有価証券報告書-第36期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 15:29
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123項目
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)営業実績
当事業年度における情報通信市場では、引き続きクラウドサービスやIoT、ビッグデータ、AI等の進展により、デジタル化への取り組みが加速するとともに、5Gのサービスが拡大しています。それらのサービスの利用を通じて蓄積されたデータを分析・活用(データマネジメント)することで、人々の生活における利便性向上や、ビジネスにおける新たなモデル創出や生産性向上等、より良い方向への変革を実現するデジタルトランスフォーメーションが世界的に進みつつあります。また、高度化・複雑化するサイバー攻撃に対する情報セキュリティ強化、災害対策への取り組み強化や、環境保護への貢献等も求められるようになっています。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大を踏まえ、在宅勤務や遠隔教育、遠隔医療等、社会生活の変容への取り組みが求められています。
こうしたさまざまな社会的課題を解決するうえで、情報通信の役割はますます重要になっています。
このような事業環境のなか、NTTグループは中期経営戦略「Your Value Partner 2025」に基づき、「Your Value Partner」としてパートナーの皆さまとともに、社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しました。
《NTTドコモの完全子会社化》
NTTドコモの競争力強化・成長並びにNTTグループ全体の成長に向け、2020年12月にNTTドコモを完全子会社化しました。
○ 情報通信市場では、固定通信と移動通信の垣根がなくなるとともに、グローバルプレーヤーを含め、通信レイヤーを超えた多面的かつ多層的な市場競争が展開されつつあります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、アフターコロナの社会を展望すると、リモートワールド(分散型社会)が基本となる社会やグローバリズムが変質する等大きな変化が想定されます。NTTグループとして、こうしたグローバルレベルでダイナミックな環境変化に対応していく必要があります。
○ そうした経営環境において、NTTグループが中期的に成長・発展していくため、①リモートワールドを考慮した新サービスの展開・提供、②リソースの集中化とデジタルトランスフォーメーションの推進、③世界規模での研究開発の推進、④スマートライフ事業など新規事業の強化をめざします。
○ そのために、グループ横断でのリソース・アセットの戦略的活用と意思決定の迅速化が不可欠と考え、NTTドコモを完全子会社化しました。
○ 今後、NTTドコモは、NTTコミュニケーションズ、NTTコムウェア等のグループ会社の能力を活用していくことにより、法人営業力の強化、サービス創出力の強化、コスト競争力の強化、研究開発力の強化を図ります。そして、新たなサービス・ソリューション及び6Gを見据えた通信基盤整備を移動固定融合型で推進し、上位レイヤービジネスまでを含めた総合ICT企業への進化をめざします。
《5Gサービスの実現・展開、パーソナル化の推進》
5Gサービスの実現・展開に向けた取り組み、パーソナル化推進によるライフスタイル変革の支援等を進めました。
○ 5Gサービスの対応エリアを、2020年6月末には全都道府県へ、2021年3月末には全政令指定都市を含む574都市へ拡大しました。エリア拡大に加え、5G対応機種の充実、新サービスの展開等に取り組み、2021年3月末時点の5Gサービス契約者数は309万契約となりました。
○ デジタルネイティブ世代にフィットした新料金プラン「ahamo(アハモ)」を2021年3月から提供開始しました。本プランは、2020年12月から先行エントリーキャンペーンの受付を開始しており、提供開始までに約254万件のお申し込みをいただきました。
《B2B2Xモデルの推進》
B2B2Xモデルの推進による新たな価値創出の支援等を進めました。
○ 5Gの実証実験並びにスマートシティ・スマートキャンパスの創造及び教育・研究、地域社会の発展に向け、学校法人近畿大学との包括連携協定を2020年11月に締結しました。
○ 国立大学法人北海道大学、岩見沢市と連携し、最先端のロボット農業技術に、5G、IOWN関連技術等を用いて、安定的で円滑な農機の広域自動走行とその遠隔監視制御を実現しました。
《グローバル事業の競争力強化》
グローバル事業の競争力強化に向けたOne NTTとしてのグローバルビジネス成長戦略等を推進しました。
○ 2021年3月、オーストラリア ニューサウスウェールズ州政府と、安全でスマートな都市の実現に向けた基本合意を締結しました。NTTグループのスマートソリューションとICTプラットフォームを活用し、シドニー中心部におけるオープンな共創と革新を推進します。
○ 2020年12月、独ソフトウェア会社のSAP SEと全方位的なパートナーシップ構築に向けた戦略的提携の拡大を発表しました。デジタルでつながるグローバルなバリューチェーンを構築し、リモートワールド等の実現につながるソリューションの提供を行います。
《新事業の取り組み、地域社会・経済の活性化への貢献》
不動産利活用、グリーン電力供給等の新事業創出、地域社会・経済の活性化に取り組みました。
