有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 13:02
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178項目

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度の医薬品業界においては、2025年4月に全品目の53%を対象とした薬価の中間年改定が実施されたことに加え、不採算品再算定の特例的適用や最低薬価の引き上げなどが行われました。また、5月に薬機法が改正され、市販薬の販売規制緩和や医療用医薬品の安定供給体制の強化、調剤業務の一部外部委託をはじめとする薬局機能の強化などが段階的に施行されることとなり、医療提供体制・医薬品流通の変革がさらに加速するものと予想されます。医療用医薬品市場は、コロナ関連製品が引き続き縮小したものの、抗がん剤やスペシャリティ医薬品、糖尿病治療薬、帯状疱疹ワクチンなどが伸長し、前年を上回る成長となりました。
このような状況の中、当社グループは中期経営計画2023-2025「次代を創る」の最終年度として、2024年11月に発表した実行計画に基づき、以下の施策を推進いたしました。
・事業変革への取り組み
医薬と検査薬の融合を通じた医薬MSによる検査薬市場の開拓に注力するとともに、DXによる経営管理機能の高度化、流通コストの可視化による適正な配送体制の確立、および収益性の高い領域への戦略的アプローチの推進などにより、事業基盤のさらなる強化を図りました。この4月からは中期経営計画期間中に構築した基盤を軸に、機動力のある組織体制へと移行しております。
・物流機能およびスペシャリティ領域の強化
メーカー物流倉庫と卸物流倉庫を併設した複合型物流センター「TBC(注1)東海」(2027年度稼働予定)の建設に着手したほか、品質管理体制のさらなる高度化を目的としたISO9001の新規認証取得、GDP(Good Distribution Practice:適正流通基準)に関する社内教育の徹底・強化を実施いたしました。また、成長分野であるスペシャリティ領域への対応として、医薬品二次包装施設「羽田パッケージングセンター」の稼働準備を進めるとともに、帝人リジェネット株式会社・伊藤忠商事株式会社との協業による再生医療エコシステムを活用した新規案件への参画も進んでおります。さらに、2025年5月にはイシンファーマ株式会社、2026年1月にはサーブ・バイオファーマ株式会社への出資を行うとともに、スペシャリティ製品の患者宅配送サービス「L1MON」を開始するなど、スペシャリティ製品フルラインサービスの構築を進めました。
・顧客支援ビジネスの進化
2025年6月に株式会社ファルモと資本業務提携契約を締結し、同社のクラウド型ピッキング監査システム『EveryPick』の取り扱いを開始いたしました。また、同社と公益社団法人日本薬剤師会が提供する薬局DX基盤サービス『N-Bridge』および処方箋情報送信端末『NB station』の開発に向けた協力を行っております。さらに、診療予約システムにおいては、『LXMATE HeLios cloud』を新たにリリースし、販売促進活動に注力いたしました。他にも、既存システムへのAI機能の搭載、プロモーションの強化を進めております。
・成長投資
オープンイノベーションを推進することで既存事業の強化に加えて、次世代を担う新たな事業創出を目的とし、CVCファンド「TOHO Ventures」を設立いたしました。創薬・バイオテクノロジー領域および医療DXを中心に、主に海外の先進的スタートアップ企業の選定を進め、本年4月には「Metaphore Biotechnologies Inc.」への出資を行いました。
・ガバナンスの強化
2024年8月に取締役会の諮問機関として設置された「ガバナンス強化特別委員会」からの最終答申に基づき、ガバナンスの一層の強化に努めました。具体的には当社グループのコーポレートガバナンス改善を遂行する執行責任者として、CGO(チーフ・ガバナンス・オフィサー)を新たに設置し、実効的なガバナンスを推進するとともに、コンプライアンス推進部やグループガバナンス部を設置するなど推進体制の構築を行っております。
・資本効率の改善と株主還元の向上
「DOE(株主資本配当率)2%以上」との配当方針に沿って、前年度より100円増配し、年間配当を165円とするとともに、100億円の自己株式の取得および政策保有株式の継続的な売却も進めました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,553,364百万円(前期比2.3%増)、営業利益16,601百万円(前期比12.3%減)、経常利益16,631百万円(前期比19.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益17,327百万円(前期比12.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業においては、新型コロナウイルス関連製品が引き続き縮小したものの、抗がん剤やスペシャリティ医薬品をはじめとする取扱卸限定製品、糖尿病治療薬、帯状疱疹ワクチンなどの売上が伸長しました。施策面では、営業と配送の役割の明確化や、共創未来ポータル・新配送端末などのデジタルツールの導入により生産性を向上するとともに、営業担当者のスキル向上のため、顧客支援ビジネスをはじめとする各種研修にも注力しました。さらに、厚生労働省が定める「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に沿った価格交渉を引き続き進めるとともに、製品・お得意先ごとの流通コストの見える化と適正化に取り組みました。
その一方で、医薬品の仕入原価の上昇の影響を受けた結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,494,868百万円(前期比2.1%増)、セグメント利益(営業利益)16,820百万円(前期比11.6%減)となりました。
調剤薬局事業においては、事業会社の再編を進め、2024年3月末時点で24社あったファーマクラスター株式会社傘下の調剤薬局事業会社を、2026年4月1日時点で4社にまで集約しました。また、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、省人化と薬剤師の対人業務の充実を図るため、処方箋入力センターを設置し、各店舗の処方箋入力業務を集約化しております。
当連結会計年度の業績は、事業会社再編に伴う費用が先行しましたが、売上高は100,538百万円(前期比5.2%増)、セグメント利益(営業利益)は1,397百万円(前期比64.0%増)となりました。
医薬品製造販売事業においては、2025年12月にジェネリック医薬品1成分3品目を新たに発売しました。また、独自の検証システムに基づく徹底した品質管理と、計画的な生産・調達体制の構築により、高品質・高付加価値な医薬品の安定供給に取り組みました。TBCダイナベースと同一施設内に開設した医療用医薬品二次包装施設「羽田パッケージングセンター」では、2026年度内での受託開始に向けて準備を進めております。
当連結会計年度の経営成績は、売上高11,564百万円(前期比0.9%増)、セグメント利益(営業利益)282百万円(前期比61.3%減)となりました。
その他周辺事業における当連結会計年度の経営成績は、売上高7,048百万円(前期比2.9%増)、セグメント利益(営業利益)832百万円(前期比26.9%増)となりました。
(注)1.TBCとは、Toho Butsuryu Center(東邦物流センター)の略称であります
2.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産実績及び受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)1,400,976102.0
調剤薬局事業(百万円)16,036106.1
医薬品製造販売事業(百万円)8,503101.7
その他周辺事業(百万円)1,504106.4
合計(百万円)1,427,021102.1

