四半期報告書-第36期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

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2021/11/11 15:00
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当第2四半期連結累計期間における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 連結経営成績の状況
a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(a) 事業全体の状況
ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み
当社グループを取り巻く事業環境は、デジタル技術の進展と昨年から続く新型コロナウイルス感染症拡大により、かつてない大きな変革期を迎えています。世界および日本経済の景況感は、依然として非常に不透明かつ不安定な状況が継続していますが、その一方で、テレワーク、オンラインショッピング、非接触型の決済方法など新しい生活様式への移行が半ば強制的に進み、社会を支えるための広範なデジタル技術の活用が急務となっています。加えて、気候変動リスクやサイバーセキュリティリスクなどの重大な脅威が改めて注目され、企業はそのサステナビリティを高めるために、先んじて様々な対応策を講じることが必要となっています。このような環境下において、5G(第5世代移動通信システム)の本格的な普及とAI(注1)などのデジタルテクノロジーの発展は、あらゆるモノがインターネットにつながることを可能とし、それによって得られる膨大なデータとその分析を通じリスクを予防し、日常生活や企業活動を最適化することで様々な社会課題を解決するものと期待されています。また、国内の通信業界においては、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化しています。
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするサービスやテクノロジーを提供する企業グループを目指し、通信事業を基盤に、情報・テクノロジー領域において様々な事業に取り組み、企業価値の最大化を図ってきました。また、5Gなどの社会インフラを提供する当社グループは、本業を通じて様々な社会課題の解決に貢献すべく、「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」というコンセプトのもと、国連の定める「SDGs(持続可能な開発目標)」の実現のために当社グループが取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)(注2)を特定しています。
これらの課題解決に取り組むため、当社は2021年5月に、国際社会がSDGsの達成を目指す2030年までに、事業活動で使用する電力など(注3)による温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル2030宣言」を発表しました。同年6月には、同宣言で掲げた目標が、国際的気候変動イニシアチブのSBTi(Science Based Targets initiative)(注4)によって科学的根拠に基づいた「SBT(Science Based Targets)」に認定されました。
また、Zホールディングス㈱傘下のヤフー㈱では2021年1月に、2023年度中にデータセンターなど事業活動で利用する電力の100%再生可能エネルギー化の早期実現を目指す「2023年度 100%再エネチャレンジ」を宣言しており、グループ会社でも再生可能エネルギーの導入および利用拡大を推進しています。同年7月には、Zホールディングス㈱がグリーンボンド(注5)を発行しました。当該グリーンボンドの発行により調達された資金は、主にエネルギー効率の高いデータセンターの建設やデータセンター運営に必要な再生可能エネルギーの調達資金などに充当します。
当社グループは、2017年度より、持続的な成長を達成するために「Beyond Carrier」戦略を推進しています。「Beyond Carrier」戦略は、通信事業をさらに成長させることに加えて、従来の通信キャリアという枠組みを超え、ヤフー・LINEおよび新領域を加えた3つの領域を伸ばしていくことで収益基盤を強化していくものです。この戦略を推進することで、当社は、スマートフォンユーザー基盤に加え、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションサービス「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」など日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループとなりました。
2021年度より「Beyond Carrier」戦略は第2フェーズに移行し、これまで培った顧客接点を強みに、当社のもつ強力なプラットフォーム群を先端テクノロジーによりつなぎ合わせ、新たな価値を創造していきます。当社グループは、「Beyond Carrier」成長戦略と弛まぬ構造改革を同時に実行していくことにより、2022年度に営業利益1兆円を達成することを目指します。
<通信>当社グループは、異なる特長をもつ複数のブランドにより、多様化するお客さまのニーズに対応するマルチブランド戦略を推進しています。最新のスマートフォン・携帯端末や大容量データプランを求めるお客さまに高付加価値サービス等を提供する「SoftBank」ブランド、月々の通信料を抑えることを重視するお客さまにスマートフォン向けサービス等を提供する「Y!mobile」ブランド、生活シーンの変化などによりオンラインで完結するサービスへのニーズが高まったことに対応したオンライン専用の「LINEMO」ブランド等を提供しています。
「LINEMO」ブランドでは、データ通信の利用が少ないお客さま向けに新しい料金サービスとして「ミニプラン」の提供を2021年7月より開始しました。「ミニプラン」は、毎月3GBのデータ容量に、「LINE」がデータ容量を消費せずに使い放題となる「LINEギガフリー」(注6)が付いて、基本料月額900円(税込990円)で利用できる料金サービスです。
また、2021年8月から、「SoftBank」と「Y!mobile」、「LINEMO」ブランド間ののりかえ時に、お客さまによるMNP予約番号の発行手続きを不要とするなど事務手続きを簡素化するとともに、自動的にSIMロック解除の手続きを行うこととしました。これにより、お客さまに最適なブランドを、より手軽に選択していただけるようになりました。さらに、2021年9月には、宅内機器を設置するだけで、Wi-Fiによる高速インターネットを利用できるSoftBank Airの新プランとして、4Gと5Gの両方に対応した「Air 4G/5G共通プラン」の提供を開始しました(注7)。
