有価証券報告書-第20期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
[金融経済環境]
当連結会計年度において、2019年4月から年末にかけては、米中貿易摩擦による海外経済の減速、10月の消費増税による国内経済の落ち込みによって、景気が悪化しつつありました。2020年1月以降は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策として、各国で外出の自粛・禁止や、対面での営業店舗の休業といった措置が取られ、経済の下押し圧力が高まりました。
各国では、大規模な経済政策が実施され、日本でも2020年3月の日本銀行の金融政策決定会合において、金融資産の買い入れ額を大幅に増加することを決定し、政府は4月に2008年のリーマン・ショック時を上回る追加の経済対策を決定しました。
金融市場は、国内金利については、長期金利(10年国債利回り)が年度前半は米中貿易摩擦の悪化懸念から一時マイナス0.29%まで低下しましたが、2019年9月以降は両国の緊張緩和の動きから金利は上昇に転じ、年末には0%程度となりました。2020年1月以降は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴って金融市場は大きく変動し、長期金利は一時マイナス0.15%まで低下したものの、2020年3月末には0.03%程度(2019年3月末はマイナス0.08%程度)となりました。
外国為替市場における円相場については、年度前半は米中貿易摩擦の悪化を受けて一時対米ドルで105円程度、対ユーロで116円程度まで円高が進みましたが、2019年9月以降は両国の緊張緩和を受けて円安の動きとなり、年末には対米ドルで109円程度、対ユーロで122円程度となりました。2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により一時102円台まで急激な円高・米ドル安が進行しましたが、各種の政策の効果もあり、2020年3月末には米ドル円相場は108円程度(2019年3月末比約2円の円高・米ドル安)となりました。一方、ユーロ・円は、対米ドル相場よりも緩やかに変動し、2020年3月末には119円程度(同比約5円の円高・ユーロ安)となりました。
最後に日経平均株価については、年度前半は米中貿易摩擦の影響を見極める動きから概ね2万1,000円程度で推移しましたが、2019年9月以降は両国で緊張緩和の動きとなり、2020年1月には2万4,000円台まで上昇しました。その後は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響拡大を受けて急激かつ大幅に下落し、2020年3月末には1万8,917円程度(同比約2,288円の下落)となりました。
今後は、各国での新型コロナウイルスの感染確認者数の増加ペースが鈍化するか、感染症対策を受けた経済の落ち込みがどの程度となるか等によって、経済・金融市場が大きく変動するリスクがあるとみられます。
[事業の経過及び成果]
新生銀行グループは、2020年3月期から2022年3月期までを対象期間として、「中期経営戦略」を策定しております。中期経営戦略の初年度における各ビジネス分野の取り組み状況は以下のとおりです。
(法人業務)
《個別戦略》
法人ビジネスは、個別戦略として「事業パートナー型ビジネスの展開」と「オルタナティブ投資に関するワンストップサービスの提供」を掲げ、中期経営戦略の基本戦略である「価値共創による成長追求」を、主に以下の分野において実現してまいります。
1.機関投資家向けビジネス
オルタナティブ投資に関する様々なニーズへの対応
・国内外の再生可能エネルギー、不動産を含む幅広い資産、および国内の未上場株に関する各種サービスの提供
・機関投資家とのネットワーク拡大、資金運用機会の提供
不動産ファイナンス、プロジェクトファイナンス等のストラクチャードファイナンス分野は、当行が比較優位性を有する分野であり、専門性を活かした取り組みと新たな成長機会を追求しております。当連結会計年度においても、プロジェクトファイナンスについては、引き続き太陽光発電を始めとする再生可能エネルギー案件の組成に注力しながら、新たに国内における洋上風力発電案件にも取り組んでおります。また、不動産ファイナンスについては、個別案件のリスクのみならず不動産市況全体のリスクとリターンを慎重に考慮しながら案件組成を進めております。
シニアローンを中心とした既往のビジネスにおける取り組みにおいては、市況に留意しながら、これまでに培ってきた知見、分析力、ストラクチャリング力を活用し、リスク・リターンを慎重に考慮しつつ迅速かつ柔軟な案件組成を行っております。また、銀行や保険会社等に対するシンジケーションにも積極的に取り組んでおります。
更に、新たな成長に向けて、機関投資家に対し、ストラクチャードファイナンス領域と親和性が高い不動産・インフラ関連の投資商品を組成・供給する仕組みの構築に取り組んでおります。投資家チャネルの拡大、新生銀行グループ各社の機能の活用も含めた販売手法の多様化を通じ、グループ全体の資産効率を高め収益機会を拡大させてまいります。
2.事業法人向けビジネス
事業パートナー型ビジネスの展開
・金融と非金融を融合したソリューションの展開
・デリバティブ、債権買取など、金融サービスの提案力の強化
・建機、工作機械など強みのある分野でのアセットビジネス強化
事業法人向けビジネスでは、伝統的な貸出業務を中心とした既往のビジネスに加え、更なる成長機会として、外部企業の持つ機能との連携を図った取り組みも推進しており、お客さまの経営課題の解決や新事業の創出を支援し、金融領域に留まらないソリューションを提供する事業パートナー型ビジネスを追求しております。
当連結会計年度は、株式会社USEN-NEXT HOLDINGSと共同で金融事業会社を設立しております。USEN-NEXT GROUPの顧客の小規模事業者に対し、新生銀行グループが有する金融機能を提供してまいります。
伝統的な貸出業務については取引採算性を意識した運営に努め、顧客基盤の質的拡大を継続的に推進する一方、お客さまのニーズに機動的に対応できるよう、デリバティブ、M&A、金融法人および事業法人のお客さまの固定化債権・非中核資産の買取り等によるバランスシートソリューションの提供、不動産投資等に係わるファイナンス、業況不振に陥っているお客さまへの融資や債務整理に伴う債権投資、成長段階に対応したプライベートエクイティ投資など、各金融サービスの充実化と、それらを組み合わせたソリューションの提案力を強化しております。さらに、子会社の昭和リースが強みを持つアセットビジネスを引き続き強化するとともに、当行におけるビジネスとのシナジーも追求しております。
3.金融法人向けビジネス
地域金融機関とのパートナーシップ
・地域のお客さまに対する新生銀行グループのサービスの提供
・地域金融機関の経営課題に対して新生銀行グループの機能を活用したサポート
金融法人向けビジネスにおいては、仕組商品等の運用商品の販売、シンジケートローンの組成やローン債権販売を通じた運用機会の提供等に加えて、地域金融機関の経営課題に対して新生銀行グループ内外の機能・サービスを提供することで、強固なパートナーシップの構築を推進しております。
また、地域金融機関と連携し、当該地域金融機関のお客さまに対しても新生銀行グループ内外のさまざまな機能・サービスを提供することにより、地域経済の活性化に貢献してまいります。
4.法人向けビジネスの差別化に向けた取り組み
・近時、注目されているサステナビリティ・ESG/SDGsおよび社会的インパクトを重視するとともに、これを注力分野である「機関投資家向けビジネス」を含む法人向けビジネス全体と融合させることにより、社会に対してポジティブなインパクトをもたらすような差別化された取り組みを積極的に推進してまいります。当連結会計年度は、これらを推進していくための新たな部署を設立いたしました。持続可能な社会資本の資金循環を促進する金融ソリューションの提供を通じて、社会・環境課題の解決に向けた役割を果たしてまいります。
(個人業務)
《個別戦略》
個人ビジネスは、個別戦略として「データ活用による本質的な顧客ニーズの把握」と「パーソナライズ化されたソリューションの提供」を掲げ、中期経営戦略の基本戦略である「価値共創による成長追求」を、主に次の分野において実現してまいります。
1.小口ファイナンス
エコシステムの構築・参画、データ活用によるサービス高度化
・顧客基盤、データなどの強みを有する企業との協業
・決済および与信データ、AI、デジタル技術の活用による与信・回収力の強化
小口ファイナンスは、これまで特に強化してきた無担保ローンビジネスだけでなく、ショッピングクレジットやクレジットカード、決済などのビジネスを含め、マーケティングや与信判断、回収におけるデータ分析・活用や堅牢なオペレーションといった点で新生銀行グループが競合優位性を有する分野であると認識しております。これまでに培った各ビジネスにおけるノウハウを活用し、個人のお客さまだけでなく個人事業主や中小零細企業、外国人など幅広いお客さまを対象に多様なファイナンス商品の提供に向けて取り組んでおります。また、新生銀行グループが持つ金融の機能やプラットフォームを顧客基盤やデータなどの強みをもつ企業に提供し新たな価値やサービスを創出することで、顧客理解の深化と他者サービスとの融合を進め、引き続き、エコシステム(経済的生態系)の構築や参画、サービスの高度化を目指してまいります。当連結会計年度は、株式会社NTTドコモと協業した個人向けの融資サービスを開始したほか、上述の株式会社USEN-NEXT HOLDINGSと共同での金融事業会社設立、株式会社セブン銀行との外国人向け金融事業会社設立などの取り組みを行っております。また、ネオバンク・プラットフォーム「BANKIT®」※のシステム提供を開始しており、今後さまざまなパートナー企業との連携に向けて注力してまいります。
※株式会社アプラスが事業主体となり、新生銀行グループが有する決済、為替および与信機能などの金融サービスをカフェテリア形式でパートナー企業に提供していくサービスです。
2.資産運用
顧客体験価値の向上、他者とのアライアンス等による販路拡大
・顧客ひとりひとりにパーソナライズ化されたコミュニケーションや商品提供を、デジタル技術と顧客データの活用により実現
・証券・保険機能を持つ外部企業とのアライアンス等により、投資・保険商品ニーズが顕在化している顧客への販路拡大
デジタル技術や顧客データを活用し、パーソナライズ化されたソリューションの提供によって、一人ひとりのニーズに応じたお客さまに寄り添うコンサルティングの実現と顧客体験価値の向上を目指して取り組んでおります。また、外部企業とのアライアンスによって、様々なニーズを持つ新たな顧客層に対してアプローチを拡大しております。
なお、当行はお客さまの「最善の利益」を最優先とした業務運営を行う指針として、「お客さま本位の業務運営に関する取組方針」およびこの方針を確実に実現するための「アクションプラン」を策定、公表しております。「お客さま本位の業務運営姿勢を貫き、お客さまの大切な資産形成のお役に立つ」ことの重要性を改めて認識し、お客さま本位の業務運営を徹底することで、社会・経済の持続的な成長・発展に貢献してまいります。
3.住関連ローン
事業者等との連携、新商品投入による顧客層の拡大
・不動産事業者、他の金融機関との連携
・老後資金やリフォーム費用のニーズの取り込み
住関連ローンは、借換え需要が一段落し新規借入れの住宅ローンのビジネス環境が厳しくなる中で、新商品の開発や販売チャネルの拡大に取組んでおります。当連結会計年度では、旭化成ホームズ株式会社との提携や株式会社ゆうちょ銀行への媒介業務の委託を開始しました。また、人生100年時代を迎え、住まいへの価値観やライフスタイルの多様化を背景とした消費行動の変化に伴い、既存商品では満たされていないお客さまのニーズに応える商品の提供といった取り組みを通じて、顧客層の拡大を目指しております。
(財務基盤)
当連結会計年度末には、バーゼルⅢ(国内基準)ベースでの連結自己資本比率は11.21%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行では、公的資金返済の道筋をつけるための取り組みの一環として、現在の当行の資本の状況や収益力、一株当たりの価値などに鑑み、2016年度から自己株式の取得を実施しており2019年度には総額235億円の取得価額を上限とした2019年5月15日開催の取締役会決議に基づき、2020年2月28日までに14,579,300株の自己株式を取得いたしました。当行では、充分な資本の維持を前提としつつ、適切な資本政策の実施を通じて、一株当たりの価値の向上を目指してまいります。
(業績)
以上のような事業経過のもと、当連結会計年度において、経常収益は3,995億円(前連結会計年度比272億円増加)、経常費用は3,484億円(同比316億円増加)、経常利益は510億円(同比43億円減少)となりました。さらに、特別損益、法人税等合計、非支配株主に帰属する当期純損失を加除した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は455億円(同比67億円減少)となりました。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
連結損益の状況
(注)1.上記の区分表記は経営管理上のものであり、基本的に単体(経営健全化ベース)と同様の基準で作成しておりますが、開示の適切性の観点から必要な組み替えを行っております。
2.連結損益計算書においては、のれん償却額及び無形資産償却額は経費の中に含まれております。
3.与信関連費用加算後実質業務純益(セグメント利益の合計)=業務粗利益-経費-与信関連費用
上表にある非資金利益は、役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益から構成されています。
役務取引等利益は、主に、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスなどの貸出業務にかかる手数料収益、リテールバンキング業務での投資信託や保険商品の販売などにかかる手数料収益、コンシューマーファイナンス業務での保証業務関連収益、ペイメント業務にかかる手数料収益などにより構成されます。
特定取引利益は、お客さまとの取引に伴うデリバティブ収益のほか、当行の自己勘定で実行された取引からの収益で構成されます。
その他業務利益は、リース収益・割賦収益、金銭の信託運用損益、トレジャリー業務による有価証券売却損益などにより構成されます。
1.経営成績の分析
