有価証券報告書-第23期(2022/04/01-2023/03/31)
以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
[金融経済環境]
当連結会計年度における世界経済は、世界的な物価上昇圧力の高まりや、高進する物価を抑制するための急速な金融引き締めの進展等により、成長ペースが鈍化したとみられます。日本経済は、物価上昇が消費の回復の重石となった一方で、インバウンド需要の回復や、社会・経済活動の正常化に向けた動きが進展したこと等により、緩やかな成長が続いたとみられます。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、2022年3月に利上げを開始して以降、政策金利を急速なペースで引き上げました。2023年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国銀行の経営破綻に伴う不確実性の高まりのもとでも、0.25%の利上げを継続し、フェデラルファンド金利の誘導目標は4.75%~5.00%となりました。一方、日本銀行は、大規模な金融緩和政策を維持していましたが、2022年12月の金融政策決定会合において、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の運用見直しを決定し、長期金利(10年国債利回り)の変動幅を、従来の±0.25%程度から±0.5%程度に拡大しました。
金融市場を概観しますと、債券市場では、2022年3月末時点で2.3%程度であった米国の長期金利(10年債利回り)は、米国内の根強いインフレの抑制に向けて、FRBが急速な金融引き締めを進めるもと、2022年10月にかけては上昇基調で推移し、一時4.2%を上回りました。その後は、米国の雇用・物価情勢や米欧の金融システム不安の台頭、それを受けた金融政策の先行きに対する見方の変化に伴って、米国の長期金利は上下に変動し、2023年3月末には3.5%程度となりました。一方、国内の長期金利は、0.25%程度を上限とした推移が続きましたが、2022年12月の日本銀行の長短金利操作の運用見直しを受けて、0.5%程度まで上昇しました。2023年3月には、米欧の金融システム不安の台頭により、国内の長期金利も低下し、2023年3月末には0.3%台となりました。
為替市場では、対米ドルの円相場は、FRBによる政策金利の大幅な引き上げ等を背景に、急速な円安・米ドル高が進行し、2022年10月には一時150円超となりました。その後は、米国の長期金利低下や日本銀行による長短金利操作の運用見直し等を背景に、円高・米ドル安基調に転じ、2023年以降、円は一時120円台まで増価しました。2023年3月にかけては、やや円安・米ドル高方向に戻して、2023年3月末には133円台(2022年3月末比約11円の円安・米ドル高)となりました。対ユーロでは、欧州経済の悪化懸念がユーロ安要因となったものの、欧州中央銀行による大幅な利上げの実施や、金融引き締めの長期化観測がユーロ高要因となり、概ね円安・ユーロ高方向の推移となりました。ユーロ・円は2023年3月末には144円台(同比約9円の円安・ユーロ高)となりました。
株式市場では、世界的な金融引き締めに伴い、米国を中心に概ね弱含みで推移しましたが、日本の株式相場は、企業業績の改善等もあり、一進一退ながら底堅く推移しました。
[事業の経過及び成果]
SBI新生銀行グループは、2022年度から2024年度を対象期間とする中期経営計画「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」を策定しており、以下3つの基本戦略を掲げております。
基本戦略1:グループ内外の価値共創の追求
基本戦略2:強みの深化とフルラインナップ化
基本戦略3:事業を通じたサステナビリティの実現
中期経営計画の初年度における各ビジネス分野の取り組み状況は以下のとおりです。
(法人業務)

《個別戦略》
法人ビジネスは、次の4点の目標を実現するため、事業法人向け、機関投資家向け、金融法人向けに以下に掲げる取り組みを実行しております。中期ビジョンの初年度となる当年度は、法人ビジネス全体において経営トップをはじめ役職員による営業活動量を大幅に増加させております。
・ 顧客中心主義の徹底による顧客基盤の拡大
・ SBIグループとの連携によるフルラインナップの商品提供
・ 機関投資家向けビジネスにおける強みの一層の強化
・ 地域金融機関のプラットフォーマーとして地域経済・企業の活性化に貢献
1.事業法人向けビジネス
経営陣が主導する積極的な営業をはじめとした、顧客接点の増大による新規顧客の開拓と既往先との取引深耕により、営業資産および収益は大きく拡大いたしました。
SBIグループとの連携を強化し、ベンチャー企業及びその企業オーナーのお客さまに対するファイナンスに注力しております。この分野は特にSBIグループとのシナジー効果が望める分野と考えており、引き続き連携を深化・加速して相互のお客さまの紹介や良質な顧客基盤の拡大につなげてまいります。
また、お客さまが成長ステージにおいて抱える様々な経営課題の解決のため、SBIグループと一体となって最適なソリューションの提供に取り組んでおります。SBIグループの出資先に対して当行がローンを実行する等のグループ一体となった支援が複数実現しております。
ビジネス活動を通じたサステナビリティを実現するべく、様々なタイプのサステナブルファイナンスに取り組んでおります。当年度には、法人ビジネス全体で従来から取り組んでいるグリーンローン、ソーシャルローン、サステナビリティ・リンク・ローンに加えて、新たにトランジション・リンク・ローン、ポジティブ・インパクト・ファイナンスも案件が成約しており、合計で4,513億円のファイナンスを実行いたしました(お客さまのフレームワークに準拠したファイナンスを含む)。引き続き、脱炭素に向けたプロセスとして注目の高まっているトランジションファイナンスについては、営業部内に設置した専門部署が中心となって取り組みを加速させてまいります。
2.機関投資家向けビジネス
再生可能エネルギー領域を中心とするプロジェクトファイナンスへの取組みを引き続き強化しており、従来の太陽光発電プロジェクトに加えて、陸上風力やバイオマス発電についても注力しております。ファイナンスの組成に際しては地元金融機関の他、多くの地域金融機関との協働を推進することで、機関投資家向けビジネスの拡大および金融分野における地域経済の活性化への貢献を進めております。また、地方創生の視点も踏まえ、グリーン(再生可能エネルギー)、ソーシャル(ヘルスケア等)の両面において地域金融機関と連携してのサステナブルファイナンスの提供にも取り組んでおります。SBIグループとの連携による投融資機会の拡大も推進しており、当年度にはLBOファイナンスの分野において複数のLP(リミテッド・パートナー)出資へのコミットを行っており、出資を契機としたSBIグループと共同での投融資機会についても追求してまいります。
3.金融法人向けビジネス
地域金融機関のプラットフォーマーを目指し、当行グループの強みであるストラクチャードファイナンス、サステナブルファイナンス、ローンシンジケーション等の積極的な推進を通じて、地域金融機関との連携を強化しております。連携の効果として新たに複数の融資協調案件が成約・実行されている他、ストラクチャードファイナンス分野でのトレーニー受入等を通じて相互のノウハウを共有し、連携の深化に向けて案件協調を活性化しております。また、SBIグループとの協業を通じて、当行グループのみならずSBIグループも含めた機能提供に関する協議を進めております。
地域金融機関が抱える経営課題へのソリューション提供、商品性の高度化のサポートの一つとして、当行グループのアプラスが提供する金融プラットフォーム機能「BANKIT®(バンキット)」、同じく新生フィナンシャルによる信用保証提携を推進し、複数の地域金融機関において導入決定に至っております。引き続き、地域金融機関、SBIグループ、当行グループが三位一体となって地方創生の具現化を推進する「トライアングル戦略」構想に基づき、これらの投融資における連携、グループ機能提供等においてより一層の協業を推進してまいります。
(個人業務)

《個別戦略》
個人ビジネスは、個別戦略として「顧客中心主義の徹底による、顧客の立場に立ったサービスの提供」「SBIグループとの連携によるフルラインナップの商品提供」「テクノロジーの活用による顧客利便性の高いサービスの提供」の3つを掲げており、以下に掲げる取り組みを実行しております。
1.小口ファイナンス
小口ファイナンスは、子会社である新生フィナンシャル、アプラスを中心としてビジネスを推進しております。
新生フィナンシャルを中心として提供する無担保ローンは、SBIグループの顧客基盤の活用、UI/UXの改善、ブランド認知の強化による無担保ローン顧客拡大、地域金融機関への信用保証事業の拡大、および事業法人との連携強化に取り組んでおります。主力商品である「レイクALSA」についてはブランド名を「レイク」に変更するとともにブランドロゴを刷新し、Webサイトや公式アプリ「レイクアプリ」についてもデザインの刷新や新機能の追加など、リニューアルを実施しました。また、プロゲーミングチーム「SBI e-Sports」を運営する SBI e-Sports株式会社との提携や新タレントの起用によるクリエイティブの刷新など、SBIグループとしてのシナジーの追求やブランドの認知強化に向けた取り組みを実施しました。地域金融機関との連携については、既存の提携先との連携を強化したほか、SBIグループが持つネットワークを活用した新たな地域金融機関との連携に向けて取り組んでおります。
アプラスにおいては、ショッピングクレジット、クレジットカード、ペイメントなどを提供しており、グループ機能・提携先を有効活用したクレジットカードの会員獲得、ショッピングクレジット顧客の拡大に取り組んでおります。新たな提携先とのショッピングクレジットの提供やクレジットカードの発行のほか、株式会社SBI証券と連携し、アプラスが発行する所定のクレジットカードを使って投資信託の積み立てができる「クレカ積立」のサービスも開始しました。また、ネオバンク・プラットフォーム「BANKIT®」においては、サービスを強化するため、これまでの「エンベデッド・プラン」に加えて新たに「ホワイトラベル・プラン」の提供を開始し、お客さまがBANKIT®をより低コスト・短期でご利用できる環境を整えました。さらに、顧客基盤の拡大や新たな事業展開による成長を目指して、関西電力グループでリフォームローンなどを手掛けてきた株式会社クリアパスの株式を取得し子会社としました。
2.リテールバンキング
リテールバンキングは、SBIグループ内/当行グループ内での相互送客による規模(口座数、預金量)の拡大、SBIグループとの連携による商品ラインナップの拡充、リアルチャネルの最適化(SBIグループとの共同店舗他)とネットチャネル(アプリなど)の高度化による顧客満足度の向上に取り組んでおります。また、アプラス、新生フィナンシャルなどの当行グループ各社、SBIグループ各社、さらには外部との価値共創を推進しております。
