有価証券報告書-第64期(2022/09/01-2023/08/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、日本国内外における人々の活動も回復するなど、社会活動並びに経済活動の正常化へ向けた動きが見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原材料・エネルギー価格の高騰、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げや急激な為替変動、中国の景気減速懸念等の影響により、依然として先行き不透明で注視が必要な状況が続いております。
このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能のグローバル化を進めることでビジネスモデルの変革を行い、企業理念実現のための取組を着実に進めています。中期経営計画の2年目となる当連結会計年度においては、重点製品であるNiTiロータリーファイル「JIZAI」1の量産体制構築と売上拡大に向けたマーケティング活動の強化を進めております。
中期経営計画の重要施策の観点では、グローバル生産体制の構築を目的として、ドイツの連結子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbH(旧GDF、以下MMG)では2023年8月に新本社・工場が完成し、同年9月より生産を開始しました。MMGは今後、歯科用修復材2の生産能力の増強を図り、欧米及びアジアにおける販売拡大を推進してまいります。また、国内ではスマートファクトリーの建設準備が終了し、2023年10月より建設を開始します。今回建設するスマートファクトリーは、新製品及び新生産プロセスの量産化技術の確立とその後の海外展開を見据えた最初の「パイロット工場」として位置付けており、製品の原価低減を図りながらグローバルでの売上拡大を目指します。グローバルマーケティングの推進の観点では、デンタル関連製品の更なる市場シェア及び売上拡大のため、2023年9月より新たな組織として「デンタル事業本部」を設置し活動を開始しました。デンタル関連製品セグメントの競争力強化及びマーケティング機能強化を2024年8月期の重要課題として設定しております。
今後も中期経営計画に基づく成長戦略により、企業価値の向上を目指してまいります。
(脚注)
1歯の歯髄と呼ばれる神経の治療法の1つである根管治療において、根管内の感染源除去に用いられる柔軟性の高いニッケルチタン製の歯科治療機器
2歯の欠損した部分を人工物で埋めることにより歯の形態を回復し、審美性を高める治療(歯冠修復治療、審美歯科治療)に使用される樹脂材料
当連結会計年度における経営成績
主にアジアや欧州を中心とした地域で製品需要が拡大し、特にアイレス針関連製品の需要が大幅に増加しました。また、円安による海外売上高の押し上げも加わったことを背景に、売上高は24,488百万円(前年同期比19.9%増)となりました。一方、海外子会社における製造原価の上昇等により売上原価は9,066百万円(同15.6%増)、研究開発費の増加及び当社本社の人員体制の強化等の影響により販売費及び一般管理費は8,177百万円(同27.5%増)となりましたが、売上高の増加が上記費用増加を大幅に上回ったため、営業利益は7,243百万円(同17.5%増)となりました。他方、主に円安による為替差益の計上等により、経常利益は7,995百万円(同6.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加等により5,953百万円(同12.5%増)となりました。
セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を
記載しております。
(サージカル関連製品)
サージカル関連製品の売上高は6,784百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は2,121百万円(同7.1%増)となりました。白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア及び欧州等の地域で拡大したことにより、前年同期から増収となりました。セグメント利益は、製造関連の費用が増加したものの、売上高が増加した等により増益となりました。
(アイレス針関連製品)
アイレス針関連製品の売上高は8,574百万円(前年同期比37.2%増)、セグメント利益は2,865百万円(同63.6%増)となりました。製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米、欧州並びに南米などの地域で引き続き増加したことにより、大幅な増収増益となりました。
(デンタル関連製品)
デンタル関連製品の売上高は9,128百万円(前年同期比11.2%増)、セグメント利益は2,256百万円(同7.2%減)となりました。歯科用修復材をはじめとしたMMG製品が欧米地域で好調であったことに加え、中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移しました。さらに、円安による収益の押し上げの影響により、売上高は前年同期から増収となりました。一方、セグメント利益は販売費及び一般管理費が増加したことにより、前年同期と比べ減益となりました。
② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況
a.財政状態の状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,863百万円増加し、54,977百万円となりました。これは主に、流動資産2,490百万円の増加(主に現金及び預金の増加)及び固定資産2,372百万円の増加(主にMMGの新本社・工場の建築に伴う建設仮勘定の増加)によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ450百万円増加し、5,149百万円となりました。これは主に、未払金及び賞与引当金の増加によるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,412百万円増加し、49,827百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したこと、及び円安により在外子会社に係る為替換算調整勘定が増加したこと等によるものです。
b. キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、8,026百万円(前年同期比22.4%増)のキャッシュ・イン・フローとなりました。これは主に、法人税等の支払いにより営業キャッシュ・アウト・フローが増加した一方、税金等調整前当期純利益の計上により営業キャッシュ・イン・フローが増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,016百万円(前年同期比84.8%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、当社及び在外子会社における設備投資に関連する有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,251百万円(前年同期比33.1%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前年同期」という。)比4,071百万円増加の24,488百万円(前年同期比 19.9%増)となりました。サージカル関連製品の売上高は、白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア及び欧州等の地域で拡大したことにより、6,784百万円(同13.9%増)となりました。アイレス針関連製品の売上高は、製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米、欧州並びに南米などの地域で増加したことにより、8,574百万円(同37.2%増)となりました。デンタル関連製品の売上高は、歯科用修復材をはじめとしたMMG製品が欧米地域で好調であったことに加え、中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移したことから、9,128百万円(同11.2%増)となりました。
損益面においては、売上高が増加したことに加え、前年同期に発生したアイレス針の適正在庫の見直しを目的とした在庫処分の影響がなくなり、生産性が向上したことにより売上原価率が前年同期比1.4ポイント改善しました。その結果、売上総利益は前年同期比2,846百万円増加の15,421百万円(同22.6%増)となりました。
営業利益は、売上高が増加したこと等により前年同期比1,080百万円増加の7,243百万円(同17.5%増)となったものの、販売費及び一般管理費の増加により売上高営業利益率は29.6%となり、前年同期より悪化しました。
経常利益は、営業利益が前年同期より増加したことにより、前年同期比451百万円増加の7,995百万円(同6.0%増)となりました。税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことにより、前年同期比598百万円増加の8,018百万円(同8.1%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比663百万円増加の5,953百万円(同12.5%増)となり、自己資本当期純利益率は前年同期と同等の12.5%となりました。
なお、セグメント別の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に、また、今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性の分析
下表に記載のとおり、堅調な営業収益を背景として、継続的に営業キャッシュ・イン・フローを確保しております。また、営業キャッシュ・フローに加え潤沢な手元資金も活用しながら、設備投資(投資キャッシュ・フロー)や配当(財務キャッシュ・フロー)へ資金配分を行っており、高水準の自己資本比率の維持を可能とする財務運営を実現しております。
運転資金及び設備資金については自己資金により賄っておりますが、資金調達の機動性及び安定性の確保を図るため、取引金融機関と総額800百万円の当座貸越契約を締結しております。
(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド
フリー・キャッシュ・フロー:営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度においては、経済環境は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され、日本国内外における人々の活動も回復するなど、社会活動並びに経済活動の正常化へ向けた動きが見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原材料・エネルギー価格の高騰、インフレリスクに対応した欧米諸国での政策金利の引き上げや急激な為替変動、中国の景気減速懸念等の影響により、依然として先行き不透明で注視が必要な状況が続いております。
このような環境下、当社グループは、「世界一の品質を世界のすみずみへ」という使命を掲げ、当社グループの製品を世界中に提供し、世界の人々の幸福に貢献することを目指しております。当社グループの更なる成長に向けて、2022年8月期より中期経営計画をスタートし、営業・生産・開発の各機能のグローバル化を進めることでビジネスモデルの変革を行い、企業理念実現のための取組を着実に進めています。中期経営計画の2年目となる当連結会計年度においては、重点製品であるNiTiロータリーファイル「JIZAI」1の量産体制構築と売上拡大に向けたマーケティング活動の強化を進めております。
中期経営計画の重要施策の観点では、グローバル生産体制の構築を目的として、ドイツの連結子会社MANI MEDICAL GERMANY GmbH(旧GDF、以下MMG)では2023年8月に新本社・工場が完成し、同年9月より生産を開始しました。MMGは今後、歯科用修復材2の生産能力の増強を図り、欧米及びアジアにおける販売拡大を推進してまいります。また、国内ではスマートファクトリーの建設準備が終了し、2023年10月より建設を開始します。今回建設するスマートファクトリーは、新製品及び新生産プロセスの量産化技術の確立とその後の海外展開を見据えた最初の「パイロット工場」として位置付けており、製品の原価低減を図りながらグローバルでの売上拡大を目指します。グローバルマーケティングの推進の観点では、デンタル関連製品の更なる市場シェア及び売上拡大のため、2023年9月より新たな組織として「デンタル事業本部」を設置し活動を開始しました。デンタル関連製品セグメントの競争力強化及びマーケティング機能強化を2024年8月期の重要課題として設定しております。
今後も中期経営計画に基づく成長戦略により、企業価値の向上を目指してまいります。
(脚注)
