四半期報告書-第38期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)
当第3四半期連結累計期間における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 連結経営成績の状況
a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(a) 事業全体の状況
ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業を手がけ、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ企業価値の最大化に取り組んでいます。このため、取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、事業を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献しています。
本年度の国内景気は、コロナ禍からの経済活動正常化やインバウンド需要の回復に加え、企業の賃金や価格設定行動の変化に伴い物価の上昇とそれを反映した賃上げの機運が高まりつつあることから、緩やかな回復局面にあります。一方、テレワークやオンラインショッピング、非接触型決済の利用拡大など、コロナ禍をきっかけとした人々の生活様式の変化に伴い、企業や行政のデジタル化は必要不可欠となりました。デジタル化は、生産性向上やイノベーションの創発を促すことで今後の日本の社会を変革していく原動力となり、文章・画像・プログラムコードなどさまざまなコンテンツを生成することができる生成AIの出現により、変革のスピードは加速すると考えています。このような環境の下、情報・テクノロジー領域のさまざまな事業を展開する当社グループが果たすべき役割は、ますます重要性を増しています。
当社は2023年5月、3ヵ年の中期経営計画とともに、長期的に「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を目指すことを発表しました。これは、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持ったインフラを構築し、未来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在となることを意図しています。そして、この長期ビジョンの実現に向け、本中期経営計画においては事業基盤を着実に再構築することを目的として掲げています。すなわち、成長戦略「Beyond Carrier」を推進することにより通信料の値下げの影響からの回復に取り組み、この計画期間の最終年度である2026年3月期において、親会社の所有者に帰属する純利益を最高益となる5,350億円とすることを目指します。成長戦略「Beyond Carrier」は、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指すものです。また、通信事業とそれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を高め、さらにグループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。

<経営環境に関する認識>当社グループが認識している主な外部環境要因および対応は以下の通りです。
<主な取り組み>・当社は、2023年10月から「ソフトバンク」と「ワイモバイル」の両ブランドで新しい料金プランを提供開始しました。「ソフトバンク」ブランドでは、グループシナジーを生かした取り組みとして、「PayPay」の利用状況などに応じたポイント付与率やデータ容量が異なる3種類の「ペイトク」プランを開始しました。「ワイモバイル」ブランドでは、高速データ通信をより多く楽しみたいというユーザーのニーズに応え、従来からデータ容量を増加させた「シンプル2 S/M/L」を開始しました。
・2023年10月に当社子会社のZホールディングス㈱を存続会社とし、同社ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に関する手続きが完了しました。同日をもって、Zホールディングス㈱はLINEヤフー㈱に、LINE㈱はZ中間グローバル㈱に商号変更され、ヤフー㈱は消滅しました。グループ内再編を通じ、LINEヤフー㈱は、グループ一丸となってシナジー創出のスピードを加速させ、プロダクト創出力と収益力の向上を追求し、新たな価値の創出に挑みます。
・当社とコネクテッドカーおよびSDCV(注3)向けにIoTプラットフォームをグローバル展開するCubic Telecom Ltd.は、当社がCubic Telecom Ltd.の株式の51.0%(希薄化後)を取得することを2023年11月に合意しました(以下「本取引」)(注4)。両社は本取引を通して、次世代社会インフラの構築に向けグローバルIoTプラットフォームの構築に共に取り組み、コネクテッドカーやSDCV、IoTモビリティ(注5)領域において主導していきます。
(注1) 長期有利子負債は、短期借入金およびIFRS第16号「リース」適用による影響を除いた有利子負債(銀行ローン・社債・リース負債・債権流動化)を指します。固定金利での借り入れは、固定金利および金利スワップ取引等により支払利息の固定化を行った一部の変動金利の借入金を含みます。
(注2) 当社および主な子会社における2023年3月期の電気使用量2,278,902MWhに基づいた試算です。
(注3) SDCVとは、Software-Defined Connected Vehicleの略称で、主にインターネットに接続されたソフトウエアを通じて機能を更新することができる車両のことです。Cubic Telecom Ltd.のIoTプラットフォームは、製造時に車両に組み込まれるため、自動車メーカーはソフトウエア定義型の技術を活用することができます。
(注4) 当社がCubic Telecom Ltd.に約4億7,300万ユーロを出資することで合意しました。本取引の完了は、さまざまな国・地域の規制当局の承認およびその他の条件が前提となり、完了時期は2024年上期中を見込んでいます。
(注5) IoTモビリティは、自動車やバイク、大型車両、商業用車両、農業用車両、重機械、ドローンなどを含みます。
ⅱ.連結経営成績の概況
(注) 調整後EBITDAの算定方法は「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
当第3四半期連結累計期間の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(ⅰ) 売上高
当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比1,661億円(3.8%)増の45,116億円となりました。ファイナンス事業は2022年10月に子会社化したPayPay㈱の影響などにより833億円、ディストリビューション事業はICT(情報通信技術)関連の商材およびサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより361億円、メディア・EC事業はアカウント広告および検索広告の売上の増加などにより299億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより255億円、それぞれ増収となりました。一方で、コンシューマ事業は物販等売上が増加したものの、でんき売上およびモバイル売上の減少などにより59億円の減収となりました。なお、当第3四半期連結累計期間のモバイル売上は、2021年春に実施した通信料の値下げの影響の縮小やスマートフォン契約数の増加などにより前年同期比での減少幅が大きく縮小し、前年同期の566億円減少から、当第3四半期連結累計期間では38億円の減少となりました。
(ⅱ) 営業利益