当第2四半期連結累計期間においては、新料金プランを巡る競合他社との競争が激化する中、特に「Y!mobile」ブランドや「SoftBank」ブランドの「スマホデビュープラン」が好調に推移し、当第2四半期連結会計期間末のスマートフォン契約数は、前期末比で58万件増加しました。ブロードバンドサービスにおいても家庭向け高速インターネット接続サービスである「SoftBank 光」の契約数が順調に伸びており、この「SoftBank 光」契約数は前期末比で23万件増加しました。
法人向けビジネスにおいては、テクノロジーやビジネス環境の激しい変化に対応し競争優位を確保するため、企業および産業のデジタル化が進展しており、コロナ禍においてこの動きはむしろ加速しています。
このような環境下において、当社は、遠隔地にいる人同士が、同じ映像を見ながらリアルタイムにコミュニケーションを取ることができるサービス「visuamall VISUAL TALK(ビジュアモール ビジュアルトーク)」(以下「本サービス」)を開発し、2021年9月から提供を開始しました。新型コロナウイルス感染症の影響により、非対面によるカスタマーケアや企業内のコミュニケーションにおける非対面での業務の効率化による生産性の向上が課題となっています。本サービスの導入により、オペレーターがSMSで送ったURLをユーザーがタップするだけで、映像の共有と通話やチャット、ペンツールによる手書き機能などを使った直感的なコミュニケーションが可能となり、コールセンターなど電話でのコミュニケーションが基本であった業務や、現場や拠点にいるスタッフの遠隔サポートなどの多くの業界・現場に対し、新しいワークスタイルや業務プロセスを導入することができます。
また当社は、グループシナジーを生かした幅広い分野での新規事業の実績や、社会課題解決に向けた取り組み、デジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)(注8)の理念に合致するビジョンおよび社内制度などが高く評価され、2021年6月に経済産業省と東京証券取引所が選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄2021」に選定されました。
<5G>当社グループは、5Gの商用サービスを2020年3月に開始し、2021年度内にスタンドアローン方式(注9)でのサービス提供の開始を予定しています。これから5Gが本格的な普及期に入り、企業や自治体などにおける活用が進む中、様々なニーズに対応する5Gソリューションを創出・普及させる基盤となるエコシステムの構築を目指し、2021年6月に「ソフトバンク5Gコンソーシアム」(以下「本コンソーシアム」)を設立しました。
本コンソーシアムは、当社とさまざまな領域の事業会社や5G関連パートナー、外部有識者などが連携して、各業界の課題を解決する5Gソリューションの実証実験と商用化に向けた開発に取り組み、5Gの社会実装の加速およびそれによる課題解決を目指すものです。参画企業・団体数は、設立から約1カ月の2021年7月5日時点で、「ワーキンググループ」のメンバーが45社、「5Gコンソーシアム会員」が544社・団体となりました(注10)。今後も「5Gコンソーシアム会員」を中心に、参画企業を引き続き募集する予定です。
<ヤフー・LINEの成長>当社は、上記のマルチブランド戦略および新たなインフラである5Gの取り組みを通じ通信事業を成長させながら、通信事業者として保有する顧客基盤などの資産を活用したOTT(注11)の領域への事業展開を推進しています。当社の子会社であるZホールディングス㈱は、2021年3月のLINE㈱との経営統合により、日本最大規模のインターネットサービス企業グループとなり、当社グループの収益源の多様化に寄与しています。今後もZホールディングス㈱との協働を深め、シナジーの最大化を図ります。
2021年7月より、ヤフー㈱は「Yahoo!ショッピング」とコミュニケーションアプリ「LINE」との連携を強化し、「Yahoo!ショッピング」の全ての出店ストアを対象に「LINE公式アカウント」開設の申込受付を開始しました。「LINE公式アカウント」は、ユーザー数8,900万(注12)を有する「LINE」を活用した法人向けアカウントサービスであり、出店ストアは、当該ストアを「友だち」登録したユーザーとコミュニケーションを取ることができ、ユーザーとの継続的な関係作りや販売機会の創出につなげることができます。こうしてヤフー㈱は「LINE公式アカウント」との連携により、ストアとユーザー間のコミュニケーション体験の向上を図っていきます。
また、ヤフー㈱は、2021年7月にオース・インクおよびオース・ホールディングス・インク(Verizon Mediaの子会社)との間において、「ヤフージャパン ライセンス契約」に係わる基本契約を締結し、2021年9月に最終契約(以下「本契約」)を締結しました。本契約に対する対価は1,785億円です。本契約では、Verizon Mediaの売却完了(2021年後半に予定)などを前提条件に、既存の「ヤフージャパン ライセンス契約」の締結先であるオース・ホールディングス・インクとヤフー㈱が新たな契約を締結し「ヤフージャパン ライセンス契約」を終了することを合意したほか、Yahoo!およびYahoo! JAPANに関連する日本での商標権の取得、従来の技術ライセンスの対象一式を永久に利用する権利と関連するサポートの取得、Zホールディングスグループ内での日本におけるブランド使用および技術の利用について合意しました。これによりヤフー㈱は、ロイヤルティの支払いなく関連する商標・技術などが利用可能になるほか、Zホールディングスグループ全体としてもブランドの使用や技術開発に関する自由度が高まり、より機動的な事業展開が可能となります。
<非通信の拡大>非通信の拡大の取り組みとしては、ソフトバンクグループの投資先をはじめとする先端技術を保有する企業や、ソリューションの提供を行う企業との連携に取り組んでいます。具体的には、パートナーである各企業と合弁会社を設立し、非通信の拡大を推進しています。なお、これらの合弁会社の多くは持分法適用会社であるため、当社の業績には持分法による投資損益として寄与します。
PayPay㈱
2021年9月末での「PayPay」の累計登録者数は、「夏のPayPay祭」などのキャンペーン効果もあり4,230万人となり、加盟店数は344万カ所を超えました。当第2四半期連結累計期間における決済回数は前年同期比の約1.8倍となる16.6億回を超え、決済取扱高は前年同期比の約1.7倍となる2.4兆円となり、いずれも順調に増加しました。
PayPay㈱は、加盟店(年商10億円以下)における決済システム利用料を、サービス開始当初から2021年9月末まで無料で提供していましたが、2021年10月1日以降、ユーザーが「PayPay」を利用して決済を行った取引金額の1.60%(税別)からの有料とする旨の発表を行いました。これらの加盟店に対する決済システム利用料は、引き続き加盟店が低コストで「PayPay」をご利用いただけるようキャッシュレス決済業界最安水準(注13)に設定しました。決済システム利用料は、「PayPayクーポン」の発行など、加盟店が販売活動に活用でき、デジタル化やDXをサポートする加盟店向けのサービス「PayPayマイストア ライトプラン」への契約状況に応じて変動します(注14)。2021年9月からは、最大6カ月間「PayPay」で決済された決済額の3%を後日現金で振り込む「3%振り込みますキャンペーン」や、「PayPayマイストア ライトプラン」の加入を促進する施策として、その月額利用料の最大2カ月分が無料になるトライアルキャンペーンも実施しています。