当行グループの当連結会計年度の業績は、親会社株主に帰属する当期純利益が455億円(前連結会計年度比67億円減少)、1株当たり当期純利益が190円59銭、中期経営戦略の財務目標に対する達成状況が下表のとおりとなり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響を考慮すれば、中期経営戦略の初年度として堅調なスタートを切ることができました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、経営環境は中期経営戦略の策定時から激変しています。しかしながら、中期経営戦略が目指す「金融リ・デザイン」のコンセプトは変わらず、むしろ取り組みのスピードアップを考えています。従来の金融商品・サービスでは満たされない人々に対して、グループ企業に留まらず外部の人材やリソースとも協働しながら、一歩先を行く金融商品・サービスの提供を一層強化していきます。
(注)1 自己株式の取得効果を除く、潜在株式調整後。
2 算出方法は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ③.財務目標」に記載しております。
3 普通株式等Tier1比率(バーゼルⅢ国際統一基準完全施行ベース)
当連結会計年度における主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(1)業務粗利益
資金利益については、ストラクチャードファイナンス業務における利息収入が増加したものの、リテールバンキング業務やアプラスフィナンシャルの住宅関連ローンの利息収入の減少等により前連結会計年度に比べて減少しました。
非資金利益については、法人業務での保有株式の売却益計上に加えて、アプラスフィナンシャルでのショッピングクレジット等の主要業務の伸長やALM業務での国債等の債券売却益の増加、さらにリテールバンキング業務が堅調に推移したこと等もあって、前連結会計年度に比べて増加しました。
業務粗利益
(2)経費
人件費・物件費といった経費については、新基幹システムの稼働等に伴うシステム費の増加に加えて、子会社買収に伴う経費の増加やグループ拠点再編に係る経費の計上等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
経費
(注)経費は、財務会計上の営業経費から、のれん償却額、無形資産償却額及び臨時的な費用を控除したものであります。なお、臨時的な費用は、財務会計上の人件費に含まれる退職給付費用の数理計算上の差異の償却及びその他臨時費用等により構成されております。
(3)与信関連費用
与信関連費用については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う貸出先の業況悪化に備えて貸倒引当金を積み増したこと等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
与信関連費用
(注)当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大やそれに伴う経済活動停滞による影響は今後1年程度続くものと想定し、特に当行及び一部の連結子会社の特定業種向け貸出金等の信用リスクに大きな影響があるとの仮定を置いております。こうした仮定のもと、当該影響により予想される損失に備えるため、特定債務者の債務者区分を足許の業績悪化の状況を踏まえて修正するとともに、特定業種ポートフォリオの貸倒実績に予想される業績悪化の状況に基づく修正を加えた予想損失率によって、貸倒引当金70億円を追加計上しております。
(4)その他利益
その他利益については、前連結会計年度に比べて減少しました。利息返還損失引当金については、近時の利息返還動向に基づき、将来の過払負担をカバーするために、必要額を再計算した結果、全体で26億円の取崩超となり、当該金額を利息返還損失引当金戻入益に計上いたしました。
その他利益
(5)セグメント別の業績
法人業務は、顧客基盤の拡充や収益力の強化に向けた取り組みが成果を上げつつあり、ストラクチャードファイナンス業務において利息収入が増加したことや、保有株式の売却益を計上したこと、さらにデリバティブ関連収益や証券仲介業務が堅調に推移した等により、業務粗利益は増加しました。一方、与信関連費用は、前連結会計年度に計上した貸倒引当金戻入益がなくなったことや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う貸出先の業況悪化に備えて貸倒引当金を積み増したこと等により増加しました。結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。なお、当連結会計年度よりセグメントの区分を見直し、従来の「金融市場業務」を「法人業務」に含めております。
個人業務について、まずリテールバンキングは、住宅ローンの利息収入が減少したものの、「新生ステップアッププログラム」改定に伴う一部のお客さまに対するATM手数料有料化等により業務粗利益が増加したことから、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
次にコンシューマーファイナンスは、アプラスフィナンシャルのショッピングクレジット等の取り扱いが増加したものの、アプラスフィナンシャルの住宅関連ローンの利息収入が減少したことや、新生フィナンシャルの地銀保証の残高が減少したこと等により業務粗利益は減少しました。一方、アプラスフィナンシャルにおいて前連結会計年度に計上した延滞債権の一括売却に伴う処理コストがなくなったことを主因に与信関連費用が改善したものの、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。
「経営勘定/その他」のセグメント利益は、ALM業務を所管するトレジャリーにおいて国債等の債券売却益が増加したものの、前連結会計年度に比べて減少しました。
セグメント別の業績
詳細は、「第5 経理の状況」中、1「(1)連結財務諸表」の「セグメント情報等」をご覧ください。
(6)ROA、ROE
(注)1.ROA算出式:
2.ROE(潜在株式調整後)算出式:
(7)1株当たり情報
(注)指標算式は以下をご参照ください。
○潜在株式調整後1株当たり純資産額
*1 期末純資産の部合計から、期末新株予約権及び期末非支配株主持分を控除
*2 自己株式控除後期末普通株式数 前連結会計年度末 245,274千株 当連結会計年度末 230,743千株
*3 潜在株式調整後期末普通株式数 前連結会計年度末 245,303千株 当連結会計年度末 230,790千株
2.財政状態の分析
当連結会計年度末において、総資産は10兆2,265億円(前連結会計年度末比6,553億円増加)となりました。主要な勘定残高の推移は、以下のとおりであります。
主要勘定残高
(1)貸出金
貸出金は、住宅ローン残高が減少した一方で、ストラクチャードファイナンス業務での残高が着実に積み上がったことから、全体では5兆1,104億円(前連結会計年度末比1,235億円増加)となりました。
① 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
② 貸出金の残存期間別残高(単体)
(注)残存期間1年以下の貸出金については、固定金利、変動金利の区別をしておりません。
③ リスク管理債権の状況
リスク管理債権及び貸倒引当金の推移は以下のとおりであります。
リスク管理債権とは、銀行法に基づく開示債権であり、貸出金を元本及び利息の返済状況等に基づき「破綻先債権」「延滞債権」「3カ月以上延滞債権」「貸出条件緩和債権」に区分したものであります。開示対象資産は貸出金のみであり、この点、金融再生法の開示基準に基づく債権と異なります。なお、「第2 事業の状況」中、「2 事業等のリスク」の「(2)信用リスク ①.貸倒引当金の十分性について」もご参照ください。
リスク管理債権(連結)
(注)1.貸倒引当金は、一般貸倒引当金、個別貸倒引当金及び特定海外債権引当勘定の合計であります。
2.「その他資産」に含まれる割賦売掛金のうち、2019年3月末現在で、破綻先債権額は0億円、延滞債権額は59億円、3カ月以上延滞債権額は8億円、貸出条件緩和債権額は2億円、2020年3月末現在で、破綻先債権額は0億円、延滞債権額は56億円、3カ月以上延滞債権額は2億円、貸出条件緩和債権額は10億円であります。なお、これらは、上表の各債権額には含まれておりません。
リスク管理債権(単体)
(注)貸倒引当金は、一般貸倒引当金、個別貸倒引当金及び特定海外債権引当勘定の合計であります。
④ 金融再生法の開示基準に基づく債権の状況(単体)
不良債権については、金融再生法ベースの開示債権(単体)において、当事業年度末は176億円(前事業年度末は102億円)、不良債権比率は0.34%(前事業年度末は0.20%)となり、引き続き低水準を維持しております。
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
金融再生法の開示基準に基づく債権(単体)
なお、正常先を含めた債務者区分毎の引当率は以下のとおりであります。
(2)有価証券
有価証券は9,570億円(前連結会計年度末比1,732億円減少)となり、このうち、日本国債の残高は3,605億円(同比1,409億円減少)となりました。
有価証券
また、「その他有価証券」で時価のあるものの評価差額は以下のとおりであります。
(注)1.連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「買入金銭債権」中の有価証券として会計処理している信託受益権を含めて記載しております。
2.上記評価差額のほか、時価を把握することが極めて困難な有価証券に区分している投資事業有限責任組合等の構成資産であるその他有価証券に係る評価差額等の金額を加えた後、実効税率や非支配株主持分相当額等を勘案後の金額(2019年3月末100億円、2020年3月末47億円)を、連結貸借対照表の純資産の部にその他有価証券評価差額金として計上しております。
(3)のれん・無形資産
昭和リース、新生パーソナルローン、全国賃貸保証及びその他連結子会社の取得時、及び各社における事業譲受時の全面時価評価法の適用により、各社及び対象事業の資産・負債の時価評価を行った結果、当連結会計年度末(2020年3月末)現在で、以下のとおりのれん及び無形資産を連結貸借対照表に計上しております。
(4)繰延税金資産
繰延税金資産は169億円(前連結会計年度末比18億円増加)となりました。税効果会計に基づく繰延税金資産の計上については、引き続き1年分の収益計画に基づき算出しております。
(5)支払承諾見返、支払承諾
主として、アプラスフィナンシャルの信用保証業に係る保証残高を当行連結貸借対照表上の支払承諾・同見返に計上しているものであり、当該保証残高の増加に伴い当勘定も前連結会計年度末比697億円増となりました。
(6)預金・譲渡性預金
預金・譲渡性預金は6兆3,051億円(前連結会計年度末比3,830億円増加)となり、引き続き、当行の安定的な資金調達基盤の重要な柱である個人のお客さまからの預金を中心に各ビジネスを積極的に推進するのに十分な水準を維持しております。
預金・譲渡性預金期末残高
(注)「流動性預金」=通知預金+普通預金+当座預金、「定期性預金」=定期預金
なお、定期預金(除く、非居住者円預金・外貨預金)の残存期間別残高は以下のとおりであります。
定期預金の残存期間別残高
(注)「3カ月未満」には、期間が到来したものの払い出しがなされていない定期預金を含みます。
(7)社債、借用金
社債は、当行、アプラスフィナンシャル及び昭和リースが発行したものであり、1,665億円(前連結会計年度末比741億円増加)となりました。借用金は、当行、アプラスフィナンシャル及び昭和リース等の当行子会社の、当行以外の第三者からの借入金が含まれており、前連結会計年度末比1,979億円増となりました。
(8)純資産の部
純資産は、公的資金返済の道筋をつけることを目指して、資本の状況や収益力、1株当たりの価値等に鑑み行われた2019年5月15日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得を進めたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、9,104億円(前連結会計年度末比138億円増加)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加、資金運用による収入、借入金の増加による収入等と、債券貸借取引受入担保金等の減少による支出等により3,065億円の収入(前連結会計年度は139億円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の売却・償還による収入が、取得による支出を上回ったこと等により491億円の収入(同1,525億円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得等により231億円の支出(同501億円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比3,323億円増加し、1兆5,782億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度末において、銀行法に基づく連結自己資本比率(バーゼルⅢ、国内基準)は11.21%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行グループは、銀行業務を中心に、証券業務、信託業務のほかコンシューマーファイナンス業務及びコマーシャルファイナンス業務など総合的な金融サービスに係る事業を行っており、これらの事業を行うにあたり、長期的かつ安定的な調達として、リテール顧客の預金による調達に重点をおくとともに、貸出金その他の資産の流動化等による調達の分散化も図っております。子会社及び関連会社においては、他の金融機関からの間接金融による調達も行っております。
なお、当行グループの主要な設備投資等の資本的支出の内容については、「第3 設備の状況」に記載しております。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
基礎的内部格付手法の採用については、当行自身の内部格付制度とパラメータ推計値に基づき信用リスクを計測することが認められたものであり、当行の高度なリスク管理能力を規制資本の計算に活用することが可能になると共に、実際のリスクに見合ったより合理的な所要規制資本が算出されることを意味しております。
連結自己資本比率(国内基準)
単体自己資本比率(国内基準)
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積りを行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と大幅に異なる結果となる可能性があることから、特に慎重な判断が求められます。