当第3四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比2,501億円(25.5%)減の7,319億円となりました。これは主として、メディア・EC事業が366億円、エンタープライズ事業が163億円、ディストリビューション事業が16億円、それぞれ増益となった一方、前年同期に計上したPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益2,948億円の剥落に加え、通信料の値下げの影響などによりコンシューマ事業が82億円、PayPay㈱の子会社化などによりファイナンス事業が59億円、それぞれ減益となったことによるものです。
(ⅲ) 純利益
当第3四半期連結累計期間の純利益は、前年同期比1,291億円(20.4%)減の5,027億円となりました。これは主として、前年同期において、保有する投資有価証券の評価損や訴訟に係る遅延損害金を計上し、当第3四半期連結累計期間においては、LINEヤフーグループが保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率が変動したことに伴い発生した持分変動利益を計上した一方、前年同期に計上したPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益の剥落などで営業利益が減少したことによるものです。
(ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益
当第3四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する純利益は、前年同期比1,019億円(20.0%)減の4,067億円となりました。なお、非支配持分に帰属する純利益は、主としてLINEヤフーグループの純利益が減少したことに伴い、前年同期比272億円(22.1%)減の960億円となりました。
(ⅴ) 調整後EBITDA
当第3四半期連結累計期間の調整後EBITDAは、前年同期比460億円(3.6%)増の13,091億円となりました。これは主として、前年同期に計上したPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益を除いた営業利益が増加していることによるものです。
(b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ⅰ.コンシューマ事業
<事業概要>コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
コンシューマ事業の売上高は、前年同期比59億円(0.3%)減の21,218億円となりました。そのうち、サービス売上は前年同期比532億円(3.1%)減の16,456億円となり、物販等売上は前年同期比473億円(11.0%)増の4,761億円となりました。
サービス売上のうち、モバイルは前年同期比38億円(0.3%)減少しました。これは、スマートフォン契約数が「ワイモバイル」ブランドを中心に伸びた一方、2021年春に実施した通信料の値下げにより平均単価が減少したことなどによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「ソフトバンク」「ワイモバイル」の両ブランドにおいて2021年春に導入した料金プランの浸透、および「ソフトバンク」から「ワイモバイル」への移行が進んだことによるものです。なお、2021年春に実施した通信料の値下げの影響の縮小やスマートフォン契約数の増加などにより、各四半期連結会計期間のモバイル売上(顧客獲得施策影響を除く)は前年同期比の減少幅が縮小しており、当第3四半期連結会計期間においては前年同期比で増収に転じています。
(注) 一部の顧客獲得施策は会計基準に基づき、モバイル売上から控除しています。
ブロードバンドは前年同期比47億円(1.6%)増加しました。これは主として、光回線サービス「SoftBank 光」契約数が増加したことによるものです。
でんきは前年同期比541億円(22.0%)減少しました。これは主として、電力市場での取引が減少したことによるものです。
物販等売上の増加は、主として、スマートフォンなどの販売台数および単価が増加したことによるものです。
営業費用は16,987億円となり、前年同期比で22億円(0.1%)増加しました。これは主として、電力の仕入原価が減少した一方で、仕入単価および台数が増加したことによりスマートフォンなどの仕入原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比82億円(1.9%)減の4,231億円となりました。
ⅱ.エンタープライズ事業
<事業概要>エンタープライズ事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
エンタープライズ事業の売上高は、前年同期比255億円(4.6%)増の5,764億円となりました。そのうち、モバイルは前年同期比42億円(1.8%)増の2,417億円、固定は前年同期比57億円(4.2%)減の1,322億円、ソリューション等は前年同期比270億円(15.4%)増の2,025億円となりました。
モバイル売上の増加は、主として、通信売上および端末販売が増加したことによるものです。
固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。
ソリューション等売上の増加は、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービスやセキュリティソリューションなどの売上が増加したことなどによるものです。
営業費用は4,517億円となり、前年同期比で92億円(2.1%)増加しました。これは主として、前年同期において訴訟に係る引当金を計上した一方で、上記ソリューション等売上の増加に伴い原価が増加したことや、前年同期においてヘルスケアテクノロジーズ㈱の子会社化に伴い段階取得に係る差益を計上したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比163億円(15.0%)増の1,248億円となりました。
ⅲ.ディストリビューション事業
<事業概要>ディストリビューション事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
ディストリビューション事業の売上高は、前年同期比361億円(8.6%)増の4,556億円となりました。これは主として、法人向けのICT(情報通信技術)関連の商材や注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。
営業費用は4,353億円となり、前年同期比で346億円(8.6%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比16億円(8.3%)増の203億円となりました。
ⅳ.メディア・EC事業
<事業概要>メディア・EC事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechサービス等の提供を行っています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(注) 2023年6月30日に終了した3カ月間において、LINEヤフーグループでは、事業の管理区分を見直し、「メディア」および「その他」の一部サービスについて管理区分間で移管しました。さらに、2023年12月31日に終了した3カ月間において、Zホールディングス㈱ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に伴い、一部のサービスについて管理区分間で移管しました。これに伴い、2022年12月31日に終了した9カ月間におけるメディア・EC事業の売上高の内訳すべてを修正再表示しています。
メディア・EC事業の売上高は、前年同期比299億円(2.6%)増の11,995億円となりました。そのうち、メディアは前年同期比140億円(2.8%)増の5,213億円、コマースは前年同期比91億円(1.5%)増の6,102億円、戦略は前年同期比62億円(10.8%)増の629億円、その他は前年同期比6億円(13.6%)増の51億円となりました。
メディア売上の増加は、主として、アカウント広告および検索広告の増収ならびに2022年9月に子会社化したLINE MUSIC㈱の影響によるものです。