また、2021年8月より、ユーザースキャン方式(MPM)のPayPay加盟店において「LINE Pay」での支払いが可能となりました。「LINE Pay」ユーザーにとっては、従来のLINE Pay加盟店に加え、対象のPayPay加盟店においても支払いが可能となるため、利用可能箇所が大幅に増えることから利便性が向上します。PayPay加盟店にとっては、全国4,200万人を超えるPayPayユーザーに加え、新たな導入の手間なく全国4,000万人(注15)のLINE Payユーザーの集客効果を期待できます。PayPay㈱とLINE Pay㈱は、同じグループ会社のキャッシュレス決済事業者としての連携強化を進めていくとともに、今後も双方の強みを活かしたシナジーを生みながら同じ目標に向かって取り組んでいきます。
インキュデータ㈱
2021年8月より、当社、㈱博報堂およびTreasure Data, Inc.の合弁会社で、データ活用による企業の変革を支援するインキュデータ㈱は、DXの取り組み状況の可視化・評価から、DXの推進に関する戦略立案・実行支援までを実施する「DX診断コンサルティング」の提供を開始しました。企業へのヒアリングや各種調査、市場予測などをもとに、一般社団法人日本CTO協会が策定した評価基準「DX Criteria」を活用して「DX診断」を行い、DXの推進における課題を抽出・分析します。その結果に基づいて、DXの推進に関する戦略立案や、データ分析基盤の構築から、ITツールの選定、組織体制の構築、人材育成計画・各種マーケティング施策の策定・実行支援に至るまで幅広い領域をワンストップで支援します。
オフィスビルの管理者向けサービス「Smart Work Solution」
2021年8月より、当社は、会議室やデスクの企業間シェアリングや、ビル内のエリアごとの入室制限システムや空調設備などのビル設備とスマートフォンの連携などを実現し、スマートな働き方を支援するソリューション「WorkOffice+(ワークオフィスプラス)」と、その導入に必要な各種施工作業やコンサルティング、通信ネットワークの環境構築、軽食などの無人販売サービスなどをパッケージにした、オフィスビルの管理者向けサービス「Smart Work Solution」の提供を開始しました。従来の通信事業者の枠を超えて、幅広い産業分野における革新的なサービスの提供やDXの取り組みに注力しており、オフィスビルのスマート化に活用できるさまざまなサービスをパッケージにした「Smart Work Solution」の提供を通して、快適性・柔軟性の高いオフィス環境の構築を推進します。
(注1) AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人工知能のことです。
(注2) SDGsとマテリアリティ(重要課題)の詳細については、当社ホームページをご参照ください。
https://www.softbank.jp/corp/sustainability/materiality/
(注3) 電力の他、事業で使用する重油やガスなどの使用に伴う排出を含みます。
(注4) SBTi(Science Based Targets initiative)は、国連グローバル・コンパクト、CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、WRI(世界資源研究所)およびWWF(世界自然保護基金)が共同で設立した国際的な気候変動イニシアチブで、世界の各企業・団体の排出削減目標が、パリ協定における「世界の気温上昇を産業革命前より2度を十分に下回る水準に抑え、また1.5度に抑える努力を追求すること」という目標に準拠しているかどうかを審査し、認定する機関です。
(注5) グリーンボンドとは、環境分野への取り組みに特化した資金を調達するために発行される債券のことです。
(注6)「LINEギガフリー」の対象は、LINEトーク・LINE通話などです。トークでの位置情報の共有やLiveの利用、スタンプショップの利用、ニュース記事の閲覧など、「LINEギガフリー」の対象外となるサービスがあります。「LINEギガフリー」の対象となる通信であっても、時間帯によって通信速度を制御する場合があります。
(注7) 高速大容量5G(新周波数)は、限定されたエリアで提供しています。SoftBank Airでの5G通信の提供開始は、2021年10月1日からで、5G対応接続機器が必要です。
(注8) デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業が、データとデジタル技術を活用して、組織、プロセス、業務等を変革していくことです。
(注9) 5G NR(5G New Radio)の機能のうち、LTEとの連携をせず、5G NR単独で動作する機能を規定します。
(注10) 本コンソーシアムは、さまざまな領域の事業会社や5G関連パートナーがメンバーとして参加する他、外部有識者が協力し、それぞれの知見を生かして実証実験などを推進する「ワーキンググループ」と、5Gの導入を検討する企業や自治体などが参画する「5Gコンソーシアム会員」の2つから構成されています。
(注11) OTTとは、Over The Topの略称で、インターネットにおいて、音声、動画コンテンツなどを提供するサービスや通信事業者以外の企業のことです。
(注12) 2021年9月30日時点の「LINE」の国内月間アクティブユーザー数です。
(注13) クレジットカード会社の手数料は、一般社団法人キャッシュレス推進協議会にて公表された主要31事業者の標準手数料率(2020年7月1日現在)を参考にして比較しています。スマートフォン決済会社の手数料は、各社ホームページ(2021年8月2日現在)を参考にして比較しています。(いずれもPayPay㈱調べ)
(注14) 「PayPayマイストア ライトプラン」は、1店舗当たり月額1,980円(税別)です。また、「PayPayマイストア ライトプラン」に未加入の場合、決済システム利用料は1.98%(税別)になります。
(注15) 2021年9月30日時点の情報です。
ⅱ.連結経営成績の概況
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
売上高24,28427,2422,95812.2%
営業利益5,8965,708△188△3.2%
税引前利益5,3185,335170.3%
法人所得税△1,852△1,8493△0.2%
純利益3,4673,487200.6%
親会社の所有者3,1513,073△78△2.5%
非支配持分3164149831.2%
調整後EBITDA(注)9,4049,464610.6%