1歯の歯髄と呼ばれる神経の治療法の1つである根管治療において、根管内の感染源除去に用いられる柔軟性の高いニッケルチタン製の歯科治療機器
2歯の欠損した部分を人工物で埋めることにより歯の形態を回復し、審美性を高める治療(歯冠修復治療、審美歯科治療)に使用される樹脂材料
当連結会計年度における経営成績
主にアジアや欧州を中心とした地域で製品需要が拡大し、特にアイレス針関連製品の需要が大幅に増加しました。また、円安による海外売上高の押し上げも加わったことを背景に、売上高は24,488百万円(前年同期比19.9%増)となりました。一方、海外子会社における製造原価の上昇等により売上原価は9,066百万円(同15.6%増)、研究開発費の増加及び当社本社の人員体制の強化等の影響により販売費及び一般管理費は8,177百万円(同27.5%増)となりましたが、売上高の増加が上記費用増加を大幅に上回ったため、営業利益は7,243百万円(同17.5%増)となりました。他方、主に円安による為替差益の計上等により、経常利益は7,995百万円(同6.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加等により5,953百万円(同12.5%増)となりました。
セグメント別の業績概況は、次のとおりです。なお、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を
記載しております。
売上高 | セグメント利益(営業利益) | |||
百万円 | 前年同期比 | 百万円 | 前年同期比 | |
サージカル関連製品 | 6,784 | 13.9% | 2,121 | 7.1% |
アイレス針関連製品 | 8,574 | 37.2% | 2,865 | 63.6% |
デンタル関連製品 | 9,128 | 11.2% | 2,256 | △7.2% |
連結 | 24,488 | 19.9% | 7,243 | 17.5% |
(サージカル関連製品)
サージカル関連製品の売上高は6,784百万円(前年同期比13.9%増)、セグメント利益は2,121百万円(同7.1%増)となりました。白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア及び欧州等の地域で拡大したことにより、前年同期から増収となりました。セグメント利益は、製造関連の費用が増加したものの、売上高が増加した等により増益となりました。
(アイレス針関連製品)
アイレス針関連製品の売上高は8,574百万円(前年同期比37.2%増)、セグメント利益は2,865百万円(同63.6%増)となりました。製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米、欧州並びに南米などの地域で引き続き増加したことにより、大幅な増収増益となりました。
(デンタル関連製品)
デンタル関連製品の売上高は9,128百万円(前年同期比11.2%増)、セグメント利益は2,256百万円(同7.2%減)となりました。歯科用修復材をはじめとしたMMG製品が欧米地域で好調であったことに加え、中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移しました。さらに、円安による収益の押し上げの影響により、売上高は前年同期から増収となりました。一方、セグメント利益は販売費及び一般管理費が増加したことにより、前年同期と比べ減益となりました。
② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況
a.財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計年度末 (2022年8月31日) | 当連結会計年度末 (2023年8月31日) | 増減額 | |
総資産 | 50,113 | 54,977 | 4,863 |
流動資産 | 32,503 | 34,994 | 2,490 |
固定資産 | 17,610 | 19,982 | 2,372 |
負債 | 4,698 | 5,149 | 450 |
純資産 | 45,414 | 49,827 | 4,412 |
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ4,863百万円増加し、54,977百万円となりました。これは主に、流動資産2,490百万円の増加(主に現金及び預金の増加)及び固定資産2,372百万円の増加(主にMMGの新本社・工場の建築に伴う建設仮勘定の増加)によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ450百万円増加し、5,149百万円となりました。これは主に、未払金及び賞与引当金の増加によるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,412百万円増加し、49,827百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したこと、及び円安により在外子会社に係る為替換算調整勘定が増加したこと等によるものです。
b. キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前年同期比 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 6,559 | 8,026 | 22.4% |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,173 | △4,016 | 84.8% |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,444 | △3,251 | 33.1% |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 2,085 | 955 | △54.2% |
現金及び現金同等物の期首残高 | 18,057 | 22,084 | 22.3% |
現金及び現金同等物の期末残高 | 22,084 | 23,798 | 7.8% |