コマース売上の増加は、主として、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)やZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)における取扱高が増加したことによるものです。
戦略売上の増加は、主として、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。
営業費用は10,360億円となり、前年同期比で67億円(0.6%)減少しました。これは主として、減価償却費や人件費の増加、アスクルグループの売上原価の増加などがあった一方、販売促進費および広告宣伝費が減少したことやLINE㈱が営むAIカンパニー事業をワークスモバイルジャパン㈱に承継したことに係る事業譲渡益を計上したことなどによるものです。
上記の結果、セグメント利益は前年同期比366億円(28.8%)増の1,635億円となりました。
ⅴ.ファイナンス事業
<事業概要>ファイナンス事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、あと払いや資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
ファイナンス事業の売上高は、前年同期比833億円(95.2%)増の1,709億円となりました。これは主として、2022年10月にPayPay㈱を子会社化したことによるものです。
営業費用は1,744億円となり、前年同期比で892億円(104.8%)増加しました。これは主として、上記PayPay㈱の子会社化の影響によるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比59億円減の△35億円となりました。
(2) 連結財政状態の状況
(注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。
(注2) コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資は、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末から7,108億円(4.8%)増加し、153,930億円となりました。これは主として、銀行事業の有価証券の増加2,078億円、営業債権及びその他の債権の増加2,045億円、その他の金融資産の増加1,397億円があったことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末から5,488億円(5.0%)増加し、115,479億円となりました。これは主として、有利子負債の増加3,374億円、銀行事業の預金の増加1,533億円があったことによるものです。有利子負債の増加は、主として、ソフトバンク㈱において各種の資金調達を実施したことによるものです。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末から1,620億円(4.4%)増加し、38,451億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は874億円増加しました。これは主として、剰余金の配当による減少4,069億円、自己株式の取得による減少582億円があった一方、当第3四半期連結累計期間の純利益の計上による増加4,067億円、社債型種類株式を含む新株の発行による増加1,295億円があったことによるものです。
(設備投資)
当第3四半期連結累計期間の設備投資は、前年同期比771億円減の4,635億円となりました。これは主として、5Gのエリア展開に係る設備投資が一巡したことによるものです。
(3) 連結キャッシュ・フローの状況
(注1) フリー・キャッシュ・フロー、割賦債権の流動化による影響、調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除き、Aホールディングス㈱からの受取配当を含みます。なお、PayPay等にはAホールディングス㈱、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay証券㈱、PPSCインベストメントサービス㈱を含みます。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは9,894億円の収入となりました。前年同期比では591億円収入が減少しており、これは主として、営業債務及びその他の債務の減少をはじめとする運転資金の支出が増加したことによるものです。なお、純利益は減少しましたが、これは主として、前年同期にPayPay㈱などの企業結合に伴う再測定による非資金的利益があったことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは6,958億円の支出となりました。前年同期比では7,340億円支出が増加しており、これは主として、当期において、銀行事業の投資有価証券の取得による支出の増加とその売却または償還による収入の減少があり、また、前年同期において、PayPay㈱を子会社化した際の現金及び現金同等物残高の受け入れに伴う収入があったことによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは1,642億円の支出となりました。これは、銀行借入・リース・社債・債権流動化・社債型種類株式の発行などの資金調達による収入が23,615億円あった一方で、借入金の弁済・配当金支払・自己株式の取得などの支出が25,257億円あったことによるものです。
d.現金及び現金同等物の期末残高
a.~c.の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比632億円減の21,949億円となりました。
e.調整後フリー・キャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の調整後フリー・キャッシュ・フローは3,567億円の収入となりました。前年同期比では7,505億円収入が減少しましたが、これは割賦債権の流動化による収入が増加した一方で、上記の通り、営業活動によるキャッシュ・フローの収入の減少および投資活動によるキャッシュ・フローの支出の増加があったことによるものです。
(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標
当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。
a.調整後EBITDA
調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、要約四半期連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。
当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。
(単位:億円)
(注) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (4) 要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2022年12月31日に終了した9カ月間5,678億円 2023年12月31日に終了した9カ月間5,607億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2022年12月31日に終了した9カ月間104億円 2023年12月31日に終了した9カ月間141億円)が含まれています。
b.営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージン
営業利益マージンは営業利益を売上高で除して計算しています。調整後EBITDAマージンは上記a.の調整後EBITDAを売上高で除して計算しています。
当社グループは、以下の業績指標を使用しています。
(a) 営業利益マージン
当社グループは、営業利益に対する影響を管理する指標として営業利益マージンを使用しています。
(b) 調整後EBITDAマージン