(注) 調整後EBITDAの算定方法は「(4)<財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
また、当第2四半期連結累計期間より、調整後EBITDAの定義を見直し、株式報酬費用を加味することにしました。これに伴い、前年同期の数値を修正再表示しています。
当第2四半期連結累計期間の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(ⅰ) 売上高
当第2四半期連結累計期間の売上高は、全セグメントで増収となり、前年同期比2,958億円(12.2%)増の27,242億円となりました。ヤフー・LINE事業はLINE㈱の子会社化に伴う増加などにより1,937億円、コンシューマ事業は物販等売上の増加により772億円、法人事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより163億円、流通事業はサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより18億円、それぞれ増収となりました。
(ⅱ) 営業利益
当第2四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比188億円(3.2%)減の5,708億円となりました。LINE㈱の子会社化に伴う増加を含めヤフー・LINE事業では172億円、法人事業では95億円、流通事業では3億円の増益となりましたが、コンシューマ事業では「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行や新料金プラン導入の影響、前年同期における一過性の増収要因として半額サポートに係る契約負債の取り崩し110億円があったことなどにより417億円の減益となりました。
(ⅲ) 純利益
当第2四半期連結累計期間の純利益は、前年同期比20億円(0.6%)増の3,487億円となりました。これは、営業利益が減少したことや持分法による投資損失が71億円増加した一方で、投資有価証券の評価益の計上などにより金融収益が138億円増加したことや、投資有価証券の評価損の減少により金融費用が102億円減少したことによるものです。
(ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益
当第2四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する純利益は、前年同期比78億円(2.5%)減の3,073億円となりました。純利益が増加した一方で、非支配持分に帰属する純利益が増加したことにより親会社の所有者に帰属する純利益は減少しました。なお、当第2四半期連結累計期間の非支配持分に帰属する純利益は、主としてZホールディングス㈱とLINE㈱との経営統合に伴う当社のZホールディングス㈱議決権所有割合の低下の影響により、前年同期比98億円(31.2%)増の414億円となりました。
(ⅴ) 調整後EBITDA
当第2四半期連結累計期間の調整後EBITDAは、前年同期比61億円(0.6%)増の9,464億円となりました。これは主として、営業利益が減少した一方で、Zホールディングス㈱とLINE㈱との経営統合に伴い減価償却費及び償却費が増加し、また、同統合に関連してZホールディングス㈱が発行したストック・オプションに関する株式報酬費用が増加したことによるものです。当社グループは、非現金取引の影響を除いた調整後EBITDAを、当社グループの業績を評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
ⅲ.主要事業データ
モバイルサービス
コンシューマ事業と法人事業において営んでいるモバイル契約の合計です。モバイルサービスの各事業データには、「SoftBank」ブランド、「Y!mobile」ブランド、「LINEモバイル」ブランド、「LINEMO」ブランドが含まれます。
(単位:千件)
累計契約数2021年3月31日2021年9月30日増減
合計47,28548,120836
主要回線(注)37,91037,98877
うち、スマートフォン25,92626,504578
通信モジュール等8,7149,638924
PHS660494△165