当行は、マネックス証券株式会社との金融商品仲介業務、株式会社SBI証券との金融商品仲介業務及び銀行代理業のサービスを提供し、お客さまが当行のWebサイトや店舗でマネックス証券株式会社もしくは株式会社SBI証券の証券総合口座を開設することで、各社が取り扱うさまざまな金融商品・サービスの利用を可能としました。また、株式・投資信託・保険・住宅ローンなどの多種多様な金融商品と専門的なアドバイスをワンストップで提供するSBIマネープラザ株式会社と共同店舗「SBI新生銀行マネープラザ」を池袋、梅田、銀座に開設し、当行とSBIマネープラザ株式会社が協働して行う対面コンサルティング営業による質の高いアドバイスを通じて、株式会社SBI証券が提供する多様な金融商品・サービスの利用を可能としました。その他にも、口座をお持ちのお客さま向け優遇サービス「ステップアッププログラム」のリニューアルや定期預金金利の大幅な引き上げ、ATM手数料の全面無料化、SBI新生銀行アプリのリニューアルなど、お客さまの利便性と満足度の向上に資する取組みを通じて、口座数や預金量を大きく拡大しました。
3.住関連ローン
住関連ローンは、競争力のある商品提供による顧客基盤の拡大、SBIグループとの連携によるオペレーション効率化に取り組んでおります。また、当行グループ各社、SBIグループ各社および外部との相互送客、他社比競争力のある商品設計、債権管理や業務運営のノウハウをグループ内で共有することによる効率的かつ効果的な業務フローやサービスの向上を目指しております。
当行の住宅ローンは、これまでも事務取扱手数料定額型の商品や保証料が原則不要といったサービス等を提供しておりますが、昨今の海外各国の政策金利の利上げ、円安の進行、それらを背景とした物価高など環境の変化によって、毎月の生活費を少しでも抑えたいというお客さまのニーズの高まりにお応えするため、新規借入や借換のお客さまを対象として金利・事務手数料優遇キャンペーンを実施しました。また、新たにSBIマネープラザ株式会社への銀行代理業の委託を開始するなど、お客さまのさまざまなニーズにお応えするべく、商品・サービスを拡充しました。
(海外業務)
《個別戦略》
海外ビジネスは、個別戦略として「アジア・パシフィック等の地域において、フィンテックを駆使した金融サービスの提供により、ノンバンクに強みを有する銀行グループとしての存在感を確立」「SBIグループとの連携により、ノンオーガニックの成長機会を拡大し、海外ビジネスをSBI新生銀行グループの主要ビジネスの一つにする」の2つを掲げております。
当年度はニュージーランド所在のUDC Finance Limitedの業績が堅調に推移したほか、同社が現地のディーラーグループのファイナンス事業を買収するなど、収益基盤の強化も図っております。また新たな事業基盤拡大を獲得すべく、SBIグループ及びその出資先等の組織的能力を活用する等連携も進め、成長著しいアジア・パシフィック地域を主なターゲットとして、小口ファイナンスビジネスを中心に企業買収や事業機会の発掘に引き続き取り組んでおります。また、海外人材育成のため、海外出資先やSBIグループへの若手トレーニーや出向者派遣、新生フィナンシャルなど国内子会社との人材交流等を推進しております。
(財務基盤)
当連結会計年度末には、バーゼルⅢ(国内基準)ベースでの連結自己資本比率は10.24%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行では、中期ビジョン(2024年度末に目指す姿)の一つとして、「公的資金返済に向けた道筋を示す」という目標を掲げております。その実現のため、中期ビジョンでは株主還元方針について、「事業戦略の実践による収益力の向上を最優先する」としております。また、2023年3月30日には、当行株式の希薄化懸念の低減および流通株式比率向上のために、保有する自己株式54百万株の消却を実施しております。
今後の株主還元政策については、収益動向等の経営成績やその将来の見通し、安全性や内部留保とのバランス、各種規制等に留意して運営してまいります。
(業績)
以上のような事業経過のもと、当連結会計年度において、経常収益は4,218億円(前連結会計年度比485億円増加)、経常費用は3,697億円(同比246億円増加)、経常利益は521億円(同比238億円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は427億円(同比223億円増加)となりました。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
連結損益の状況
(注)1.上記の区分表記は経営管理上のものであり、基本的に単体(経営健全化ベース)と同様の基準で作成しておりますが、開示の適切性の観点から必要な組み替えを行っております。
2.連結損益計算書においては、のれん償却額及び無形資産償却額は経費の中に含まれております。
3.与信関連費用加算後実質業務純益(セグメント利益の合計)=業務粗利益-経費-与信関連費用
上表にある非資金利益は、役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益から構成されています。
役務取引等利益は、主に、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスなどの貸出業務にかかる手数料収益、リテールバンキング業務での投資信託や保険商品の販売などにかかる手数料収益、コンシューマーファイナンス業務での保証業務関連収益、ペイメント業務にかかる手数料収益などにより構成されます。
特定取引利益は、お客さまとの取引に伴うデリバティブ収益のほか、当行の自己勘定で実行された取引からの収益で構成されます。
その他業務利益は、リース収益・割賦収益、金銭の信託運用損益、トレジャリー業務による有価証券売却損益などにより構成されます。
1.経営成績の分析
当行グループの当連結会計年度の業績は、SBIグループとの連携強化と顧客基盤の拡大などを通じ、預金量は9.9兆円、営業性資産は10.3兆円、また、親会社株主に帰属する当期純利益は427億円となり、収益力の強化が着実に進展しております。預金量と営業性資産については、中期経営計画の2024年度目標を達成しました。
今後も、財務目標の達成に向け、SBIグループとのシナジー創出施策の深化や各ビジネスにおける営業性資産の伸長と機動的なアセットコントロールなどにより、顧客基盤および財務基盤の「量」と「質」を両立させ、更なる収益力の強化を目指してまいります。
<中期経営計画の財務目標に対する達成状況>
(注)1.「預金量」および「営業性資産」に記載の金額は、0.1兆円未満を切捨て表示しています。
2.「営業性資産」は貸出金、有価証券、金銭の信託、買入金銭債権、リース債権及びリース投資資産、有形リース資産、無形リース資産、支払承諾見返、割賦売掛金等の残高の合計です。
3.「CET1比率」は普通株式等Tier Ⅰ比率(バーゼルⅢ 国際基準/完全施行ベース)です。
当連結会計年度における主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(1)業務粗利益
資金利益については、貸出残高増加に伴う利息収入や、トレジャリーにおける配当収益の増加等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
非資金利益(役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益等の合計)については、融資手数料の増加や法人業務でのデリバティブ関連収益の増加に加えて、アプラスでのショッピングクレジットの取り扱いの増加等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
業務粗利益
(2)経費
経費については、広告費等の営業推進にかかる費用の増加、商号変更やSBIグループとのシナジー創出に向けた費用の発生等により、前連結会計年度に比べ増加しました。
経費
(注)経費は、財務会計上の営業経費から、のれん償却額、無形資産償却額及び臨時的な費用を控除したものであります。なお、臨時的な費用は、財務会計上の人件費に含まれる退職給付費用の数理計算上の差異の償却及びその他臨時費用等により構成されております。
(3)与信関連費用
与信関連費用については、法人業務での大口案件の回収等により、前連結会計年度に比べて減少しました。
与信関連費用
(4)その他利益及び法人税等合計
その他利益については、前連結会計年度に比べて減少し、法人税等合計は、前連結会計年度に比べて増加しました。
その他利益及び法人税等合計
(5)セグメント別の業績
(法人業務)
業務粗利益は、貸出残高増加に伴う利息収入の増加に加えて、法人営業やストラクチャードファイナンスでの融資手数料の増加や、デリバティブ関連収益の増加等もあり、前連結会計年度に比べて増加しました。与信関連費用は、主にストラクチャードファイナンスで大口案件の貸倒引当金繰入が生じず、貸倒引当金戻入益の計上があったことから、前連結会計年度に比べて減少しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
(個人業務)
「リテールバンキング」
セグメント損益は、預金利息の増加や、資産運用商品の販売関連収益の減少等により、前連結会計年度に比べて減少となりました。
「コンシューマーファイナンス」
業務粗利益は、レイク事業の利回り低下による利息収入の減少等があったものの、アプラスのショッピングクレジットの取り扱いの増加等により、前連結会計年度に比べてほぼ横ばいとなりました。与信関連費用は、無担保カードローン事業において、前連結会計年度は新型コロナウイルス感染症関連の給付金による償却減少があった一方で、当連結会計年度は貸出残高の増加やカードローン市場の信用状況の悪化がみられたこと、及びアプラスにおいて、営業債権残高が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて増加しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。
(海外事業/トレジャリー/その他)
業務粗利益は、市場性運用業務での配当収益の増加や、前連結会計年度に計上した国債等債券売却損の反動等により、前連結会計年度に比べて増加しました。与信関連費用は、前連結会計年度に計上した貸倒引当金戻入益の反動等があり、前連結会計年度に比べて増加しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
セグメント別の業績
詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」(セグメント情報等)をご覧ください。
2.財政状態の分析
