四半期報告書-第37期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
当第1四半期連結累計期間における経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りです。文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 連結経営成績の状況
a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(a) 事業全体の状況
ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み
当社グループを取り巻く事業環境は大きな変化を迎えています。国家間の対立に端を発する原油価格や様々な商品価格の高騰に、不安定なサプライチェーンや円安が重なるなど、懸念されていたインフレーションが現実のものとなり、新型コロナウイルス感染症拡大により縮小した国内景気の回復の重しとなっています。一方で新型コロナウイルス感染症拡大により加速した社会のデジタル化の流れは衰えず、生活の利便性向上や、災害や事故などのリスクの予防のためにデータを利活用する機運が高まっています。
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするサービスやテクノロジーを提供する企業グループを目指し、通信事業を基盤に、情報・テクノロジー領域において様々な事業に取り組み、企業価値の最大化を図ってきました。また、5G(第5世代移動通信システム)などの社会インフラを提供する当社グループは、本業を通じて様々な社会課題の解決に貢献すべく、「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」というコンセプトの下、国連の定める「SDGs(持続可能な開発目標)」の実現のために当社グループが取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。
当社グループは、2017年度より、持続的な成長を達成するために「Beyond Carrier」戦略を推進しています。「Beyond Carrier」戦略は、通信事業をさらに成長させることに加えて、従来の通信キャリアという枠組みを超え、ヤフー・LINEおよび新領域を加えた3つの領域を伸ばしていくことで収益基盤を強化していくものです。この戦略を推進することで、当社は、スマートフォンユーザー基盤に加え、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションサービス「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」など日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループとなりました。従来当社グループが構築してきた通信ネットワークにこれらの日本最大級のプラットフォーム群を加え、当社は今後社会のデジタル化の推進役を担っていきます。

<通信>国内の通信業界においては、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化し、消費者にはより低廉で多様な料金やサービスを求める動きが高まっています。当社グループは、異なる特長をもつ複数のブランドにより、お客さまの多様なニーズに対応するマルチブランド戦略を推進しています。最新のスマートフォン・携帯端末や大容量データプランを求めるお客さまに高付加価値サービス等を提供する「SoftBank」ブランド、月々の通信料を抑えることを重視するお客さまにスマートフォン向けサービス等を提供する「Y!mobile」ブランド、生活シーンの変化などによりオンラインで完結するサービスへのニーズが高まったことに対応したオンライン専用の「LINEMO」ブランド等を提供しています。
当第1四半期連結累計期間においては、新料金プランを巡る競合他社との競争が続く中、特に「Y!mobile」ブランドが好調に推移し、当第1四半期連結会計期間末のスマートフォン契約数は、前期末比で34万件増加しました。ブロードバンドサービスにおいても家庭向け高速インターネット接続サービスである「SoftBank 光」の契約数が堅調に伸びており、この「SoftBank 光」契約数は前期末比で6万件増加しました。
企業および産業のデジタル化の需要の高まりを背景に法人向けビジネスは順調に推移し、当第1四半期連結累計期間のソリューション等売上は前年同期比56億円(11.8%)増加しました。また、経済産業省と東京証券取引所により最先端テクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)(注1)の取り組みが評価され、当社は「デジタルトランスフォーメーション銘柄2022」に2年連続で選定されました。
<非通信の拡大>当社グループは、基幹事業である通信事業の持続的な成長を図りながら、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」といったインターネットサービス、キャッシュレス決済サービス「PayPay」などのAI(注2)・IoT(注3)・FinTech(注4)などの最先端テクノロジーを活用したビジネスの立ち上げを通じ、引き続き通信以外の領域の拡大を目指します。
また、ソフトバンクグループ㈱および子会社の投資先をはじめとする先端技術を保有する企業やソリューションの提供を行う企業との連携にも取り組んでおり、具体的には、パートナーである各企業と合弁会社を設立し、非通信の拡大を推進しています。なお、これらの合弁会社の多くは持分法適用会社であり、当社の業績には持分法による投資損益として反映されます。
Zホールディングスグループ
2022年4月より、Zホールディングス㈱では、プロダクト成長のための経営体制強化を目的に、各事業領域のプロダクトを推進する「領域CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)」を新設・任命し、意思決定と事業推進を加速させ、横断的なシナジーの創出に注力しています。
また、当社の持分法適用会社であるLINE Bank Taiwan Limitedが台湾で運営する銀行サービス「LINE Bank」において、2021年4月のサービス開始から1年でユーザー数が110万人を突破しました。「LINE Bank」は物理的な支店を持たないインターネット専業銀行であり、サービス開始当初から若い世代を中心に人気を集め、24時間いつでも取引可能な点が評価を得ています。
PayPay㈱
2022年6月末での「PayPay」の登録者数(注5)は4,865万人となり、加盟店数は374万カ所を超えました。当第1四半期連結累計期間における決済回数(注6)は前年同期比約1.4倍となる11.1億回を超え、決済取扱高(注6)は前年同期比約1.4倍となる1.7兆円となり、いずれも順調に増加しました。これらの決済取扱高の順調な拡大と加盟店(年商10億円以下)向けの決済システム利用料の有料化に伴い、当社の持分法適用会社であるPayPay㈱の当第1四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比約2.2倍となる239億円(注7)となり、大幅に増加しました。
また、当社の子会社であるPayPay証券㈱は、銀行口座などから証券口座への振替手続きを行わずに、株式や投資信託の買付代金の決済が可能になる「おいたまま買付」サービスを提供しています。このサービスは、2022年5月より新たに「PayPay」との連携を開始したことにより、PayPay残高(PayPayマネー)を使った株式や投資信託の買付が可能になりました。
自動運転領域における業務提携
当社は、米国ミシガン州を拠点に北米および日本で自動運転サービスを検証・展開するMay Mobility, Inc.(メイモビリティ、以下「May Mobility」)と、2022年5月に業務提携契約を締結しました。当社の5GネットワークやDXに関する知見と、May Mobilityの柔軟性がある自動運転技術を組み合わせることで、日本における自動運転サービスの早期社会実装に貢献していきます。
<経営環境に関する認識>当社が認識している主な外部環境要因および対応は以下の通りです。
(注1) デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業が、データとデジタル技術を活用して、組織、プロセス、業務等を変革していくことです。
(注2) AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人工知能のことです。
(注3) IoTとは、Internet of Thingsの略称で、モノがインターネット経由で通信することです。
(注4) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けた様々な革新的なサービスのことを意味します。
(注5) アカウント登録を行ったユーザーの累計です。
(注6) ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。2022年3月期第4四半期以降は「Alipay」、「LINE Pay」経由の決済を含みます。2022年2月より提供開始した「PayPayあと払い」による決済を含みます。
(注7) 売上高は未監査の数値です。
(注8) 金利スワップ取引により、支払利息の固定化を行った一部の変動金利の借入金を含みます。
(注9) 当社および主な子会社における2022年3月期の電気使用量2,117,259MWhに基づいた試算です。
ⅱ.連結経営成績の概況
(注) 調整後EBITDAの算定方法は「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