(単位:千件)
9月30日に終了した6カ月間
純増契約数2020年2021年増減
主要回線(注)78377△706
うち、スマートフォン868578△290

9月30日に終了した3カ月間
解約率・総合ARPU2020年2021年増減
主要回線(注)解約率0.88%1.04%+0.17ポイント
総合ARPU(円)4,3004,090△210
割引前ARPU(円)4,7504,420△330
割引ARPU(円)△450△330120
スマートフォン解約率0.64%0.91%+0.26ポイント

(注) 主要回線の契約数に、2017年7月よりサービス開始した「おうちのでんわ」の契約数を含めて開示しています。
ARPUおよび解約率は、同サービスを除いて算出・開示しています。
ブロードバンドサービス
コンシューマ事業において提供している、家庭向けの高速インターネット接続サービスです。
(単位:千件)
累計契約数2021年3月31日2021年9月30日増減
合計8,1398,251112
SoftBank 光6,9167,145229
Yahoo! BB 光 with フレッツ692654△38
Yahoo! BB ADSL530452△78


<主要事業データの定義および算出方法>モバイルサービス
主要回線:スマートフォン、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末、「おうちのでんわ」など
* 「スマホファミリー割」適用のスマートフォンおよび「データカードにねん得割」適用のモバイルデータ通信端末は「通信モジュール等」に含まれます。
通信モジュール等:通信モジュール、みまもりケータイ、プリペイド式携帯電話など
* PHS回線を利用した通信モジュールは、「PHS」に含まれます。
* 「LINEモバイル」は、2021年3月31日をもって、新規受付を終了しました。
解約率:月間平均解約率(小数点第3位を四捨五入して開示)
(算出方法)
解約率=解約数÷稼働契約数
* 解約数:当該期間における解約総数。携帯電話番号ポータビリティー(MNP)制度を利用して「SoftBank」、「Y!mobile」、「LINEモバイル」、「LINEMO」の間で乗り換えが行われ
る際の解約は含まれません。
* 解約率(スマートフォン):主要回線のうち、スマートフォンの解約率です。
ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入(10円未満を四捨五入して開示)
(算出方法)
総合ARPU=(データ関連収入 + 基本料・音声関連収入 + 端末保証サービス収入、コンテンツ関連収入、広告収入など)÷ 稼働契約数
* データ関連収入:パケット通信料・定額料、インターネット接続基本料など
* 基本料・音声関連収入:基本使用料、通話料、着信料収入など
* 稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数 ((月初累計契約数 + 月末累計契約数) ÷ 2)の合計値
割引ARPU=月月割ARPU+固定セット割ARPU(「おうち割 光セット」、「光おトク割」など)
* ポイント等や「半額サポート」に係る通信サービス売上控除額は、ARPUの算定には含まれません。
* 「半額サポート」とは、対象スマートフォンを48カ月の分割払い(48回割賦)で購入し、25カ月目以降に利用端末と引き換えに指定の端末に機種変更すると、その時点で残っている分割支払金の支払いが不要となるプログラムです。なお、「半額サポート」は2019年9月12日をもって、新規受付を終了しました。
ブロードバンドサービス
「SoftBank 光」:東日本電信電話㈱(以下「NTT東日本」)および西日本電信電話㈱(以下「NTT西日本」)の光アクセス回線の卸売りを利用した光回線サービスとISP(Internet Service Provider)サービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了している回線数です。「SoftBank Air」契約数を含みます。
「Yahoo! BB 光 with フレッツ」:NTT東日本およびNTT西日本の光アクセス回線「フレッツ光シリーズ」とセットで提供するISPサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了し、サービスを提供しているユーザー数です。
「Yahoo! BB ADSL」:ADSL回線サービスとISPサービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において、ADSL回線の接続工事が完了している回線数です。
なお、「ⅲ.主要事業データ」の「増減」の算定に際し、四捨五入前の数値をもとに算定しているため、「ⅲ.主要事業データ」記載の四捨五入後の数値の増減とは一致しないことがあります。
(b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ⅰ.コンシューマ事業
<事業概要>コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
<業績全般>
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
売上高13,01313,7847725.9%
セグメント利益4,0633,647△417△10.3%
減価償却費及び償却費2,1002,10560.3%

売上高の内訳
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
サービス売上10,89810,818△81△0.7%
モバイル8,4658,119△346△4.1%
ブロードバンド1,9592,025663.4%
でんき47467319942.0%
物販等売上2,1142,96685240.3%
売上高合計13,01313,7847725.9%