当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
当行及び国内信託銀行子会社では、すべての債権を、資産の自己査定基準に基づき、営業推進部署及び審査部署が資産査定を実施し、当該部署から独立したリスク統括担当部署が査定結果を検証しており、その査定結果に基づいて、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり貸倒引当金を計上しております。
破産、特別清算等、法的に経営破綻の事実が発生している債務者(以下、「破綻先」という。)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(以下、「実質破綻先」という。)に係る債権については、以下のなお書きに記載されている直接減額後の帳簿価額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を計上しております。また、現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者(以下、「破綻懸念先」という。)に係る債権については、以下の大口債務者に係る債権を除き、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額に対して今後3年間の予想損失額を見込んで計上しております。
当行では破綻懸念先、貸出条件緩和債権等を有する債務者及び従来よりキャッシュ・フロー見積法(後述)による引当を行っていた債務者で、今後の債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積ることができる債務者のうち、与信額が一定額以上の大口債務者に係る債権については、当該キャッシュ・フローを貸出条件緩和実施前の約定利子率で割引いた金額と債権の帳簿価額との差額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー見積法)により計上しております。また、将来キャッシュ・フローを合理的に見積ることが困難な債務者のうち与信額が一定額以上の大口債務者に係る債権については、個別的に残存期間を算定し、その残存期間に対応する今後の一定期間における予想損失額を計上しております。
上記以外の債権については、貸出金等の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、ポートフォリオの特性に応じて、一般事業法人向けローン、不動産ノンリコースローン、プロジェクトファイナンス及び個人向け商品別にグルーピングを行ったうえで、主として各々の平均残存期間の貸倒実績又は倒産実績を基礎とした貸倒実績率又は倒産確率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算出しております。
国内信託銀行子会社以外の連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
なお、当行及び一部の連結子会社では破綻先及び実質破綻先に対する担保・保証付債権等については、原則として債権額から担保の評価額及び保証による回収が可能と認められる額を控除した残額を取立不能見込額として債権額から直接減額しております。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大やそれに伴う経済活動停滞による影響は今後1年程度続くものと想定し、特に当行及び一部の連結子会社の特定業種向け貸出金等の信用リスクに大きな影響があるとの仮定を置いております。こうした仮定のもと、当該影響により予想される損失に備えるため、特定債務者の債務者区分を足許の業績悪化の状況を踏まえて修正するとともに、特定業種ポートフォリオの貸倒実績に予想される業績悪化の状況に基づく修正を加えた予想損失率によって、貸倒引当金70億円を追加計上しております。なお、当該金額は現時点の最善の見積りであるものの見積りに用いた仮定の不確実性は高く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況やその経済環境への影響が変化した場合には、翌年度の連結財務諸表において当該貸倒引当金は増減する可能性があります。
当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、将来見込み等必要な修正を加えているものの貸倒引当金の見積りは基本的に過去の貸倒実績により計算しているため、急激な経済環境の変化や担保価値の下落によって、実際の貸倒損失が予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。
有価証券の減損
当行グループでは、売買目的有価証券以外の有価証券(時価を把握することが極めて困難なものを除く)のうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落したものについては、原則として時価が取得原価まで回復する見込みがないものとみなして、当該時価をもって連結貸借対照表計上額とし、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
時価が「著しく下落した」と判断するための基準は、資産の自己査定基準における有価証券発行会社の区分毎に次のとおり定めております。
破綻先、実質破綻先、破綻懸念先 時価が取得原価に比べて下落
要注意先 時価が取得原価に比べて30%以上下落
正常先 時価が取得原価に比べて50%以上下落
なお、破綻先とは破産、特別清算等、法的に経営破綻の事実が発生している発行会社、実質破綻先とは破綻先と同等の状況にある発行会社、破綻懸念先とは現在は経営破綻の状況にないが今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる発行会社、要注意先とは今後の管理に注意を要する発行会社であります。また、正常先とは破綻先、実質破綻先、破綻懸念先及び要注意先以外の発行会社であります。
時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、当該有価証券の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
有価証券の減損判断には、資産の自己査定基準における有価証券発行会社等の債務者区分判定の他、実質価額の算定などの見積りが含まれています。
将来の市況悪化や発行会社の業績不振等により、現在の時価又は実質価額がさらに低下した場合には、追加で減損処理を計上する可能性があります。
のれん・無形資産の減損
当行は、のれん(以下、持分法投資に含まれるのれん相当額を含む。)及び無形資産についてその効果が及ぶ期間(20年以内)での償却を行い、四半期毎に減損の兆候の有無を確認しております。
減損の兆候が認められた場合、減損損失の認識の判定は、原則としてのれん及び無形資産の帰属する会社又は事業の単位でグルーピングし、その事業から生じる割引前の将来のキャッシュ・フローを見積り、その総額がのれん及び無形資産を含む当該事業に係る連結簿価より低い場合に、減損損失が生じているものとしております。このとき、将来キャッシュ・フローを見積る期間はのれん及び無形資産の残存償却年数か20年のいずれか短い方を採用しております。
そして、減損損失が生じていると認識された場合には、当該事業から生じる将来のキャッシュ・フローを一定の割引率で割り引いた使用価値を算定し、当該事業に係る連結簿価との差額を減損損失として計上します。
のれん及び無形資産の減損の判定においては、判定単位の将来見積りキャッシュ・フロー、個別のリスクを反映した割引率、成長率など多くの見積りや前提を使用しています。
経済情勢や判定単位独自のリスクにより、実際の将来キャッシュ・フローに影響を与える各項目が減損判定時の予測よりも悪化した場合、追加で減損損失を計上する可能性があります。
利息返還損失引当金
連結子会社である新生フィナンシャルや新生パーソナルローン、アプラスフィナンシャルにおいて利息返還損失引当金を計上しております。利息返還損失引当金は、利息制限法の上限金利を超え、いわゆる出資法の上限金利以下の貸付利率(いわゆるグレーゾーン金利)により営業を行っていた貸金業者が、債務者から利息制限法の上限金利を超過して支払った利息の返還請求に起因して生じる返還額(損失)に備えて設定する引当金です。
利息の返還請求は、貸付けに関する契約書に債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする2006年の最高裁判所の判断に基づくもので、一般的に、債務者からの返還請求があれば、利息制限法に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について貸金業者は返還することとなります。新生フィナンシャル、新生パーソナルローン及びアプラスフィナンシャルの消費者金融については、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部について既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行い、2010年6月の改正貸金業法の完全施行により、新規貸付はすべて利息制限法の範囲内で実施しておりますが、過去にグレーゾーン金利で営業を行っており、債務者等から返還請求があるため利息返還損失引当金の計上が必要となります。
利息返還損失引当金の計算にあたっては、グレーゾーン金利により貸し付けられた貸付金(以下「グレーゾーン金利により貸し付けられた貸付金」を「貸付金」という。)を対象として、新生フィナンシャル及び新生パーソナルローンについては過払利息返還の対象となる母集団(口座数)に当該母集団のうち弁護士事務所・司法書士事務所の介入等により、顧客から過払利息の返還請求がなされるであろう比率(介入率)又は当該母集団のうち債務者との和解した比率(和解率)と1顧客当たりの返還請求見込み金額等を対象となる母集団の口座数が一定数以下になるまで乗じることにより将来返還が見込まれる額を見積っております。またアプラスフィナンシャルについては過去の返還請求件数の推移から将来の一定期間における返還請求件数を予想し、それに1顧客当たりの返還請求見込み金額を乗じることにより、将来返還が見込まれる額を見積っております。なお、利息返還損失引当金の見積りにあたっては、過去の利息返還額の発生状況を分析し将来にわたる利息返還損失額を合理的に予想して計算する必要があることから、口座数が時効の到来によりどの程度減少するかや過去の介入率、和解率、返還請求件数、1顧客当たりの返還請求金額などが将来どのように遷移していくかの補正を行っております。
近時では「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回って安定的に推移しており、将来の予想を加味した見積りにより過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的になるものと認識しております。他方、引当金額は基本的に過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、現時点では予想できない将来の環境変化等によって、現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合は、追加の費用が生じる可能性があります。
繰延税金資産
当行グループは連結納税制度を採用しており、過去の不良債権処理に伴う有価証券の減損処理及び貸倒損失並びに利息返還損失引当金等により、多額の将来減算一時差異と税務上の繰越欠損金を有しております。繰延税金資産の回収可能性の判断基準については、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の会社分類4に該当し、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の計上に関する判断は、中間連結会計期間及び連結会計年度の期末時点において実施しておりますが、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得の見積り変更等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産を取り崩しております。翌1年間の一時差異等加減算前課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に繰延税金資産を取り崩しております。
(単体情報)
(参考)当行の単体情報のうち、参考として以下の情報を掲げております。
損益状況(単体)
(1)損益の概要
(注)1.業務粗利益=(資金運用収支+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支+金銭の信託運用損益
金銭の信託運用損益は、本来業務にかかる損益ととらえております。
2.コア業務純益=業務純益+一般貸倒引当金繰入額-債券関係損益
3.業務純益=業務粗利益(除く金銭の信託運用損益)-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
4.実質業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)
5.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除されているものであります。
6.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。本表では、さらに金銭の信託運用損益を除いた金額を記載しております。
7.債券関係損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
8.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
9.前事業年度の貸倒引当金は全体で526百万円の取崩超(うち、一般貸倒引当金については、2,492百万円の取崩)のため、当該金額を貸倒引当金戻入益に計上しております。また、当事業年度の貸倒引当金は全体で8,813百万円の繰入超(うち、一般貸倒引当金については、2,976百万円の繰入)となっております。
10.前事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損2,101百万円を特別損失に計上しております。また当事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損1,622百万円を特別損失に計上しております。