当第1四半期連結累計期間の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(ⅰ) 売上高
当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比54億円(0.4%)増の13,620億円となりました。ヤフー・LINE事業はコマース売上の増収に加えLINE㈱における広告関連売上の増加などにより172億円、流通事業はサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより131億円、法人事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより51億円、それぞれ増収となりました。一方で、コンシューマ事業は、でんき売上が増加したものの、物販等売上の減少や、「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行や新料金プラン導入の影響などによるモバイル売上の減少により、258億円の減収となりました。
(ⅱ) 営業利益
当第1四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比360億円(12.7%)減の2,471億円となりました。コンシューマ事業は新料金プラン導入の影響などにより296億円、法人事業は前年同期において一時的な費用の戻し入れがあった影響などにより20億円、ヤフー・LINE事業は成長に向けて人材の採用を強化したことによる費用の増加などにより17億円、流通事業は6億円、それぞれ減益となりました。
(ⅲ) 純利益
当第1四半期連結累計期間の純利益は、前年同期比196億円(11.6%)減の1,498億円となりました。これは主として、営業利益が減少したことや金融損益の影響により税引前利益が減少したことによるものです。なお、法人所得税の減少は、前述の通り税引前利益が減少したことと、前年同期に一時要因があったことによるものです。
(ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益
当第1四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する純利益は、前年同期比224億円(14.9%)減の1,285億円となりました。
(ⅴ) 調整後EBITDA
当第1四半期連結累計期間の調整後EBITDAは、前年同期比393億円(8.4%)減の4,306億円となりました。これは主として、営業利益が減少したことによるものです。当社グループは、非現金取引の影響を除いた調整後EBITDAを、当社グループの業績を評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
ⅲ.主要事業データ
モバイルサービス
コンシューマ事業と法人事業において営んでいるモバイル契約の合計です。モバイルサービスの各事業データには、「SoftBank」ブランド、「Y!mobile」ブランド、「LINEMO」ブランド、「LINEモバイル」ブランドが含まれます。
(単位:千件)
(単位:千件)
(注) 主要回線の契約数に、2017年7月よりサービス開始した「おうちのでんわ」の契約数を含めて開示しています。
ARPUおよび解約率は、同サービスを除いて算出・開示しています。
ブロードバンドサービス
コンシューマ事業において提供している、家庭向けの高速インターネット接続サービスです。
(単位:千件)
<主要事業データの定義および算出方法>モバイルサービス
主要回線:スマートフォン、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末、「おうちのでんわ」など
* 「LINEモバイル」は、2021年3月31日をもって、新規受付を終了しました。
通信モジュール等:通信モジュール、みまもりケータイ、プリペイド式携帯電話など
* PHS回線を利用した通信モジュールは、「PHS」に含まれます。
解約率:月間平均解約率(小数点第3位を四捨五入して開示)
(算出方法)
解約率=解約数÷稼働契約数
* 解約数:当該期間における解約総数。携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度を利用して「SoftBank」、「Y!mobile」、「LINEMO」、「LINEモバイル」の間で乗り換えが行われ
る際の解約は含まれません。
* 解約率(スマートフォン):主要回線のうち、スマートフォンの解約率です。
* 稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数 ((月初累計契約数 + 月末累計契約数) ÷ 2)の合計値
ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入(10円未満を四捨五入して開示)
(算出方法)
総合ARPU=(データ関連収入 + 基本料・音声関連収入 + 端末保証サービス収入、コンテンツ関連収入、広告収入など)÷ 稼働契約数
* データ関連収入:パケット通信料・定額料、インターネット接続基本料など
* 基本料・音声関連収入:基本使用料、通話料、着信料収入など
割引ARPU=月月割ARPU+固定セット割ARPU(「おうち割 光セット」、「光おトク割」など)
ブロードバンドサービス
「SoftBank 光」:東日本電信電話㈱(以下「NTT東日本」)および西日本電信電話㈱(以下「NTT西日本」)の光アクセス回線の卸売りを利用した光回線サービスとISP(Internet Service Provider)サービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了している回線数です。「SoftBank Air」契約数を含みます。
「Yahoo! BB 光 with フレッツ」:NTT東日本およびNTT西日本の光アクセス回線「フレッツ光シリーズ」とセットで提供するISPサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了し、サービスを提供しているユーザー数です。
「Yahoo! BB ADSL」:ADSL回線サービスとISPサービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において、ADSL回線の接続工事が完了している回線数です。
なお、「ⅲ.主要事業データ」の「増減」の算定に際し、四捨五入前の数値をもとに算定しているため、「ⅲ.主要事業データ」記載の四捨五入後の数値の増減とは一致しないことがあります。
(b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ⅰ.コンシューマ事業
<事業概要>コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
コンシューマ事業の売上高は、前年同期比258億円(3.7%)減の6,674億円となりました。そのうち、サービス売上は前年同期比124億円(2.3%)増加し5,469億円となり、物販等売上は前年同期比382億円(24.1%)減少し1,205億円となりました。
サービス売上のうち、モバイルは前年同期比177億円(4.3%)減少しました。スマートフォン契約数が「Y!mobile」ブランドを中心に伸びた一方で、通信料の値下げにより平均単価が減少したことなどによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行が増加したこと、および「SoftBank」ブランド・「Y!mobile」ブランドにおける新料金プラン導入の影響によるものです。
ブロードバンドは前年同期比18億円(1.7%)減少しました。これは、光回線サービス「SoftBank 光」契約数が増加した一方で、キャンペーン施策により平均単価が減少したことなどによるものです。また、でんきは、前年同期比319億円(128.5%)増加しました。これは、「おうちでんき」契約数の増加に加え、市場での取引量および価格の変動などによるものです。
物販等売上の減少は、主として、機種変更数の減少により端末販売台数が減少したことによるものです。
営業費用は5,125億円となり、前年同期比で39億円(0.8%)増加しました。これは主として、上述の端末販売台数の減少に伴い商品原価が減少した一方で、「おうちでんき」サービスに係る仕入原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比296億円(16.1%)減の1,549億円となりました。
ⅱ.法人事業
<事業概要>法人事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューション等サービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
法人事業の売上高は、前年同期比51億円(2.9%)増の1,766億円となりました。そのうち、モバイルは前年同期比4億円(0.5%)減の773億円、固定は前年同期比1億円(0.3%)減の465億円、ソリューション等は前年同期比56億円(11.8%)増の528億円となりました。
モバイル売上の減少は、主として、端末販売台数が減少したことによるものです。
固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。
ソリューション等売上の増加は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービス、デジタルマーケティングの広告サービス、セキュリティソリューションの売上が増加したことなどによるものです。