調整後EBITDAは上記の営業利益から「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および「その他の調整項目」を加減算して算出されています。当社グループは、調整後EBITDAマージンが本業の経常的な収益性を理解するのに適しており、業績評価をより適切に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージンの算定方法は以下の通りです。
(単位:億円)
c.フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算して計算される指標です。当社グループは、調整後フリー・キャッシュ・フローが、当社グループの実質的な資金創出能力を示し、債務返済能力や事業への追加投資能力の評価を行うために有用な指標であると考えています。
財務活動によるキャッシュ・フローには、割賦債権流動化による資金調達額および返済額が含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。従って、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算することにより、調整後フリー・キャッシュ・フローを計算しています。
フリー・キャッシュ・フローと調整後フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。
(単位:億円)
(注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。
(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。
(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに生じた「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」についての重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は43,292百万円です。主にAI、HAPS(注)、広告関連サービスやアプリ等の研究開発活動に係るものです。
(注)HAPS(High Altitude Platform Station)とは、成層圏を長期間飛び続ける無人航空機を通信基地局のように運用し広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称です。
(1) 連結経営成績の状況
a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(a) 事業全体の状況
ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、情報・テクノロジー領域においてさまざまな事業を手がけ、「世界に最も必要とされる会社」になるというビジョンを掲げ企業価値の最大化に取り組んでいます。このため、取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、事業を通じてさまざまな社会課題の解決に貢献しています。
本年度の国内景気は、コロナ禍からの経済活動正常化やインバウンド需要の回復に加え、企業の賃金や価格設定行動の変化に伴い物価の上昇とそれを反映した賃上げの機運が高まりつつあることから、緩やかな回復局面にあります。一方、テレワークやオンラインショッピング、非接触型決済の利用拡大など、コロナ禍をきっかけとした人々の生活様式の変化に伴い、企業や行政のデジタル化は必要不可欠となりました。デジタル化は、生産性向上やイノベーションの創発を促すことで今後の日本の社会を変革していく原動力となり、文章・画像・プログラムコードなどさまざまなコンテンツを生成することができる生成AIの出現により、変革のスピードは加速すると考えています。このような環境の下、情報・テクノロジー領域のさまざまな事業を展開する当社グループが果たすべき役割は、ますます重要性を増しています。
当社は2023年5月、3ヵ年の中期経営計画とともに、長期的に「デジタル化社会の発展に不可欠な次世代社会インフラを提供する企業」を目指すことを発表しました。これは、AIの加速度的な進化により急増すると予見されるデータ処理や電力の需要に対応できる構造を持ったインフラを構築し、未来の多様なデジタルサービスを支える不可欠な存在となることを意図しています。そして、この長期ビジョンの実現に向け、本中期経営計画においては事業基盤を着実に再構築することを目的として掲げています。すなわち、成長戦略「Beyond Carrier」を推進することにより通信料の値下げの影響からの回復に取り組み、この計画期間の最終年度である2026年3月期において、親会社の所有者に帰属する純利益を最高益となる5,350億円とすることを目指します。成長戦略「Beyond Carrier」は、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指すものです。また、通信事業とそれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を高め、さらにグループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。

<経営環境に関する認識>当社グループが認識している主な外部環境要因および対応は以下の通りです。
金利上昇 | 当社は長期有利子負債の9割程度について固定金利での借り入れを行っており、直ちに重要な影響はありません。(注1) |
為替変動 | 当社の為替エクスポージャーは限定的ですが、よりリスクの低減を図るため、必要に応じて為替予約取引を利用しています。 |
燃料価格高騰 | 当社は基地局やネットワークセンターなどで多くの電力を使用しており、燃料価格高騰の影響を受けます。2024年3月期は燃料価格の上昇が収まりつつあり、前期に比べてその影響が緩和されています。今後も省エネ設備の導入などにより、電力量の削減に取り組んでいきます。なお、1kWh当たりの電力料金が1円上がった場合の年間影響額は約23億円です。(注2) |
半導体不足 | 半導体不足の影響は軽減され、通信設備等の当社への納入までのリードタイム長期化の問題は概ね改善しました。一部の影響は改善途上ですが、5Gネットワークの構築に重要な影響はありません。 |
<主な取り組み>・当社は、2023年10月から「ソフトバンク」と「ワイモバイル」の両ブランドで新しい料金プランを提供開始しました。「ソフトバンク」ブランドでは、グループシナジーを生かした取り組みとして、「PayPay」の利用状況などに応じたポイント付与率やデータ容量が異なる3種類の「ペイトク」プランを開始しました。「ワイモバイル」ブランドでは、高速データ通信をより多く楽しみたいというユーザーのニーズに応え、従来からデータ容量を増加させた「シンプル2 S/M/L」を開始しました。
・2023年10月に当社子会社のZホールディングス㈱を存続会社とし、同社ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に関する手続きが完了しました。同日をもって、Zホールディングス㈱はLINEヤフー㈱に、LINE㈱はZ中間グローバル㈱に商号変更され、ヤフー㈱は消滅しました。グループ内再編を通じ、LINEヤフー㈱は、グループ一丸となってシナジー創出のスピードを加速させ、プロダクト創出力と収益力の向上を追求し、新たな価値の創出に挑みます。
・当社とコネクテッドカーおよびSDCV(注3)向けにIoTプラットフォームをグローバル展開するCubic Telecom Ltd.は、当社がCubic Telecom Ltd.の株式の51.0%(希薄化後)を取得することを2023年11月に合意しました(以下「本取引」)(注4)。両社は本取引を通して、次世代社会インフラの構築に向けグローバルIoTプラットフォームの構築に共に取り組み、コネクテッドカーやSDCV、IoTモビリティ(注5)領域において主導していきます。
(注1) 長期有利子負債は、短期借入金およびIFRS第16号「リース」適用による影響を除いた有利子負債(銀行ローン・社債・リース負債・債権流動化)を指します。固定金利での借り入れは、固定金利および金利スワップ取引等により支払利息の固定化を行った一部の変動金利の借入金を含みます。
(注2) 当社および主な子会社における2023年3月期の電気使用量2,278,902MWhに基づいた試算です。