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、8,026百万円(前年同期比22.4%増)のキャッシュ・イン・フローとなりました。これは主に、法人税等の支払いにより営業キャッシュ・アウト・フローが増加した一方、税金等調整前当期純利益の計上により営業キャッシュ・イン・フローが増加したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,016百万円(前年同期比84.8%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、当社及び在外子会社における設備投資に関連する有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出が増加したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,251百万円(前年同期比33.1%増)のキャッシュ・アウト・フローとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) | 前年同期比(%) |
サージカル関連製品(百万円) | 6,415 | 122.3 |
アイレス針関連製品(百万円), | 8,602 | 129.3 |
デンタル関連製品(百万円) | 9,956 | 122.7 |
合計(百万円) | 24,973 | 124.8 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) | 前年同期比(%) |
サージカル関連製品(百万円) | 6,784 | 113.9 |
アイレス針関連製品(百万円) | 8,574 | 137.2 |
デンタル関連製品(百万円) | 9,128 | 111.2 |
合計(百万円) | 24,488 | 119.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2021年9月1日 至 2022年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年9月1日 至 2023年8月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
国科恒遠(北京)医療科技有限公司 | 2,958 | 14.5 | 3,250 | 13.3 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前年同期」という。)比4,071百万円増加の24,488百万円(前年同期比 19.9%増)となりました。サージカル関連製品の売上高は、白内障手術で使用される眼科ナイフの需要がアジア及び欧州等の地域で拡大したことにより、6,784百万円(同13.9%増)となりました。アイレス針関連製品の売上高は、製品需要の拡大を背景として、アイレス針の受注が中国を中心としたアジア、北米、欧州並びに南米などの地域で増加したことにより、8,574百万円(同37.2%増)となりました。デンタル関連製品の売上高は、歯科用修復材をはじめとしたMMG製品が欧米地域で好調であったことに加え、中国やインドを中心としたアジア地域において歯科用根管治療機器(リーマ・ファイル類)及び歯科用回転切削機器(ダイヤバー)の販売が堅調に推移したことから、9,128百万円(同11.2%増)となりました。
損益面においては、売上高が増加したことに加え、前年同期に発生したアイレス針の適正在庫の見直しを目的とした在庫処分の影響がなくなり、生産性が向上したことにより売上原価率が前年同期比1.4ポイント改善しました。その結果、売上総利益は前年同期比2,846百万円増加の15,421百万円(同22.6%増)となりました。
営業利益は、売上高が増加したこと等により前年同期比1,080百万円増加の7,243百万円(同17.5%増)となったものの、販売費及び一般管理費の増加により売上高営業利益率は29.6%となり、前年同期より悪化しました。
経常利益は、営業利益が前年同期より増加したことにより、前年同期比451百万円増加の7,995百万円(同6.0%増)となりました。税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことにより、前年同期比598百万円増加の8,018百万円(同8.1%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比663百万円増加の5,953百万円(同12.5%増)となり、自己資本当期純利益率は前年同期と同等の12.5%となりました。
なお、セグメント別の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に、また、今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性の分析
下表に記載のとおり、堅調な営業収益を背景として、継続的に営業キャッシュ・イン・フローを確保しております。また、営業キャッシュ・フローに加え潤沢な手元資金も活用しながら、設備投資(投資キャッシュ・フロー)や配当(財務キャッシュ・フロー)へ資金配分を行っており、高水準の自己資本比率の維持を可能とする財務運営を実現しております。
運転資金及び設備資金については自己資金により賄っておりますが、資金調達の機動性及び安定性の確保を図るため、取引金融機関と総額800百万円の当座貸越契約を締結しております。
(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド
2019年 8月期 | 2020年 8月期 | 2021年 8月期 | 2022年 8月期 | 2023年 8月期 | |
営業キャッシュ・フロー (百万円) | 5,305 | 1,941 | 6,384 | 6,559 | 8,026 |
投資キャッシュ・フロー (百万円) | 810 | △38 | △3,438 | △2,173 | △4,016 |
フリー・キャッシュ ・フロー(百万円) | 6,115 | 1,903 | 2,945 | 4,385 | 4,010 |
財務キャッシュ・フロー (百万円) | △1,773 | △2,133 | △2,232 | △2,444 | △3,251 |
自己資本比率(%) | 88.7 | 93.1 | 91.8 | 90.6 | 90.6 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 613.8 | 673.4 | 501.9 | 344.9 | 340.0 |
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
インタレスト・カバレッジ ・レシオ(倍) | 35,968.6 | 919.4 | 3,583.1 | 2,921.3 | 2,947.1 |
フリー・キャッシュ・フロー:営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。