営業費用は1,400億円となり、前年同期比で70億円(5.3%)増加しました。これは主として、上記ソリューション等の売上の増加に伴い原価が増加したことや、前年同期において一時的な費用の戻し入れがあったことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比20億円(5.1%)減の365億円となりました。
ⅲ.流通事業
<事業概要>流通事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
流通事業の売上高は、前年同期比131億円(11.2%)増の1,302億円となりました。これは主として、注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。
営業費用は1,247億円となり、前年同期比で137億円(12.4%)増加しました。これは主として、売上原価率が相対的に高い法人向けICT商材の売上が伸びたことに伴い、売上原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比6億円(9.8%)減の55億円となりました。
ⅳ.ヤフー・LINE事業
<事業概要>ヤフー・LINE事業は、メディア、コマース、決済金融を中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、インターネット上や「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ZOZOTOWN」などのeコマースサービスや「ヤフオク!」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechを中心とした決済、金融サービス等の提供を行っています。
<業績全般>
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(注) 当第1四半期連結累計期間において、Zホールディングス㈱および子会社(以下「Zホールディングスグループ」)では、事業の管理区分を見直し、一部のサービスについて区分を移管しました。これに伴い、前第1四半期連結累計期間のヤフー・LINE事業の売上高のうち、「メディア」、「戦略」および「その他」の内訳を修正再表示しています。
ヤフー・LINE事業の売上高は、前年同期比172億円(4.6%)増の3,906億円となりました。そのうち、メディアは前年同期比45億円(3.1%)増の1,519億円、コマースは前年同期比97億円(4.9%)増の2,052億円、戦略は前年同期比25億円(9.3%)増の298億円、その他は前年同期比5億円(15.2%)増の37億円となりました。
メディア売上の増加は、主として、LINE㈱でのLINE公式アカウントの新規顧客獲得と大手顧客の配信数増加に伴う広告関連の売上が増加したことなどによるものです。
コマース売上の増加は、主として、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)やZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)における取扱高の増加や、経済活動の再開による旅行関連の売上が増加したことによるものです。
戦略売上の増加は、主として、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。
営業費用は3,408億円となり、前年同期比で189億円(5.9%)増加しました。これは主として、LINE㈱やヤフー㈱における人員増加に伴う人件費の増加や業務委託費の増加、アスクルグループの売上原価の増加によるものです。
上記の結果、セグメント利益は前年同期比17億円(3.2%)減の497億円となりました。
(2) 連結財政状態の状況
(注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。
(注2) コンシューマ・法人事業の設備投資は、Zホールディングスグループの設備投資、流通事業・その他の設備投資、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末から756億円(0.6%)増加し、127,836億円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の増加404億円、持分法で会計処理されている投資の増加332億円などがあったことによるものです。現金及び現金同等物の増加は、主として、Zホールディングスグループにおいて資金調達を実施したことなどによるものです。持分法で会計処理されている投資の増加は、主として、Zホールディングスグループにおけるグループ会社への増資によるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末から1,027億円(1.0%)増加し、99,223億円となりました。これは、営業債務及びその他の債務の減少1,565億円、未払法人所得税の減少675億円などがあった一方で、有利子負債の増加2,213億円、銀行事業の預金の増加794億円があったことなどによるものです。営業債務及びその他の債務の減少は、主として、販売代理店に対する債務の減少、携帯端末などの仕入れの減少によるものです。有利子負債の増加は、主として、コマーシャル・ペーパーの発行やZホールディングスグループにおける借入と債権流動化による資金調達を実施したことによるものです。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末から271億円(0.9%)減少し、28,613億円となりました。これは主として、当第1四半期連結累計期間の純利益の計上による増加1,498億円、その他の包括利益の計上による増加327億円があった一方、剰余金の配当による減少2,243億円があったことによるものです。
(設備投資)
当第1四半期連結累計期間の設備投資は、前年同期比364億円増の1,690億円となりました。これは主として、5Gへの投資が増加したことおよびコロケーションサービスの契約更新によるものです。
(3) 連結キャッシュ・フローの状況
(注1) フリー・キャッシュ・フロー、割賦債権の流動化による影響、調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) Aホールディングス㈱およびZホールディングスグループのフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除きます。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,574億円の収入となりました。前年同期比では760億円収入が増加しており、これは主として、前期の課税所得が減少したことや前年同期の一時要因としてZホールディングスとLINE㈱の経営統合に係る法人所得税支払いが195億円あったことなどにより、法人所得税の支払額が876億円減少したことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,577億円の支出となりました。前年同期比では1,357億円支出が減少しましたが、これは主として、前期に、LINE㈱(現Aホールディングス㈱)(注)株式の併合による単元未満株式買い取り1,152億円の投資の取得による支出があったことによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、667億円の支出となりました。これは、債権の流動化やコマーシャル・ペーパーの発行などの収入が5,537億円あった一方で、長期借入金の約定弁済や配当金支払1,995億円などの支出が6,205億円あったことによるものです。
d.現金及び現金同等物の期末残高
a.~c.の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比1,369億円減の15,872億円となりました。
e.調整後フリー・キャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の調整後フリー・キャッシュ・フローは、747億円の収入となりました。前年同期比では1,061億円増加しましたが、これは割賦債権の流動化の影響により減少した一方で、上記の通り、営業活動によるキャッシュ・フローの収入の増加、投資活動によるキャッシュ・フローの支出の減少があったことによるものです。
(注) 汐留Zホールディングス合同会社との吸収合併における存続会社であるLINE㈱を指します。詳細は「第4経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.企業結合 LINE㈱の取得およびLINEグループとZホールディングス㈱の経営統合」をご参照ください。
(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標
当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。
a.調整後EBITDA
調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、要約四半期連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。
当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。
(単位:億円)
(注) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (4) 要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2021年6月30日に終了した3カ月間1,828億円 2022年6月30日に終了した3カ月間1,812億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2021年6月30日に終了した3カ月間25億円 2022年6月30日に終了した3カ月間24億円)が含まれています。