○ 2021年2月、現実と仮想をつなぐデジタル基盤 街づくりDTC™の実証実験を開始しました。NTTグループが持つICT技術を活用し、省エネルギーと快適性、街の運用効率性や賑わい等、さまざまな指標を全て考慮した、街全体の最適化を行います。
○ 製造業や地方自治体等のお客さまの敷地内外へ太陽光発電装置を設置することによるグリーン電力供給等、エネルギーの地産地消を担う分散エネルギー基盤の確立に向けた取り組みを推進しました。
○ 地域の価値ある文化芸術のデジタル化とその活用を通じ、新たな鑑賞方法や文化芸術の保護を提案し、地域と都市・世界をつなぐ新しい地方創生に向け、株式会社NTT ArtTechnologyを2020年12月に設立しました。
○ ICT、不動産、エネルギー、環境技術等のリソースを最大限に活用した地域活性化・課題解決に向け、長崎市、株式会社ふくおかフィナンシャルグループ等と産学官金連携協定を2020年10月に締結しました。
《ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上》
持続的な企業価値の向上と、株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題の一つとして位置づけ、環境負荷の低減、災害対策、多様な人材の活用、セキュリティの強化、株主還元の充実等に取り組みました。
○ 2020年5月、お客さま・企業・社会の環境負荷低減へ貢献するため、環境エネルギービジョンを策定しました。グリーン電力の推進やICT技術等による社会の環境負荷低減を推進するとともに、気候変動に対する企業の情報開示フレームワークであるTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に賛同しました。
○ 2020年9月、KDDI株式会社と、社会的課題の解決に取り組む社会貢献連携協定を締結し、大規模災害時の船舶を相互利用した物資運搬や、災害対応の訓練・啓発活動における相互協力を開始しました。また、2021年3月より、就職氷河期世代等への就労・就業支援に関する取り組みも開始しました。
○ 2020年7月より、株式会社オリィ研究所が開発した遠隔操作型の分身ロボット「OriHime-D」を活用した、障がい者による受付業務を本格導入しました。2020年10月には、障がい者の活躍推進、リモートワールド実現に向けたビジネスの強化・技術連携、これによる事業拡大を目的に、同社との資本業務提携に合意しました。
○ 株主還元については、継続的な増配及び機動的な自己株式取得を実施しました。また、当社株式の魅力を高め、中長期的に当社株を保有していただける株主の拡大を図ることを目的として、当社株式の保有期間に応じたdポイント進呈を開始しました。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度の営業実績は次のとおりとなりました。
(単位:億円)
前連結会計年度
(2019年4月1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月1日から
2021年3月31日まで)
増減増減率
営業収益118,994119,4404460.4%
固定音声関連収入9,9949,353△641△6.4%
移動音声関連収入9,66511,1581,49315.4%
IP系・パケット通信収入36,19334,880△1,313△3.6%
通信端末機器販売収入6,9186,741△178△2.6%
システムインテグレーション収入37,31438,0167021.9%
その他の営業収入18,91019,2933832.0%
営業費用103,373102,726△647△0.6%
営業利益15,62216,7141,0927.0%
金融損益△33△190△158△483.0%
持分法による投資損益1132△110△98.0%
税引前利益15,70116,5268245.3%
法人税等4,5885,24765914.4%
当期利益11,11311,2791651.5%
控除:非支配持分に帰属する当期利益2,5602,117△444△17.3%
当社に帰属する当期利益8,5539,1626097.1%

営業収益
NTTグループの営業収益は、固定音声関連、移動音声関連、IP系・パケット通信、通信端末機器販売、システムインテグレーション及びその他の6つのサービス分野に区分しています。
2020年度の営業収益は、前期比0.4%増加し、11兆9,440億円となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等による移動通信事業セグメントの端末機器販売収入や海外におけるシステムインテグレーション収入の減少、グローバル事業会社のNTT Ltd.の一部収入の会計処理方法の変更等による減収はあるものの、移動通信事業セグメントのスマートライフ領域の増収や国内におけるシステムインテグレーション収入の増加等によるものです。
2020年度における各サービス分野における営業収益の概要は、次のとおりです。
・固定音声関連収入
固定音声関連サービスには、加入電話、INSネット、一般専用、高速ディジタル伝送等、地域通信事業セグメントと長距離・国際通信事業セグメントの一部が含まれています。
2020年度における固定音声関連収入は、前期比6.4%減少し、9,353億円(営業収益の7.8%に相当)となりました。これは、携帯電話や光IP電話の普及、OTT事業者が提供する無料又は低価格の通信サービスの増加等により、加入電話やINSネットの契約数が引き続き減少したこと等によるものです。
・移動音声関連収入