(2)営業経費の内訳
(注) 損益計算書中「営業経費」の内訳であります。
利鞘(国内業務部門)(単体)
(注)1.「国内業務部門」とは本邦店の居住者向け円建諸取引であります(但し特別国際金融取引勘定を除く)。
2.預金には譲渡性預金を含んでおります。
ROE(単体)
預金・貸出金の状況(単体)
(1)預金・貸出金の残高
(注) 預金には譲渡性預金を含んでおります。
(2)個人・法人別預金残高(国内)
(注) 譲渡性預金及び特別国際金融取引勘定分を除いております。
(3)消費者ローン残高
(4)中小企業等貸出金
(注)1.貸出金残高には、海外店分及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。
2.中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の会社及び個人であります。
[金融経済環境]
当連結会計年度において、2019年4月から年末にかけては、米中貿易摩擦による海外経済の減速、10月の消費増税による国内経済の落ち込みによって、景気が悪化しつつありました。2020年1月以降は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策として、各国で外出の自粛・禁止や、対面での営業店舗の休業といった措置が取られ、経済の下押し圧力が高まりました。
各国では、大規模な経済政策が実施され、日本でも2020年3月の日本銀行の金融政策決定会合において、金融資産の買い入れ額を大幅に増加することを決定し、政府は4月に2008年のリーマン・ショック時を上回る追加の経済対策を決定しました。
金融市場は、国内金利については、長期金利(10年国債利回り)が年度前半は米中貿易摩擦の悪化懸念から一時マイナス0.29%まで低下しましたが、2019年9月以降は両国の緊張緩和の動きから金利は上昇に転じ、年末には0%程度となりました。2020年1月以降は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴って金融市場は大きく変動し、長期金利は一時マイナス0.15%まで低下したものの、2020年3月末には0.03%程度(2019年3月末はマイナス0.08%程度)となりました。
外国為替市場における円相場については、年度前半は米中貿易摩擦の悪化を受けて一時対米ドルで105円程度、対ユーロで116円程度まで円高が進みましたが、2019年9月以降は両国の緊張緩和を受けて円安の動きとなり、年末には対米ドルで109円程度、対ユーロで122円程度となりました。2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により一時102円台まで急激な円高・米ドル安が進行しましたが、各種の政策の効果もあり、2020年3月末には米ドル円相場は108円程度(2019年3月末比約2円の円高・米ドル安)となりました。一方、ユーロ・円は、対米ドル相場よりも緩やかに変動し、2020年3月末には119円程度(同比約5円の円高・ユーロ安)となりました。
最後に日経平均株価については、年度前半は米中貿易摩擦の影響を見極める動きから概ね2万1,000円程度で推移しましたが、2019年9月以降は両国で緊張緩和の動きとなり、2020年1月には2万4,000円台まで上昇しました。その後は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響拡大を受けて急激かつ大幅に下落し、2020年3月末には1万8,917円程度(同比約2,288円の下落)となりました。
今後は、各国での新型コロナウイルスの感染確認者数の増加ペースが鈍化するか、感染症対策を受けた経済の落ち込みがどの程度となるか等によって、経済・金融市場が大きく変動するリスクがあるとみられます。
[事業の経過及び成果]
新生銀行グループは、2020年3月期から2022年3月期までを対象期間として、「中期経営戦略」を策定しております。中期経営戦略の初年度における各ビジネス分野の取り組み状況は以下のとおりです。
(法人業務)
《個別戦略》
法人ビジネスは、個別戦略として「事業パートナー型ビジネスの展開」と「オルタナティブ投資に関するワンストップサービスの提供」を掲げ、中期経営戦略の基本戦略である「価値共創による成長追求」を、主に以下の分野において実現してまいります。
1.機関投資家向けビジネス
オルタナティブ投資に関する様々なニーズへの対応
・国内外の再生可能エネルギー、不動産を含む幅広い資産、および国内の未上場株に関する各種サービスの提供
・機関投資家とのネットワーク拡大、資金運用機会の提供
不動産ファイナンス、プロジェクトファイナンス等のストラクチャードファイナンス分野は、当行が比較優位性を有する分野であり、専門性を活かした取り組みと新たな成長機会を追求しております。当連結会計年度においても、プロジェクトファイナンスについては、引き続き太陽光発電を始めとする再生可能エネルギー案件の組成に注力しながら、新たに国内における洋上風力発電案件にも取り組んでおります。また、不動産ファイナンスについては、個別案件のリスクのみならず不動産市況全体のリスクとリターンを慎重に考慮しながら案件組成を進めております。
シニアローンを中心とした既往のビジネスにおける取り組みにおいては、市況に留意しながら、これまでに培ってきた知見、分析力、ストラクチャリング力を活用し、リスク・リターンを慎重に考慮しつつ迅速かつ柔軟な案件組成を行っております。また、銀行や保険会社等に対するシンジケーションにも積極的に取り組んでおります。
更に、新たな成長に向けて、機関投資家に対し、ストラクチャードファイナンス領域と親和性が高い不動産・インフラ関連の投資商品を組成・供給する仕組みの構築に取り組んでおります。投資家チャネルの拡大、新生銀行グループ各社の機能の活用も含めた販売手法の多様化を通じ、グループ全体の資産効率を高め収益機会を拡大させてまいります。
2.事業法人向けビジネス
事業パートナー型ビジネスの展開
・金融と非金融を融合したソリューションの展開
・デリバティブ、債権買取など、金融サービスの提案力の強化
・建機、工作機械など強みのある分野でのアセットビジネス強化
事業法人向けビジネスでは、伝統的な貸出業務を中心とした既往のビジネスに加え、更なる成長機会として、外部企業の持つ機能との連携を図った取り組みも推進しており、お客さまの経営課題の解決や新事業の創出を支援し、金融領域に留まらないソリューションを提供する事業パートナー型ビジネスを追求しております。
当連結会計年度は、株式会社USEN-NEXT HOLDINGSと共同で金融事業会社を設立しております。USEN-NEXT GROUPの顧客の小規模事業者に対し、新生銀行グループが有する金融機能を提供してまいります。
伝統的な貸出業務については取引採算性を意識した運営に努め、顧客基盤の質的拡大を継続的に推進する一方、お客さまのニーズに機動的に対応できるよう、デリバティブ、M&A、金融法人および事業法人のお客さまの固定化債権・非中核資産の買取り等によるバランスシートソリューションの提供、不動産投資等に係わるファイナンス、業況不振に陥っているお客さまへの融資や債務整理に伴う債権投資、成長段階に対応したプライベートエクイティ投資など、各金融サービスの充実化と、それらを組み合わせたソリューションの提案力を強化しております。さらに、子会社の昭和リースが強みを持つアセットビジネスを引き続き強化するとともに、当行におけるビジネスとのシナジーも追求しております。
3.金融法人向けビジネス
地域金融機関とのパートナーシップ
・地域のお客さまに対する新生銀行グループのサービスの提供
・地域金融機関の経営課題に対して新生銀行グループの機能を活用したサポート
金融法人向けビジネスにおいては、仕組商品等の運用商品の販売、シンジケートローンの組成やローン債権販売を通じた運用機会の提供等に加えて、地域金融機関の経営課題に対して新生銀行グループ内外の機能・サービスを提供することで、強固なパートナーシップの構築を推進しております。
また、地域金融機関と連携し、当該地域金融機関のお客さまに対しても新生銀行グループ内外のさまざまな機能・サービスを提供することにより、地域経済の活性化に貢献してまいります。
4.法人向けビジネスの差別化に向けた取り組み
・近時、注目されているサステナビリティ・ESG/SDGsおよび社会的インパクトを重視するとともに、これを注力分野である「機関投資家向けビジネス」を含む法人向けビジネス全体と融合させることにより、社会に対してポジティブなインパクトをもたらすような差別化された取り組みを積極的に推進してまいります。当連結会計年度は、これらを推進していくための新たな部署を設立いたしました。持続可能な社会資本の資金循環を促進する金融ソリューションの提供を通じて、社会・環境課題の解決に向けた役割を果たしてまいります。
(個人業務)
《個別戦略》
個人ビジネスは、個別戦略として「データ活用による本質的な顧客ニーズの把握」と「パーソナライズ化されたソリューションの提供」を掲げ、中期経営戦略の基本戦略である「価値共創による成長追求」を、主に次の分野において実現してまいります。
1.小口ファイナンス
エコシステムの構築・参画、データ活用によるサービス高度化
・顧客基盤、データなどの強みを有する企業との協業
・決済および与信データ、AI、デジタル技術の活用による与信・回収力の強化
小口ファイナンスは、これまで特に強化してきた無担保ローンビジネスだけでなく、ショッピングクレジットやクレジットカード、決済などのビジネスを含め、マーケティングや与信判断、回収におけるデータ分析・活用や堅牢なオペレーションといった点で新生銀行グループが競合優位性を有する分野であると認識しております。これまでに培った各ビジネスにおけるノウハウを活用し、個人のお客さまだけでなく個人事業主や中小零細企業、外国人など幅広いお客さまを対象に多様なファイナンス商品の提供に向けて取り組んでおります。また、新生銀行グループが持つ金融の機能やプラットフォームを顧客基盤やデータなどの強みをもつ企業に提供し新たな価値やサービスを創出することで、顧客理解の深化と他者サービスとの融合を進め、引き続き、エコシステム(経済的生態系)の構築や参画、サービスの高度化を目指してまいります。当連結会計年度は、株式会社NTTドコモと協業した個人向けの融資サービスを開始したほか、上述の株式会社USEN-NEXT HOLDINGSと共同での金融事業会社設立、株式会社セブン銀行との外国人向け金融事業会社設立などの取り組みを行っております。また、ネオバンク・プラットフォーム「BANKIT®」※のシステム提供を開始しており、今後さまざまなパートナー企業との連携に向けて注力してまいります。
※株式会社アプラスが事業主体となり、新生銀行グループが有する決済、為替および与信機能などの金融サービスをカフェテリア形式でパートナー企業に提供していくサービスです。
2.資産運用
顧客体験価値の向上、他者とのアライアンス等による販路拡大
・顧客ひとりひとりにパーソナライズ化されたコミュニケーションや商品提供を、デジタル技術と顧客データの活用により実現
・証券・保険機能を持つ外部企業とのアライアンス等により、投資・保険商品ニーズが顕在化している顧客への販路拡大
デジタル技術や顧客データを活用し、パーソナライズ化されたソリューションの提供によって、一人ひとりのニーズに応じたお客さまに寄り添うコンサルティングの実現と顧客体験価値の向上を目指して取り組んでおります。また、外部企業とのアライアンスによって、様々なニーズを持つ新たな顧客層に対してアプローチを拡大しております。
なお、当行はお客さまの「最善の利益」を最優先とした業務運営を行う指針として、「お客さま本位の業務運営に関する取組方針」およびこの方針を確実に実現するための「アクションプラン」を策定、公表しております。「お客さま本位の業務運営姿勢を貫き、お客さまの大切な資産形成のお役に立つ」ことの重要性を改めて認識し、お客さま本位の業務運営を徹底することで、社会・経済の持続的な成長・発展に貢献してまいります。
3.住関連ローン
事業者等との連携、新商品投入による顧客層の拡大
・不動産事業者、他の金融機関との連携
・老後資金やリフォーム費用のニーズの取り込み
住関連ローンは、借換え需要が一段落し新規借入れの住宅ローンのビジネス環境が厳しくなる中で、新商品の開発や販売チャネルの拡大に取組んでおります。当連結会計年度では、旭化成ホームズ株式会社との提携や株式会社ゆうちょ銀行への媒介業務の委託を開始しました。また、人生100年時代を迎え、住まいへの価値観やライフスタイルの多様化を背景とした消費行動の変化に伴い、既存商品では満たされていないお客さまのニーズに応える商品の提供といった取り組みを通じて、顧客層の拡大を目指しております。
(財務基盤)
当連結会計年度末には、バーゼルⅢ(国内基準)ベースでの連結自己資本比率は11.21%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行では、公的資金返済の道筋をつけるための取り組みの一環として、現在の当行の資本の状況や収益力、一株当たりの価値などに鑑み、2016年度から自己株式の取得を実施しており2019年度には総額235億円の取得価額を上限とした2019年5月15日開催の取締役会決議に基づき、2020年2月28日までに14,579,300株の自己株式を取得いたしました。当行では、充分な資本の維持を前提としつつ、適切な資本政策の実施を通じて、一株当たりの価値の向上を目指してまいります。
(業績)
以上のような事業経過のもと、当連結会計年度において、経常収益は3,995億円(前連結会計年度比272億円増加)、経常費用は3,484億円(同比316億円増加)、経常利益は510億円(同比43億円減少)となりました。さらに、特別損益、法人税等合計、非支配株主に帰属する当期純損失を加除した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は455億円(同比67億円減少)となりました。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
連結損益の状況
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||
| 業務粗利益 | 2,297 | 2,399 | 102 | |
| 資金利益 | 1,338 | 1,335 | △3 | |
| 非資金利益 | 959 | 1,064 | 105 | |
| 経費 | 1,447 | 1,495 | 48 | |
| 実質業務純益 | 849 | 904 | 54 | |
| 与信関連費用 | 293 | 391 | 98 | |
| 与信関連費用加算後実質業務純益 | 556 | 512 | △44 | |