b.営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージン
営業利益マージンは営業利益を売上高で除して計算しています。調整後EBITDAマージンは上記a.の調整後EBITDAを売上高で除して計算しています。
当社グループは、以下の業績指標を使用しています。
(a) 営業利益マージン
当社グループは、営業利益に対する影響を管理する指標として営業利益マージンを使用しています。
(b) 調整後EBITDAマージン
調整後EBITDAは上記の営業利益から減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)、株式報酬費用および「その他の調整項目」を加減算して算出されており、調整後EBITDAマージンは本業の経常的な収益性を理解するのに適した指標であると考えます。
当社グループは、上記指標が、当社グループの業績評価をより適切に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージンの算定方法は以下の通りです。
(単位:億円)
c.フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算して計算される指標です。当社グループは、調整後フリー・キャッシュ・フローが、当社グループの実質的な資金創出能力を示し、債務返済能力や事業への追加投資能力の評価を行うために有用な指標であると考えています。
財務活動によるキャッシュ・フローには、割賦債権流動化による資金調達額および返済額が含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。したがって、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算することにより、調整後フリー・キャッシュ・フローを計算しています。
フリー・キャッシュ・フローと調整後フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。
(単位:億円)
(注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。
(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。
(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、新たに生じた経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、有価証券報告書に記載した経営方針、経営環境及び対処すべき課題等についての重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は10,148百万円です。
(1) 連結経営成績の状況
a.事業全体およびセグメント情報に記載された区分ごとの状況
(a) 事業全体の状況
ⅰ.経営環境と当社グループの取り組み
当社グループを取り巻く事業環境は大きな変化を迎えています。国家間の対立に端を発する原油価格や様々な商品価格の高騰に、不安定なサプライチェーンや円安が重なるなど、懸念されていたインフレーションが現実のものとなり、新型コロナウイルス感染症拡大により縮小した国内景気の回復の重しとなっています。一方で新型コロナウイルス感染症拡大により加速した社会のデジタル化の流れは衰えず、生活の利便性向上や、災害や事故などのリスクの予防のためにデータを利活用する機運が高まっています。
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、世界の人々が最も必要とするサービスやテクノロジーを提供する企業グループを目指し、通信事業を基盤に、情報・テクノロジー領域において様々な事業に取り組み、企業価値の最大化を図ってきました。また、5G(第5世代移動通信システム)などの社会インフラを提供する当社グループは、本業を通じて様々な社会課題の解決に貢献すべく、「すべてのモノ、情報、心がつながる世の中を」というコンセプトの下、国連の定める「SDGs(持続可能な開発目標)」の実現のために当社グループが取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。
当社グループは、2017年度より、持続的な成長を達成するために「Beyond Carrier」戦略を推進しています。「Beyond Carrier」戦略は、通信事業をさらに成長させることに加えて、従来の通信キャリアという枠組みを超え、ヤフー・LINEおよび新領域を加えた3つの領域を伸ばしていくことで収益基盤を強化していくものです。この戦略を推進することで、当社は、スマートフォンユーザー基盤に加え、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」やコミュニケーションサービス「LINE」、キャッシュレス決済サービス「PayPay」など日本最大級のユーザー基盤を有する通信・IT企業グループとなりました。従来当社グループが構築してきた通信ネットワークにこれらの日本最大級のプラットフォーム群を加え、当社は今後社会のデジタル化の推進役を担っていきます。

<通信>国内の通信業界においては、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化し、消費者にはより低廉で多様な料金やサービスを求める動きが高まっています。当社グループは、異なる特長をもつ複数のブランドにより、お客さまの多様なニーズに対応するマルチブランド戦略を推進しています。最新のスマートフォン・携帯端末や大容量データプランを求めるお客さまに高付加価値サービス等を提供する「SoftBank」ブランド、月々の通信料を抑えることを重視するお客さまにスマートフォン向けサービス等を提供する「Y!mobile」ブランド、生活シーンの変化などによりオンラインで完結するサービスへのニーズが高まったことに対応したオンライン専用の「LINEMO」ブランド等を提供しています。
当第1四半期連結累計期間においては、新料金プランを巡る競合他社との競争が続く中、特に「Y!mobile」ブランドが好調に推移し、当第1四半期連結会計期間末のスマートフォン契約数は、前期末比で34万件増加しました。ブロードバンドサービスにおいても家庭向け高速インターネット接続サービスである「SoftBank 光」の契約数が堅調に伸びており、この「SoftBank 光」契約数は前期末比で6万件増加しました。
企業および産業のデジタル化の需要の高まりを背景に法人向けビジネスは順調に推移し、当第1四半期連結累計期間のソリューション等売上は前年同期比56億円(11.8%)増加しました。また、経済産業省と東京証券取引所により最先端テクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」)(注1)の取り組みが評価され、当社は「デジタルトランスフォーメーション銘柄2022」に2年連続で選定されました。
<非通信の拡大>当社グループは、基幹事業である通信事業の持続的な成長を図りながら、「Yahoo! JAPAN」や「LINE」といったインターネットサービス、キャッシュレス決済サービス「PayPay」などのAI(注2)・IoT(注3)・FinTech(注4)などの最先端テクノロジーを活用したビジネスの立ち上げを通じ、引き続き通信以外の領域の拡大を目指します。
また、ソフトバンクグループ㈱および子会社の投資先をはじめとする先端技術を保有する企業やソリューションの提供を行う企業との連携にも取り組んでおり、具体的には、パートナーである各企業と合弁会社を設立し、非通信の拡大を推進しています。なお、これらの合弁会社の多くは持分法適用会社であり、当社の業績には持分法による投資損益として反映されます。
Zホールディングスグループ
2022年4月より、Zホールディングス㈱では、プロダクト成長のための経営体制強化を目的に、各事業領域のプロダクトを推進する「領域CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)」を新設・任命し、意思決定と事業推進を加速させ、横断的なシナジーの創出に注力しています。
また、当社の持分法適用会社であるLINE Bank Taiwan Limitedが台湾で運営する銀行サービス「LINE Bank」において、2021年4月のサービス開始から1年でユーザー数が110万人を突破しました。「LINE Bank」は物理的な支店を持たないインターネット専業銀行であり、サービス開始当初から若い世代を中心に人気を集め、24時間いつでも取引可能な点が評価を得ています。
PayPay㈱
2022年6月末での「PayPay」の登録者数(注5)は4,865万人となり、加盟店数は374万カ所を超えました。当第1四半期連結累計期間における決済回数(注6)は前年同期比約1.4倍となる11.1億回を超え、決済取扱高(注6)は前年同期比約1.4倍となる1.7兆円となり、いずれも順調に増加しました。これらの決済取扱高の順調な拡大と加盟店(年商10億円以下)向けの決済システム利用料の有料化に伴い、当社の持分法適用会社であるPayPay㈱の当第1四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比約2.2倍となる239億円(注7)となり、大幅に増加しました。
