有価証券報告書-第154期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 16:05
【資料】
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【項目】
64項目
(業績等の概要)
(1) 業績
当連結会計年度の経済情勢は、米国、欧州ともに底堅い個人消費などに支えられ回復傾向が継続し、中国も持ち直しの動きが続きました。また、我が国経済も世界経済の成長と内需に支えられて緩やかな拡大基調にありました。
事業別では、映像事業においては、レンズ交換式デジタルカメラ市場及びコンパクトデジタルカメラ市場は縮小傾向が続きました。精機事業においては、FPD関連分野及び半導体関連分野ともに、設備投資は好調に推移しました。ヘルスケア事業においては、バイオサイエンス分野は海外の政府予算執行遅延の影響等により低調に推移した一方、眼科診断分野では網膜画像診断機器市場が堅調に推移しました。
当社グループは、当連結会計年度を2016年11月に発表した構造改革の「第2フェーズ」と位置付け、「映像事業の収益モデル強化」、「半導体装置事業の黒字化実現」、「経営体質改善への本格的な着手」の3つを経営方針とし、各施策に取り組んできました。映像事業では、高付加価値製品への選択と集中を進めるとともに、開発・生産・販売体制の最適化に取り組みました。半導体装置事業では、事業戦略の抜本的な見直しを実施し、黒字体質を定着させるため事業基盤を強化しました。また、全社的な施策として、ポートフォリオ経営を始動するとともに、ROE/ROICといった経営指標を軸とした経営体質と管理プロセスの見直しを進め、ガバナンス体制の強化にも努めました。
これらの結果、当社グループの連結業績は、売上収益は7,170億78百万円、前期比321億96百万円(4.3%)の減少となりましたが、構造改革関連費用の減少等により、営業利益は562億36百万円、前期比554億63百万円(7,166.6%)の増加となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は347億72百万円、前期比308億5百万円(776.6%)の増加となりました。
事業のセグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、第2四半期連結累計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」をご参照ください。前連結会計年度との比較にあたっては、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組替えて行なっております。
① 映像事業
レンズ交換式デジタルカメラは、全体での販売台数は減少したものの、高精細な描写と高速連続撮影を両立させたデジタル一眼レフカメラ「D850」が好調に推移し、高級機の売上げを大きく伸ばしました。
コンパクトデジタルカメラは、高性能アウトドアモデル「COOLPIX W300」など高付加価値製品の販売に注力しましたが、市場が縮小するなか、販売台数は大幅に減少しました。
これらの結果、当事業の売上収益は3,607億3百万円、前期比5.8%の減少となりましたが、選択と集中への事業戦略転換や生産子会社Nikon Imaging (China) Co., Ltd.の操業停止など構造改革による収益性改善に努めた結果、営業利益は302億22百万円、前期比76.2%の増加となりました。
② 精機事業
FPD露光装置分野では、中小型パネル用装置の販売台数減少により減収減益となりましたが、4Kテレビや今後普及が期待される8Kテレビ向けの液晶パネル、有機ELパネル等の量産に適した第10.5世代プレートサイズ対応装置「FX-103S」を2018年2月に発表し、計画どおり販売しました。
半導体露光装置分野では、構造改革による効率化と収益重視の運営方針への転換を進め、計画どおり黒字化を達成しました。
これらの結果、当事業の売上収益は2,263億34百万円、前期比8.7%の減少となりましたが、構造改革関連費用を計上した前期との比較では、営業利益は533億93百万円、前期比296.6%の増加となりました。
③ ヘルスケア事業
バイオサイエンス分野では、海外における政府予算執行遅延の影響等により減収となりました。コストダウン等の効果もあり生物顕微鏡は一定の収益性を維持しましたが、新事業立ち上げ費用の増加等により減益となりました。
眼科診断分野では、世界的に堅調な市況の下、販売強化策を講じたことにより増収となりましたが、新事業への先行投資の影響により、減益となりました。
これらの結果、当事業の売上収益は568億18百万円、前期比1.8%の増加となり、営業損失は32億63百万円(前期は6億60百万円の営業損失)となりました。
なお、当事業においては、米国のAthersys, Inc.と、日本における脳梗塞の治療を目的に治験が進められている体性幹細胞再生医薬品MultiStem※の商用化に向けた受託生産契約を締結したほか、米国のBerkeley Lights, Inc.と細胞関連分野の強化に向けた戦略的な業務提携を行いました。
※:MultiStemは、Athersys, Inc.による米国及びその他の国における登録商標又は商標です。
④ 産業機器・その他
産業機器事業では、世界的な市況の回復を受け、CNC画像測定システム及びX線検査装置を中心に増収となりました。
カスタムプロダクツ事業では、固体レーザーが減収となりましたが、光学部品と特注機器が増収となりました。
ガラス事業では、FPDフォトマスク基板や光学素材の拡販を進め、増収となりました。
この結果、これらの事業の売上収益は732億22百万円、前期比17.3%の増加となり、営業利益は50億26百万円、前期比35.1%の増加となりました。
なお、構造改革の施策の一環として製品群の戦略的な見直しを行い、イタリアのASF Metrology s.r.l.にCMM(Coordinate Measuring Machines:接触式三次元測定機)事業を譲渡しました。
(注) 事業別の営業損益には、当社グループ内取引において生じた損益を含んでおります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、国内の希望退職や中国の生産子会社の操業停止による割増退職金等の支払があった一方、税引前利益562億57百万円の計上に加え、高水準なFPD露光装置の受注により前受金が659億70百万円増加したことにより1,250億82百万円の収入(前期は973億42百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出により348億8百万円の支出(前期は406億93百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主に2018年1月に償還期限を迎えた第18回無担保社債の償還や配当金の支払により199億70百万円の支出(前期は155億22百万円の収入)となりました。
また、現金及び現金同等物に係る換算差額は9億13百万円の減少となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ693億92百万円増加し、3,884億38百万円となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
(百万円)
前期比(%)
映像事業231,939△12.3
精機事業125,601△0.3
ヘルスケア事業27,642△12.9
産業機器・その他47,61113.1
合計432,792△6.8