| のれん・無形資産償却額 | 28 | 24 | △3 | |
| その他利益 | 17 | 3 | △13 | |
| 税金等調整前当期純利益 | 545 | 492 | △53 | |
| 法人税、住民税及び事業税 | 38 | 41 | 3 | |
| 法人税等調整額 | △13 | △0 | 12 | |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | △2 | △4 | △2 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 523 | 455 | △67 | |
(注)1.上記の区分表記は経営管理上のものであり、基本的に単体(経営健全化ベース)と同様の基準で作成しておりますが、開示の適切性の観点から必要な組み替えを行っております。
2.連結損益計算書においては、のれん償却額及び無形資産償却額は経費の中に含まれております。
3.与信関連費用加算後実質業務純益(セグメント利益の合計)=業務粗利益-経費-与信関連費用
上表にある非資金利益は、役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益から構成されています。
役務取引等利益は、主に、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスなどの貸出業務にかかる手数料収益、リテールバンキング業務での投資信託や保険商品の販売などにかかる手数料収益、コンシューマーファイナンス業務での保証業務関連収益、ペイメント業務にかかる手数料収益などにより構成されます。
特定取引利益は、お客さまとの取引に伴うデリバティブ収益のほか、当行の自己勘定で実行された取引からの収益で構成されます。
その他業務利益は、リース収益・割賦収益、金銭の信託運用損益、トレジャリー業務による有価証券売却損益などにより構成されます。
1.経営成績の分析
当行グループの当連結会計年度の業績は、親会社株主に帰属する当期純利益が455億円(前連結会計年度比67億円減少)、1株当たり当期純利益が190円59銭、中期経営戦略の財務目標に対する達成状況が下表のとおりとなり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響を考慮すれば、中期経営戦略の初年度として堅調なスタートを切ることができました。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、経営環境は中期経営戦略の策定時から激変しています。しかしながら、中期経営戦略が目指す「金融リ・デザイン」のコンセプトは変わらず、むしろ取り組みのスピードアップを考えています。従来の金融商品・サービスでは満たされない人々に対して、グループ企業に留まらず外部の人材やリソースとも協働しながら、一歩先を行く金融商品・サービスの提供を一層強化していきます。
| 財務目標(連結) | 2018年度 | 2019年度 | |||
| 成長性 | 1株当たり利益成長率 | 年平均2%以上(注)1 | 2% | △13% | |
| 注力分野の 利益シェア | 小口ファイナンス | 2021年度 50%(注)2 | 45% | 45% | |
| 機関投資家向けビジネス | 2021年度 15%(注)2 | 10% | 10% | ||
| 収益性 | ROE | 中期的に8.0% | 6.0% | 5.1% | |
| 効率性 | 経費率 | 2021年度 50%台 | 63.0% | 62.3% | |
| 健全性 | CET1比率(注3) | 中期的に10%以上を維持 | 12.0% | 11.3% | |
(注)1 自己株式の取得効果を除く、潜在株式調整後。
2 算出方法は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ③.財務目標」に記載しております。
3 普通株式等Tier1比率(バーゼルⅢ国際統一基準完全施行ベース)
当連結会計年度における主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(1)業務粗利益
資金利益については、ストラクチャードファイナンス業務における利息収入が増加したものの、リテールバンキング業務やアプラスフィナンシャルの住宅関連ローンの利息収入の減少等により前連結会計年度に比べて減少しました。
非資金利益については、法人業務での保有株式の売却益計上に加えて、アプラスフィナンシャルでのショッピングクレジット等の主要業務の伸長やALM業務での国債等の債券売却益の増加、さらにリテールバンキング業務が堅調に推移したこと等もあって、前連結会計年度に比べて増加しました。
業務粗利益
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||||
| 業務粗利益 | 2,297 | 2,399 | 102 | |||
| 資金利益 | 1,338 | 1,335 | △3 | |||
| 非資金利益 | 959 | 1,064 | 105 | |||
| 役務取引等利益 | 313 | 324 | 10 | |||
| 特定取引利益 | 66 | 158 | 91 | |||
| その他業務利益 | 578 | 582 | 3 | |||
| うちリース収益・割賦収益 | 375 | 408 | 33 | |||
| うち金銭の信託運用損益 | 25 | 34 | 8 | |||
| うち有価証券関係損益 | 3 | 47 | 44 | |||
| うち持分法投資損益 | 56 | 39 | △17 | |||
(2)経費
人件費・物件費といった経費については、新基幹システムの稼働等に伴うシステム費の増加に加えて、子会社買収に伴う経費の増加やグループ拠点再編に係る経費の計上等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
経費
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||
| 経費 | 1,447 | 1,495 | 48 | |
| 人件費 | 555 | 576 | 20 | |
| 物件費 | 892 | 919 | 27 | |
(注)経費は、財務会計上の営業経費から、のれん償却額、無形資産償却額及び臨時的な費用を控除したものであります。なお、臨時的な費用は、財務会計上の人件費に含まれる退職給付費用の数理計算上の差異の償却及びその他臨時費用等により構成されております。
(3)与信関連費用
与信関連費用については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う貸出先の業況悪化に備えて貸倒引当金を積み増したこと等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
与信関連費用
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |||
| 与信関連費用 | 293 | 391 | 98 | ||
| 貸出金償却・債権処分損 | 4 | 4 | △0 | ||
| 貸倒引当金繰入額 | 352 | 448 | 95 | ||
| 一般貸倒引当金繰入額 | 172 | 277 | 104 | ||
| 個別貸倒引当金繰入額 | 179 | 170 | △9 | ||
| 特定海外債権引当勘定繰入額 | - | - | - | ||
| リース原価に含まれる不良債権処理額 | 3 | 4 | 0 | ||
| 償却債権取立益(△) | △66 | △64 | 1 | ||
(注)当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大やそれに伴う経済活動停滞による影響は今後1年程度続くものと想定し、特に当行及び一部の連結子会社の特定業種向け貸出金等の信用リスクに大きな影響があるとの仮定を置いております。こうした仮定のもと、当該影響により予想される損失に備えるため、特定債務者の債務者区分を足許の業績悪化の状況を踏まえて修正するとともに、特定業種ポートフォリオの貸倒実績に予想される業績悪化の状況に基づく修正を加えた予想損失率によって、貸倒引当金70億円を追加計上しております。
(4)その他利益
その他利益については、前連結会計年度に比べて減少しました。利息返還損失引当金については、近時の利息返還動向に基づき、将来の過払負担をカバーするために、必要額を再計算した結果、全体で26億円の取崩超となり、当該金額を利息返還損失引当金戻入益に計上いたしました。
その他利益
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||
| その他利益 | 17 | 3 | △13 | |
| うち利息返還損失引当金繰入額 (△戻入益) | △23 | △26 | △2 | |
| うち特別損益 | △8 | △18 | △10 | |
(5)セグメント別の業績
法人業務は、顧客基盤の拡充や収益力の強化に向けた取り組みが成果を上げつつあり、ストラクチャードファイナンス業務において利息収入が増加したことや、保有株式の売却益を計上したこと、さらにデリバティブ関連収益や証券仲介業務が堅調に推移した等により、業務粗利益は増加しました。一方、与信関連費用は、前連結会計年度に計上した貸倒引当金戻入益がなくなったことや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う貸出先の業況悪化に備えて貸倒引当金を積み増したこと等により増加しました。結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。なお、当連結会計年度よりセグメントの区分を見直し、従来の「金融市場業務」を「法人業務」に含めております。
個人業務について、まずリテールバンキングは、住宅ローンの利息収入が減少したものの、「新生ステップアッププログラム」改定に伴う一部のお客さまに対するATM手数料有料化等により業務粗利益が増加したことから、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
次にコンシューマーファイナンスは、アプラスフィナンシャルのショッピングクレジット等の取り扱いが増加したものの、アプラスフィナンシャルの住宅関連ローンの利息収入が減少したことや、新生フィナンシャルの地銀保証の残高が減少したこと等により業務粗利益は減少しました。一方、アプラスフィナンシャルにおいて前連結会計年度に計上した延滞債権の一括売却に伴う処理コストがなくなったことを主因に与信関連費用が改善したものの、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。
「経営勘定/その他」のセグメント利益は、ALM業務を所管するトレジャリーにおいて国債等の債券売却益が増加したものの、前連結会計年度に比べて減少しました。
セグメント別の業績
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |||||
| 業務粗利益 | セグメント 利益 | 業務粗利益 | セグメント 利益 | 業務粗利益 | セグメント 利益 | ||
| 法人業務 | 674 | 287 | 768 | 246 | 93 | △40 | |
| 個人業務 | 1,557 | 233 | 1,566 | 239 | 8 | 5 | |
| リテールバンキング | 269 | △6 | 283 | 3 | 14 | 10 | |
| コンシューマーファイナンス | 1,287 | 240 | 1,282 | 235 | △5 | △5 | |
| 経営勘定/その他 | 65 | 34 | 65 | 26 | 0 | △8 | |
| 合計 | 2,297 | 556 | 2,399 | 512 | 102 | △44 | |
詳細は、「第5 経理の状況」中、1「(1)連結財務諸表」の「セグメント情報等」をご覧ください。
(6)ROA、ROE
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| ROA(注)1 | 0.5% | 0.5% | △0.1% |
| ROE(注)2 | 6.0% | 5.1% | △0.9% |
(注)1.ROA算出式:
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | |
| (期首の総資産額+期末の総資産額)/2 |
2.ROE(潜在株式調整後)算出式:
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | |
| {(期首純資産の部合計-期首新株予約権-期首非支配株主持分) +(期末純資産の部合計-期末新株予約権-期末非支配株主持分)}/2 | |
(7)1株当たり情報
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 1株当たり当期純利益 | 211円24銭 | 190円59銭 | △20円65銭 |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 211円22銭 | 190円55銭 | △20円66銭 |
| 1株当たり純資産額 | 3,636円92銭 | 3,913円40銭 | 276円48銭 |
| 潜在株式調整後1株当たり純資産額(注) | 3,636円49銭 | 3,912円60銭 | 276円11銭 |
(注)指標算式は以下をご参照ください。
○潜在株式調整後1株当たり純資産額
| 純資産の部合計*1 | ||
| (期末発行済普通株式数*2+期末普通株式増加数)*3 |
*1 期末純資産の部合計から、期末新株予約権及び期末非支配株主持分を控除
*2 自己株式控除後期末普通株式数 前連結会計年度末 245,274千株 当連結会計年度末 230,743千株
*3 潜在株式調整後期末普通株式数 前連結会計年度末 245,303千株 当連結会計年度末 230,790千株
2.財政状態の分析
当連結会計年度末において、総資産は10兆2,265億円(前連結会計年度末比6,553億円増加)となりました。主要な勘定残高の推移は、以下のとおりであります。
主要勘定残高
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 資産の部合計 | 95,711 | 102,265 | 6,553 |
| うち有価証券 | 11,302 | 9,570 | △1,732 |
| うち貸出金 | 49,868 | 51,104 | 1,235 |
| うちのれん・無形資産 | 116 | 131 | 14 |