また、当社の子会社であるPayPay証券㈱は、銀行口座などから証券口座への振替手続きを行わずに、株式や投資信託の買付代金の決済が可能になる「おいたまま買付」サービスを提供しています。このサービスは、2022年5月より新たに「PayPay」との連携を開始したことにより、PayPay残高(PayPayマネー)を使った株式や投資信託の買付が可能になりました。
自動運転領域における業務提携
当社は、米国ミシガン州を拠点に北米および日本で自動運転サービスを検証・展開するMay Mobility, Inc.(メイモビリティ、以下「May Mobility」)と、2022年5月に業務提携契約を締結しました。当社の5GネットワークやDXに関する知見と、May Mobilityの柔軟性がある自動運転技術を組み合わせることで、日本における自動運転サービスの早期社会実装に貢献していきます。
<経営環境に関する認識>当社が認識している主な外部環境要因および対応は以下の通りです。
金利上昇 | 当社は長期借入金の約80%について固定金利での借り入れを行っており(注8)、直ちに重要な影響はありません。 |
為替変動 | 当社の為替エクスポージャーは限定的ですが、よりリスクの低減を図るため、必要に応じて為替予約取引を利用しています。 |
燃料価格高騰 | 当社は基地局やネットワークセンターなどで多くの電力を使用しており、燃料価格高騰による影響を低減するため、省エネ設備への置き換えを進めています。また、今後はトラフィックの少ない時間帯における基地局の無線機制御等を行い、電力量の削減に取り組んでいく予定です。 なお、1kWhあたりの電力料金が1円上がった場合の年間影響額は約21億円です。(注9) |
半導体不足 | 半導体不足の影響により、一部の通信設備等の当社への納入までのリードタイム長期化が発生していますが、リードタイムを踏まえ発注の前倒し等の対策を実施しているため、現時点で5Gネットワークの構築に重要な影響はありません。 |
(注1) デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業が、データとデジタル技術を活用して、組織、プロセス、業務等を変革していくことです。
(注2) AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人工知能のことです。
(注3) IoTとは、Internet of Thingsの略称で、モノがインターネット経由で通信することです。
(注4) FinTechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報通信技術を結び付けた様々な革新的なサービスのことを意味します。
(注5) アカウント登録を行ったユーザーの累計です。
(注6) ユーザー間での「PayPay残高」の「送る・受け取る」機能の利用は含みません。2022年3月期第4四半期以降は「Alipay」、「LINE Pay」経由の決済を含みます。2022年2月より提供開始した「PayPayあと払い」による決済を含みます。
(注7) 売上高は未監査の数値です。
(注8) 金利スワップ取引により、支払利息の固定化を行った一部の変動金利の借入金を含みます。
(注9) 当社および主な子会社における2022年3月期の電気使用量2,117,259MWhに基づいた試算です。
ⅱ.連結経営成績の概況
(単位:億円) | |||||
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | ||
売上高 | 13,566 | 13,620 | 54 | 0.4% | |
営業利益 | 2,831 | 2,471 | △360 | △12.7% | |
税引前利益 | 2,725 | 2,219 | △506 | △18.6% | |
法人所得税 | △1,031 | △721 | 310 | △30.0% | |
純利益 | 1,694 | 1,498 | △196 | △11.6% | |
親会社の所有者 | 1,510 | 1,285 | △224 | △14.9% | |
非支配持分 | 184 | 212 | 28 | 15.2% | |
調整後EBITDA(注) | 4,700 | 4,306 | △393 | △8.4% |
(注) 調整後EBITDAの算定方法は「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
当第1四半期連結累計期間の連結経営成績の概況は、以下の通りです。
(ⅰ) 売上高
当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比54億円(0.4%)増の13,620億円となりました。ヤフー・LINE事業はコマース売上の増収に加えLINE㈱における広告関連売上の増加などにより172億円、流通事業はサブスクリプションサービスの堅調な増加などにより131億円、法人事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより51億円、それぞれ増収となりました。一方で、コンシューマ事業は、でんき売上が増加したものの、物販等売上の減少や、「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行や新料金プラン導入の影響などによるモバイル売上の減少により、258億円の減収となりました。
(ⅱ) 営業利益
当第1四半期連結累計期間の営業利益は、前年同期比360億円(12.7%)減の2,471億円となりました。コンシューマ事業は新料金プラン導入の影響などにより296億円、法人事業は前年同期において一時的な費用の戻し入れがあった影響などにより20億円、ヤフー・LINE事業は成長に向けて人材の採用を強化したことによる費用の増加などにより17億円、流通事業は6億円、それぞれ減益となりました。
(ⅲ) 純利益
当第1四半期連結累計期間の純利益は、前年同期比196億円(11.6%)減の1,498億円となりました。これは主として、営業利益が減少したことや金融損益の影響により税引前利益が減少したことによるものです。なお、法人所得税の減少は、前述の通り税引前利益が減少したことと、前年同期に一時要因があったことによるものです。
(ⅳ) 親会社の所有者に帰属する純利益
当第1四半期連結累計期間の親会社の所有者に帰属する純利益は、前年同期比224億円(14.9%)減の1,285億円となりました。
(ⅴ) 調整後EBITDA
当第1四半期連結累計期間の調整後EBITDAは、前年同期比393億円(8.4%)減の4,306億円となりました。これは主として、営業利益が減少したことによるものです。当社グループは、非現金取引の影響を除いた調整後EBITDAを、当社グループの業績を評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
ⅲ.主要事業データ
モバイルサービス
コンシューマ事業と法人事業において営んでいるモバイル契約の合計です。モバイルサービスの各事業データには、「SoftBank」ブランド、「Y!mobile」ブランド、「LINEMO」ブランド、「LINEモバイル」ブランドが含まれます。
(単位:千件)
累計契約数 | 2022年3月31日 | 2022年6月30日 | 増減 | ||
合計 | 49,509 | 49,896 | 387 | ||
主要回線(注) | 38,569 | 38,707 | 138 | ||
うち、スマートフォン | 27,580 | 27,923 | 343 | ||
通信モジュール等 | 10,603 | 10,923 | 320 | ||
PHS | 337 | 266 | △71 |
(単位:千件)
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
純増契約数 | 2021年 | 2022年 | 増減 | ||
主要回線(注) | 12 | 138 | 125 | ||
うち、スマートフォン | 251 | 343 | 91 |
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
解約率・総合ARPU | 2021年 | 2022年 | 増減 | ||
主要回線(注) | 解約率 | 1.12% | 1.07% | △0.04ポイント | |
総合ARPU(円) | 4,180 | 3,910 | △270 | ||
割引前ARPU(円) | 4,530 | 4,180 | △350 | ||
割引ARPU(円) | △350 | △270 | 80 | ||
スマートフォン | 解約率 | 1.01% | 1.01% | △0.00ポイント |
(注) 主要回線の契約数に、2017年7月よりサービス開始した「おうちのでんわ」の契約数を含めて開示しています。
ARPUおよび解約率は、同サービスを除いて算出・開示しています。
ブロードバンドサービス
コンシューマ事業において提供している、家庭向けの高速インターネット接続サービスです。
(単位:千件)
累計契約数 | 2022年3月31日 | 2022年6月30日 | 増減 | |
合計 | 8,313 | 8,324 | 11 | |
SoftBank 光 | 7,306 | 7,371 | 65 | |
Yahoo! BB 光 with フレッツ | 625 | 609 | △15 | |
Yahoo! BB ADSL | 383 | 343 | △39 |
<主要事業データの定義および算出方法>モバイルサービス
主要回線:スマートフォン、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末、「おうちのでんわ」など
* 「LINEモバイル」は、2021年3月31日をもって、新規受付を終了しました。
通信モジュール等:通信モジュール、みまもりケータイ、プリペイド式携帯電話など
* PHS回線を利用した通信モジュールは、「PHS」に含まれます。
解約率:月間平均解約率(小数点第3位を四捨五入して開示)