当連結会計年度末において、総資産は13兆6,948億円(前連結会計年度末比3兆3,833億円増加)となりました。主要な勘定残高の推移は、以下のとおりであります。
主要勘定残高
(1)貸出金
貸出金は、法人向け貸出残高の増加を主因に、全体では6兆8,888億円(前連結会計年度末比1兆6,469億円増加)となりました。
① 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
② 貸出金の残存期間別残高(単体)
(注)残存期間1年以下の貸出金については、固定金利、変動金利の区別をしておりません。
③ 資産の査定
不良債権については、金融再生法ベースの開示債権(単体)において、当事業年度末は215億円(前事業年度末は361億円)、不良債権比率は0.28%(前事業年度末は0.66%)となり、引き続き低水準を維持しております。
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
銀行法及び金融再生法の開示基準に基づく債権(連結)
(注)連結貸借対照表の「割賦売掛金」のうち、2022年3月末現在で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権額は49億円、危険債権額は15億円、要管理債権額は34億円、2023年3月末現在で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権額は56億円、危険債権額は14億円、要管理債権額は37億円。なお、これらは、上表の各債権額には含まれておりません。
銀行法及び金融再生法の開示基準に基づく債権(単体)
なお、正常先を含めた債務者区分毎の引当率は以下のとおりであります。
(2)有価証券
有価証券は1兆5,727億円(前連結会計年度末比8,981億円増加)となりました。
有価証券
また、「その他有価証券」で時価をもって貸借対照表価額とするものの評価差額は以下のとおりであります。
(注)1.連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「買入金銭債権」中の有価証券として会計処理している信託受益権を含めて記載しております。
2.上記評価差額のほか、投資事業有限責任組合等の構成資産であるその他有価証券に係る評価差額等の金額を加えた後、実効税率や非支配株主持分相当額等を勘案後の金額(2022年3月末△116億円、2023年3月末△208億円)を、連結貸借対照表の純資産の部にその他有価証券評価差額金として計上しております。
(3)のれん・無形資産
昭和リース、UDC Finance、新生パーソナルローン及びその他連結子会社の取得時、並びに各社における事業譲受時の全面時価評価法の適用により、各社及び対象事業の資産・負債の時価評価を行った結果、当連結会計年度末(2023年3月末)現在で、以下のとおりのれん及び無形資産を連結貸借対照表に計上しております。
(4)繰延税金資産
繰延税金資産は95億円(前連結会計年度末比11億円減少)となりました。税効果会計に基づく繰延税金資産の計上については、引き続き1年分の収益計画に基づき算出しております。
(5)支払承諾見返、支払承諾
主として、アプラスの信用保証業に係る保証残高や当行の債務保証残高を当行連結貸借対照表上の支払承諾・同見返に計上しているものであり、前連結会計年度末比2,580億円増となりました。
(6)預金・譲渡性預金
預金・譲渡性預金は9兆9,822億円(前連結会計年度末比3兆5,842億円増加)となりました。
預金・譲渡性預金期末残高
(注)「流動性預金」=通知預金+普通預金+当座預金、「定期性預金」=定期預金
なお、定期預金(除く、非居住者円預金・外貨預金)の残存期間別残高は以下のとおりであります。
定期預金の残存期間別残高
(注)「3カ月未満」には、期間が到来したものの払い出しがなされていない定期預金を含みます。
(7)社債、借用金
社債は、3,670億円(前連結会計年度末比130億円減少)となりました。借用金は、当行、アプラス及び昭和リース等の当行子会社の、当行以外の第三者からの借入金が含まれており、前連結会計年度末比3,713億円減となりました。
(8)純資産の部
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、9,665億円(前連結会計年度末比421億円増加)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、預金及び譲渡性預金の増加による収入等と、貸出金の増加による支出等により1兆3,069億円の収入(前連結会計年度は4,706億円の支出)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得による支出が、売却・償還による収入を上回ったこと等により9,555億円の支出(同2,509億円の収入)、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得、配当金の支払等により46億円の支出(同198億円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比3,465億円増加し、1兆9,136億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度末において、銀行法に基づく連結自己資本比率(バーゼルⅢ、国内基準)は10.24%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行グループは、銀行業務を中心に、証券業務、信託業務のほかコンシューマーファイナンス業務及びコマーシャルファイナンス業務など総合的な金融サービスに係る事業を行っており、これらの事業を行うにあたり、長期的かつ安定的な調達として、リテール顧客の預金による調達に重点をおくとともに、貸出金その他の資産の流動化等による調達の分散化も図っております。子会社及び関連会社においては、他の金融機関からの間接金融による調達も行っております。
なお、当行グループの主要な設備投資等の資本的支出の内容については、「第3 設備の状況」に記載しております。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては基礎的手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
基礎的内部格付手法の採用については、当行自身の内部格付制度とパラメータ推計値に基づき信用リスクを計測することが認められたものであり、当行の高度なリスク管理能力を規制資本の計算に活用することが可能になると共に、実際のリスクに見合ったより合理的な所要規制資本が算出されることを意味しております。
連結自己資本比率(国内基準)
単体自己資本比率(国内基準)
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積りを行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と大幅に異なる結果となる可能性があることから、特に慎重な判断が求められます。
当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
貸倒引当金の計上基準及びその見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (7) 貸倒引当金の計上基準」及び「(重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおりであります。
また、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(2)信用リスク ①.貸倒引当金の十分性について」において、貸倒引当金の見積りにかかるリスクについて記載しております。
有価証券の減損
当行グループでは、売買目的有価証券以外の有価証券(市場価格のない株式等及び組合出資金等を除く)のうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落したものについては、原則として時価が取得原価まで回復する見込みがないものとみなして、当該時価をもって連結貸借対照表計上額とし、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
時価が「著しく下落した」と判断するための基準は、資産の自己査定基準における有価証券発行会社の債務者区分毎に次のとおり定めております。なお、債務者区分の定義は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (7) 貸倒引当金の計上基準」に記載のとおりであります。
破綻先、実質破綻先、破綻懸念先 時価が取得原価に比べて下落
要注意先 時価が取得原価に比べて30%以上下落
正常先 時価が取得原価に比べて50%以上下落
市場価格のない有価証券については、当該有価証券の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
有価証券の減損判断には、資産の自己査定基準における有価証券発行会社等の債務者区分判定の他、実質価額の算定などの見積りが含まれています。
将来の市況悪化や発行会社の業績不振等により、現在の時価又は実質価額がさらに低下した場合には、追加で減損処理を計上する可能性があります。
のれん・無形資産の減損
当行は、のれん(以下、持分法投資に含まれるのれん相当額を含む。)及び無形資産についてその効果が及ぶ期間(20年以内)での償却を行い、四半期毎に減損の兆候の有無を確認しております。
減損の兆候が認められた場合、減損損失の認識の判定は、原則としてのれん及び無形資産の帰属する会社又は事業の単位でグルーピングし、その事業から生じる割引前の将来のキャッシュ・フローを見積り、その総額がのれん及び無形資産を含む当該事業に係る連結簿価より低い場合に、減損損失が生じているものとしております。このとき、将来キャッシュ・フローを見積る期間はのれん及び無形資産の残存償却年数か20年のいずれか短い方を採用しております。
そして、減損損失が生じていると認識された場合には、当該事業から生じる将来のキャッシュ・フローを一定の割引率で割り引いた使用価値を算定し、当該事業に係る連結簿価との差額を減損損失として計上します。
のれん及び無形資産の減損の判定においては、判定単位の将来見積りキャッシュ・フロー、個別のリスクを反映した割引率、成長率など多くの見積りや前提を使用しています。
経済情勢や判定単位独自のリスクにより、実際の将来キャッシュ・フローに影響を与える各項目が減損判定時の予測よりも悪化した場合、追加で減損損失を計上する可能性があります。
利息返還損失引当金
