有価証券報告書-第100期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 16:38
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績、及び
キャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における世界経済は、インフレ緩和を背景に金融政策正常化の動きや米国経済の底堅さを受け、全体として堅調に推移しました。一方で、米国の通商政策等による先行きには不透明感が残りました。当社におきましては、長期契約による安定収益に加え、円安による収益の押し上げにも支えられ、2024年度よりスタートした新中期経営計画「FORWARD 2030Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U」で掲げた財務目標である営業利益200億円以上、ROE10%以上、Net DER1.0倍以下を達成することができました。
外航海運市況につきましては、当期前半は鉄鉱石や穀物を中心とした堅調な荷動きに支えられ、総じて底堅く推移しました。中盤には一時的な調整局面もみられましたが、その後は年末に向けて再び上昇基調となりました。
内航海運につきましては、火力発電所の運用継続により市況が下支えされましたが、製鉄所の生産調整や資材費の高騰による建築需要の低下が、貨物輸送量の下押し要因となりました。
燃料油価格につきましては、当期の平均消費価格(全油種)は、トン当たり上期約526ドル、下期約441ドル、期中平均で約481ドルと、前期比で約83ドル安となりました。また対米ドル円相場は日米金利差の縮小や前期に進行した円安の反動もあり円高基調となり、上期平均146円50銭、下期平均154円17銭、期中平均で150円33銭と前期比2円50銭の円高となりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ84億13百万円増加し2,963億61百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ160億49百万円減少し1,091億61百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ244億62百万円増加し1,872億円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,297億84百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益205億29百万円(前年同期比1.5%増)、経常利益210億46百万円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益240億95百万円(前年同期比29.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<外航海運事業>ケープ型撒積船(18万重量トン型)市況は、ブラジルおよび豪州の主要港からの鉄鉱石の堅調な出荷や西アフリカからのボーキサイト輸送需要を背景に、前期末の落ち込みから回復基調をたどりました。当期中盤には一時的な調整局面もみられましたが、その後は年末の繁忙期に向けて再び上昇基調となり、12月には主要5航路平均用船料が一時日建て4万4千ドル台を記録するなど、通期では堅調に推移しました。このような市況環境の中、当社では日本製鉄株式会社をはじめとする主要荷主との長期契約による安定収益に加え、3国間輸送による配船効率改善や、中期契約締結による安定収益の積み増し、スポットマーケットでの好採算貨物の獲得に注力するとともに、運航効率の改善にも取り組み、期初計画を上回る収益を達成することができました。
パナマックス型撒積船(7~8万重量トン型)市況は、中国経済の不振による先行き不透明感などにより、6月には主要5航路平均用船料は日建て9千ドル台まで下落しました。その後、南米の記録的な穀物出荷に支えられ、船腹需給が引き締まり7月には日建て1万7千ドル台まで回復しました。下期に入っても石炭や穀物の荷動きは堅調、総じて好調な市況が継続し、3月には中東情勢の緊張、燃料油の高騰から市況は日建て1万8千ドル台を記録しました。このような状況下、計画的な配船と効率運航に努めましたが、市況用船のコスト増加の影響が大きく、期初計画を達成することはできませんでした。
ハンディ型撒積船(2~6万重量トン型)市況は、一部に調整局面がみられたものの、通期では堅調に推移しました。往航では、主力貨物の一つである鋼材の荷動きについて、米国の追加関税や中東の地政学的リスクの影響がみられたものの、中南米向け輸送がこれを補い、概ね底堅く推移しました。当社は、輸送量が増加する中南米向け配船を効率的に活用することで、収益力の向上を図りました。復航では、中長期契約の貨物を活用し、往復航の効率的な配船により安定収益を積み重ね、期初計画を上回る収益を達成いたしました。
近海水域における小型船(1.6万重量トン型以下の船型)市況は、中国の国内内需の低迷から、同国からの輸出鋼材が過去最高を記録する一方、日本から同国向け輸出鋼材は漸減傾向が続いています。大量の中国鋼材によってアジア全体の鋼材荷動量は増加し、市況は大きな変動なく比較的堅調に推移しました。バルク貨物含め鋼材代替貨物の東南アジア向けにも積極的に取組み、バイオマス燃料輸送始め他バルク貨物との往復航効率配船を推進し、期初計画を上回る収益を達成することができました。
VLGC(大型LPG運搬船)は、全ての船舶が定期貸船契約に従事することにより安定収益を確保しています。一部、市況連動契約となっている船舶もありますが、2025年度の市況は総じて堅調だったため、期初計画を上回る収益を達成することができました。
以上の結果、外航海運事業全体としては、売上高は1,970億62百万円(前年同期比8.8%減)、セグメント利益(営業利益)154億89百万円(前年同期比4.8%減)と、前連結会計年度に比べ減収減益となりました。
<内航海運事業>内航海運事業につきましては、電力需給対応として火力発電所の運用が継続されたことを背景に、バイオマス関連貨物を含む電力関連貨物の輸送量は当初計画を上回りました。鉄鋼原料の輸送量は製鉄所の生産調整により減少しました。セメント関連貨物は、資材費の高騰や人手不足の影響により建築需要が低下し、輸送量が減少しました。
タンカー事業につきましては、LNG輸送は工業用LNG需要増により輸送量は増加したものの、LPG輸送は用船を1隻返船したことや暖冬による国内需要減退による影響により輸送量は減少しました。
以上の結果、内航海運事業全体としては、売上高は327億22百万円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益(営業利益)は50億41百万円(前年同期比27.3%増)と、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。
<その他>特記すべき事項はありません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、354億22百万円の収入(前年同期は348億51百万円の収入)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、19億97百万円の収入(前年同期は82億46百万円の支出)となりました。これは主として船舶の売却による収入77億12百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、281億88百万円の支出(前年同期は178億11百万円の支出)となりました。これは主として長期借入れによる収入と長期借入金の返済による支出の差引226億62百万円の支出によるものです。
以上に現金及び現金同等物に係る換算差額を加味した現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比較して98億41百万円増加し、656億25百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
自己資本比率(%)49.852.256.563.2
時価ベースの自己資本比率(%)35.237.932.858.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)2.33.12.41.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)36.719.620.525.6