(算出方法)
解約率=解約数÷稼働契約数
* 解約数:当該期間における解約総数。携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度を利用して「SoftBank」、「Y!mobile」、「LINEMO」、「LINEモバイル」の間で乗り換えが行われ
る際の解約は含まれません。
* 解約率(スマートフォン):主要回線のうち、スマートフォンの解約率です。
* 稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数 ((月初累計契約数 + 月末累計契約数) ÷ 2)の合計値
ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入(10円未満を四捨五入して開示)
(算出方法)
総合ARPU=(データ関連収入 + 基本料・音声関連収入 + 端末保証サービス収入、コンテンツ関連収入、広告収入など)÷ 稼働契約数
* データ関連収入:パケット通信料・定額料、インターネット接続基本料など
* 基本料・音声関連収入:基本使用料、通話料、着信料収入など
割引ARPU=月月割ARPU+固定セット割ARPU(「おうち割 光セット」、「光おトク割」など)
ブロードバンドサービス
「SoftBank 光」:東日本電信電話㈱(以下「NTT東日本」)および西日本電信電話㈱(以下「NTT西日本」)の光アクセス回線の卸売りを利用した光回線サービスとISP(Internet Service Provider)サービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了している回線数です。「SoftBank Air」契約数を含みます。
「Yahoo! BB 光 with フレッツ」:NTT東日本およびNTT西日本の光アクセス回線「フレッツ光シリーズ」とセットで提供するISPサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了し、サービスを提供しているユーザー数です。
「Yahoo! BB ADSL」:ADSL回線サービスとISPサービスを統合したサービス
(累計契約数) NTT東日本およびNTT西日本の局舎において、ADSL回線の接続工事が完了している回線数です。
なお、「ⅲ.主要事業データ」の「増減」の算定に際し、四捨五入前の数値をもとに算定しているため、「ⅲ.主要事業データ」記載の四捨五入後の数値の増減とは一致しないことがあります。
(b) セグメント情報に記載された区分ごとの状況
ⅰ.コンシューマ事業
<事業概要>コンシューマ事業では、主として国内の個人のお客さまに対し、モバイルサービス、ブロードバンドサービスおよび「おうちでんき」などの電力サービスを提供しています。また、携帯端末メーカーから携帯端末を仕入れ、ソフトバンクショップ等を運営する代理店または個人のお客さまに対して販売しています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 6,932 | 6,674 | △258 | △3.7% |
営業費用(注) | 5,087 | 5,125 | 39 | 0.8% |
うち、減価償却費及び償却費 | 1,056 | 1,057 | 1 | 0.1% |
セグメント利益 | 1,845 | 1,549 | △296 | △16.1% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(単位:億円) | |||||
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | ||
サービス売上 | 5,345 | 5,469 | 124 | 2.3% | |
モバイル | 4,081 | 3,904 | △177 | △4.3% | |
ブロードバンド | 1,016 | 998 | △18 | △1.7% | |
でんき | 248 | 566 | 319 | 128.5% | |
物販等売上 | 1,587 | 1,205 | △382 | △24.1% | |
売上高合計 | 6,932 | 6,674 | △258 | △3.7% |
コンシューマ事業の売上高は、前年同期比258億円(3.7%)減の6,674億円となりました。そのうち、サービス売上は前年同期比124億円(2.3%)増加し5,469億円となり、物販等売上は前年同期比382億円(24.1%)減少し1,205億円となりました。
サービス売上のうち、モバイルは前年同期比177億円(4.3%)減少しました。スマートフォン契約数が「Y!mobile」ブランドを中心に伸びた一方で、通信料の値下げにより平均単価が減少したことなどによるものです。通信料の値下げによる平均単価の減少は、主に「SoftBank」ブランドから「Y!mobile」ブランド・「LINEMO」ブランドへの移行が増加したこと、および「SoftBank」ブランド・「Y!mobile」ブランドにおける新料金プラン導入の影響によるものです。
ブロードバンドは前年同期比18億円(1.7%)減少しました。これは、光回線サービス「SoftBank 光」契約数が増加した一方で、キャンペーン施策により平均単価が減少したことなどによるものです。また、でんきは、前年同期比319億円(128.5%)増加しました。これは、「おうちでんき」契約数の増加に加え、市場での取引量および価格の変動などによるものです。
物販等売上の減少は、主として、機種変更数の減少により端末販売台数が減少したことによるものです。
営業費用は5,125億円となり、前年同期比で39億円(0.8%)増加しました。これは主として、上述の端末販売台数の減少に伴い商品原価が減少した一方で、「おうちでんき」サービスに係る仕入原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比296億円(16.1%)減の1,549億円となりました。
ⅱ.法人事業
<事業概要>法人事業では、法人のお客さまに対し、モバイル回線提供や携帯端末レンタルなどのモバイルサービス、固定電話やデータ通信などの固定通信サービス、データセンター、クラウド、セキュリティ、グローバル、AI、IoT、デジタルマーケティング等のソリューション等サービスなど、多様な法人向けサービスを提供しています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 1,715 | 1,766 | 51 | 2.9% |
営業費用(注) | 1,330 | 1,400 | 70 | 5.3% |
うち、減価償却費及び償却費 | 400 | 382 | △18 | △4.5% |
セグメント利益 | 385 | 365 | △20 | △5.1% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(単位:億円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
モバイル | 776 | 773 | △4 | △0.5% |
固定 | 466 | 465 | △1 | △0.3% |
ソリューション等 | 473 | 528 | 56 | 11.8% |
売上高合計 | 1,715 | 1,766 | 51 | 2.9% |
法人事業の売上高は、前年同期比51億円(2.9%)増の1,766億円となりました。そのうち、モバイルは前年同期比4億円(0.5%)減の773億円、固定は前年同期比1億円(0.3%)減の465億円、ソリューション等は前年同期比56億円(11.8%)増の528億円となりました。
モバイル売上の減少は、主として、端末販売台数が減少したことによるものです。
固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。
ソリューション等売上の増加は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービス、デジタルマーケティングの広告サービス、セキュリティソリューションの売上が増加したことなどによるものです。
営業費用は1,400億円となり、前年同期比で70億円(5.3%)増加しました。これは主として、上記ソリューション等の売上の増加に伴い原価が増加したことや、前年同期において一時的な費用の戻し入れがあったことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比20億円(5.1%)減の365億円となりました。
ⅲ.流通事業
<事業概要>流通事業は、変化する市場環境を迅速にとらえた最先端のプロダクトやサービスを提供しています。法人のお客さま向けには、クラウドサービス、AIを含めた先進テクノロジーを活用した商材を提供しています。個人のお客さま向けには、メーカーあるいはディストリビューターとして、ソフトウエアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等、多岐にわたる商品の企画・提供を行っています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 1,171 | 1,302 | 131 | 11.2% |
営業費用(注) | 1,110 | 1,247 | 137 | 12.4% |
うち、減価償却費及び償却費 | 9 | 10 | 1 | 5.8% |
セグメント利益 | 61 | 55 | △6 | △9.8% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
流通事業の売上高は、前年同期比131億円(11.2%)増の1,302億円となりました。これは主として、注力しているクラウド、SaaSなどのサブスクリプションサービスが堅調に伸びたことによるものです。