移動音声関連サービスには、LTE(Xi)における音声通話サービス等の移動通信事業セグメントの一部が含まれています。
2020年度における移動音声関連収入は、前期比15.4%増加し、1兆1,158億円(営業収益の9.3%に相当)となりました。これは、「月々サポート」による割引の終了に伴う増収影響等によるものです。
・IP系・パケット通信収入
IP系・パケット通信サービスには、「フレッツ光」等の地域通信事業セグメントの一部、Arcstar Universal One、IP-VPN、OCN等の長距離・国際通信事業セグメントの一部、LTE(Xi)におけるパケット通信サービス等の移動通信事業セグメントの一部が含まれています。
2020年度におけるIP系・パケット通信収入は、前期比3.6%減少し、3兆4,880億円(営業収益の29.2%に相当)となりました。これは、移動通信事業セグメントにおいて、「ドコモ光」契約者数の拡大や「月々サポート」による割引の終了に伴う増収影響等があったものの、新料金プラン導入による収入の減少があったこと等によるものです。
・通信端末機器販売収入
通信端末機器販売には、移動通信事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部等が含まれています。
2020年度における通信端末機器販売収入は、前期比2.6%減少し、6,741億円(営業収益の5.6%に相当)となりました。これは、主に移動通信事業セグメントにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により通信端末機器販売台数が減少したこと等によるものです。
・システムインテグレーション収入
システムインテグレーションには、データ通信事業セグメント及び長距離・国際通信事業セグメント、地域通信事業セグメントの一部が含まれています。
2020年度のシステムインテグレーション収入は、前期比1.9%増加し、3兆8,016億円(営業収益の31.8%に相当)となりました。これは、データ通信事業セグメント及び地域通信事業セグメントにおいて、国内のビジネス規模を拡大したこと等によるものです。
・その他の営業収入
その他のサービスには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、移動通信事業セグメントにおけるスマートライフ領域等が含まれています。
2020年度のその他の営業収入は、移動通信事業セグメントにおける金融・決済サービス拡大や会計制度要因等に伴うスマートライフ領域の増収等により、前期比2.0%増加し、1兆9,293億円(営業収益の16.2%に相当)となりました。
営業費用
2020年度の営業費用は前期比0.6%減少し、10兆2,726億円となりました。主な要因は以下のとおりです。
・人件費
2020年度の人件費は、前期比1.4%増加し、2兆4,614億円となりました。これは、長距離・国際通信事業セグメントにおける人件費が構造改革等により減少したものの、データ通信事業セグメントにおける人件費が海外事業の業容拡大により増加したこと等によるものです。
・経費
2020年度の経費は、前期比2.2%減少し、5兆8,753億円となりました。これは、地域通信事業セグメントにおける収益連動経費の増加等があったものの、移動通信事業セグメントにおける通信端末機器販売収入に連動する通信端末機器原価の減少や長距離・国際通信事業セグメントにおける売上計上基準見直しによる減少等があったことによるものです。
・減価償却費
2020年度の減価償却費は、前期比2.9%増加し、1兆5,072億円となりました。これは、移動通信事業セグメントにおける5G関連設備の増加等によるものです。
営業利益
以上の結果、2020年度の営業利益は、前期比7.0%増加し、1兆6,714億円となりました。
金融損益
2020年度の金融損益は、前期の△33億円に対し△190億円となりました。
持分法による投資損益
2020年度の持分法による投資損益は、前期の113億円に対し2億円となりました。
税引前利益
以上の結果、2020年度の税引前利益は前期比5.3%増加し、1兆6,526億円となりました。
法人税等
2020年度の法人税等は、前期比14.4%増加し、5,247億円となりました。2019年度、2020年度の税負担率は、それぞれ29.22%、31.75%となっております。
当社に帰属する当期利益
以上の結果、2020年度の当期利益は前期比1.5%増加し、1兆1,279億円となりました。また、非支配持分に帰属する当期利益を控除した当社に帰属する当期利益は、前期比7.1%増加し、9,162億円となりました。
(2)セグメント情報
NTTグループの事業は5つのオペレーティング・セグメント、すなわち、移動通信事業セグメント、地域通信事業セグメント、長距離・国際通信事業セグメント、データ通信事業セグメント及びその他の事業セグメントに区分しています(連結財務諸表「注記2.1. セグメント情報」参照)。
移動通信事業セグメントには、移動音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、その他が含まれています。
地域通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれています。
長距離・国際通信事業セグメントには、固定音声関連サービス、IP系・パケット通信サービス、通信端末機器販売、システムインテグレーションサービス、その他が含まれています。
データ通信事業セグメントには、システムインテグレーションサービスが含まれています。
また、その他の事業セグメントには、主に建築物の保守、不動産賃貸、システム開発、研究開発等に係るその他のサービスが含まれています。