| うち繰延税金資産 | 150 | 169 | 18 |
| うち支払承諾見返 | 4,567 | 5,265 | 697 |
| うち貸倒引当金 | △980 | △1,079 | △99 |
| 負債の部合計 | 86,745 | 93,160 | 6,415 |
| うち預金・譲渡性預金 | 59,221 | 63,051 | 3,830 |
| うち借用金 | 6,840 | 8,819 | 1,979 |
| うち社債 | 923 | 1,665 | 741 |
| うち支払承諾 | 4,567 | 5,265 | 697 |
| 純資産の部合計 | 8,966 | 9,104 | 138 |
(1)貸出金
貸出金は、住宅ローン残高が減少した一方で、ストラクチャードファイナンス業務での残高が着実に積み上がったことから、全体では5兆1,104億円(前連結会計年度末比1,235億円増加)となりました。
① 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
| 業種別 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金 額 (百万円) | 構成比(%) | 金 額 (百万円) | 構成比(%) | |
| 国内(除く特別国際金融取引勘定分) | 4,796,930 | 100.00 | 4,846,375 | 100.00 |
| 製造業 | 190,063 | 3.96 | 198,972 | 4.10 |
| 農業,林業 | 0 | 0.00 | 0 | 0.00 |
| 漁業 | - | - | 50 | 0.00 |
| 鉱業,採石業,砂利採取業 | 382 | 0.01 | 317 | 0.01 |
| 建設業 | 9,192 | 0.19 | 11,887 | 0.24 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 320,796 | 6.69 | 366,329 | 7.56 |
| 情報通信業 | 55,145 | 1.15 | 49,413 | 1.02 |
| 運輸業,郵便業 | 195,256 | 4.07 | 194,171 | 4.01 |
| 卸売業,小売業 | 122,531 | 2.55 | 105,238 | 2.17 |
| 金融業,保険業 | 521,529 | 10.87 | 532,168 | 10.98 |
| 不動産業 | 584,963 | 12.20 | 670,585 | 13.84 |
| 各種サービス業 | 341,862 | 7.13 | 382,807 | 7.90 |
| 地方公共団体 | 52,481 | 1.09 | 62,621 | 1.29 |
| その他 | 2,402,723 | 50.09 | 2,271,813 | 46.88 |
| 海外及び特別国際金融取引勘定分 | 189,909 | 100.00 | 264,028 | 100.00 |
| 政府等 | 194 | 0.10 | - | - |
| 金融機関 | 32,600 | 17.17 | 33,171 | 12.56 |
| その他 | 157,114 | 82.73 | 230,857 | 87.44 |
| 合計 | 4,986,839 | - | 5,110,404 | - |
(注)1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
② 貸出金の残存期間別残高(単体)
| 前事業年度 (億円) | 当事業年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 貸出金合計 | 49,326 | 50,408 | 1,082 |
| 1年以下 | 10,775 | 11,056 | 281 |
| 1年超3年以下 | 7,698 | 6,928 | △770 |
| 3年超5年以下 | 6,486 | 7,126 | 639 |
| 5年超7年以下 | 4,438 | 5,036 | 598 |
| 7年超 | 17,090 | 17,691 | 600 |
| 期間の定めの無いもの | 2,836 | 2,569 | △267 |
| うち固定金利 | ─── | ─── | ─── |
| 1年以下 | ─── | ─── | ─── |
| 1年超3年以下 | 143 | 229 | 85 |
| 3年超5年以下 | 307 | 370 | 62 |
| 5年超7年以下 | 428 | 510 | 81 |
| 7年超 | 8,655 | 8,146 | △509 |
| 期間の定めの無いもの | 2,759 | 2,495 | △264 |
| うち変動金利 | ─── | ─── | ─── |
| 1年以下 | ─── | ─── | ─── |
| 1年超3年以下 | 7,555 | 6,699 | △856 |
| 3年超5年以下 | 6,178 | 6,755 | 577 |
| 5年超7年以下 | 4,010 | 4,526 | 516 |
| 7年超 | 8,435 | 9,545 | 1,109 |
| 期間の定めの無いもの | 77 | 73 | △3 |
(注)残存期間1年以下の貸出金については、固定金利、変動金利の区別をしておりません。
③ リスク管理債権の状況
リスク管理債権及び貸倒引当金の推移は以下のとおりであります。
リスク管理債権とは、銀行法に基づく開示債権であり、貸出金を元本及び利息の返済状況等に基づき「破綻先債権」「延滞債権」「3カ月以上延滞債権」「貸出条件緩和債権」に区分したものであります。開示対象資産は貸出金のみであり、この点、金融再生法の開示基準に基づく債権と異なります。なお、「第2 事業の状況」中、「2 事業等のリスク」の「(2)信用リスク ①.貸倒引当金の十分性について」もご参照ください。
リスク管理債権(連結)
| 債権区分 | 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) |
| 破綻先債権額 | 48 | 45 | △2 |
| 延滞債権額 | 283 | 353 | 69 |
| 3カ月以上延滞債権額 | 8 | 6 | △2 |
| 貸出条件緩和債権額 | 434 | 466 | 32 |
| 合計 (A) | 775 | 872 | 96 |
| 貸出金残高(末残) | 49,868 | 51,104 | 1,235 |
| 貸出金残高比(%) | 1.56 | 1.71 | 0.15 |
| 貸倒引当金 (B) | 980 | 1,079 | 99 |
| 引当率(B/A×100)(%) | 126.4 | 123.8 | △2.6 |
(注)1.貸倒引当金は、一般貸倒引当金、個別貸倒引当金及び特定海外債権引当勘定の合計であります。
2.「その他資産」に含まれる割賦売掛金のうち、2019年3月末現在で、破綻先債権額は0億円、延滞債権額は59億円、3カ月以上延滞債権額は8億円、貸出条件緩和債権額は2億円、2020年3月末現在で、破綻先債権額は0億円、延滞債権額は56億円、3カ月以上延滞債権額は2億円、貸出条件緩和債権額は10億円であります。なお、これらは、上表の各債権額には含まれておりません。
リスク管理債権(単体)
| 債権区分 | 前事業年度 (億円) | 当事業年度 (億円) | 増減 (億円) |
| 破綻先債権額 | 5 | 5 | △0 |
| 延滞債権額 | 76 | 143 | 66 |
| 3カ月以上延滞債権額 | 2 | 3 | 1 |
| 貸出条件緩和債権額 | 17 | 24 | 6 |
| 合計 (A) | 101 | 176 | 74 |
| 貸出金残高(末残) | 49,326 | 50,408 | 1,082 |
| 貸出金残高比(%) | 0.21 | 0.35 | 0.14 |
| 貸倒引当金 (B) | 255 | 314 | 59 |
| 引当率(B/A×100)(%) | 250.4 | 178.7 | △71.8 |
(注)貸倒引当金は、一般貸倒引当金、個別貸倒引当金及び特定海外債権引当勘定の合計であります。
④ 金融再生法の開示基準に基づく債権の状況(単体)
不良債権については、金融再生法ベースの開示債権(単体)において、当事業年度末は176億円(前事業年度末は102億円)、不良債権比率は0.34%(前事業年度末は0.20%)となり、引き続き低水準を維持しております。
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、3カ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
金融再生法の開示基準に基づく債権(単体)
| 債権の区分 | 2019年3月31日 | 2020年3月31日 | 増減 |
| 金額(億円) | 金額(億円) | 金額(億円) | |
| 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 21 | 23 | 1 |
| 危険債権 | 61 | 125 | 64 |
| 要管理債権 | 20 | 28 | 8 |
| 合計 (A) | 102 | 176 | 74 |
| 正常債権 | 50,004 | 51,479 | 1,475 |
| (参考)要注意債権以下 | 744 | 1,049 | 304 |
| 総与信残高(末残) | 50,106 | 51,656 | 1,549 |
| 総与信残高比(%) | 0.20 | 0.34 | 0.14 |
| 保全額 (B) 貸倒引当金 担保保証等 | 69 43 26 | 149 74 75 | 79 30 49 |
| 保全率(B/A×100)(%) | 67.84 | 84.48 | 16.64 |
なお、正常先を含めた債務者区分毎の引当率は以下のとおりであります。
| 前事業年度 (%) | 当事業年度 (%) | 増減 (%) | ||
| 実質破綻・破綻先 | (無担保部分) | 100.00 | 100.00 | - |
| 破綻懸念先 | (無担保部分) | 64.05 | 90.80 | 26.75 |
| 要管理先 | (無担保部分) | 21.83 | 17.60 | △4.23 |
| その他要注意先 | (債権額) (無担保部分) | 4.47 10.43 | 4.66 11.96 | 0.19 1.53 |
| 正常先 | (債権額) | 0.32 | 0.35 | 0.03 |
(2)有価証券
有価証券は9,570億円(前連結会計年度末比1,732億円減少)となり、このうち、日本国債の残高は3,605億円(同比1,409億円減少)となりました。
有価証券
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 株式 | 306 | 277 | △28 |
| 債券 | 6,727 | 5,295 | △1,431 |
| 国債 | 5,015 | 3,605 | △1,409 |
| 地方債 | - | - | - |
| 社債 | 1,711 | 1,689 | △21 |
| その他 | 4,269 | 3,997 | △271 |
| 合計 | 11,302 | 9,570 | △1,732 |
また、「その他有価証券」で時価のあるものの評価差額は以下のとおりであります。
| 前連結会計年度 評価差額(億円) | 当連結会計年度 評価差額(億円) | |
| 株式 | 81 | 39 |
| 債券 | △1 | △10 |
| 国債 | 8 | △3 |
| 地方債 | - | - |
| 社債 | △10 | △7 |
| その他(注)1 | 13 | △13 |
| 合計 | 93 | 14 |
(注)1.連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「買入金銭債権」中の有価証券として会計処理している信託受益権を含めて記載しております。
2.上記評価差額のほか、時価を把握することが極めて困難な有価証券に区分している投資事業有限責任組合等の構成資産であるその他有価証券に係る評価差額等の金額を加えた後、実効税率や非支配株主持分相当額等を勘案後の金額(2019年3月末100億円、2020年3月末47億円)を、連結貸借対照表の純資産の部にその他有価証券評価差額金として計上しております。
(3)のれん・無形資産
昭和リース、新生パーソナルローン、全国賃貸保証及びその他連結子会社の取得時、及び各社における事業譲受時の全面時価評価法の適用により、各社及び対象事業の資産・負債の時価評価を行った結果、当連結会計年度末(2020年3月末)現在で、以下のとおりのれん及び無形資産を連結貸借対照表に計上しております。
| 償却方法・期間 | 2020年3月末残高 (億円) | 2019年度償却額 (億円) | |
| 昭和リース | |||
| のれん | 定額法(20年) | 107 | 21 |
| 定額法(4年) | 1 | 0 | |
| 無形資産 | |||
| 商権価値(顧客関係) | 級数法(20年) | 4 | 1 |
| 契約価値(サブリース契約関係) | 定額法(契約残存年数による) | 0 | 0 |
| 新生パーソナルローン | |||
| 負ののれん(△) | 定額法(20年) | △27 | △3 |
| 全国賃貸保証 | |||
| のれん | 定額法(10年) | 5 | 0 |
| 無形資産 | |||
| 商権価値(顧客関係) | 定額法(8年から13年) | 20 | 0 |
| その他 | |||
| のれん | 定額法(5年から11年) | 19 | 2 |
| 合計 | |||
| のれん(負ののれん相殺後) | 106 | 21 | |
| 無形資産 | 24 | 2 |
(4)繰延税金資産
繰延税金資産は169億円(前連結会計年度末比18億円増加)となりました。税効果会計に基づく繰延税金資産の計上については、引き続き1年分の収益計画に基づき算出しております。
(5)支払承諾見返、支払承諾
主として、アプラスフィナンシャルの信用保証業に係る保証残高を当行連結貸借対照表上の支払承諾・同見返に計上しているものであり、当該保証残高の増加に伴い当勘定も前連結会計年度末比697億円増となりました。
(6)預金・譲渡性預金
預金・譲渡性預金は6兆3,051億円(前連結会計年度末比3,830億円増加)となり、引き続き、当行の安定的な資金調達基盤の重要な柱である個人のお客さまからの預金を中心に各ビジネスを積極的に推進するのに十分な水準を維持しております。
預金・譲渡性預金期末残高
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 預金 | 53,515 | 58,492 | 4,976 |