利息返還損失引当金の計上基準及びその見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (13) 利息返還損失引当金の計上基準」及び「(重要な会計上の見積り)2.利息返還損失引当金」に記載のとおりであります。
また、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(6)財務面に関するリスク ①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について」において、利息返還損失引当金の見積りにかかるリスクについて記載しております。
繰延税金資産
当行グループはグループ通算制度を採用しており、過去の不良債権処理に伴う有価証券の減損処理及び貸倒損失並びに利息返還損失引当金等により、多額の将来減算一時差異と税務上の繰越欠損金を有しております。繰延税金資産の回収可能性の判断基準については、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の会社分類4に該当し、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の計上に関する判断は、中間連結会計期間及び連結会計年度の期末時点において実施しておりますが、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得の見積りの変更等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産を取り崩しております。翌1年間の一時差異等加減算前課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に繰延税金資産を取り崩しております。
[金融経済環境]
当連結会計年度における世界経済は、世界的な物価上昇圧力の高まりや、高進する物価を抑制するための急速な金融引き締めの進展等により、成長ペースが鈍化したとみられます。日本経済は、物価上昇が消費の回復の重石となった一方で、インバウンド需要の回復や、社会・経済活動の正常化に向けた動きが進展したこと等により、緩やかな成長が続いたとみられます。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、2022年3月に利上げを開始して以降、政策金利を急速なペースで引き上げました。2023年3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米国銀行の経営破綻に伴う不確実性の高まりのもとでも、0.25%の利上げを継続し、フェデラルファンド金利の誘導目標は4.75%~5.00%となりました。一方、日本銀行は、大規模な金融緩和政策を維持していましたが、2022年12月の金融政策決定会合において、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の運用見直しを決定し、長期金利(10年国債利回り)の変動幅を、従来の±0.25%程度から±0.5%程度に拡大しました。
金融市場を概観しますと、債券市場では、2022年3月末時点で2.3%程度であった米国の長期金利(10年債利回り)は、米国内の根強いインフレの抑制に向けて、FRBが急速な金融引き締めを進めるもと、2022年10月にかけては上昇基調で推移し、一時4.2%を上回りました。その後は、米国の雇用・物価情勢や米欧の金融システム不安の台頭、それを受けた金融政策の先行きに対する見方の変化に伴って、米国の長期金利は上下に変動し、2023年3月末には3.5%程度となりました。一方、国内の長期金利は、0.25%程度を上限とした推移が続きましたが、2022年12月の日本銀行の長短金利操作の運用見直しを受けて、0.5%程度まで上昇しました。2023年3月には、米欧の金融システム不安の台頭により、国内の長期金利も低下し、2023年3月末には0.3%台となりました。
為替市場では、対米ドルの円相場は、FRBによる政策金利の大幅な引き上げ等を背景に、急速な円安・米ドル高が進行し、2022年10月には一時150円超となりました。その後は、米国の長期金利低下や日本銀行による長短金利操作の運用見直し等を背景に、円高・米ドル安基調に転じ、2023年以降、円は一時120円台まで増価しました。2023年3月にかけては、やや円安・米ドル高方向に戻して、2023年3月末には133円台(2022年3月末比約11円の円安・米ドル高)となりました。対ユーロでは、欧州経済の悪化懸念がユーロ安要因となったものの、欧州中央銀行による大幅な利上げの実施や、金融引き締めの長期化観測がユーロ高要因となり、概ね円安・ユーロ高方向の推移となりました。ユーロ・円は2023年3月末には144円台(同比約9円の円安・ユーロ高)となりました。
株式市場では、世界的な金融引き締めに伴い、米国を中心に概ね弱含みで推移しましたが、日本の株式相場は、企業業績の改善等もあり、一進一退ながら底堅く推移しました。
[事業の経過及び成果]
SBI新生銀行グループは、2022年度から2024年度を対象期間とする中期経営計画「SBI新生銀行グループの中期ビジョン」を策定しており、以下3つの基本戦略を掲げております。
基本戦略1:グループ内外の価値共創の追求
基本戦略2:強みの深化とフルラインナップ化
基本戦略3:事業を通じたサステナビリティの実現
中期経営計画の初年度における各ビジネス分野の取り組み状況は以下のとおりです。
(法人業務)

《個別戦略》
法人ビジネスは、次の4点の目標を実現するため、事業法人向け、機関投資家向け、金融法人向けに以下に掲げる取り組みを実行しております。中期ビジョンの初年度となる当年度は、法人ビジネス全体において経営トップをはじめ役職員による営業活動量を大幅に増加させております。
・ 顧客中心主義の徹底による顧客基盤の拡大
・ SBIグループとの連携によるフルラインナップの商品提供
・ 機関投資家向けビジネスにおける強みの一層の強化
・ 地域金融機関のプラットフォーマーとして地域経済・企業の活性化に貢献
1.事業法人向けビジネス
経営陣が主導する積極的な営業をはじめとした、顧客接点の増大による新規顧客の開拓と既往先との取引深耕により、営業資産および収益は大きく拡大いたしました。
SBIグループとの連携を強化し、ベンチャー企業及びその企業オーナーのお客さまに対するファイナンスに注力しております。この分野は特にSBIグループとのシナジー効果が望める分野と考えており、引き続き連携を深化・加速して相互のお客さまの紹介や良質な顧客基盤の拡大につなげてまいります。
また、お客さまが成長ステージにおいて抱える様々な経営課題の解決のため、SBIグループと一体となって最適なソリューションの提供に取り組んでおります。SBIグループの出資先に対して当行がローンを実行する等のグループ一体となった支援が複数実現しております。
ビジネス活動を通じたサステナビリティを実現するべく、様々なタイプのサステナブルファイナンスに取り組んでおります。当年度には、法人ビジネス全体で従来から取り組んでいるグリーンローン、ソーシャルローン、サステナビリティ・リンク・ローンに加えて、新たにトランジション・リンク・ローン、ポジティブ・インパクト・ファイナンスも案件が成約しており、合計で4,513億円のファイナンスを実行いたしました(お客さまのフレームワークに準拠したファイナンスを含む)。引き続き、脱炭素に向けたプロセスとして注目の高まっているトランジションファイナンスについては、営業部内に設置した専門部署が中心となって取り組みを加速させてまいります。
2.機関投資家向けビジネス
再生可能エネルギー領域を中心とするプロジェクトファイナンスへの取組みを引き続き強化しており、従来の太陽光発電プロジェクトに加えて、陸上風力やバイオマス発電についても注力しております。ファイナンスの組成に際しては地元金融機関の他、多くの地域金融機関との協働を推進することで、機関投資家向けビジネスの拡大および金融分野における地域経済の活性化への貢献を進めております。また、地方創生の視点も踏まえ、グリーン(再生可能エネルギー)、ソーシャル(ヘルスケア等)の両面において地域金融機関と連携してのサステナブルファイナンスの提供にも取り組んでおります。SBIグループとの連携による投融資機会の拡大も推進しており、当年度にはLBOファイナンスの分野において複数のLP(リミテッド・パートナー)出資へのコミットを行っており、出資を契機としたSBIグループと共同での投融資機会についても追求してまいります。
3.金融法人向けビジネス
地域金融機関のプラットフォーマーを目指し、当行グループの強みであるストラクチャードファイナンス、サステナブルファイナンス、ローンシンジケーション等の積極的な推進を通じて、地域金融機関との連携を強化しております。連携の効果として新たに複数の融資協調案件が成約・実行されている他、ストラクチャードファイナンス分野でのトレーニー受入等を通じて相互のノウハウを共有し、連携の深化に向けて案件協調を活性化しております。また、SBIグループとの協業を通じて、当行グループのみならずSBIグループも含めた機能提供に関する協議を進めております。
地域金融機関が抱える経営課題へのソリューション提供、商品性の高度化のサポートの一つとして、当行グループのアプラスが提供する金融プラットフォーム機能「BANKIT®(バンキット)」、同じく新生フィナンシャルによる信用保証提携を推進し、複数の地域金融機関において導入決定に至っております。引き続き、地域金融機関、SBIグループ、当行グループが三位一体となって地方創生の具現化を推進する「トライアングル戦略」構想に基づき、これらの投融資における連携、グループ機能提供等においてより一層の協業を推進してまいります。
(個人業務)

《個別戦略》
個人ビジネスは、個別戦略として「顧客中心主義の徹底による、顧客の立場に立ったサービスの提供」「SBIグループとの連携によるフルラインナップの商品提供」「テクノロジーの活用による顧客利便性の高いサービスの提供」の3つを掲げており、以下に掲げる取り組みを実行しております。
1.小口ファイナンス
小口ファイナンスは、子会社である新生フィナンシャル、アプラスを中心としてビジネスを推進しております。
新生フィナンシャルを中心として提供する無担保ローンは、SBIグループの顧客基盤の活用、UI/UXの改善、ブランド認知の強化による無担保ローン顧客拡大、地域金融機関への信用保証事業の拡大、および事業法人との連携強化に取り組んでおります。主力商品である「レイクALSA」についてはブランド名を「レイク」に変更するとともにブランドロゴを刷新し、Webサイトや公式アプリ「レイクアプリ」についてもデザインの刷新や新機能の追加など、リニューアルを実施しました。また、プロゲーミングチーム「SBI e-Sports」を運営する SBI e-Sports株式会社との提携や新タレントの起用によるクリエイティブの刷新など、SBIグループとしてのシナジーの追求やブランドの認知強化に向けた取り組みを実施しました。地域金融機関との連携については、既存の提携先との連携を強化したほか、SBIグループが持つネットワークを活用した新たな地域金融機関との連携に向けて取り組んでおります。