(注3) SDCVとは、Software-Defined Connected Vehicleの略称で、主にインターネットに接続されたソフトウエアを通じて機能を更新することができる車両のことです。Cubic Telecom Ltd.のIoTプラットフォームは、製造時に車両に組み込まれるため、自動車メーカーはソフトウエア定義型の技術を活用することができます。
(注4) 当社がCubic Telecom Ltd.に約4億7,300万ユーロを出資することで合意しました。本取引の完了は、さまざまな国・地域の規制当局の承認およびその他の条件が前提となり、完了時期は2024年上期中を見込んでいます。
(注5) IoTモビリティは、自動車やバイク、大型車両、商業用車両、農業用車両、重機械、ドローンなどを含みます。
ⅱ.連結経営成績の概況
(単位:億円) | |||||
12月31日に終了した9カ月間 | |||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | ||
売上高 | 43,455 | 45,116 | 1,661 | 3.8% | |
営業利益 | 9,820 | 7,319 | △2,501 | △25.5% | |
税引前利益 | 8,243 | 6,905 | △1,339 | △16.2% | |
法人所得税 | △1,926 | △1,878 | 48 | △2.5% | |
純利益 | 6,318 | 5,027 | △1,291 | △20.4% | |
親会社の所有者 | 5,086 | 4,067 | △1,019 | △20.0% | |
非支配持分 | 1,232 | 960 | △272 | △22.1% | |
調整後EBITDA(注) | 12,631 | 13,091 | 460 | 3.6% |
(注) 調整後EBITDAの算定方法は「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
当第3四半期連結累計期間の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(ⅰ) 売上高
当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比1,661億円(3.8%)増の45,116億円となりました。ファイナンス事業は2022年10月に子会社化したPayPay㈱の影響などにより833億円、ディストリビューション事業はICT(情報通信技術)関連の商材およびサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより361億円、メディア・EC事業はアカウント広告および検索広告の売上の増加などにより299億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより255億円、それぞれ増収となりました。一方で、コンシューマ事業は物販等売上が増加したものの、でんき売上およびモバイル売上の減少などにより59億円の減収となりました。なお、当第3四半期連結累計期間のモバイル売上は、2021年春に実施した通信料の値下げの影響の縮小やスマートフォン契約数の増加などにより前年同期比での減少幅が大きく縮小し、前年同期の566億円減少から、当第3四半期連結累計期間では38億円の減少となりました。
(ⅱ) 営業利益
当第3四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比2,501億円(25.5%)減の7,319億円となりました。これは主として、メディア・EC事業が366億円、エンタープライズ事業が163億円、ディストリビューション事業が16億円、それぞれ増益となった一方、前年同期に計上したPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益2,948億円の剥落に加え、通信料の値下げの影響などによりコンシューマ事業が82億円、PayPay㈱の子会社化などによりファイナンス事業が59億円、それぞれ減益となったことによるものです。
(ⅲ) 純利益
当第3四半期連結累計期間の純利益は、前年同期比1,291億円(20.4%)減の5,027億円となりました。これは主として、前年同期において、保有する投資有価証券の評価損や訴訟に係る遅延損害金を計上し、当第3四半期連結累計期間においては、LINEヤフーグループが保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率が変動したことに伴い発生した持分変動利益を計上した一方、前年同期に計上したPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益の剥落などで営業利益が減少したことによるものです。
(ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益
当第3四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する純利益は、前年同期比1,019億円(20.0%)減の4,067億円となりました。なお、非支配持分に帰属する純利益は、主としてLINEヤフーグループの純利益が減少したことに伴い、前年同期比272億円(22.1%)減の960億円となりました。
(ⅴ) 調整後EBITDA
当第3四半期連結累計期間の調整後EBITDAは、前年同期比460億円(3.6%)増の13,091億円となりました。これは主として、前年同期に計上したPayPay㈱の子会社化に伴う段階取得に係る差益を除いた営業利益が増加していることによるものです。
(b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ⅰ.コンシューマ事業
<事業概要>コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 21,277 | 21,218 | △59 | △0.3% |
営業費用(注) | 16,965 | 16,987 | 22 | 0.1% |
うち、減価償却費及び償却費 | 3,194 | 2,972 | △221 | △6.9% |
セグメント利益 | 4,312 | 4,231 | △82 | △1.9% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(単位:億円) | |||||
12月31日に終了した9カ月間 | |||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | ||
サービス売上 | 16,989 | 16,456 | △532 | △3.1% | |
モバイル | 11,552 | 11,514 | △38 | △0.3% | |
ブロードバンド | 2,979 | 3,026 | 47 | 1.6% | |
でんき | 2,457 | 1,916 | △541 | △22.0% | |
物販等売上 | 4,288 | 4,761 | 473 | 11.0% | |
売上高合計 | 21,277 | 21,218 | △59 | △0.3% |
コンシューマ事業の売上高は、前年同期比59億円(0.3%)減の21,218億円となりました。そのうち、サービス売上は前年同期比532億円(3.1%)減の16,456億円となり、物販等売上は前年同期比473億円(11.0%)増の4,761億円となりました。
サービス売上のうち、モバイルは前年同期比38億円(0.3%)減少しました。これは、スマートフォン契約数が「ワイモバイル」ブランドを中心に伸びた一方、2021年春に実施した通信料の値下げにより平均単価が減少したことなどによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「ソフトバンク」「ワイモバイル」の両ブランドにおいて2021年春に導入した料金プランの浸透、および「ソフトバンク」から「ワイモバイル」への移行が進んだことによるものです。なお、2021年春に実施した通信料の値下げの影響の縮小やスマートフォン契約数の増加などにより、各四半期連結会計期間のモバイル売上(顧客獲得施策影響を除く)は前年同期比の減少幅が縮小しており、当第3四半期連結会計期間においては前年同期比で増収に転じています。