コンシューマ事業の売上高は、前年同期比772億円(5.9%)増の13,784億円となりました。そのうち、サービス売上は前年同期比81億円(0.7%)減少し10,818億円となり、物販等売上は前年同期比852億円(40.3%)増加し2,966億円となりました。
サービス売上のうち、モバイルは前年同期比346億円(4.1%)減少しました。スマートフォン契約数が「Y!mobile」ブランドを中心に伸びた一方で、通信料の値下げによる平均単価の減少や前年同期における一過性の増収要因として半額サポートに係る契約負債の取り崩し110億円があったことなどによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行が増加したことおよび「SoftBank」ブランド・「Y!mobile」ブランドにおける新料金プラン導入の影響によるものです。
ブロードバンドは前年同期比66億円(3.4%)増加しました。これは、光回線サービス「SoftBank 光」契約数の増加によるものです。また、でんきは、前年同期比199億円(42.0%)増加しました。これは「おうちでんき」契約数の増加によるものです。
物販等売上の増加は、主として、高価格端末の構成比が上昇したことに伴い端末の販売単価が増加したこと、および前第1四半期連結累計期間において新型コロナウイルス感染症拡大の影響により落ち込んでいた端末販売が当期は回復したことに伴い端末の販売台数が増加したことによるものです。
営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費)およびその他の営業損益(その他の営業収益とその他の営業費用)の合計は10,138億円となり、前年同期比で1,188億円(13.3%)増加しました。これは主として、上述の高価格端末の構成比上昇による単価の増加および端末販売台数の増加に伴い商品原価が増加したことや、「おうちでんき」サービスに係る仕入原価が増加したことなどによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比417億円(10.3%)減の3,647億円となりました。
ⅱ.法人事業
<事業概要>法人事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューション等サービスなど、多様な法人向けソリューションを提供しています。
<業績全般>
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
売上高3,3463,5091634.9%
セグメント利益6467409514.7%
減価償却費及び償却費79279530.4%

売上高の内訳
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
モバイル1,4811,564825.6%
固定944933△11△1.1%
ソリューション等9201,012919.9%
売上高合計3,3463,5091634.9%

法人事業の売上高は、前年同期比163億円(4.9%)増の3,509億円となりました。そのうち、モバイルは前年同期比82億円(5.6%)増の1,564億円、固定は前年同期比11億円(1.1%)減の933億円、ソリューション等は前年同期比91億円(9.9%)増の1,012億円となりました。
モバイル売上の増加は、主として、テレワークなどによる需要の高まりに伴いスマートフォン契約数が増加したことによるものです。
固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数の減少によるものです。
ソリューション等売上の増加は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービスやセキュリティソリューションの売上が増加し、デジタルマーケティングの広告に係る売上も増加したことなどによるものです。
営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費)およびその他の営業損益(その他の営業収益とその他の営業費用)の合計は2,768億円となり、前年同期比で68億円(2.5%)増加しました。これは主として、上記ソリューション等の売上の増加に伴い原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比95億円(14.7%)増の740億円となりました。
ⅲ.流通事業
<事業概要>流通事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
<業績全般>
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
売上高2,3442,362180.8%
セグメント利益12012332.5%
減価償却費及び償却費181813.9%

流通事業の売上高は、前年同期比18億円(0.8%)増の2,362億円となりました。これは主として、前年同期において、行政の大型プロジェクトを受注し売上高が増加していた一方で、当第2四半期連結累計期間においては注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。
営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費)およびその他の営業損益(その他の営業収益とその他の営業費用)の合計は2,240億円となり、前年同期比で15億円(0.7%)増加しました。これは主として、上記売上の増加に伴う商品原価の増加によるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比3億円(2.5%)増の123億円となりました。
ⅳ.ヤフー・LINE事業
<事業概要>ヤフー・LINE事業は、メディア、コマース、決済金融を中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、インターネット上や「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ZOZOTOWN」などのeコマースサービスや「ヤフオク!」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTech(注)を中心とした決済、金融サービス等の提供を行っています。
なお、2021年3月にZホールディングス㈱とLINE㈱の経営統合が完了し、LINE㈱を子会社化したことに伴い、2021年6月30日に終了した3カ月間より報告セグメントの名称を「ヤフー」から「ヤフー・LINE」に変更しています。
(注) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けた様々な革新的なサービスのことを意味します。
<業績全般>
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
売上高5,5727,5101,93734.8%
セグメント利益9821,15517217.5%
減価償却費及び償却費48866617836.5%

売上高の内訳
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減増減率
メディア1,5873,0051,41989.4%
コマース3,5283,8783499.9%
戦略40856315537.9%
その他49641530.0%
売上高合計5,5727,5101,93734.8%