(注) 金額は製造者販売価格によって算出し、付属品仕入額を含み、消費税等は含んでおりません。
(2) 受注状況
当社グループは見込生産を主としておりますので記載を省略しております。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
(百万円)
前期比(%)
映像事業360,703△5.8
精機事業226,334△8.7
ヘルスケア事業56,8181.8
産業機器・その他73,22217.3
合計717,078△4.3

(注) 金額には、消費税等は含んでおりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上や、グループ内の会計基準統一による経営基盤の強化を目指し、2017年3月期有価証券報告書における連結財務諸表からIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」をご参照ください。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べて799億92百万円増加し、1兆983億43百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が693億92百万円、売上債権及びその他の債権が83億4百万円、棚卸資産が151億53百万円及び非流動資産のその他の金融資産が株式の時価上昇等により64億98百万円それぞれ増加した一方、のれん及び無形資産が67億66百万円、繰延税金資産が95億28百万円それぞれ減少したためです。
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べて446億1百万円増加し、5,248億2百万円となりました。これは主に、未払法人所得税が80億円及び前受金が652億37百万円それぞれ増加した一方、社債の償還等により流動負債の社債及び借入金が114億1百万円、前連結会計年度末に計上していた希望退職者への退職加算金等に関する未払費用が、当連結会計年度中に支払われたことで、その他の流動負債が173億88百万円それぞれ減少したためです。
当連結会計年度末における資本の残高は、前連結会計年度末に比べて353億91百万円増加し、5,735億41百万円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上により利益剰余金が280億80百万円、在外営業活動体の換算差額の増加や保有する株式の時価上昇等によりその他の資本の構成要素が70億71百万円それぞれ増加したためです。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における売上収益は7,170億78百万円(前連結会計年度は7,492億73百万円)となり、321億96百万円減少しました。これは、主に映像事業において、レンズ交換式デジタルカメラ及びコンパクトデジタルカメラの販売台数が減少、また精機事業のFPD露光装置分野において、中小型パネル用装置の販売台数が減少したことによるものです。
売上原価は4,041億70百万円(前連結会計年度は4,431億53百万円)となり、389億83百万円減少しました。これは、主に映像事業及び精機事業のFPD露光装置分野における販売台数が減少したことによるものです。
販売費及び一般管理費は2,486億83百万円(前連結会計年度は2,475億48百万円)となり、11億35百万円増加しました。これは、主に広告宣伝費及び販売促進費等の販売経費が減少した一方、減価償却費及び償却費等が増加したことによるものです。
その他営業収益は主に固定資産売却益の増加により1億8百万円増加の37億14百万円となった一方、その他営業費用は主に構造改革関連費用の減少により497億2百万円減少の117億2百万円となりました。
これらの結果、営業利益は554億63百万円増加し562億36百万円(前連結会計年度は7億74百万円)となりました。
税引前利益は営業利益554億63百万円増加と為替差損の増加などにより金融費用が増加したことから531億90百万円増加の562億57百万円(前連結会計年度は30億68百万円)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は法人所得税費用214億22百万円の計上により347億72百万円(前連結会計年度は39億67百万円)となりました。なお、今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を、またセグメント別の分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (1)業績」をそれぞれご参照ください。
以上の記載事項のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月28日)現在において判断したものであります。また、分析に記載した実績値は1百万円未満を四捨五入して記載しております。
(注) セグメント別の営業利益は、当グループ内取引において生じた損失額(総額2億81百万円)を含んでおり、また各セグメントに配賦されない全社損失288億59百万円は含んでおりません。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、運転資金や設備投資資金について、現在保有する現金や預金に加え、営業キャッシュ・フローを源泉とした資金で賄うことを原則としております。国内外のグループ会社が保有する資金をグローバル・キャッシュ・マネージメント・システムにより効率的に管理し、各グループ会社の運転資金や設備投資資金のため、グループ内の資金を有効活用しております。
当社グループの資金状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますとおり、当連結会計年度における営業活動におけるキャッシュ・フローは1,250億82百万円の収入となり、投資活動におけるキャッシュ・フローは348億8百万円の支出であったため、902億75百万円のプラスのフリー・キャッシュ・フローとなりました。
なお、当連結会計年度後1年間の設備投資計画は300億円を予定しており、主に生産能力の増強と設備の合理化を図るためのものであります。当該設備投資の資金は、主に営業キャッシュ・フローを源泉とした資金の範囲で賄うことを予定しております。設備投資計画の詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
(A) 無形資産
日本基準においては、研究開発費について、発生時に費用処理しておりましたが、IFRSにおいては一定の要件を満たす開発費について資産計上し、見積耐用年数にわたって償却しております。この結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費がIFRSでは日本基準に比べ、402百万円減少しております。
(B) のれん
日本基準においては、のれんの償却について、償却年数を見積もり、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSにおいては移行日以降の償却を停止しております。この結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費が、IFRSでは日本基準に比べ、2,740百万円減少しております。

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