四半期報告書-第64期第3四半期(2023/03/01-2023/05/31)

【提出】
2023/07/14 10:25
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間においては、日本を含め世界の多くの地域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(以下、「新型コロナ」という。)と社会経済活動との両立が一段と進み、世界経済の緩やかな景気の持ち直しの動きが見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻は、いまだに収束の見込みが立たず、原材料・エネルギー価格の高騰が継続し、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げや急激な為替変動の影響等もあり、依然として先行き不透明で注視が必要な状況が続いています。
このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しています。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能のグローバル化を進めることでビジネスモデルの変革を行い、企業理念実現のための取り組みを着実に進めています。当連結会計年度においては、中期経営計画の重点製品であるNiTiロータリーファイル「JIZAI」1の量産体制構築と売上拡大に向けたマーケティング活動の強化、並びに硝子体鑷子「マニーマイクロ鑷子」2の国内販売促進と歯科用修復材3の欧州販売活動を進めています。
中期経営計画の重要施策の観点では、グローバル生産体制の構築を目指してドイツの連結子会社のGDFでは新本社工場を建設しており、2023年8月に完成を予定しているほか、国内ではスマートファクトリーの建設に向けた準備を進めています。さらに、グローバルマーケティングの推進の一環として、2023年6月にマレーシアに新たな販売子会社を設立し、東南アジア諸国向けのマーケティングや売上拡大を目指しています。
今後も中期経営計画に基づく成長戦略により、企業価値の向上を目指します。
(脚注)
1歯の歯髄と呼ばれる神経の治療法の1つである根管治療において、根管内の感染源除去に用いられる柔軟性の高いニッケルチタン製の歯科治療機器
2網膜剥離や糖尿病増殖性網膜症などの眼球疾患に対する治療法の1つである硝子体手術において、眼底の処置をするための眼科治療機器
3歯の欠損した部分を人工物で埋めることにより歯の形態を回復し、審美性を高める治療(歯冠修復治療、審美歯科治療)に使用される樹脂材料
当第3四半期連結累計期間における経営成績
新型コロナの影響を受けた前年同期と比べ、アジア、欧州、南米を中心とした地域で製品需要が拡大し、特にアイレス針関連製品の需要が大幅に増加しました。また、円安による海外売上高の押し上げも加わったことを背景に、売上高は18,521百万円(前年同期比24.9%増)となりました。一方、海外子会社における製造原価の上昇等により売上原価は7,193百万円(同24.2%増)、本社の人員体制の強化等の影響により販売費及び一般管理費は5,899百万円(同31.3%増)となりましたが、売上高の増加が上記費用増加を大幅に上回ったため、営業利益は5,427百万円(同19.5%増)となりました。他方、主に円安による為替差益の計上等により、経常利益は5,778百万円(同4.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、営業利益の増加等により4,205百万円(同10.9%増)となりました。
セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
(単位:百万円)
売上高セグメント利益(営業利益)
百万円前年同期比百万円前年同期比
サージカル関連製品5,04515.0%1,490△2.7%
アイレス針関連製品6,45147.9%2,04682.2%
デンタル関連製品7,02315.5%1,8900.1%
連結18,52124.9%5,42719.5%

(サージカル関連製品)
サージカル関連製品の売上高は5,045百万円(前年同期比15.0%増)、セグメント利益は1,490百万円(同2.7%減)となりました。白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア及び欧州等の地域で拡大したことにより、前年同期から増収となった一方、製造関連の費用が増加し、売上原価が前年同期より悪化したこと等により、セグメント利益は減益となりました。
(アイレス針関連製品)
アイレス針関連製品の売上高は6,451百万円(前年同期比47.9%増)、セグメント利益は2,046百万円(同82.2%増)となりました。製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注がアジア、北米、欧州並びに南米などの地域で引き続き増加したことにより、大幅な増収増益となりました。
(デンタル関連製品)
デンタル関連製品の売上高は7,023百万円(前年同期比15.5%増)、セグメント利益は1,890百万円(同0.1%増)となりました。歯科修復材をはじめとしたGDF製品が欧米地域で好調だったことに加え、中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移しました。さらに、円安による収益の押し上げの影響により、売上高は前年同期から増収となりました。セグメント利益は、販売費及び一般管理費の増加があったものの、前年同期と比べ微増となりました。
(2)財政状態に関する説明
(単位:百万円)
前連結会計期間末
(2022年8月31日)
当第3四半期連結会計期間末
(2023年5月31日)
増減額
総資産50,11351,5791,465
流動資産32,50332,52825
固定資産17,61019,0511,440
負債4,6984,587△111
純資産45,41446,9911,577

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計期間末に比べ1,465百万円増加し、51,579百万円となりました。これは主に、固定資産1,440百万円の増加(主にGDFの設備投資等に伴う建設仮勘定の増加)によるものです。
負債合計は、前連結会計期間末に比べ111百万円減少し、4,587百万円となりました。これは主に、未払法人税等及び未払金の支払いに伴い、流動負債が151百万円減少したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計期間末に比べ1,577百万円増加し、46,991百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したこと、及び円安により在外子会社に係る為替換算調整勘定が増加したこと等によるものです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、1,574百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。