各セグメントの営業実績の概要は、次のとおりです。なお、各セグメントの営業実績の記載における営業収益・営業費用・営業利益は、セグメント間取引を含んでいます。また、当社グループは電気通信事業等の事業を行っており、生産、受注といった区分による表示が困難であるため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の状況については各セグメントの営業業績に関連付けて示しています。
①移動通信事業セグメント
移動通信事業では、5Gサービスや新料金プラン「ahamo」を含めた携帯電話サービス及び「ドコモ光」等の販売を推進したほか、スマートライフ領域においては、さまざまな事業者とのコラボレーションを推進し、新たな付加価値の提供に取り組みました。
《主な取り組み内容》
○ スマートフォン決済サービスの「d払い」や「dポイント」の取扱い店舗の拡大に努め、2021年3月末時点の「dポイントクラブ」会員数は8,195万会員、「dポイントカード」登録数は5,078万件となりました。
○ 5Gの特長を活かしたサービス、ソリューションの拡大に取り組みました。2020年11月、卓球のTリーグ開幕戦において全映像の5G伝送を行い、これまでにない臨場感ある新たな観戦体験を実現しました。また、5Gスマート工場であるSmart Smile Factoryを産学連携で開設し、遠隔MR(Mixed Reality)会議やバーチャル工場見学の機能を搭載しました。“人”中心のデジタルトランスフォーメーションを実現し、地理的要因やコロナ禍により課題となっていた社内外のコミュニケーションの活性化に貢献しています。
○ 一部の他社アプリを対象に、アカウントデータの移行や初期設定をサポートする「アプリ設定サポート」を、2020年12月から順次、全国のドコモショップで提供開始しました。
セグメント業績の概要(2020年4月1日~2021年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度
(2019年4月1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月1日から
2021年3月31日まで)
増減増減率
営業収益46,51347,2527391.6%
移動音声関連サービス9,76311,2761,51315.5%
IP系・パケット通信サービス21,02519,851△1,174△5.6%
通信端末機器販売6,0825,757△325△5.3%
その他9,64210,3677257.5%
営業費用37,96638,1201530.4%
営業利益8,5479,1325866.9%

移動通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等による通信端末機器販売台数減少に伴う通信端末機器販売収入の減少や、「ギガホ」「ギガライト」等のお客さま還元の拡大によるIP系・パケット通信サービス収入の減少があったものの、「月々サポート」による割引の終了に伴う増収や、金融・決済サービス拡大や会計制度要因等に伴うスマートライフ領域の増収等の影響により4兆7,252億円(前期比1.6%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、通信端末機器販売台数減少に伴う通信端末機器原価の減少があったものの、減価償却費やポイント経費の増加等により3兆8,120億円(前期比0.4%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は9,132億円(前期比6.9%増)となりました。
移動通信事業セグメントの契約数及び市場シェア (単位:千契約)
サービスの種類2020年3月31日現在2021年3月31日現在増減増減率
携帯電話サービス80,32682,6322,3062.9%
5Gサービス143,0913,07721242.9%
LTE(Xi)サービス61,66464,2102,5474.1%
FOMAサービス18,64815,331△3,317△17.8%
携帯電話市場シェア44.1%43.8%△0.3ポイント-
spモードサービス44,27346,3392,0664.7%
iモードサービス6,2044,291△1,913△30.8%
ぷらら(ISP)3,9383,94680.2%
ひかりTV2,9832,947△35△1.2%

(注)1.携帯電話サービス契約数、LTE(Xi)サービス契約数及びFOMAサービス契約数には、MVNOとの契約及び通信モジュールサービス契約数を含めて記載しています。
(注)2.他社契約数については、一般社団法人電気通信事業者協会及び各社が発表した数値を基に算出しています。
2021年3月31日現在、NTTドコモの携帯電話サービスの契約数は8,263万契約となり、前期末時点の8,033万契約から1年間で231万契約増加しました。また、解約率は前期比0.06ポイント減少し、0.48%となりました。
携帯電話サービスにおけるARPU及びMOU
区分前連結会計年度当連結会計年度増減増減率
総合ARPU(円)4,7404,8501102.3%
モバイルARPU(LTE(Xi)+FOMA)(円)4,2304,280501.2%
ドコモ光ARPU(円)5105706011.8%
MOU(分)13314186.0%

(注)携帯電話サービスにおけるMOUについては「(注)1.MOU(Minutes Of Use)」を、また、ARPUの算定式については「(注)3.ARPUの算定式(b)NTTドコモ」をご参照下さい。