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社。以下同じ。)が営んでいる事業に「生産、受注」に該当する事項はありません。当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期増減率(%)
外航海運事業(百万円)197,062△8.8
内航海運事業(百万円)32,7224.7
報告セグメント計(百万円)229,784△7.1
その他(百万円)--
229,784△7.1

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対す
る割合は次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(百万円)比率(%)金額(百万円)比率(%)
日本製鉄㈱115,80144.8104,42044.2

(注)上記の売上高には、商社等を経由したものが含まれております。
また、売上高には、賃積船の運賃が含まれております。
なお、上記以外に総売上高の10%以上を占める相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等
a. 財政状態
当連結会計年度末における総資産は2,963億61百万円となり、前連結会計年度末比84億13百万円増加しました。このうち流動資産は主として有価証券の増加により179億39百万円増加しました。固定資産は主として船舶の減少により、95億27百万円減少しました。
負債合計は前連結会計年度末に比べ160億49百万円減少し、1,091億61百万円となりました。このうち流動負債は主として支払手形及び営業未払金の増加により、42億57百万円増加しました。固定負債は主として長期借入金の減少により、203億6百万円減少しました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払の差引による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ244億62百万円増加し、1,872億円となりました。
これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末の56.5%から当連結会計年度末は63.2%に増加しました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高2,297億84百万円(前年同期比7.1%減)、営業利益205億29百万円(前年同期比1.5%増)、経常利益210億46百万円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益240億95百万円(前年同期比29.4%増)と、前連結会計年度に比べ減収増益となりました。
なお、当社グループの事業構成は海上輸送業がほぼ全体を占めており、連結売上高に占める外航海運事業の割合は約9割、内航海運事業の割合は約1割となっております。
セグメント別の経営成績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c. キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
d. 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としています。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期における世界経済は、長期化していたインフレの緩和を背景に一部の国・地域で金融政策の正常化に向けた動きがみられる中、米国経済が底堅く推移したことなどから、全体として比較的堅調に推移しました。一方で、関税措置を含む米国の通商政策やそれに対する各国の対応が、今後の世界経済や貿易動向に与える影響については引き続き不透明感が残る状況となりました。このような状況下、当社におきましては、為替レートが前年同期比円高で推移したこともあり、売上高は減少したものの、当初より計画していた老齢船の売却を着実に実行し売却益を計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比で増益となりました。
次期の事業環境は、各国の通商政策(関税措置を含む)やそれに対する各国の対応、ならびに地政学的リスクの高まり等が、貨物輸送需要やトレードパターンに及ぼす影響を現時点で見通しにくい状況にあります。一方、海上荷動きについては、一部航路の通航制限等の影響が懸念されるものの、鉄鉱石やボーキサイトなどドライバルク貨物全体の輸送需要は堅調に推移する見込みと想定しています。
当社では、今後起こり得る事業上のリスクに対し細心の注意を払い、事業運営を行ってまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
a. 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは当社グループの外航海運事業と内航海運事業に関わる船費、借船料、運航費等と各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては船舶投資に加え、情報処理システムのための無形固定資産投資等があります。
当連結会計年度に実施した設備投資の総額は55億47百万円で、その主なものは船舶であります。また当連結会計年度末における船舶の新設に対する投資予定額は553億23百万円(既支払額153億9百万円を含む)であります。
b. 財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、内部資金の活用及び国内金融機関からの借入により安定性を重視した資金調達を行っております。
当社グループの主要な事業資産である船舶の調達に当たっては、財政状態のバランスを図る観点から、船主からの用船も考慮に入れ、当社グループ全体の有利子負債を過度に増加させることなく、低コストかつ安定的な船隊の整備を行っております。当連結会計年度末の有利子負債残高は636億2百万円となりました。
また突発的な資金需要に対しては迅速かつ確実に流動性資金を確保すべく、複数の国内金融機関と複数年にわたり総額90億円のコミットメントラインを設定しており、流動性を補完しております。
c. キャッシュ・フロー
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
外航海運事業は、為替・燃料油価格・海運市況などの外部要因によって期間損益が左右されることに加え、他産業と比べて相対的に設備投資額が大きいという構造的な課題を抱えています。当社では、こうした業種特有の課題を強く意識した経営指標として、営業利益・ROE(自己資本利益率)・ネットD/Eレシオ(実質負債資本倍率)の3つに着目しています。営業利益は事業収益の規模感の、ROEは自己資本に対しての収益効率性の、ネットD/Eレシオは財務健全性の目安としています。2025年度の連結営業利益は205億29百万円、ROEは13.8%、Net DERは△0.01倍となり、2027年度目標を前倒しで達成することができました。2027年度に向けては引き続き安定した収益基盤を整備しながら、上記目標を達成することを目指しています。

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