(注) Zホールディングス㈱は、2021年3月のLINE㈱との経営統合に伴い、当第2四半期連結累計期間において事業の管理区分を変更しました。これに伴い、売上高の内訳に「戦略」を追加するとともに、一部のサービスおよび子会社について内訳を変更しています。また、これに合わせて、前年同期の売上高の内訳を修正再表示しています。
ヤフー・LINE事業の売上高は、前年同期比1,937億円(34.8%)増の7,510億円となりました。そのうち、メディアは前年同期比1,419億円(89.4%)増の3,005億円、コマースは前年同期比349億円(9.9%)増の3,878億円、戦略は前年同期比155億円(37.9%)増の563億円、その他は前年同期比15億円(30.0%)増の64億円となりました。
メディア売上の増加は、主として、LINE㈱を子会社化したことに加え、広告の需要回復、プロダクト改善施策等によるものです。
コマース売上の増加は、主として、LINE㈱を子会社化したことに加え、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)や㈱ZOZOの売上が増加したことによるものです。
戦略売上の増加は、主として、LINE㈱を子会社化したことに加え、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。
営業費用(売上原価と販売費及び一般管理費)およびその他の営業損益(その他の営業収益とその他の営業費用)の合計は6,355億円となり、前年同期比で1,765億円(38.5%)増加しました。これは主として、LINE㈱の子会社化に伴う費用の増加や、ヤフー㈱における販売促進費の増加によるものです。
上記の結果、セグメント利益は前年同期比172億円(17.5%)増の1,155億円となりました。
(2) 連結財政状態の状況
(単位:億円)
2021年
3月31日
2021年
9月30日
増減増減率
流動資産40,33837,428△2,910△7.2%
非流動資産81,73984,9753,2364.0%
資産合計122,077122,4033260.3%
流動負債52,93650,266△2,671△5.0%
非流動負債41,77043,5301,7604.2%
負債合計94,70693,796△910△1.0%
資本合計27,37128,6071,2364.5%

(注) 上記表内の2021年3月31日時点の数値は、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定に伴い遡及修正しています。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.企業結合 LINE㈱の取得およびLINEグループとZホールディングス㈱の経営統合」をご参照ください。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末から326億円(0.3%)増加し、122,403億円となりました。これは主として、ヤフー㈱の商標権取得などに伴う無形資産の増加1,536億円、投資有価証券の増加1,124億円、持分法で会計処理されている投資の増加504億円があった一方で、営業債権及びその他の債権の減少2,734億円があったことによるものです。営業債権及びその他の債権の減少は、主として、ワイジェイFX㈱(現外貨ex byGMO㈱)の連結除外、前期末に実施したキャンペーン施策の反動および銀行事業での運用資産残高の減少があったことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末から910億円(1.0%)減少し、93,796億円となりました。これは主として、有利子負債の増加2,770億円、銀行事業の預金の増加1,259億円があった一方で、営業債務及びその他の債務の減少4,115億円、未払法人所得税の減少609億円があったことによるものです。有利子負債の増加は、主として、当社とZホールディングス㈱がそれぞれ1,000億円の無担保社債を発行したことや、子会社においてコマーシャル・ペーパーを発行したことによるものです。営業債務及びその他の債務の減少は、主として、LINE㈱(現Aホールディングス㈱)(注)株式の併合による単元未満株式買い取りに係る未払金の支払いや、ワイジェイFX㈱(現外貨ex byGMO㈱)の連結除外によるものです。
(資本)
当第2四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末から1,236億円(4.5%)増加し、28,607億円となりました。これは主として、当第2四半期連結累計期間の純利益の計上による増加3,487億円、剰余金の配当による減少2,313億円があったことによるものです。
(注) 汐留Zホールディングス合同会社との吸収合併における存続会社であるLINE㈱を指します。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.企業結合 LINE㈱の取得およびLINEグループとZホールディングス㈱の経営統合」をご参照ください。
(3) 連結キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
9月30日に終了した6カ月間
2020年2021年増減
営業活動によるキャッシュ・フロー7,8597,235△623
投資活動によるキャッシュ・フロー△4,261△7,238△2,976
財務活動によるキャッシュ・フロー2,436△593△3,029
現金及び現金同等物の期末残高17,47015,267△2,203
フリー・キャッシュ・フロー(注1)3,597△3△3,600
割賦債権の流動化による影響(注1)579681102
調整後フリー・キャッシュ・フロー(注1)4,176678△3,498
調整後フリー・キャッシュ・フロー(Zホールディングスグループ、その他除く)(注2)3,1792,509△670
設備投資(検収ベース、Zホールディングスグループ含む)3,1012,992△109
設備投資(検収ベース、Zホールディングスグループ除く)(注3)1,4181,748329