2020年度における携帯電話総合ARPUは4,850円と、前期の4,740円に比べ110円(2.3%)増加しました。これは、ドコモ光ARPUが、「ドコモ光」契約者数の拡大等により570円となり、前期の510円に比べて60円(11.8%)増加し、モバイルARPUが、「月々サポート」による割引の終了に伴う増収影響等により4,280円となり、前期の4,230円に比べて50円(1.2%)増加したこと等によります。
②地域通信事業セグメント
地域通信事業では、光アクセスサービス等を様々な事業者に卸提供する「光コラボレーションモデル」や、地域社会・経済の活性化に向けたソリューションビジネスの強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○ 2020年7月、持続可能な畜産・酪農業の実現と地域活性化をめざし、株式会社ビオストックを設立しました。ICTを活用し、家畜の糞尿処理に係るさまざまな課題を解決できるバイオガスプラントの提供・運営や、次世代畜産・酪農ソリューションの提供に取り組んでいます。
○ eスポーツに係るソリューションの提供や、地域社会と経済活性への貢献等に取り組みました。ICT × eスポーツを通じて新しい文化・社会の創造をめざす交流施設(eXeField Akiba)を秋葉原に開業したほか、複数の自治体や大学と連携協定を締結し、eスポーツの普及促進や実証実験等を行いました。
○ 2020年11月、「特殊詐欺対策サービス」の提供を開始しました。通話内容を特殊詐欺解析AIが解析し、特殊詐欺であると疑われる場合には、注意喚起の電話やメールを送信する機能を提供するなど、お客さまが安心して電話をご利用いただけるよう取り組んでいます。
セグメント業績の概要(2020年4月1日~2021年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度
(2019年4月1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月1日から
2021年3月31日まで)
増減増減率
営業収益30,79932,0741,2754.1%
固定音声関連サービス10,0619,503△558△5.5%
IP系・パケット通信サービス14,89715,4415433.6%
通信端末機器販売766695△71△9.2%
システムインテグレーションサービス2,0612,92786542.0%
その他3,0133,50849516.4%
営業費用26,91627,8729563.6%
営業利益3,8834,2023198.2%

地域通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、固定音声関連サービス収入の減少等があったものの、光回線の純増等によるIP系・パケット通信サービス収入の増加やシステムインテグレーションサービス収入の増加等により3兆2,074億円(前期比4.1%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、収益連動費用の増加等により2兆7,872億円(前期比3.6%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は4,202億円(前期比8.2%増)となりました。
加入電話及びINSネットの契約数 (単位:千加入/回線)
サービスの種類2020年3月31日現在2021年3月31日現在増減増減率
(NTT東日本)
加入電話7,5287,051△477△6.3%
INSネット982892△90△9.2%
(NTT西日本)
加入電話7,6157,052△564△7.4%
INSネット960875△85△8.9%

(注)1.加入電話は、一般加入電話とビル電話を合算しています(加入電話・ライトプランを含む)。
2.「INSネット」には、「INSネット64」及び「INSネット1500」が含まれています。「INSネット1500」は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)のいずれについても「INSネット64」の10倍程度であることから、「INSネット1500」の1契約を「INSネット64」の10倍に換算しています(INSネット64・ライトを含む)。
加入電話やINSネットについて、お客さまのニーズが携帯電話、IP電話、ブロードバンドアクセスサービス、OTT事業者が提供する無料又は低価格の通信サービス等へと移行していること等に伴い、2021年3月31日現在の固定電話契約数(固定電話+INSネット)は、前期比1,216千契約減少し、15,869千契約となりました。
フレッツ光(コラボ光含む)、フレッツ・ADSL、ひかり電話、フレッツ・テレビ伝送サービスの契約数
(単位:千契約)
サービスの種類2020年3月31日現在2021年3月31日現在増減増減率
(NTT東日本)
フレッツ光(コラボ光含む)12,24012,7274884.0%
(再掲)コラボ光8,1498,9187699.4%
フレッツ・ADSL201160△40△20.2%
ひかり電話(千チャネル)9,94010,018780.8%
フレッツ・テレビ伝送サービス1,0821,121393.6%
(NTT西日本)
フレッツ光(コラボ光含む)9,4189,8374184.4%
(再掲)コラボ光5,7396,32858910.3%
フレッツ・ADSL282221△61△21.7%
ひかり電話(千チャネル)8,5638,6741111.3%
フレッツ・テレビ伝送サービス747795486.5%