アプラスにおいては、ショッピングクレジット、クレジットカード、ペイメントなどを提供しており、グループ機能・提携先を有効活用したクレジットカードの会員獲得、ショッピングクレジット顧客の拡大に取り組んでおります。新たな提携先とのショッピングクレジットの提供やクレジットカードの発行のほか、株式会社SBI証券と連携し、アプラスが発行する所定のクレジットカードを使って投資信託の積み立てができる「クレカ積立」のサービスも開始しました。また、ネオバンク・プラットフォーム「BANKIT®」においては、サービスを強化するため、これまでの「エンベデッド・プラン」に加えて新たに「ホワイトラベル・プラン」の提供を開始し、お客さまがBANKIT®をより低コスト・短期でご利用できる環境を整えました。さらに、顧客基盤の拡大や新たな事業展開による成長を目指して、関西電力グループでリフォームローンなどを手掛けてきた株式会社クリアパスの株式を取得し子会社としました。
2.リテールバンキング
リテールバンキングは、SBIグループ内/当行グループ内での相互送客による規模(口座数、預金量)の拡大、SBIグループとの連携による商品ラインナップの拡充、リアルチャネルの最適化(SBIグループとの共同店舗他)とネットチャネル(アプリなど)の高度化による顧客満足度の向上に取り組んでおります。また、アプラス、新生フィナンシャルなどの当行グループ各社、SBIグループ各社、さらには外部との価値共創を推進しております。
当行は、マネックス証券株式会社との金融商品仲介業務、株式会社SBI証券との金融商品仲介業務及び銀行代理業のサービスを提供し、お客さまが当行のWebサイトや店舗でマネックス証券株式会社もしくは株式会社SBI証券の証券総合口座を開設することで、各社が取り扱うさまざまな金融商品・サービスの利用を可能としました。また、株式・投資信託・保険・住宅ローンなどの多種多様な金融商品と専門的なアドバイスをワンストップで提供するSBIマネープラザ株式会社と共同店舗「SBI新生銀行マネープラザ」を池袋、梅田、銀座に開設し、当行とSBIマネープラザ株式会社が協働して行う対面コンサルティング営業による質の高いアドバイスを通じて、株式会社SBI証券が提供する多様な金融商品・サービスの利用を可能としました。その他にも、口座をお持ちのお客さま向け優遇サービス「ステップアッププログラム」のリニューアルや定期預金金利の大幅な引き上げ、ATM手数料の全面無料化、SBI新生銀行アプリのリニューアルなど、お客さまの利便性と満足度の向上に資する取組みを通じて、口座数や預金量を大きく拡大しました。
3.住関連ローン
住関連ローンは、競争力のある商品提供による顧客基盤の拡大、SBIグループとの連携によるオペレーション効率化に取り組んでおります。また、当行グループ各社、SBIグループ各社および外部との相互送客、他社比競争力のある商品設計、債権管理や業務運営のノウハウをグループ内で共有することによる効率的かつ効果的な業務フローやサービスの向上を目指しております。
当行の住宅ローンは、これまでも事務取扱手数料定額型の商品や保証料が原則不要といったサービス等を提供しておりますが、昨今の海外各国の政策金利の利上げ、円安の進行、それらを背景とした物価高など環境の変化によって、毎月の生活費を少しでも抑えたいというお客さまのニーズの高まりにお応えするため、新規借入や借換のお客さまを対象として金利・事務手数料優遇キャンペーンを実施しました。また、新たにSBIマネープラザ株式会社への銀行代理業の委託を開始するなど、お客さまのさまざまなニーズにお応えするべく、商品・サービスを拡充しました。
(海外業務)
《個別戦略》
海外ビジネスは、個別戦略として「アジア・パシフィック等の地域において、フィンテックを駆使した金融サービスの提供により、ノンバンクに強みを有する銀行グループとしての存在感を確立」「SBIグループとの連携により、ノンオーガニックの成長機会を拡大し、海外ビジネスをSBI新生銀行グループの主要ビジネスの一つにする」の2つを掲げております。
当年度はニュージーランド所在のUDC Finance Limitedの業績が堅調に推移したほか、同社が現地のディーラーグループのファイナンス事業を買収するなど、収益基盤の強化も図っております。また新たな事業基盤拡大を獲得すべく、SBIグループ及びその出資先等の組織的能力を活用する等連携も進め、成長著しいアジア・パシフィック地域を主なターゲットとして、小口ファイナンスビジネスを中心に企業買収や事業機会の発掘に引き続き取り組んでおります。また、海外人材育成のため、海外出資先やSBIグループへの若手トレーニーや出向者派遣、新生フィナンシャルなど国内子会社との人材交流等を推進しております。
(財務基盤)
当連結会計年度末には、バーゼルⅢ(国内基準)ベースでの連結自己資本比率は10.24%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行では、中期ビジョン(2024年度末に目指す姿)の一つとして、「公的資金返済に向けた道筋を示す」という目標を掲げております。その実現のため、中期ビジョンでは株主還元方針について、「事業戦略の実践による収益力の向上を最優先する」としております。また、2023年3月30日には、当行株式の希薄化懸念の低減および流通株式比率向上のために、保有する自己株式54百万株の消却を実施しております。
今後の株主還元政策については、収益動向等の経営成績やその将来の見通し、安全性や内部留保とのバランス、各種規制等に留意して運営してまいります。
(業績)
以上のような事業経過のもと、当連結会計年度において、経常収益は4,218億円(前連結会計年度比485億円増加)、経常費用は3,697億円(同比246億円増加)、経常利益は521億円(同比238億円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は427億円(同比223億円増加)となりました。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
連結損益の状況
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||
| 業務粗利益 | 2,175 | 2,402 | 227 | |
| 資金利益 | 1,256 | 1,387 | 130 | |
| 非資金利益 | 918 | 1,015 | 96 | |
| 経費 | 1,554 | 1,616 | 62 | |
| 実質業務純益 | 621 | 786 | 164 | |
| 与信関連費用 | 311 | 220 | △90 | |
| 与信関連費用加算後実質業務純益 | 310 | 565 | 255 | |
| のれん・無形資産償却額 | 32 | 35 | 2 | |
| その他利益 | 7 | △12 | △19 | |
| 税金等調整前当期純利益 | 284 | 517 | 232 | |
| 法人税等合計 | 81 | 90 | 8 | |
| 非支配株主に帰属する当期純利益 | △0 | 0 | 0 | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 203 | 427 | 223 | |
(注)1.上記の区分表記は経営管理上のものであり、基本的に単体(経営健全化ベース)と同様の基準で作成しておりますが、開示の適切性の観点から必要な組み替えを行っております。
2.連結損益計算書においては、のれん償却額及び無形資産償却額は経費の中に含まれております。
3.与信関連費用加算後実質業務純益(セグメント利益の合計)=業務粗利益-経費-与信関連費用
上表にある非資金利益は、役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益から構成されています。
役務取引等利益は、主に、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスなどの貸出業務にかかる手数料収益、リテールバンキング業務での投資信託や保険商品の販売などにかかる手数料収益、コンシューマーファイナンス業務での保証業務関連収益、ペイメント業務にかかる手数料収益などにより構成されます。
特定取引利益は、お客さまとの取引に伴うデリバティブ収益のほか、当行の自己勘定で実行された取引からの収益で構成されます。
その他業務利益は、リース収益・割賦収益、金銭の信託運用損益、トレジャリー業務による有価証券売却損益などにより構成されます。
1.経営成績の分析
当行グループの当連結会計年度の業績は、SBIグループとの連携強化と顧客基盤の拡大などを通じ、預金量は9.9兆円、営業性資産は10.3兆円、また、親会社株主に帰属する当期純利益は427億円となり、収益力の強化が着実に進展しております。預金量と営業性資産については、中期経営計画の2024年度目標を達成しました。
今後も、財務目標の達成に向け、SBIグループとのシナジー創出施策の深化や各ビジネスにおける営業性資産の伸長と機動的なアセットコントロールなどにより、顧客基盤および財務基盤の「量」と「質」を両立させ、更なる収益力の強化を目指してまいります。
<中期経営計画の財務目標に対する達成状況>
| 財務目標(連結) | 2021年度 | 2022年度 | ||
| 顧客基盤 | 顧客数 (SBI新生銀行リテール口座数) | 380万 | 305万 | 316万 |
| 財務基盤 | 預金量(注)1 (リテールおよび法人) | 8.0兆円 | 6.3兆円 | 9.9兆円 |
| 営業性資産(注)1、2 (市場性運用を含む) | 10.0兆円 | 8.1兆円 | 10.3兆円 | |
| 収益力 | 連結純利益 (SBI新生銀行株主帰属) | 700億円 | 203億円 | 427億円 |
| 健全性 | CET1比率(注)3 | 10%以上を目途とする | 11.6% | 10.0% |
(注)1.「預金量」および「営業性資産」に記載の金額は、0.1兆円未満を切捨て表示しています。
2.「営業性資産」は貸出金、有価証券、金銭の信託、買入金銭債権、リース債権及びリース投資資産、有形リース資産、無形リース資産、支払承諾見返、割賦売掛金等の残高の合計です。
3.「CET1比率」は普通株式等Tier Ⅰ比率(バーゼルⅢ 国際基準/完全施行ベース)です。
当連結会計年度における主な項目の分析は、以下のとおりであります。
(1)業務粗利益
資金利益については、貸出残高増加に伴う利息収入や、トレジャリーにおける配当収益の増加等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
非資金利益(役務取引等利益、特定取引利益、その他業務利益等の合計)については、融資手数料の増加や法人業務でのデリバティブ関連収益の増加に加えて、アプラスでのショッピングクレジットの取り扱いの増加等により、前連結会計年度に比べて増加しました。