(単位:億円) | |||||||
2023年3月期 | 2024年3月期 | ||||||
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | |
モバイル売上 | 3,904 | 3,925 | 3,723 | 3,583 | 3,846 | 3,920 | 3,748 |
うち、顧客獲得施策影響(注) | - | - | △159 | △284 | - | - | △183 |
モバイル売上(顧客獲得施策影響を除く) | 3,904 | 3,925 | 3,882 | 3,867 | 3,846 | 3,920 | 3,930 |
前年同期比 | △177 | △113 | △117 | △95 | △58 | △5 | 49 |
(注) 一部の顧客獲得施策は会計基準に基づき、モバイル売上から控除しています。
ブロードバンドは前年同期比47億円(1.6%)増加しました。これは主として、光回線サービス「SoftBank 光」契約数が増加したことによるものです。
でんきは前年同期比541億円(22.0%)減少しました。これは主として、電力市場での取引が減少したことによるものです。
物販等売上の増加は、主として、スマートフォンなどの販売台数および単価が増加したことによるものです。
営業費用は16,987億円となり、前年同期比で22億円(0.1%)増加しました。これは主として、電力の仕入原価が減少した一方で、仕入単価および台数が増加したことによりスマートフォンなどの仕入原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比82億円(1.9%)減の4,231億円となりました。
ⅱ.エンタープライズ事業
<事業概要>エンタープライズ事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューションサービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 5,509 | 5,764 | 255 | 4.6% |
営業費用(注) | 4,425 | 4,517 | 92 | 2.1% |
うち、減価償却費及び償却費 | 1,151 | 1,160 | 9 | 0.8% |
セグメント利益 | 1,085 | 1,248 | 163 | 15.0% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | |
モバイル | 2,375 | 2,417 | 42 | 1.8% |
固定 | 1,380 | 1,322 | △57 | △4.2% |
ソリューション等 | 1,755 | 2,025 | 270 | 15.4% |
売上高合計 | 5,509 | 5,764 | 255 | 4.6% |
エンタープライズ事業の売上高は、前年同期比255億円(4.6%)増の5,764億円となりました。そのうち、モバイルは前年同期比42億円(1.8%)増の2,417億円、固定は前年同期比57億円(4.2%)減の1,322億円、ソリューション等は前年同期比270億円(15.4%)増の2,025億円となりました。
モバイル売上の増加は、主として、通信売上および端末販売が増加したことによるものです。
固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。
ソリューション等売上の増加は、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービスやセキュリティソリューションなどの売上が増加したことなどによるものです。
営業費用は4,517億円となり、前年同期比で92億円(2.1%)増加しました。これは主として、前年同期において訴訟に係る引当金を計上した一方で、上記ソリューション等売上の増加に伴い原価が増加したことや、前年同期においてヘルスケアテクノロジーズ㈱の子会社化に伴い段階取得に係る差益を計上したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比163億円(15.0%)増の1,248億円となりました。
ⅲ.ディストリビューション事業
<事業概要>ディストリビューション事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 4,195 | 4,556 | 361 | 8.6% |
営業費用(注) | 4,007 | 4,353 | 346 | 8.6% |
うち、減価償却費及び償却費 | 30 | 33 | 2 | 7.6% |
セグメント利益 | 187 | 203 | 16 | 8.3% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
ディストリビューション事業の売上高は、前年同期比361億円(8.6%)増の4,556億円となりました。これは主として、法人向けのICT(情報通信技術)関連の商材や注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。
営業費用は4,353億円となり、前年同期比で346億円(8.6%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比16億円(8.3%)増の203億円となりました。
ⅳ.メディア・EC事業
<事業概要>メディア・EC事業は、メディアおよびコマースを中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、総合インターネットサービス「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションアプリ「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」、「ZOZOTOWN」などのオンラインショッピングサービスや「Yahoo!オークション」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechサービス等の提供を行っています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 11,696 | 11,995 | 299 | 2.6% |
営業費用(注) | 10,427 | 10,360 | △67 | △0.6% |
うち、減価償却費及び償却費 | 1,177 | 1,234 | 57 | 4.9% |
セグメント利益 | 1,269 | 1,635 | 366 | 28.8% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | |
メディア(注) | 5,073 | 5,213 | 140 | 2.8% |
コマース(注) | 6,011 | 6,102 | 91 | 1.5% |
戦略(注) | 568 | 629 | 62 | 10.8% |
その他(注) | 45 | 51 | 6 | 13.6% |
売上高合計 | 11,696 | 11,995 | 299 | 2.6% |
(注) 2023年6月30日に終了した3カ月間において、LINEヤフーグループでは、事業の管理区分を見直し、「メディア」および「その他」の一部サービスについて管理区分間で移管しました。さらに、2023年12月31日に終了した3カ月間において、Zホールディングス㈱ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に伴い、一部のサービスについて管理区分間で移管しました。これに伴い、2022年12月31日に終了した9カ月間におけるメディア・EC事業の売上高の内訳すべてを修正再表示しています。
メディア・EC事業の売上高は、前年同期比299億円(2.6%)増の11,995億円となりました。そのうち、メディアは前年同期比140億円(2.8%)増の5,213億円、コマースは前年同期比91億円(1.5%)増の6,102億円、戦略は前年同期比62億円(10.8%)増の629億円、その他は前年同期比6億円(13.6%)増の51億円となりました。