(注)1.「フレッツ光(コラボ光含む)」はNTT東日本の「フレッツ 光クロス」、「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しています。
2.「ひかり電話」、「フレッツ・テレビ伝送サービス」は、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しています。
2021年3月31日現在の「フレッツ光(コラボ光含む)」の契約数は、「光コラボレーションモデル」の展開等に取り組んだ結果、22,564千契約(前期比906千契約(4.2%)増)、「ひかり電話」の契約数は、18,692千チャネル(前期比190千チャネル(1.0%)増)、「フレッツ・テレビ」の契約数は、1,916千契約(前期比88千契約(4.8%)増)となりました。
固定通信サービスにおける固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)及びフレッツ光ARPU (単位:円)
サービスの種類前連結会計年度当連結会計年度増減増減率
(NTT東日本)
固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)2,5102,490△ 20△0.8%
フレッツ光ARPU4,7904,690△ 100△2.1%
基本利用料ARPU3,4703,410△ 60△1.7%
付加サービスARPU1,3201,280△ 40△3.0%
(NTT西日本)
固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)2,5002,470△ 30△1.2%
フレッツ光ARPU4,8204,740△ 80△1.7%
基本利用料ARPU3,3203,290△ 30△0.9%
付加サービスARPU1,5001,450△ 50△3.3%

(注)各ARPUについては、「(注)2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit)」「(注)3.ARPUの算定式 (a)NTT東日本、NTT西日本」をご参照下さい。
2020年度における固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)は、前期に比べ、NTT東日本が20円(0.8%)減少し2,490円、NTT西日本が30円(1.2%)減少し2,470円となりました。これらの原因は、移動体通話への移行、高利用者層のIP電話への移行等によるものです。
2020年度におけるフレッツ光ARPUは、前期に比べ、NTT東日本が100円(2.1%)減少し4,690円、NTT西日本が80円(1.7%)減少し4,740円となりました。これは、「光コラボレーションモデル」の進展に伴う単金減等によるものです。
③長距離・国際通信事業セグメント
長距離・国際通信事業では、ネットワーク、セキュリティ等を組み合わせたICTソリューションの提供力を強化したほか、クラウドサービスやマネージドサービスといった成長分野でのサービス提供力の強化を図りました。
《主な取り組み内容》
○ 世界各地でのクラウドサービスやデータセンターの需要に対応するため、市場拡大の続く各国において、サービス提供体制の拡充を進めました。NTTコミュニケーションズは、お客さまの需要に継続して応えるため、2020年9月、東京第11データセンターの提供を開始しました。また、グローバル事業会社であるNTT Ltd.は、インド、イギリス、アメリカ、ドイツ、マレーシアに新たなデータセンターを開設しました。NTTグループは、20以上の国と地域で、約160拠点のデータセンターを運営する世界トップクラスのデータセンター事業者となっています。
○ 国立大学法人千葉大学医学部附属病院と、秘密計算ディープラーニング等の技術を活用した臨床データ分析の共同研究を開始しました。この共同研究を通じて、臨床研究データを安心安全に収集、分析するための高レベルな情報セキュリティ環境を構築します。
○ 2020年8月、リモートワークにおけるコミュニケーションを活性化するオンラインワークスペース「NeWork」の提供を開始しました。立ち話感覚での相談や雑談等を活性化できるようにデザインされた、リモートワークにおけるコミュニケーションや生産性向上に貢献するサービスです。
セグメント業績の概要(2020年4月1日~2021年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度
(2019年4月1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月1日から
2021年3月31日まで)
増減増減率
営業収益22,05820,656△1,401△6.4%
固定音声関連サービス2,0791,961△119△5.7%
IP系・パケット通信サービス4,1834,197140.3%
通信端末機器販売110298187169.7%
システムインテグレーションサービス14,42613,209△1,217△8.4%
その他1,259992△267△21.2%
営業費用21,02219,194△1,828△8.7%
営業利益1,0361,46242641.2%

長距離・国際通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、グローバル事業会社のNTT Ltd.の一部収入の会計処理方法の変更に伴う減収や、新型コロナウイルス感染拡大の影響等による海外を中心としたシステムインテグレーションサービス収入の減少に伴う減収等により2兆656億円(前期比6.4%減)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、前年度実施した海外における構造改革等のコスト削減等により1兆9,194億円(前期比8.7%減)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,462億円(前期比41.2%増)となりました。