業務粗利益
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||||
| 業務粗利益 | 2,175 | 2,402 | 227 | |||
| 資金利益 | 1,256 | 1,387 | 130 | |||
| 非資金利益 | 918 | 1,015 | 96 | |||
| 役務取引等利益 | 340 | 391 | 50 | |||
| 特定取引利益 | 66 | 37 | △28 | |||
| その他業務利益 | 512 | 585 | 73 | |||
| うちリース収益・割賦収益 | 499 | 543 | 43 | |||
(2)経費
経費については、広告費等の営業推進にかかる費用の増加、商号変更やSBIグループとのシナジー創出に向けた費用の発生等により、前連結会計年度に比べ増加しました。
経費
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||
| 経費 | 1,554 | 1,616 | 62 | |
| 人件費 | 625 | 646 | 20 | |
| 物件費 | 928 | 970 | 41 | |
(注)経費は、財務会計上の営業経費から、のれん償却額、無形資産償却額及び臨時的な費用を控除したものであります。なお、臨時的な費用は、財務会計上の人件費に含まれる退職給付費用の数理計算上の差異の償却及びその他臨時費用等により構成されております。
(3)与信関連費用
与信関連費用については、法人業務での大口案件の回収等により、前連結会計年度に比べて減少しました。
与信関連費用
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |||
| 与信関連費用 | 311 | 220 | △90 | ||
| 貸出金償却・債権処分損 | 27 | 11 | △16 | ||
| 貸倒引当金繰入額 | 372 | 305 | △66 | ||
| 一般貸倒引当金繰入額 | 199 | 245 | 45 | ||
| 個別貸倒引当金繰入額 | 172 | 60 | △111 | ||
| 特定海外債権引当勘定繰入額 | - | - | - | ||
| リース原価に含まれる不良債権処理額 | 2 | 1 | △0 | ||
| 償却債権取立益(△) | △91 | △98 | △6 | ||
(4)その他利益及び法人税等合計
その他利益については、前連結会計年度に比べて減少し、法人税等合計は、前連結会計年度に比べて増加しました。
その他利益及び法人税等合計
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | ||
| その他利益 | 7 | △12 | △19 | |
| うち利息返還損失引当金繰入額 (△戻入益) | 11 | 11 | △0 | |
| うち特別損益 | 1 | △3 | △5 | |
| 法人税等合計 | 81 | 90 | 8 | |
(5)セグメント別の業績
(法人業務)
業務粗利益は、貸出残高増加に伴う利息収入の増加に加えて、法人営業やストラクチャードファイナンスでの融資手数料の増加や、デリバティブ関連収益の増加等もあり、前連結会計年度に比べて増加しました。与信関連費用は、主にストラクチャードファイナンスで大口案件の貸倒引当金繰入が生じず、貸倒引当金戻入益の計上があったことから、前連結会計年度に比べて減少しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
(個人業務)
「リテールバンキング」
セグメント損益は、預金利息の増加や、資産運用商品の販売関連収益の減少等により、前連結会計年度に比べて減少となりました。
「コンシューマーファイナンス」
業務粗利益は、レイク事業の利回り低下による利息収入の減少等があったものの、アプラスのショッピングクレジットの取り扱いの増加等により、前連結会計年度に比べてほぼ横ばいとなりました。与信関連費用は、無担保カードローン事業において、前連結会計年度は新型コロナウイルス感染症関連の給付金による償却減少があった一方で、当連結会計年度は貸出残高の増加やカードローン市場の信用状況の悪化がみられたこと、及びアプラスにおいて、営業債権残高が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて増加しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて減少しました。
(海外事業/トレジャリー/その他)
業務粗利益は、市場性運用業務での配当収益の増加や、前連結会計年度に計上した国債等債券売却損の反動等により、前連結会計年度に比べて増加しました。与信関連費用は、前連結会計年度に計上した貸倒引当金戻入益の反動等があり、前連結会計年度に比べて増加しました。その結果、セグメント利益は前連結会計年度に比べて増加しました。
セグメント別の業績
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |||||
| 業務粗利益 | セグメント 利益 | 業務粗利益 | セグメント 利益 | 業務粗利益 | セグメント 利益 | ||
| 法人業務 | 671 | 111 | 757 | 384 | 86 | 273 | |
| 個人業務 | 1,511 | 301 | 1,493 | 141 | △18 | △160 | |
| リテールバンキング | 258 | 19 | 238 | △28 | △19 | △48 | |
| コンシューマーファイナンス | 1,253 | 282 | 1,254 | 169 | 1 | △112 | |
| 海外事業/トレジャリー/その他 | △7 | △103 | 151 | 39 | 158 | 143 | |
| 合計 | 2,175 | 310 | 2,402 | 565 | 227 | 255 | |
詳細は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」(セグメント情報等)をご覧ください。
2.財政状態の分析
当連結会計年度末において、総資産は13兆6,948億円(前連結会計年度末比3兆3,833億円増加)となりました。主要な勘定残高の推移は、以下のとおりであります。
主要勘定残高
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 資産の部合計 | 103,114 | 136,948 | 33,833 |
| うち有価証券 | 6,746 | 15,727 | 8,981 |
| うち貸出金 | 52,418 | 68,888 | 16,469 |
| うちのれん・無形資産 | 148 | 148 | △0 |
| うち繰延税金資産 | 107 | 95 | △11 |
| うち支払承諾見返 | 5,847 | 8,427 | 2,580 |
| うち貸倒引当金 | △1,194 | △1,184 | 10 |
| 負債の部合計 | 93,871 | 127,283 | 33,411 |
| うち預金・譲渡性預金 | 63,980 | 99,822 | 35,842 |
| うち借用金 | 9,784 | 6,070 | △3,713 |
| うち社債 | 3,801 | 3,670 | △130 |
| うち支払承諾 | 5,847 | 8,427 | 2,580 |
| 純資産の部合計 | 9,243 | 9,665 | 421 |
(1)貸出金
貸出金は、法人向け貸出残高の増加を主因に、全体では6兆8,888億円(前連結会計年度末比1兆6,469億円増加)となりました。
① 国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
| 業種別 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金 額 (百万円) | 構成比(%) | 金 額 (百万円) | 構成比(%) | |
| 国内(除く特別国際金融取引勘定分) | 4,791,670 | 100.00 | 6,460,879 | 100.00 |
| 製造業 | 207,088 | 4.32 | 338,845 | 5.24 |
| 農業,林業 | - | - | - | - |
| 漁業 | - | - | - | - |
| 鉱業,採石業,砂利採取業 | 397 | 0.01 | 305 | 0.00 |
| 建設業 | 13,881 | 0.29 | 20,190 | 0.31 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 397,271 | 8.29 | 497,807 | 7.71 |
| 情報通信業 | 48,614 | 1.02 | 53,935 | 0.84 |
| 運輸業,郵便業 | 170,524 | 3.56 | 215,219 | 3.33 |
| 卸売業,小売業 | 95,612 | 2.00 | 138,929 | 2.15 |
| 金融業,保険業 | 465,450 | 9.71 | 1,132,241 | 17.52 |
| 不動産業 | 702,177 | 14.65 | 820,269 | 12.70 |
| 各種サービス業 | 388,278 | 8.10 | 515,546 | 7.98 |
| 地方公共団体 | 52,316 | 1.09 | 259,474 | 4.02 |
| その他 | 2,250,057 | 46.96 | 2,468,115 | 38.20 |
| 海外及び特別国際金融取引勘定分 | 450,147 | 100.00 | 427,923 | 100.00 |
| 政府等 | - | - | - | - |
| 金融機関 | 22,823 | 5.07 | 15,587 | 3.64 |
| その他 | 427,323 | 94.93 | 412,336 | 96.36 |
| 合計 | 5,241,817 | - | 6,888,803 | - |
(注)1.「国内」とは、当行及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
② 貸出金の残存期間別残高(単体)
| 前事業年度 (億円) | 当事業年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 貸出金合計 | 52,796 | 72,556 | 19,759 |
| 1年以下 | 13,186 | 22,411 | 9,225 |
| 1年超3年以下 | 8,560 | 11,212 | 2,652 |
| 3年超5年以下 | 8,100 | 9,626 | 1,526 |
| 5年超7年以下 | 4,096 | 6,683 | 2,586 |