メディア売上の増加は、主として、アカウント広告および検索広告の増収ならびに2022年9月に子会社化したLINE MUSIC㈱の影響によるものです。
コマース売上の増加は、主として、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)やZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)における取扱高が増加したことによるものです。
戦略売上の増加は、主として、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。
営業費用は10,360億円となり、前年同期比で67億円(0.6%)減少しました。これは主として、減価償却費や人件費の増加、アスクルグループの売上原価の増加などがあった一方、販売促進費および広告宣伝費が減少したことやLINE㈱が営むAIカンパニー事業をワークスモバイルジャパン㈱に承継したことに係る事業譲渡益を計上したことなどによるものです。
上記の結果、セグメント利益は前年同期比366億円(28.8%)増の1,635億円となりました。
ⅴ.ファイナンス事業
<事業概要>ファイナンス事業では、QRコード決済やクレジットカードなどのキャッシュレス決済サービス、加盟店のマーケティングソリューションの開発・提供、あと払いや資産運用などの金融サービス、およびクレジットカード・電子マネー・QRコードなど多様化する決済を一括で提供する決済代行サービスなどを提供しています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 876 | 1,709 | 833 | 95.2% |
営業費用(注) | 852 | 1,744 | 892 | 104.8% |
うち、減価償却費及び償却費 | 85 | 155 | 70 | 82.3% |
セグメント利益 | 24 | △35 | △59 | - |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費及び一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
ファイナンス事業の売上高は、前年同期比833億円(95.2%)増の1,709億円となりました。これは主として、2022年10月にPayPay㈱を子会社化したことによるものです。
営業費用は1,744億円となり、前年同期比で892億円(104.8%)増加しました。これは主として、上記PayPay㈱の子会社化の影響によるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比59億円減の△35億円となりました。
(2) 連結財政状態の状況
(単位:億円) | |||||
2023年 3月31日 | 2023年 12月31日 | 増減 | 増減率 | ||
流動資産 | 49,481 | 53,277 | 3,796 | 7.7% | |
非流動資産 | 97,341 | 100,653 | 3,312 | 3.4% | |
資産合計 | 146,822 | 153,930 | 7,108 | 4.8% | |
流動負債 | 63,726 | 70,570 | 6,844 | 10.7% | |
非流動負債 | 46,265 | 44,909 | △1,356 | △2.9% | |
負債合計 | 109,991 | 115,479 | 5,488 | 5.0% | |
資本合計 | 36,831 | 38,451 | 1,620 | 4.4% |
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | ||
設備投資(注1) | 5,406 | 4,635 | △771 | |
うち、コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資(注2) | 2,773 | 2,193 | △580 |
(注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。
(注2) コンシューマ事業およびエンタープライズ事業の設備投資は、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末から7,108億円(4.8%)増加し、153,930億円となりました。これは主として、銀行事業の有価証券の増加2,078億円、営業債権及びその他の債権の増加2,045億円、その他の金融資産の増加1,397億円があったことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末から5,488億円(5.0%)増加し、115,479億円となりました。これは主として、有利子負債の増加3,374億円、銀行事業の預金の増加1,533億円があったことによるものです。有利子負債の増加は、主として、ソフトバンク㈱において各種の資金調達を実施したことによるものです。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末から1,620億円(4.4%)増加し、38,451億円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は874億円増加しました。これは主として、剰余金の配当による減少4,069億円、自己株式の取得による減少582億円があった一方、当第3四半期連結累計期間の純利益の計上による増加4,067億円、社債型種類株式を含む新株の発行による増加1,295億円があったことによるものです。
(設備投資)
当第3四半期連結累計期間の設備投資は、前年同期比771億円減の4,635億円となりました。これは主として、5Gのエリア展開に係る設備投資が一巡したことによるものです。
(3) 連結キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) | ||||
12月31日に終了した9カ月間 | ||||
2022年 | 2023年 | 増減 | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 10,484 | 9,894 | △591 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 382 | △6,958 | △7,340 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △3,808 | △1,642 | 2,166 | |
現金及び現金同等物の期末残高 | 22,581 | 21,949 | △632 | |
フリー・キャッシュ・フロー(注1) | 10,867 | 2,936 | △7,931 | |
割賦債権の流動化による影響(注1) | 205 | 631 | 425 | |
調整後フリー・キャッシュ・フロー(注1) | 11,072 | 3,567 | △7,505 | |
調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)(注2) | 4,516 | 4,354 | △162 |
(注1) フリー・キャッシュ・フロー、割賦債権の流動化による影響、調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除き、Aホールディングス㈱からの受取配当を含みます。なお、PayPay等にはAホールディングス㈱、Bホールディングス㈱、PayPay㈱、PayPayカード㈱、PayPay証券㈱、PPSCインベストメントサービス㈱を含みます。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは9,894億円の収入となりました。前年同期比では591億円収入が減少しており、これは主として、営業債務及びその他の債務の減少をはじめとする運転資金の支出が増加したことによるものです。なお、純利益は減少しましたが、これは主として、前年同期にPayPay㈱などの企業結合に伴う再測定による非資金的利益があったことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは6,958億円の支出となりました。前年同期比では7,340億円支出が増加しており、これは主として、当期において、銀行事業の投資有価証券の取得による支出の増加とその売却または償還による収入の減少があり、また、前年同期において、PayPay㈱を子会社化した際の現金及び現金同等物残高の受け入れに伴う収入があったことによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは1,642億円の支出となりました。これは、銀行借入・リース・社債・債権流動化・社債型種類株式の発行などの資金調達による収入が23,615億円あった一方で、借入金の弁済・配当金支払・自己株式の取得などの支出が25,257億円あったことによるものです。