長距離・国際通信事業セグメントにおけるIP系・パケット通信関連サービスの契約数 (単位:千契約)
サービスの種類2020年3月31日現在2021年3月31日現在増減増減率
OCN(ISP)7,1537,040△113△1.6%

④データ通信事業セグメント
データ通信事業では、グローバルでのデジタルトランスフォーメーション等の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応したデジタル化の提案、システムインテグレーション等の多様なITサービスの拡大と安定的な提供に取り組みました。
《主な取り組み内容》
○ 2020年4月、トヨタコネクティッド株式会社と、モビリティサービス事業領域における業務提携を開始しました。スマートシティ構想を視野に入れたモビリティサービス・プラットフォームの機能強化とコネクティッドカーの世界展開に向け、より一層のソフトウェア開発力の強化及び運用体制の拡充に取り組んでいます。
○ 北米、EMEA(欧州・中東・アフリカ)及び中南米において事業構造改革に取り組みました。北米では、デジタル人財とリスキル、リソースの最適化、オフィス等の統廃合を進めました。EMEA・中南米では、事業構造改革の成果により、欧州の国境管理システム管轄機関とITシステム開発に係る複数年契約を締結するなど、複数のデジタル案件を獲得しました。
○ 2021年2月、多様なニーズに応じて最適なプラットフォームを提供するクラウド基盤である、政府向けのコミュニティクラウドサービス「OpenCanvas for Government」の提供を開始しました。本サービス上で、行政・金融機関の連携によるキャッシュレスサービスをはじめとした新たなデジタルサービスの提供等、官民の魅力あるサービスの創出に貢献していきます。
セグメント業績の概要(2020年4月1日~2021年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度
(2019年4月1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月1日から
2021年3月31日まで)
増減増減率
営業収益22,66823,1875182.3%
システムインテグレーションサービス22,66823,1875182.3%
営業費用21,35921,7954362.0%
営業利益1,3091,392826.3%

データ通信事業セグメントにおける当連結会計年度の営業収益は、国内における公共・社会基盤分野及び金融分野を中心としたビジネス規模拡大等により2兆3,187億円(前期比2.3%増)となりました。一方、当連結会計年度の営業費用は、収益連動費用の増加等により2兆1,795億円(前期比2.0%増)となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は1,392億円(前期比6.3%増)となりました。
⑤その他の事業セグメント
その他の事業では、主に不動産事業、金融事業、電力事業、システム開発事業に係るサービスを提供しました。
《主な取り組み内容》
○ 不動産事業
NTTグループの不動産事業を一元的に担うNTTアーバンソリューションズ株式会社を中心に、オフィス・商業事業や住宅事業、グローバル事業を推進しました。2020年6月に原宿や京都において複合施設を開業したほか、仙台市の都心部活性化に向けた連携協定を締結するなど、地域社会の街づくりに貢献しました。
○ 金融事業
NTTファイナンス株式会社を中心に、通信サービス料金等の請求・回収、クレジットカード決済サービスの提供等を行いました。
○ 電力事業
スマートエネルギー事業を推進するNTTアノードエナジー株式会社を中心に、再生可能エネルギー発電の拡大、NTTグループが持つ資産を活用した新たな電力供給ソリューションの提供等を通じ、エネルギーのグリーン化等を推進しました。
○ システム開発事業
デジタルトランスフォーメーションの実現に向けて、新規サービスのプラットフォームとなるITシステム群等の開発・導入を推進しました。また、社会インフラの効率的維持・地域の活性化等、社会課題解決ソリューションの開発に取り組みました。
セグメント業績の概要(2020年4月1日~2021年3月31日) (単位:億円)
前連結会計年度
(2019年4月1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月1日から
2021年3月31日まで)
増減増減率
営業収益16,01714,671△1,346△8.4%
営業費用15,10814,023△1,085△7.2%
営業利益909648△261△28.7%

その他の事業セグメントにおいては、リース事業分社化の影響等により、当連結会計年度の営業収益は1兆4,671億円(前期比8.4%減)となり、営業費用は1兆4,023億円(前期比7.2%減)となりました。この結果、営業利益は648億円(前期比28.7%減)となりました。
(参考)国内売上高及び海外売上高に関する情報
(単位:億円)
前連結会計年度
(2019年4月1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月1日から
2021年3月31日まで)