| 7年超 | 16,832 | 20,715 | 3,883 |
| 期間の定めの無いもの | 2,020 | 1,906 | △114 |
| うち固定金利 | ─── | ─── | ─── |
| 1年以下 | ─── | ─── | ─── |
| 1年超3年以下 | 291 | 875 | 583 |
| 3年超5年以下 | 408 | 385 | △22 |
| 5年超7年以下 | 275 | 854 | 579 |
| 7年超 | 7,192 | 6,567 | △625 |
| 期間の定めの無いもの | 1,935 | 1,800 | △134 |
| うち変動金利 | ─── | ─── | ─── |
| 1年以下 | ─── | ─── | ─── |
| 1年超3年以下 | 8,268 | 10,337 | 2,068 |
| 3年超5年以下 | 7,692 | 9,240 | 1,548 |
| 5年超7年以下 | 3,821 | 5,829 | 2,007 |
| 7年超 | 9,639 | 14,148 | 4,509 |
| 期間の定めの無いもの | 85 | 105 | 20 |
(注)残存期間1年以下の貸出金については、固定金利、変動金利の区別をしておりません。
③ 資産の査定
不良債権については、金融再生法ベースの開示債権(単体)において、当事業年度末は215億円(前事業年度末は361億円)、不良債権比率は0.28%(前事業年度末は0.66%)となり、引き続き低水準を維持しております。
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
銀行法及び金融再生法の開示基準に基づく債権(連結)
| 債権の区分 | 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減 |
| 金額(億円) | 金額(億円) | 金額(億円) | |
| 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 241 | 249 | 8 |
| 危険債権 | 445 | 251 | △194 |
| 要管理債権 | 632 | 719 | 86 |
| うち、三月以上延滞債権 | 11 | 6 | △4 |
| うち、貸出条件緩和債権 | 622 | 713 | 91 |
| 合計 (A) | 1,319 | 1,220 | △98 |
| 正常債権 | 58,194 | 77,538 | 19,344 |
| 総与信残高(末残) | 59,512 | 78,758 | 19,245 |
| 総与信残高比(%) | 2.21 | 1.54 | △0.66 |
| 貸倒引当金 (B) | 1,194 | 1,184 | △10 |
| 引当率(B/A×100)(%) | 90.61 | 97.10 | 6.49 |
(注)連結貸借対照表の「割賦売掛金」のうち、2022年3月末現在で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権額は49億円、危険債権額は15億円、要管理債権額は34億円、2023年3月末現在で、破産更生債権及びこれらに準ずる債権額は56億円、危険債権額は14億円、要管理債権額は37億円。なお、これらは、上表の各債権額には含まれておりません。
銀行法及び金融再生法の開示基準に基づく債権(単体)
| 債権の区分 | 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減 |
| 金額(億円) | 金額(億円) | 金額(億円) | |
| 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 16 | 15 | △1 |
| 危険債権 | 302 | 123 | △178 |
| 要管理債権 | 43 | 78 | 34 |
| うち、三月以上延滞債権 | 7 | 4 | △3 |
| うち、貸出条件緩和債権 | 36 | 74 | 38 |
| 合計 (A) | 361 | 215 | △145 |
| 正常債権 | 53,518 | 75,705 | 22,186 |
| (参考)要注意債権以下 | 1,337 | 1,693 | 356 |
| 総与信残高(末残) | 53,878 | 75,920 | 22,041 |
| 総与信残高比(%) | 0.66 | 0.28 | △0.38 |
| 保全額 (B) 貸倒引当金 担保保証等 | 317 148 168 | 139 70 69 | △177 △78 △99 |
| 保全率(B/A×100)(%) | 87.80 | 64.58 | △23.22 |
なお、正常先を含めた債務者区分毎の引当率は以下のとおりであります。
| 前事業年度 (%) | 当事業年度 (%) | 増減 (%) | ||
| 実質破綻・破綻先 | (無担保部分) | 100.00 | 100.00 | - |
| 破綻懸念先 | (無担保部分) | 84.28 | 58.59 | △25.69 |
| 要管理先 | (無担保部分) | 35.14 | 29.43 | △5.71 |
| その他要注意先 | (債権額) (無担保部分) | 5.34 20.97 | 3.02 17.49 | △2.32 △3.48 |
| 正常先 | (債権額) | 0.30 | 0.22 | △0.08 |
(2)有価証券
有価証券は1兆5,727億円(前連結会計年度末比8,981億円増加)となりました。
有価証券
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 株式 | 292 | 448 | 155 |
| 債券 | 3,607 | 8,188 | 4,581 |
| 国債 | 2,134 | 6,622 | 4,487 |
| 地方債 | 21 | 21 | △0 |
| 社債 | 1,450 | 1,543 | 93 |
| その他 | 2,846 | 7,091 | 4,245 |
| 合計 | 6,746 | 15,727 | 8,981 |
また、「その他有価証券」で時価をもって貸借対照表価額とするものの評価差額は以下のとおりであります。
| 前連結会計年度 評価差額(億円) | 当連結会計年度 評価差額(億円) | |
| 株式 | 36 | 54 |
| 債券 | △26 | △26 |
| 国債 | △1 | △4 |
| 地方債 | △0 | △0 |
| 社債 | △24 | △21 |
| その他(注)1 | △104 | △228 |
| 合計 | △94 | △201 |
(注)1.連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「買入金銭債権」中の有価証券として会計処理している信託受益権を含めて記載しております。
2.上記評価差額のほか、投資事業有限責任組合等の構成資産であるその他有価証券に係る評価差額等の金額を加えた後、実効税率や非支配株主持分相当額等を勘案後の金額(2022年3月末△116億円、2023年3月末△208億円)を、連結貸借対照表の純資産の部にその他有価証券評価差額金として計上しております。
(3)のれん・無形資産
昭和リース、UDC Finance、新生パーソナルローン及びその他連結子会社の取得時、並びに各社における事業譲受時の全面時価評価法の適用により、各社及び対象事業の資産・負債の時価評価を行った結果、当連結会計年度末(2023年3月末)現在で、以下のとおりのれん及び無形資産を連結貸借対照表に計上しております。
| 償却方法・期間 | 2023年3月末残高 (億円) | 2022年度償却額 (億円) | |
| 昭和リース | |||
| のれん | 定額法(20年) | 42 | 21 |
| 定額法(4年) | - | 0 | |
| 無形資産 | |||
| 商権価値(顧客関係) | 級数法(20年) | 0 | 0 |
| 契約価値(サブリース契約関係) | 定額法(契約残存年数による) | 0 | 0 |
| UDC Finance | |||
| のれん | 定額法(10年) | 45 | 5 |
| 無形資産 | |||
| 商標価値 | 定額法(20年) | 14 | 0 |
| 商権価値(顧客関係) | 定額法(9年) | 5 | 0 |
| 新生パーソナルローン | |||
| 負ののれん(△) | 定額法(20年) | △16 | △3 |
| その他 | |||
| のれん | 定額法(5年から11年) | 35 | 6 |
| 無形資産 | |||
| 商権価値(顧客関係) | 定額法(8年から13年) | 20 | 1 |
| 合計 | |||
| のれん(負ののれん相殺後) | 107 | 30 | |
| 無形資産 | 40 | 4 |
(4)繰延税金資産
繰延税金資産は95億円(前連結会計年度末比11億円減少)となりました。税効果会計に基づく繰延税金資産の計上については、引き続き1年分の収益計画に基づき算出しております。
(5)支払承諾見返、支払承諾
主として、アプラスの信用保証業に係る保証残高や当行の債務保証残高を当行連結貸借対照表上の支払承諾・同見返に計上しているものであり、前連結会計年度末比2,580億円増となりました。
(6)預金・譲渡性預金
預金・譲渡性預金は9兆9,822億円(前連結会計年度末比3兆5,842億円増加)となりました。
預金・譲渡性預金期末残高
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 預金 | 57,710 | 78,534 | 20,824 |
| 流動性預金 | 28,242 | 33,037 | 4,794 |
| 定期性預金 | 24,509 | 37,583 | 13,073 |
| その他 | 4,958 | 7,914 | 2,955 |
| 譲渡性預金 | 6,270 | 21,288 | 15,018 |
| 預金および譲渡性預金合計 | 63,980 | 99,822 | 35,842 |
(注)「流動性預金」=通知預金+普通預金+当座預金、「定期性預金」=定期預金
なお、定期預金(除く、非居住者円預金・外貨預金)の残存期間別残高は以下のとおりであります。
定期預金の残存期間別残高
| 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 増減 (億円) | |
| 定期預金合計 | 24,509 | 37,583 | 13,073 |
| 3カ月未満 | 14,120 | 16,159 | 2,038 |
| 3カ月以上6カ月未満 | 1,622 | 5,958 | 4,335 |
| 6カ月以上1年未満 | 2,584 | 9,873 | 7,288 |
| 1年以上2年未満 | 2,121 | 1,409 | △712 |
| 2年以上3年未満 | 765 | 1,487 | 721 |
