結会計年度に比べ1,199億円(45.6%)増加、親会社株主に帰属する当期純利益は2,211億円となり前連結会計年度に比べ608億円(37.9%)増加しました。
事業別セグメントの業績は、次のとおりです。
① 四輪事業
売上高は、4兆1,622億円と前連結会計年度に比べ9,573億円(29.9%)増加しました。営業利益は2,791億円と前連結会計年度に比べ1,263億円(82.6%)増加しました。海外での値上げ等に伴う売上構成変化等の改善、国内外での販売増加、為替円安効果等が寄与しました。
② 二輪事業
売上高は3,332億円と前連結会計年度に比べ797億円(31.4%)増加しました。営業利益は293億円と前連結会計年度に比べ185億円(170.2%)増加、営業利益率は過去最高の8.8%となりました。
③ マリン事業
売上高は1,346億円と前連結会計年度に比べ366億円(37.3%)増加、営業利益は394億円と前連結会計年度に比べ154億円(64.2%)増加し、売上高・利益とも過去最高となりました。北米での大型船外機販売の堅調な推移、為替円安効果等が寄与しました。
④ その他事業
売上高は118億円と前連結会計年度並みとなり、営業利益は27億円と前連結会計年度に比べ11億円(28.3%)減少しました。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりです。
① 生産実績
セグメントの名称当連結会計年度(千台)前年比(%)
四輪事業3,210+13.8
二輪事業1,304+10.8
マリン事業162+1.5

② 受注実績
当社グループは主に見込み生産を行っているため、受注生産について該当事項はありません。
③ 販売実績
セグメントの名称当連結会計年度(億円)前年比(%)
四輪事業41,622+29.9
二輪事業3,332+31.4
マリン事業1,346+37.3
その他事業118△2.5
合計46,416+30.1

(注) 販売実績は外部顧客への売上高を示しています。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は4兆5,777億円(前連結会計年度末比4,226億円増加)となりました。負債の部は、2兆691億円(前連結会計年度末比1,776億円増加)となりました。純資産の部は、2兆5,086億円(前連結会計年度末比2,449億円増加)となりました。
借入金につきましては、半導体を含む部品供給不足の影響が依然として不透明なことや世界的な景気後退リスクの高まりを踏まえ、現在の借入水準を当面維持していく考えです。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュフローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は8,821億円となり、前連結会計年度末に比べ241億円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
2,866億円の資金増加となりました。増益により、前連結会計年度の2,213億円の資金増加に比べ、654億円の増加となりました。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
3,027億円の資金減少となりました。有形固定資産の取得による支出の増加等により、前連結会計年度の1,535億円の資金減少に比べ、1,492億円の減少となりました。
これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは160億円の減少となり、前連結会計年度の677億円の資金増加と比べ、838億円の減少となりました。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
316億円の資金増加となり、前連結会計年度の1,546億円の資金減少に比べ、1,862億円の増加となりました。これは、借り換えの返済と借入の期ずれに伴い、前連結会計年度比としては借入金が増加したこと等によります。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、経営環境を考慮しつつ、適切な手元資金水準を維持しながら、資金調達計画を経営会議において審議し、戦略的投資と研究開発費等の成長に向けた経営資源の適切な配分を安定的に行っています。当社グループの資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどによりリスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保する方針としています。また、国内や欧州において資金を一元管理し、キャッシュプールを通してグループ内での相互貸借機能を保有することで、流動性リスクに対し機動的に対応できる体制を構築しています。加えて、当社は取引銀行6行と総額3,000憶円のコミットメントライン契約を締結するなど、十分な流動性を確保する手段を保有しています。なお、当連結会計年度末においてコミットメントラインは未使用となっています。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物8,821億円は、月商比2.3ヶ月に相当し十分な流動性を確保しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものの内容及び金額は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。