営業費用は1,247億円となり、前年同期比で137億円(12.4%)増加しました。これは主として、売上原価率が相対的に高い法人向けICT商材の売上が伸びたことに伴い、売上原価が増加したことによるものです。
上記の結果、セグメント利益は、前年同期比6億円(9.8%)減の55億円となりました。
ⅳ.ヤフー・LINE事業
<事業概要>ヤフー・LINE事業は、メディア、コマース、決済金融を中心としたサービスを展開し、オンラインからオフラインまで一気通貫でサービスを提供しています。メディア領域においては、インターネット上や「LINE」での広告関連サービス、コマース領域においては「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「ZOZOTOWN」などのeコマースサービスや「ヤフオク!」などのリユースサービス、戦略領域においては、メディア・コマースに次ぐ新たな収益の柱となるよう取り組んでいるFinTechを中心とした決済、金融サービス等の提供を行っています。
<業績全般>
(単位:億円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 3,734 | 3,906 | 172 | 4.6% |
営業費用(注) | 3,220 | 3,408 | 189 | 5.9% |
うち、減価償却費及び償却費 | 341 | 344 | 3 | 0.9% |
セグメント利益 | 514 | 497 | △17 | △3.2% |
(注) 営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。
売上高の内訳
(単位:億円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | 増減率 | |
メディア | 1,474 | 1,519 | 45 | 3.1% |
コマース | 1,955 | 2,052 | 97 | 4.9% |
戦略 | 272 | 298 | 25 | 9.3% |
その他 | 32 | 37 | 5 | 15.2% |
売上高合計 | 3,734 | 3,906 | 172 | 4.6% |
(注) 当第1四半期連結累計期間において、Zホールディングス㈱および子会社(以下「Zホールディングスグループ」)では、事業の管理区分を見直し、一部のサービスについて区分を移管しました。これに伴い、前第1四半期連結累計期間のヤフー・LINE事業の売上高のうち、「メディア」、「戦略」および「その他」の内訳を修正再表示しています。
ヤフー・LINE事業の売上高は、前年同期比172億円(4.6%)増の3,906億円となりました。そのうち、メディアは前年同期比45億円(3.1%)増の1,519億円、コマースは前年同期比97億円(4.9%)増の2,052億円、戦略は前年同期比25億円(9.3%)増の298億円、その他は前年同期比5億円(15.2%)増の37億円となりました。
メディア売上の増加は、主として、LINE㈱でのLINE公式アカウントの新規顧客獲得と大手顧客の配信数増加に伴う広告関連の売上が増加したことなどによるものです。
コマース売上の増加は、主として、アスクルグループ(アスクル㈱および子会社)やZOZOグループ(㈱ZOZOおよび子会社)における取扱高の増加や、経済活動の再開による旅行関連の売上が増加したことによるものです。
戦略売上の増加は、主として、FinTech領域の売上が増加したことによるものです。
営業費用は3,408億円となり、前年同期比で189億円(5.9%)増加しました。これは主として、LINE㈱やヤフー㈱における人員増加に伴う人件費の増加や業務委託費の増加、アスクルグループの売上原価の増加によるものです。
上記の結果、セグメント利益は前年同期比17億円(3.2%)減の497億円となりました。
(2) 連結財政状態の状況
(単位:億円) | |||||
2022年 3月31日 | 2022年 6月30日 | 増減 | 増減率 | ||
流動資産 | 41,311 | 41,193 | △117 | △0.3% | |
非流動資産 | 85,768 | 86,642 | 874 | 1.0% | |
資産合計 | 127,079 | 127,836 | 756 | 0.6% | |
流動負債 | 53,428 | 54,743 | 1,316 | 2.5% | |
非流動負債 | 44,768 | 44,480 | △288 | △0.6% | |
負債合計 | 98,196 | 99,223 | 1,027 | 1.0% | |
資本合計 | 28,883 | 28,613 | △271 | △0.9% | |
(単位:億円) | |||||
6月30日に終了した3カ月間 | |||||
2021年 | 2022年 | 増減 | |||
設備投資(注1) | 1,326 | 1,690 | 364 | ||
うち、コンシューマ・法人事業の設備投資(注2) | 841 | 913 | 72 |
(注1) 設備投資は検収ベースでの記載です。
(注2) コンシューマ・法人事業の設備投資は、Zホールディングスグループの設備投資、流通事業・その他の設備投資、レンタル端末への投資額、他事業者との共用設備投資(他事業者負担額)およびIFRS第16号「リース」適用による影響は除きます。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末から756億円(0.6%)増加し、127,836億円となりました。これは主として、現金及び現金同等物の増加404億円、持分法で会計処理されている投資の増加332億円などがあったことによるものです。現金及び現金同等物の増加は、主として、Zホールディングスグループにおいて資金調達を実施したことなどによるものです。持分法で会計処理されている投資の増加は、主として、Zホールディングスグループにおけるグループ会社への増資によるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末から1,027億円(1.0%)増加し、99,223億円となりました。これは、営業債務及びその他の債務の減少1,565億円、未払法人所得税の減少675億円などがあった一方で、有利子負債の増加2,213億円、銀行事業の預金の増加794億円があったことなどによるものです。営業債務及びその他の債務の減少は、主として、販売代理店に対する債務の減少、携帯端末などの仕入れの減少によるものです。有利子負債の増加は、主として、コマーシャル・ペーパーの発行やZホールディングスグループにおける借入と債権流動化による資金調達を実施したことによるものです。
(資本)
当第1四半期連結会計期間末の資本合計は、前連結会計年度末から271億円(0.9%)減少し、28,613億円となりました。これは主として、当第1四半期連結累計期間の純利益の計上による増加1,498億円、その他の包括利益の計上による増加327億円があった一方、剰余金の配当による減少2,243億円があったことによるものです。
(設備投資)
当第1四半期連結累計期間の設備投資は、前年同期比364億円増の1,690億円となりました。これは主として、5Gへの投資が増加したことおよびコロケーションサービスの契約更新によるものです。
(3) 連結キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) | ||||
6月30日に終了した3カ月間 | ||||
2021年 | 2022年 | 増減 | ||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,814 | 2,574 | 760 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,935 | △1,577 | 1,357 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 2,506 | △667 | △3,173 | |
現金及び現金同等物の期末残高 | 17,241 | 15,872 | △1,369 | |
フリー・キャッシュ・フロー(注1) | △1,121 | 996 | 2,117 | |
割賦債権の流動化による影響(注1) | 807 | △250 | △1,057 | |
調整後フリー・キャッシュ・フロー(注1) | △314 | 747 | 1,061 | |
調整後フリー・キャッシュ・フロー(Zホールディングスグループ、その他除く)(注2) | 866 | 826 | △39 |
(注1) フリー・キャッシュ・フロー、割賦債権の流動化による影響、調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) Aホールディングス㈱およびZホールディングスグループのフリー・キャッシュ・フロー、役員への貸付などを除きます。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,574億円の収入となりました。前年同期比では760億円収入が増加しており、これは主として、前期の課税所得が減少したことや前年同期の一時要因としてZホールディングスとLINE㈱の経営統合に係る法人所得税支払いが195億円あったことなどにより、法人所得税の支払額が876億円減少したことによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,577億円の支出となりました。前年同期比では1,357億円支出が減少しましたが、これは主として、前期に、LINE㈱(現Aホールディングス㈱)(注)株式の併合による単元未満株式買い取り1,152億円の投資の取得による支出があったことによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、667億円の支出となりました。これは、債権の流動化やコマーシャル・ペーパーの発行などの収入が5,537億円あった一方で、長期借入金の約定弁済や配当金支払1,995億円などの支出が6,205億円あったことによるものです。