| 3年以上 | 3,295 | 2,695 | △599 |
(注)「3カ月未満」には、期間が到来したものの払い出しがなされていない定期預金を含みます。
(7)社債、借用金
社債は、3,670億円(前連結会計年度末比130億円減少)となりました。借用金は、当行、アプラス及び昭和リース等の当行子会社の、当行以外の第三者からの借入金が含まれており、前連結会計年度末比3,713億円減となりました。
(8)純資産の部
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、9,665億円(前連結会計年度末比421億円増加)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、預金及び譲渡性預金の増加による収入等と、貸出金の増加による支出等により1兆3,069億円の収入(前連結会計年度は4,706億円の支出)、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得による支出が、売却・償還による収入を上回ったこと等により9,555億円の支出(同2,509億円の収入)、財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得、配当金の支払等により46億円の支出(同198億円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比3,465億円増加し、1兆9,136億円となりました。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度末において、銀行法に基づく連結自己資本比率(バーゼルⅢ、国内基準)は10.24%となり、引き続き十分な水準を確保しております。
当行グループは、銀行業務を中心に、証券業務、信託業務のほかコンシューマーファイナンス業務及びコマーシャルファイナンス業務など総合的な金融サービスに係る事業を行っており、これらの事業を行うにあたり、長期的かつ安定的な調達として、リテール顧客の預金による調達に重点をおくとともに、貸出金その他の資産の流動化等による調達の分散化も図っております。子会社及び関連会社においては、他の金融機関からの間接金融による調達も行っております。
なお、当行グループの主要な設備投資等の資本的支出の内容については、「第3 設備の状況」に記載しております。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては基礎的手法を採用するとともに、マーケット・リスク規制を導入しております。
基礎的内部格付手法の採用については、当行自身の内部格付制度とパラメータ推計値に基づき信用リスクを計測することが認められたものであり、当行の高度なリスク管理能力を規制資本の計算に活用することが可能になると共に、実際のリスクに見合ったより合理的な所要規制資本が算出されることを意味しております。
連結自己資本比率(国内基準)
| (単位:億円) |
| 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減 | |
| 1.連結自己資本比率(2/3) | 11.72% | 10.24% | △1.48% |
| 2.連結における自己資本の額 | 8,513 | 8,893 | 380 |
| 3.リスク・アセットの額 | 72,626 | 86,777 | 14,151 |
| 4.連結総所要自己資本額 | 6,739 | 7,900 | 1,161 |
単体自己資本比率(国内基準)
| (単位:億円) |
| 2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減 | |
| 1.自己資本比率(2/3) | 13.79% | 12.12% | △1.67% |
| 2.単体における自己資本の額 | 8,559 | 8,901 | 341 |
| 3.リスク・アセットの額 | 62,046 | 73,430 | 11,384 |
| 4.単体総所要自己資本額 | 5,299 | 6,308 | 1,009 |
4.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たっては、連結財務諸表に含まれる金額が、将来事象の結果に依存するために確定できない場合又は既に発生している事象に関する情報を適時に入手できないために確定できない場合等に、会計上の見積りを行わなければなりません。当行グループは、過去の実績や状況を分析し合理的であると考えられる様々な要因を考慮して見積りや判断を行い、その結果が、連結財務諸表における資産・負債及び収益・費用の計上金額の基礎となります。当行グループは、連結財務諸表に含まれる会計上の見積り及び判断の適切性、必要性に対して、継続して評価を行っておりますが、実際の結果は、見積りに特有の不確実性があるために、これら見積り時の計上金額と大幅に異なる結果となる可能性があることから、特に慎重な判断が求められます。
当行グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
貸倒引当金
貸倒引当金の計上基準及びその見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (7) 貸倒引当金の計上基準」及び「(重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおりであります。
また、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(2)信用リスク ①.貸倒引当金の十分性について」において、貸倒引当金の見積りにかかるリスクについて記載しております。
有価証券の減損
当行グループでは、売買目的有価証券以外の有価証券(市場価格のない株式等及び組合出資金等を除く)のうち、当該有価証券の時価が取得原価に比べて著しく下落したものについては、原則として時価が取得原価まで回復する見込みがないものとみなして、当該時価をもって連結貸借対照表計上額とし、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
時価が「著しく下落した」と判断するための基準は、資産の自己査定基準における有価証券発行会社の債務者区分毎に次のとおり定めております。なお、債務者区分の定義は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (7) 貸倒引当金の計上基準」に記載のとおりであります。
破綻先、実質破綻先、破綻懸念先 時価が取得原価に比べて下落
要注意先 時価が取得原価に比べて30%以上下落
正常先 時価が取得原価に比べて50%以上下落
市場価格のない有価証券については、当該有価証券の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には、相当の減額を行い、評価差額を当該連結会計年度の損失として減損処理しております。
有価証券の減損判断には、資産の自己査定基準における有価証券発行会社等の債務者区分判定の他、実質価額の算定などの見積りが含まれています。
将来の市況悪化や発行会社の業績不振等により、現在の時価又は実質価額がさらに低下した場合には、追加で減損処理を計上する可能性があります。
のれん・無形資産の減損
当行は、のれん(以下、持分法投資に含まれるのれん相当額を含む。)及び無形資産についてその効果が及ぶ期間(20年以内)での償却を行い、四半期毎に減損の兆候の有無を確認しております。
減損の兆候が認められた場合、減損損失の認識の判定は、原則としてのれん及び無形資産の帰属する会社又は事業の単位でグルーピングし、その事業から生じる割引前の将来のキャッシュ・フローを見積り、その総額がのれん及び無形資産を含む当該事業に係る連結簿価より低い場合に、減損損失が生じているものとしております。このとき、将来キャッシュ・フローを見積る期間はのれん及び無形資産の残存償却年数か20年のいずれか短い方を採用しております。
そして、減損損失が生じていると認識された場合には、当該事業から生じる将来のキャッシュ・フローを一定の割引率で割り引いた使用価値を算定し、当該事業に係る連結簿価との差額を減損損失として計上します。
のれん及び無形資産の減損の判定においては、判定単位の将来見積りキャッシュ・フロー、個別のリスクを反映した割引率、成長率など多くの見積りや前提を使用しています。
経済情勢や判定単位独自のリスクにより、実際の将来キャッシュ・フローに影響を与える各項目が減損判定時の予測よりも悪化した場合、追加で減損損失を計上する可能性があります。
利息返還損失引当金
利息返還損失引当金の計上基準及びその見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (13) 利息返還損失引当金の計上基準」及び「(重要な会計上の見積り)2.利息返還損失引当金」に記載のとおりであります。
また、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(6)財務面に関するリスク ①.コンシューマーファイナンス子会社における引当金について」において、利息返還損失引当金の見積りにかかるリスクについて記載しております。
繰延税金資産
当行グループはグループ通算制度を採用しており、過去の不良債権処理に伴う有価証券の減損処理及び貸倒損失並びに利息返還損失引当金等により、多額の将来減算一時差異と税務上の繰越欠損金を有しております。繰延税金資産の回収可能性の判断基準については、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の会社分類4に該当し、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得に関する見通しをはじめとする様々な予測・前提に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると判断した将来減算一時差異や税務上の繰越欠損金について、繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の計上に関する判断は、中間連結会計期間及び連結会計年度の期末時点において実施しておりますが、翌1年間の一時差異等加減算前課税所得の見積りの変更等により、前連結会計年度に計上した繰延税金資産の一部、又は全額の回収ができないと判断した場合には、繰延税金資産を取り崩しております。翌1年間の一時差異等加減算前課税所得は十分見込めるとしても、期末時点において、将来の一定の事実の発生が見込めないこと又は当行グループによる将来の一定の行為の実施についての意思決定又は実施計画等が存在しないことにより、将来の税金負担額の軽減の要件を充足することが見込めない場合には、同様に繰延税金資産を取り崩しております。