d.現金及び現金同等物の期末残高
a.~c.の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比632億円減の21,949億円となりました。
e.調整後フリー・キャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間の調整後フリー・キャッシュ・フローは3,567億円の収入となりました。前年同期比では7,505億円収入が減少しましたが、これは割賦債権の流動化による収入が増加した一方で、上記の通り、営業活動によるキャッシュ・フローの収入の減少および投資活動によるキャッシュ・フローの支出の増加があったことによるものです。
(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標
当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。
a.調整後EBITDA
調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、要約四半期連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。
当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。
(単位:億円)
2022年12月31日に 終了した9カ月間 | 2023年12月31日に 終了した9カ月間 | |||
営業利益 | 9,820 | 7,319 | ||
(加算)減価償却費及び償却費(注) | 5,783 | 5,749 | ||
(加算)株式報酬費用 | 166 | 160 | ||
(加算(△は減算))その他の調整項目: 事業譲渡益 | - | △105 | ||
(加算(△は減算))その他の調整項目: 子会社の支配喪失に伴う利益 | △35 | △49 | ||
(加算(△は減算))その他の調整項目: 企業結合に伴う再測定による利益 | △3,101 | - | ||
(加算(△は減算))その他の調整項目: 減損損失 | 24 | 16 | ||
(加算(△は減算))その他の調整項目: その他 | △27 | 1 | ||
調整後EBITDA | 12,631 | 13,091 | ||
(注) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (4) 要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2022年12月31日に終了した9カ月間5,678億円 2023年12月31日に終了した9カ月間5,607億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2022年12月31日に終了した9カ月間104億円 2023年12月31日に終了した9カ月間141億円)が含まれています。
b.営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージン
営業利益マージンは営業利益を売上高で除して計算しています。調整後EBITDAマージンは上記a.の調整後EBITDAを売上高で除して計算しています。
当社グループは、以下の業績指標を使用しています。
(a) 営業利益マージン
当社グループは、営業利益に対する影響を管理する指標として営業利益マージンを使用しています。
(b) 調整後EBITDAマージン
調整後EBITDAは上記の営業利益から「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および「その他の調整項目」を加減算して算出されています。当社グループは、調整後EBITDAマージンが本業の経常的な収益性を理解するのに適しており、業績評価をより適切に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージンの算定方法は以下の通りです。
(単位:億円)
2022年12月31日に 終了した9カ月間 | 2023年12月31日に 終了した9カ月間 | |||
売上高 | 43,455 | 45,116 | ||
営業利益 | 9,820 | 7,319 | ||
営業利益マージン | 22.6% | 16.2% | ||
調整後EBITDA | 12,631 | 13,091 | ||
調整後EBITDAマージン | 29.1% | 29.0% | ||
c.フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算して計算される指標です。当社グループは、調整後フリー・キャッシュ・フローが、当社グループの実質的な資金創出能力を示し、債務返済能力や事業への追加投資能力の評価を行うために有用な指標であると考えています。
財務活動によるキャッシュ・フローには、割賦債権流動化による資金調達額および返済額が含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。従って、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算することにより、調整後フリー・キャッシュ・フローを計算しています。
フリー・キャッシュ・フローと調整後フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。
(単位:億円)
2022年12月31日に 終了した9カ月間 | 2023年12月31日に 終了した9カ月間 | |||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 10,484 | 9,894 | ||
投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)(注1) | △4,743 | △4,521 | ||
投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)(注2) | 5,125 | △2,437 | ||
フリー・キャッシュ・フロー | 10,867 | 2,936 | ||
割賦債権流動化取引:調達額(注3) | 2,907 | 3,500 | ||
割賦債権流動化取引:返済額(注3) | △2,701 | △2,869 | ||
割賦債権の流動化による影響 | 205 | 631 | ||
調整後フリー・キャッシュ・フロー | 11,072 | 3,567 | ||
(注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。
(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。
(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに生じた「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」についての重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は43,292百万円です。主にAI、HAPS(注)、広告関連サービスやアプリ等の研究開発活動に係るものです。
(注)HAPS(High Altitude Platform Station)とは、成層圏を長期間飛び続ける無人航空機を通信基地局のように運用し広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称です。