(注1) フリー・キャッシュ・フロー、割賦債権の流動化による影響、調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) Aホールディングス㈱およびZホールディングスグループのフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除き、Aホールディングス㈱およびZホールディングス㈱からの受取配当を含みます。
(注3) 設備投資(検収ベース、Zホールディングスグループ除く)には、Zホールディングスグループの設備投資、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)およびIFRS第16号適用による影響は除きます。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、7,235億円の収入となりました。前年同期比では623億円収入が減少しており、これは主として、営業債権及びその他の債権の減少に伴う収入が増加したものの、営業債務及びその他の債務の減少に伴う支出が増加したことや銀行事業の預金に係る収入が減少したこと、また、法人所得税の支払額は減少した一方でその還付額がそれ以上に大きく減少したことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、7,238億円の支出となりました。前年同期比では2,976億円支出が増加しましたが、これは主として、ヤフー㈱が締結したライセンス契約に伴い商標権などを1,785億円で取得したことによる有形固定資産及び無形資産の取得による支出があったことや、LINE㈱(現Aホールディングス㈱)株式の併合による単元未満株式買い取り1,152億円などに伴う投資の取得による支出があったことによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、593億円の支出となりました。これは、債権の流動化やコマーシャル・ペーパーの発行、当社およびZホールディングス㈱がそれぞれ1,000億円発行した無担保社債などの収入が12,083億円あった一方で、長期借入金の約定弁済や配当金支払2,015億円などの支出が12,676億円あったことによるものです。
d.現金及び現金同等物の期末残高
a.~c.の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比2,203億円減の15,267億円となりました。
e.調整後フリー・キャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の調整後フリー・キャッシュ・フローは、678億円の収入となりました。前年同期比では3,498億円減少しましたが、これは上記の通り、営業活動によるキャッシュ・フローの収入の減少および投資活動によるキャッシュ・フローの支出の増加によるものです。
f. 設備投資
当第2四半期連結累計期間の設備投資(検収ベース、Zホールディングスグループ含む)は、前年同期比109億円減の2,992億円となりました。これは主として、5G設備への投資およびLINE㈱を子会社化したことによる増加があった一方で、前年同期における竹芝新本社の新規賃貸借契約に伴う使用権資産増加の影響がなくなったことによるものです。
(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標
当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。
a.調整後EBITDA
調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「株式報酬費用」については、金額的重要性が増したため、2021年6月30日に終了した3カ月間より、調整後EBITDAの定義を見直し加算することにしました。「その他の調整項目」には、要約四半期連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。
当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。
(単位:億円)
2020年9月30日に
終了した6カ月間
2021年9月30日に
終了した6カ月間
営業利益5,8965,708
(加算)減価償却費及び償却費(注1)3,4883,688
(加算)株式報酬費用(注2)2091
(加算(△は減算))その他の調整項目-△23
調整後EBITDA(注2)9,4049,464

(注1) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (4) 要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2020年9月30日に終了した6カ月間3,429億円 2021年9月30日に終了した6カ月間3,627億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2020年9月30日に終了した6カ月間59億円 2021年9月30日に終了した6カ月間61億円)が含まれています。
(注2) 2021年6月30日に終了した3カ月間より調整後EBITDAの定義を見直し、株式報酬費用を加味しています。これに伴い、2020年9月30日に終了した6カ月間の数値を修正しています。
b.営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージン
営業利益マージンは営業利益を売上高で除して計算しています。調整後EBITDAマージンは上記a.の調整後EBITDAを売上高で除して計算しています。
当社グループは、以下の業績指標を使用しています。
(a) 営業利益マージン
当社グループは、営業利益に対する影響を管理する指標として営業利益マージンを使用しています。
(b) 調整後EBITDAマージン
調整後EBITDAは上記の営業利益から減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)、株式報酬費用および「その他の調整項目」を加減算して算出されており、調整後EBITDAマージンは本業の経常的な収益性を理解するのに適した指標であると考えます。
当社グループは、上記指標が、当社グループの業績評価をより適切に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージンの算定方法は以下の通りです。
(単位:億円)
2020年9月30日に
終了した6カ月間
2021年9月30日に
終了した6カ月間
売上高24,28427,242
営業利益5,8965,708
営業利益マージン24.3%21.0%
調整後EBITDA(注)9,4049,464
調整後EBITDAマージン(注)38.7%34.7%

(注) 2021年6月30日に終了した3カ月間より調整後EBITDAの定義を見直し、株式報酬費用を加味しています。これに伴い、2020年9月30日に終了した6カ月間の数値を修正しています。
c.フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算して計算される指標です。当社グループは、調整後フリー・キャッシュ・フローが、当社グループの実質的な資金創出能力を示し、債務返済能力や事業への追加投資能力の評価を行うために有用な指標であると考えています。
財務活動によるキャッシュ・フローには、割賦債権の流動化による資金調達額および返済額が含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。したがって、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算することにより、調整後フリー・キャッシュ・フローを計算しています。
フリー・キャッシュ・フローと調整後フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。
(単位:億円)
2020年9月30日に
終了した6カ月間
2021年9月30日に
終了した6カ月間
営業活動によるキャッシュ・フロー7,8597,235
投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)(注1)△2,482△4,651
投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)(注2)△1,779△2,586
フリー・キャッシュ・フロー3,597△3
割賦債権流動化取引:調達額(注3)4,8202,595
割賦債権流動化取引:返済額(注3)△4,242△1,914
割賦債権の流動化による影響579681
調整後フリー・キャッシュ・フロー4,176678

(注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。
(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。
(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、新たに生じた経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、有価証券報告書に記載した経営方針、経営環境及び対処すべき課題等についての重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は16,206百万円です。
LINE㈱との経営統合により、主にAIやFintech等の研究開発費が増加しています。