| 流動性預金 | 25,915 | 26,809 | 893 |
| 定期性預金 | 22,719 | 26,521 | 3,802 |
| その他 | 4,879 | 5,160 | 280 |
| 譲渡性預金 | 5,705 | 4,559 | △1,146 |
| 預金および譲渡性預金合計 | 59,221 | 63,051 | 3,830 |
(注)「流動性預金」=通知預金+普通預金+当座預金、「定期性預金」=定期預金
なお、定期預金(除く、非居住者円預金・外貨預金)の残存期間別残高は以下のとおりであります。
定期預金の残存期間別残高
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 定期預金合計 | 22,719 | 26,521 | 3,802 |
| 3カ月未満 | 15,186 | 15,344 | 158 |
| 3カ月以上6カ月未満 | 1,586 | 1,324 | △262 |
| 6カ月以上1年未満 | 1,195 | 2,278 | 1,082 |
| 1年以上2年未満 | 895 | 1,853 | 957 |
| 2年以上3年未満 | 850 | 2,803 | 1,952 |
| 3年以上 | 3,003 | 2,917 | △86 |
(注)「3カ月未満」には、期間が到来したものの払い出しがなされていない定期預金を含みます。
(7)社債、借用金
社債は、当行、アプラスフィナンシャル及び昭和リースが発行したものであり、1,665億円(前連結会計年度末比741億円増加)となりました。借用金は、当行、アプラスフィナンシャル及び昭和リース等の当行子会社の、当行以外の第三者からの借入金が含まれており、前連結会計年度末比1,979億円増となりました。
(8)純資産の部
純資産は、公的資金返済の道筋をつけることを目指して、資本の状況や収益力、1株当たりの価値等に鑑み行われた2019年5月15日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得を進めたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、9,104億円(前連結会計年度末比138億円増加)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加、資金運用による収入、借入金の増加による収入等と、債券貸借取引受入担保金等の減少による支出等により3,065億円の収入(前連結会計年度は139億円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の売却・償還による収入が、取得による支出を上回ったこと等により491億円の収入(同1,525億円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得等により231億円の支出(同501億円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比3,323億円増加し、1兆5,782億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度末において、銀行法に基づく連結自己資本比率(バーゼルⅢ、国内基準)は11.21%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行グループは、銀行業務を中心に、証券業務、信託業務のほかコンシューマーファイナンス業務及びコマーシャルファイナンス業務など総合的な金融サービスに係る事業を行っており、これらの事業を行うにあたり、長期的かつ安定的な調達として、リテール顧客の預金による調達に重点をおくとともに、貸出金その他の資産の流動化等による調達の分散化も図っております。子会社及び関連会社においては、他の金融機関からの間接金融による調達も行っております。
なお、当行グループの主要な設備投資等の資本的支出の内容については、「第3 設備の状況」に記載しております。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
基礎的内部格付手法の採用については、当行自身の内部格付制度とパラメータ推計値に基づき信用リスクを計測することが認められたものであり、当行の高度なリスク管理能力を規制資本の計算に活用することが可能になると共に、実際のリスクに見合ったより合理的な所要規制資本が算出されることを意味しております。
連結自己資本比率(国内基準)
| (単位:億円) |
| 2019年3月31日 | 2020年3月31日 | 増減 | |
| 1.連結自己資本比率(2/3) | 11.85% | 11.21% | △0.64% |
| 2.連結における自己資本の額 | 7,953 | 8,224 | 271 |
| 3.リスク・アセットの額 | 67,112 | 73,366 | 6,253 |
| 4.連結総所要自己資本額 | 6,405 | 6,795 | 390 |
単体自己資本比率(国内基準)
| (単位:億円) |
| 2019年3月31日 | 2020年3月31日 | 増減 | |
| 1.自己資本比率(2/3) | 13.73% | 13.36% | △0.37% |
| 2.単体における自己資本の額 | 8,086 | 8,245 | 158 |
| 3.リスク・アセットの額 | 58,862 | 61,684 | 2,822 |
| 4.単体総所要自己資本額 | 5,216 | 5,358 | 141 |
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積りを行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と大幅に異なる結果となる可能性があることから、特に慎重な判断が求められます。
当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
当行及び国内信託銀行子会社では、すべての債権を、資産の自己査定基準に基づき、営業推進部署及び審査部署が資産査定を実施し、当該部署から独立したリスク統括担当部署が査定結果を検証しており、その査定結果に基づいて、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり貸倒引当金を計上しております。
破産、特別清算等、法的に経営破綻の事実が発生している債務者(以下、「破綻先」という。)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(以下、「実質破綻先」という。)に係る債権については、以下のなお書きに記載されている直接減額後の帳簿価額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を計上しております。また、現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者(以下、「破綻懸念先」という。)に係る債権については、以下の大口債務者に係る債権を除き、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額に対して今後3年間の予想損失額を見込んで計上しております。
当行では破綻懸念先、貸出条件緩和債権等を有する債務者及び従来よりキャッシュ・フロー見積法(後述)による引当を行っていた債務者で、今後の債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積ることができる債務者のうち、与信額が一定額以上の大口債務者に係る債権については、当該キャッシュ・フローを貸出条件緩和実施前の約定利子率で割引いた金額と債権の帳簿価額との差額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー見積法)により計上しております。また、将来キャッシュ・フローを合理的に見積ることが困難な債務者のうち与信額が一定額以上の大口債務者に係る債権については、個別的に残存期間を算定し、その残存期間に対応する今後の一定期間における予想損失額を計上しております。
上記以外の債権については、貸出金等の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、ポートフォリオの特性に応じて、一般事業法人向けローン、不動産ノンリコースローン、プロジェクトファイナンス及び個人向け商品別にグルーピングを行ったうえで、主として各々の平均残存期間の貸倒実績又は倒産実績を基礎とした貸倒実績率又は倒産確率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算出しております。
国内信託銀行子会社以外の連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
なお、当行及び一部の連結子会社では破綻先及び実質破綻先に対する担保・保証付債権等については、原則として債権額から担保の評価額及び保証による回収が可能と認められる額を控除した残額を取立不能見込額として債権額から直接減額しております。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大やそれに伴う経済活動停滞による影響は今後1年程度続くものと想定し、特に当行及び一部の連結子会社の特定業種向け貸出金等の信用リスクに大きな影響があるとの仮定を置いております。こうした仮定のもと、当該影響により予想される損失に備えるため、特定債務者の債務者区分を足許の業績悪化の状況を踏まえて修正するとともに、特定業種ポートフォリオの貸倒実績に予想される業績悪化の状況に基づく修正を加えた予想損失率によって、貸倒引当金70億円を追加計上しております。なお、当該金額は現時点の最善の見積りであるものの見積りに用いた仮定の不確実性は高く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況やその経済環境への影響が変化した場合には、翌年度の連結財務諸表において当該貸倒引当金は増減する可能性があります。
当行グループは、現状の貸倒引当金計上額で、当行グループが認識する信用リスクから発生しうる損失を十分にカバーしていると考えておりますが、将来見込み等必要な修正を加えているものの貸倒引当金の見積りは基本的に過去の貸倒実績により計算しているため、急激な経済環境の変化や担保価値の下落によって、実際の貸倒損失が予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となる可能性があります。
有価証券の減損
当行グループでは、売買目的有価証券以外の有価証券(時価を把握することが極めて困難なものを除く)のうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落したものについては、原則として時価が取得原価まで回復する見込みがないものとみなして、当該時価をもって連結貸借対照表計上額とし、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
時価が「著しく下落した」と判断するための基準は、資産の自己査定基準における有価証券発行会社の区分毎に次のとおり定めております。
破綻先、実質破綻先、破綻懸念先 時価が取得原価に比べて下落
要注意先 時価が取得原価に比べて30%以上下落
正常先 時価が取得原価に比べて50%以上下落
なお、破綻先とは破産、特別清算等、法的に経営破綻の事実が発生している発行会社、実質破綻先とは破綻先と同等の状況にある発行会社、破綻懸念先とは現在は経営破綻の状況にないが今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる発行会社、要注意先とは今後の管理に注意を要する発行会社であります。また、正常先とは破綻先、実質破綻先、破綻懸念先及び要注意先以外の発行会社であります。
時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券については、当該有価証券の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
有価証券の減損判断には、資産の自己査定基準における有価証券発行会社等の債務者区分判定の他、実質価額の算定などの見積りが含まれています。
将来の市況悪化や発行会社の業績不振等により、現在の時価又は実質価額がさらに低下した場合には、追加で減損処理を計上する可能性があります。
のれん・無形資産の減損
当行は、のれん(以下、持分法投資に含まれるのれん相当額を含む。)及び無形資産についてその効果が及ぶ期間(20年以内)での償却を行い、四半期毎に減損の兆候の有無を確認しております。
減損の兆候が認められた場合、減損損失の認識の判定は、原則としてのれん及び無形資産の帰属する会社又は事業の単位でグルーピングし、その事業から生じる割引前の将来のキャッシュ・フローを見積り、その総額がのれん及び無形資産を含む当該事業に係る連結簿価より低い場合に、減損損失が生じているものとしております。このとき、将来キャッシュ・フローを見積る期間はのれん及び無形資産の残存償却年数か20年のいずれか短い方を採用しております。
そして、減損損失が生じていると認識された場合には、当該事業から生じる将来のキャッシュ・フローを一定の割引率で割り引いた使用価値を算定し、当該事業に係る連結簿価との差額を減損損失として計上します。
のれん及び無形資産の減損の判定においては、判定単位の将来見積りキャッシュ・フロー、個別のリスクを反映した割引率、成長率など多くの見積りや前提を使用しています。
経済情勢や判定単位独自のリスクにより、実際の将来キャッシュ・フローに影響を与える各項目が減損判定時の予測よりも悪化した場合、追加で減損損失を計上する可能性があります。
利息返還損失引当金
連結子会社である新生フィナンシャルや新生パーソナルローン、アプラスフィナンシャルにおいて利息返還損失引当金を計上しております。利息返還損失引当金は、利息制限法の上限金利を超え、いわゆる出資法の上限金利以下の貸付利率(いわゆるグレーゾーン金利)により営業を行っていた貸金業者が、債務者から利息制限法の上限金利を超過して支払った利息の返還請求に起因して生じる返還額(損失)に備えて設定する引当金です。