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)1,444,698102.1
調剤薬局事業(百万円)100,535105.2
医薬品製造販売事業(百万円)2,654101.5
その他周辺事業(百万円)5,475108.2
合計(百万円)1,553,364102.3

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。
(2) 財政状態
① 総資産
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて17,975百万円増加し、740,781百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて22,097百万円増加し、571,044百万円となりました。これは、売掛金が14,826百万円、有価証券が7,000百万円それぞれ増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて4,121百万円減少し、169,737百万円となりました。これは、建物及び構築物が2,862百万円増加し、投資有価証券が4,796百万円減少したこと等によります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて12,621百万円増加し、597,950百万円となりました。これは、売掛金が増加したこと等によります。
調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて2,441百万円増加し、61,132百万円となりました。これは、現金及び預金、売掛金がそれぞれ増加し、非連結子会社株式が減少したこと等によります。
医薬品製造販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,985百万円減少し、17,460百万円となりました。これは、関係会社株式が減少したこと等によります。
その他周辺事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて255百万円増加し、6,118百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて3,313百万円増加し、469,221百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて17,911百万円増加し、441,920百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が16,520百万円増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて14,598百万円減少し、27,300百万円となりました。これは、社債が11,327百万円減少したこと等によります。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて14,662百万円増加し、271,560百万円となりました。これは、利益剰余金が11,445百万円増加し、自己株式が2,044百万円減少したこと等によります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し5,059百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は83,286百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、19,243百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比45,919百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益26,141百万円を計上、減価償却費6,056百万円、仕入債務の増加額15,764百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額14,014百万円、法人税等の支払額7,528百万円があったこと等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果獲得した資金は、822百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比5,002百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、定期預金の払戻による収入9,490百万円、有価証券の売却及び償還による収入3,000百万円、有形固定資産の売却による収入2,219百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入14,826百万円がありましたが、資金減少要因として、定期預金の預入による支出4,642百万円、有価証券の取得による支出10,000百万円、有形固定資産の取得による支出6,221百万円があったこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果支出した資金は、16,346百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比4,018百万円増加)となりました。これは、資金減少要因として、自己株式の取得による支出10,002百万円、配当金の支払額5,449百万円があったこと等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 市場価格のないその他有価証券の評価
当社グループは、市場価格のないその他有価証券は移動平均法による原価法を採用し、その評価は1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が50%を下回っている場合に減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案してその実質価額が合理的な期間内に回復可能であるか判断しております。
なお、将来の超過収益力等を反映した価額を実質価額とすることが合理的と判断される場合には、当該金額を純資産額に代えて減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案して、超過収益力等の毀損が生じていないか、または当社グループの投資価値回復計画を作成し、実質価額が取得価額に比して50%超下回るものの、実行可能で合理的な投資価値回復計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるかにより判断しております。
従って、事業計画等が達成されない場合、投資有価証券の減損処理を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
市場価格のないその他有価証券の評価のうち、市場価格のない非連結子会社株式の評価は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 繰延税金資産の回収可能性の判断
当社グループは、繰延税金資産について四半期毎に回収可能性を検討し、回収可能性がないと考えられる金額に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断は、業績を踏まえた将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の企業分類が分類2、分類3に該当する会社は、繰延税金資産の回収可能性を判断する際に、課税所得見込額やタックス・プランニングは予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため、見積可能期間は3年でスケジューリングを行っております。
将来の課税所得見込額は業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の見直しを行うため法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を実施することとしております。回収可能価額の算定において用いられる資産グループごとの割引前将来キャッシュ・フローは事業計画に基づいて見積りを実施しており、当該事業計画は予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため長期的な売上成長率を見込まずに作成しております。固定資産の回収可能価額の評価にあたっては、見積った将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値等を考慮した割引率を用いて算出した割引後将来キャッシュフローもしくは正味売却価額を用いております。
これらの主要な仮定について、市場環境の変化等により見直しが必要となる場合、固定資産の減損が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
④ 貸倒引当金の見積り
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過去3年間の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
相手先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当処理が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

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