d.現金及び現金同等物の期末残高
a.~c.の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比1,369億円減の15,872億円となりました。
e.調整後フリー・キャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の調整後フリー・キャッシュ・フローは、747億円の収入となりました。前年同期比では1,061億円増加しましたが、これは割賦債権の流動化の影響により減少した一方で、上記の通り、営業活動によるキャッシュ・フローの収入の増加、投資活動によるキャッシュ・フローの支出の減少があったことによるものです。
(注) 汐留Zホールディングス合同会社との吸収合併における存続会社であるLINE㈱を指します。詳細は「第4経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 5.企業結合 LINE㈱の取得およびLINEグループとZホールディングス㈱の経営統合」をご参照ください。
(4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標
当社グループは、IFRSで定義されていないか、IFRSに基づき認識されない財務指標を使用しています。経営者は、当社グループの業績に対する理解を高め、現在の業績を評価する上での重要な指標として用いることを目的として、当該指標を使用しています。当該指標はIFRSでは定義されていないため、他社において当社グループとは異なる計算方法または異なる目的で用いられる可能性があります。そのため、比較可能性を担保する観点から、その有用性を制限しています。
a.調整後EBITDA
調整後EBITDAは、営業利益に「減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)」、「株式報酬費用」および通常の事業活動では発生しない費用・収益である「その他の調整項目」を加減算したものです。「その他の調整項目」には、要約四半期連結損益計算書に記載されている「その他の営業収益」および「その他の営業費用」が含まれています。
当社グループは、非現金取引の影響を除いた業績評価のための指標として調整後EBITDAを使用しています。調整後EBITDAは、当社グループの業績をより適切に評価するために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益と調整後EBITDAの調整は、以下の通りです。
(単位:億円)
2021年6月30日に 終了した3カ月間 | 2022年6月30日に 終了した3カ月間 | |||
営業利益 | 2,831 | 2,471 | ||
(加算)減価償却費及び償却費(注) | 1,852 | 1,836 | ||
(加算)株式報酬費用 | 40 | 44 | ||
(加算(△は減算))その他の調整項目 | △23 | △45 | ||
調整後EBITDA | 4,700 | 4,306 | ||
(注) 上表の「減価償却費及び償却費」には、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (4) 要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書」に記載されている減価償却費及び償却費(2021年6月30日に終了した3カ月間1,828億円 2022年6月30日に終了した3カ月間1,812億円)に加えて、同計算書に記載されている固定資産除却損(2021年6月30日に終了した3カ月間25億円 2022年6月30日に終了した3カ月間24億円)が含まれています。
b.営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージン
営業利益マージンは営業利益を売上高で除して計算しています。調整後EBITDAマージンは上記a.の調整後EBITDAを売上高で除して計算しています。
当社グループは、以下の業績指標を使用しています。
(a) 営業利益マージン
当社グループは、営業利益に対する影響を管理する指標として営業利益マージンを使用しています。
(b) 調整後EBITDAマージン
調整後EBITDAは上記の営業利益から減価償却費及び償却費(固定資産除却損を含む)、株式報酬費用および「その他の調整項目」を加減算して算出されており、調整後EBITDAマージンは本業の経常的な収益性を理解するのに適した指標であると考えます。
当社グループは、上記指標が、当社グループの業績評価をより適切に行うために有用かつ必要な指標であると考えています。
営業利益マージンおよび調整後EBITDAマージンの算定方法は以下の通りです。
(単位:億円)
2021年6月30日に 終了した3カ月間 | 2022年6月30日に 終了した3カ月間 | |||
売上高 | 13,566 | 13,620 | ||
営業利益 | 2,831 | 2,471 | ||
営業利益マージン | 20.9% | 18.1% | ||
調整後EBITDA | 4,700 | 4,306 | ||
調整後EBITDAマージン | 34.6% | 31.6% | ||
c.フリー・キャッシュ・フローおよび調整後フリー・キャッシュ・フロー
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローに投資活動によるキャッシュ・フローを加算して計算される指標です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、フリー・キャッシュ・フローから端末の割賦債権流動化による資金調達額を加算し、当該返済額を減算して計算される指標です。当社グループは、調整後フリー・キャッシュ・フローが、当社グループの実質的な資金創出能力を示し、債務返済能力や事業への追加投資能力の評価を行うために有用な指標であると考えています。
財務活動によるキャッシュ・フローには、割賦債権流動化による資金調達額および返済額が含まれています。当社グループでは、割賦債権は営業活動の中で発生するものであることから、当該債権の流動化によるキャッシュ・フローを、営業活動によるキャッシュ・フローに加減算したものが、当社グループの経常的な資金創出能力をより適切に表すと考えています。したがって、割賦債権流動化の資金調達額および返済額をフリー・キャッシュ・フローの調整項目として加減算することにより、調整後フリー・キャッシュ・フローを計算しています。
フリー・キャッシュ・フローと調整後フリー・キャッシュ・フローの調整項目および調整額は以下の通りです。
(単位:億円)
2021年6月30日に 終了した3カ月間 | 2022年6月30日に 終了した3カ月間 | |||
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,814 | 2,574 | ||
投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)(注1) | △1,246 | △1,578 | ||
投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)(注2) | △1,689 | 1 | ||
フリー・キャッシュ・フロー | △1,121 | 996 | ||
割賦債権流動化取引:調達額(注3) | 1,768 | 711 | ||
割賦債権流動化取引:返済額(注3) | △961 | △961 | ||
割賦債権の流動化による影響 | 807 | △250 | ||
調整後フリー・キャッシュ・フロー | △314 | 747 | ||
(注1) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「有形固定資産及び無形資産の取得による支出」および「有形固定資産及び無形資産の売却による収入」の純額です。
(注2) 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備支出以外)に関連するキャッシュ・フローは、要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる投資活動によるキャッシュ・フローの「投資の取得による支出」、「投資の売却または償還による収入」、「銀行事業の有価証券の取得による支出」、「銀行事業の有価証券の売却または償還による収入」、「子会社の支配獲得による収支(△は支出)」および「その他」の純額です。
(注3) 割賦債権流動化取引:調達額および割賦債権流動化取引:返済額に関連するキャッシュ・フローは、主として要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書に含まれる財務活動によるキャッシュ・フローの「短期有利子負債の純増減額(△は減少額)」、「有利子負債の収入」および「有利子負債の支出」に含まれています。なお、割賦債権流動化取引のうち、短期間で調達および返済を行う取引については純額表示しています。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、新たに生じた経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、有価証券報告書に記載した経営方針、経営環境及び対処すべき課題等についての重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は10,148百万円です。