利息の返還請求は、貸付けに関する契約書に債務者が超過利息を含む約定利息の支払を遅滞したときには期限の利益を喪失する旨の特約が含まれる場合、特段の事情がない限り、当該超過利息は任意に支払われたとは認められないとする2006年の最高裁判所の判断に基づくもので、一般的に、債務者からの返還請求があれば、利息制限法に定められた利息の最高限度額の超過部分(超過利息)について貸金業者は返還することとなります。新生フィナンシャル、新生パーソナルローン及びアプラスフィナンシャルの消費者金融については、2007年度より新規顧客及び既存顧客の一部について既に引き下げ後の上限金利を適用して新たな貸付を行い、2010年6月の改正貸金業法の完全施行により、新規貸付はすべて利息制限法の範囲内で実施しておりますが、過去にグレーゾーン金利で営業を行っており、債務者等から返還請求があるため利息返還損失引当金の計上が必要となります。
利息返還損失引当金の計算にあたっては、グレーゾーン金利により貸し付けられた貸付金(以下「グレーゾーン金利により貸し付けられた貸付金」を「貸付金」という。)を対象として、新生フィナンシャル及び新生パーソナルローンについては過払利息返還の対象となる母集団(口座数)に当該母集団のうち弁護士事務所・司法書士事務所の介入等により、顧客から過払利息の返還請求がなされるであろう比率(介入率)又は当該母集団のうち債務者との和解した比率(和解率)と1顧客当たりの返還請求見込み金額等を対象となる母集団の口座数が一定数以下になるまで乗じることにより将来返還が見込まれる額を見積っております。またアプラスフィナンシャルについては過去の返還請求件数の推移から将来の一定期間における返還請求件数を予想し、それに1顧客当たりの返還請求見込み金額を乗じることにより、将来返還が見込まれる額を見積っております。なお、利息返還損失引当金の見積りにあたっては、過去の利息返還額の発生状況を分析し将来にわたる利息返還損失額を合理的に予想して計算する必要があることから、口座数が時効の到来によりどの程度減少するかや過去の介入率、和解率、返還請求件数、1顧客当たりの返還請求金額などが将来どのように遷移していくかの補正を行っております。
近時では「グレーゾーン金利」に関する取引履歴開示請求の件数や過払金返還額は過去のピークを大きく下回って安定的に推移しており、将来の予想を加味した見積りにより過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的になるものと認識しております。他方、引当金額は基本的に過去の経験に基づく要素をもとに計算されており、現時点では予想できない将来の環境変化等によって、現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合は、追加の費用が生じる可能性があります。
繰延税金資産
当行グループは連結納税制度を採用しており、過去の不良債権処理に伴う有価証券の減損処理及び貸倒損失並びに利息返還損失引当金等により、多額の将来減算一時差異と税務上の繰越欠損金を有しております。繰延税金資産の回収可能性の判断基準については、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の会社分類4に該当し、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の計上に関する判断は、中間連結会計期間及び連結会計年度の期末時点において実施しておりますが、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得の見積り変更等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産を取り崩しております。翌1年間の一時差異等加減算前課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に繰延税金資産を取り崩しております。
(単体情報)
(参考)当行の単体情報のうち、参考として以下の情報を掲げております。
損益状況(単体)
(1)損益の概要
| 前事業年度 (百万円) (A) | 当事業年度 (百万円) (B) | 増減 (百万円) (B)-(A) | |||
| 業務粗利益 | 108,842 | 113,736 | 4,894 | ||
| (除く金銭の信託運用損益) | 107,378 | 111,354 | 3,976 | ||
| 資金利益 | 106,586 | 103,186 | △3,400 | ||
| 役務取引等利益 | △8,693 | △3,849 | 4,844 | ||
| うち金銭の信託運用損益 | 1,464 | 2,381 | 917 | ||
| 特定取引利益 | 4,194 | 10,994 | 6,800 | ||
| その他業務利益 | 6,754 | 3,404 | △3,350 | ||
| うち債券関係損益 | 2,654 | 3,424 | 770 | ||
| 経費(除く臨時処理分) | 71,505 | 71,847 | 342 | ||
| 人件費 | 26,762 | 26,920 | 157 | ||
| 物件費 | 38,921 | 39,616 | 694 | ||
| うちのれん償却額 | 165 | 165 | - | ||
| 税金 | 5,821 | 5,310 | △510 | ||
| 業務純益(一般貸倒引当金繰入前) | 35,872 | 39,506 | 3,634 | ||
| 一般貸倒引当金繰入額(1) | - | 2,976 | 2,976 | ||
| 業務純益 | 35,872 | 36,530 | 657 | ||
| 実質業務純益 | 37,336 | 41,888 | 4,552 | ||
| 臨時損益(除く金銭の信託運用損益) | 1,418 | △4,878 | △6,297 | ||
| 株式等関係損益 | 612 | 1,755 | 1,143 | ||
| 不良債権処理額(2) | △730 | 5,737 | 6,467 | ||
| 貸出金償却 | 27 | 5 | △21 | ||
| 個別貸倒引当金純繰入額 | - | 5,837 | 5,837 | ||
| 特定海外債権引当勘定繰入額 | - | - | - | ||
| 償却債権取立益(△) | △231 | △105 | 125 | ||
| 貸倒引当金戻入益(△) | △526 | - | 526 | ||
| その他の債権売却損等 | - | - | - | ||
| その他臨時損益 | 76 | △896 | △972 | ||
| 経常利益 | 38,630 | 33,938 | △4,692 | ||
| 特別損益 | △2,598 | △224 | 2,373 | ||
| うち固定資産処分損益及び減損損失 | △715 | △711 | 4 | ||
| 税引前当期純利益 | 36,032 | 33,713 | △2,318 | ||
| 法人税、住民税及び事業税 | 1,679 | 1,792 | 112 | ||
| 法人税等調整額 | △1,091 | △1,260 | △168 | ||
| 当期純利益 | 35,443 | 33,180 | △2,263 | ||
| (参考) | |||||
| コア業務純益 (除く投資信託解約損益) | 33,218 33,218 | 36,082 36,082 | 2,864 2,864 | ||
| 与信関連費用(1)+(2) | △730 | 8,713 | 9,444 | ||
(注)1.業務粗利益=(資金運用収支+金銭の信託運用見合費用)+役務取引等収支+特定取引収支+その他業務収支+金銭の信託運用損益
金銭の信託運用損益は、本来業務にかかる損益ととらえております。
2.コア業務純益=業務純益+一般貸倒引当金繰入額-債券関係損益
3.業務純益=業務粗利益(除く金銭の信託運用損益)-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
4.実質業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)
5.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除されているものであります。
6.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。本表では、さらに金銭の信託運用損益を除いた金額を記載しております。
7.債券関係損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
8.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
9.前事業年度の貸倒引当金は全体で526百万円の取崩超(うち、一般貸倒引当金については、2,492百万円の取崩)のため、当該金額を貸倒引当金戻入益に計上しております。また、当事業年度の貸倒引当金は全体で8,813百万円の繰入超(うち、一般貸倒引当金については、2,976百万円の繰入)となっております。
10.前事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損2,101百万円を特別損失に計上しております。また当事業年度は、関係会社株式及び出資金の評価損1,622百万円を特別損失に計上しております。
(2)営業経費の内訳
| 前事業年度(百万円) | 当事業年度(百万円) | 増減(百万円) | |
| (A) | (B) | (B)-(A) | |
| 給料・手当 | 22,127 | 22,114 | △13 |
| 退職給付費用 | 2,554 | 2,074 | △479 |
| 福利厚生費 | 3,910 | 4,021 | 110 |
| 減価償却費 | 6,824 | 7,576 | 752 |
| 土地建物機械賃借料 | 6,644 | 6,181 | △463 |
| 営繕費 | 2,774 | 2,929 | 155 |
| 消耗品費 | 377 | 757 | 380 |
| 給水光熱費 | 635 | 588 | △47 |
| 旅費 | 477 | 434 | △42 |
| 通信費 | 1,272 | 1,141 | △131 |
| 広告宣伝費 | 882 | 1,154 | 271 |
| 租税公課 | 5,821 | 5,310 | △510 |
| その他 | 18,195 | 18,023 | △171 |
| 計 | 72,498 | 72,308 | △189 |
(注) 損益計算書中「営業経費」の内訳であります。
利鞘(国内業務部門)(単体)
| 前事業年度(%) | 当事業年度(%) | 増減(%) | ||
| (A) | (B) | (B)-(A) | ||
| (1)資金運用利回 | ① | 1.67 | 1.58 | △0.09 |
| 貸出金利回 | 1.98 | 1.82 | △0.16 | |
| 有価証券利回 | 1.21 | 1.35 | 0.14 | |
| (2)資金調達原価 | ② | 1.15 | 1.10 | △0.05 |
| 資金調達利回 | ③ | 0.07 | 0.03 | △0.04 |
| 預金利回 | 0.05 | 0.01 | △0.04 | |
| (3)総資金利鞘 | ①-② | 0.52 | 0.48 | △0.04 |
| (4)資金運用利回-資金調達利回 | ①-③ | 1.60 | 1.55 | △0.05 |
(注)1.「国内業務部門」とは本邦店の居住者向け円建諸取引であります(但し特別国際金融取引勘定を除く)。
2.預金には譲渡性預金を含んでおります。
ROE(単体)
| 前事業年度(%) | 当事業年度(%) | 増減(%) | |
| (A) | (B) | (B)-(A) | |
| 実質業務純益ベース | 4.45 | 4.92 | 0.47 |
| 業務純益ベース(一般貸倒引当金繰入前) | 4.27 | 4.64 | 0.37 |
| 業務純益ベース | 4.27 | 4.29 | 0.02 |
| 当期純利益ベース | 4.22 | 3.90 | △0.32 |
預金・貸出金の状況(単体)
(1)預金・貸出金の残高
| 前事業年度(百万円) | 当事業年度(百万円) | 増減(百万円) | |
| (A) | (B) | (B)-(A) | |
| 預金(末残) | 6,206,867 | 6,451,032 | 244,165 |
| 預金(平残) | 6,131,827 | 6,113,358 | △18,469 |
| 貸出金(末残) | 4,932,610 | 5,040,819 | 108,208 |
| 貸出金(平残) | 4,735,551 | 4,896,230 | 160,678 |
(注) 預金には譲渡性預金を含んでおります。
(2)個人・法人別預金残高(国内)
| 前事業年度(百万円) | 当事業年度(百万円) | 増減(百万円) | |
| (A) | (B) | (B)-(A) | |
| 個人 | 4,590,231 | 4,654,891 | 64,659 |
| 法人 | 1,045,665 | 1,339,808 | 294,143 |
| 計 | 5,635,896 | 5,994,699 | 358,803 |
(注) 譲渡性預金及び特別国際金融取引勘定分を除いております。
(3)消費者ローン残高
| 前事業年度(百万円) | 当事業年度(百万円) | 増減(百万円) | |
| (A) | (B) | (B)-(A) | |
| 住宅ローン残高 | 1,190,111 | 1,150,020 | △40,091 |
| その他ローン残高 | 264,344 | 240,716 | △23,628 |
| 計 | 1,454,456 | 1,390,736 | △63,719 |
(4)中小企業等貸出金
| 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | |||
| (A) | (B) | (B)-(A) | |||
| 中小企業等貸出金残高 | ① | 百万円 | 3,267,144 | 3,364,865 | 97,720 |
| 総貸出金残高 | ② | 百万円 | 4,742,700 | 4,777,125 | 34,424 |
| 中小企業等貸出金比率 | ①/② | % | 68.89 | 70.44 | 1.55 |
| 中小企業等貸出先件数 | ③ | 件 | 624,110 | 560,820 | △63,290 |
| 総貸出先件数 | ④ | 件 | 624,579 | 561,261 | △63,318 |
| 中小企業等貸出先件数比率 | ③/④ | % | 99.92 | 99.92 | △0.00 |
(注)1.貸出金残高には、海外店分及び特別国際金融取引勘定分は含まれておりません。
2.中小企業等とは、資本金3億円(ただし、卸売業は1億円、小売業、飲食業、物品賃貸業等は5千万円)以下の会社又は常用する従業員が300人(ただし、卸売業、物品賃貸業等は100人、小売業、飲食業は50人)以下の会社及び個人であります。