増減増減率
営業収益118,994119,4404460.4%
国内96,75899,0392,2812.4%
海外22,23620,401△1,836△8.3%

(注)営業収益は、製品及びサービスの提供先別に国内・海外を分類しています。
国内における当連結会計年度の営業収益は、移動通信事業セグメントにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等による通信端末機器販売台数の減少や、お客さま還元の拡大による減収があったものの、「月々サポート」による割引の終了に伴う増収やシステムインテグレーションサービス収入の増加等の影響により9兆9,039億円(前期比2.4%増)となりました。海外における当連結会計年度の営業収益は、長距離・国際通信事業セグメントにおける会計処理方法の変更に伴う減収や、新型コロナウイルス影響等による海外を中心としたシステムインテグレーションサービス収入の減少等により2兆401億円(前期比8.3%減)となりました。
(注)
1.MOU(Minutes Of Use):1利用者当たり月間平均通話時間
2.ARPU(Average monthly Revenue Per Unit):1契約者(利用者)当たり月間平均収入
契約者(利用者)当たりの月間平均収入(ARPU)は、契約者(利用者)1人当たりの平均的な月間営業収益を計るために使われます。固定通信事業の場合、ARPUは、地域通信事業セグメントの営業収益のうち、固定電話(加入電話及びINSネット)並びに「フレッツ光」の提供により毎月発生する収入を、当該サービスの稼動契約数で除して計算されます。移動通信事業の場合、ARPUは、移動通信事業セグメントの営業収益のうち、携帯電話(LTE(Xi))、携帯電話(FOMA)、及び「ドコモ光」のサービス提供により発生する通信サービス収入(一部除く)を、当該サービスの稼動利用者数で除して計算されます。これら数字の計算からは、各月の平均的な利用状況を表さない端末機器販売、契約事務手数料、ユニバーサルサービス料等は除いています。こうして得られたARPUは、各月のお客さまの平均的な利用状況を把握する上で有用な情報を提供するものであると考えております。なお、ARPUの分子に含まれる収入は、IFRSによる連結決算値を構成する財務数値により算定しています。
3.ARPUの算定式
(a) NTT東日本、NTT西日本
NTT東日本及びNTT西日本のARPUは、以下の2種類に分けて計算しています。
・音声伝送収入(IP系除く)に含まれる加入電話とINSネットの基本料、通信・通話料、及びIP系収入に含まれる「フレッツ・ADSL」、「フレッツ・ISDN」からの収入に基づいて計算される固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)。
・IP系収入に含まれる「フレッツ光」、「フレッツ光」のオプションサービスからの収入、「ひかり電話」における基本料・通信料・機器利用料、及び附帯事業営業収益に含まれる「フレッツ光」のオプションサービス収入に基づいて計算されるフレッツ光ARPU。
※1 「フレッツ光」は、NTT東日本の「フレッツ 光クロス」、「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含めて記載しています。「フレッツ光」のオプションサービスは、NTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービスを含めて記載しています。
※2 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)及びフレッツ光ARPUには、相互接続通話料は含まれていません。
※3 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上の契約数は、固定電話(加入電話及びINSネット)の契約数です。
※4 固定電話総合ARPU(加入電話+INSネット)の算定上、INSネット1500の契約数は、チャネル数、伝送速度、回線使用料(基本料)のいずれについてもINSネット64の10倍程度であることから、INSネット1500の1契約をINSネット64の10倍に換算しています。
※5 フレッツ光ARPU算定上の契約数は、「フレッツ光」の契約数(「フレッツ光」は、NTT東日本の「フレッツ 光クロス」、「Bフレッツ」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光ライト」、「フレッツ 光ライトプラス」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、NTT西日本の「フレッツ 光クロス」、「フレッツ 光ネクスト」、「フレッツ 光マイタウン ネクスト」、「フレッツ 光ライト」及び「フレッツ 光WiFiアクセス」、並びにNTT東日本及びNTT西日本がサービス提供事業者に卸提供しているサービス(コラボ光)を含む)です。
※6 NTT東日本及びNTT西日本におけるARPU算出時の稼動契約数の計算式は、以下のとおりです。
通期実績:4月~3月までの各月稼動契約数{(前月末契約数+当月末契約数)/2}の合計
(b) NTTドコモ
NTTドコモのARPUの計算式は、以下のとおりです。
・総合ARPU:モバイルARPU+ドコモ光ARPU
※1 ・モバイルARPU:モバイルARPU関連収入(基本使用料、通話料、通信料)/稼動利用者数
・ドコモ光ARPU:ドコモ光ARPU関連収入(基本使用料、通話料)/稼動利用者数
※2 NTTドコモにおけるARPU算出時の稼動利用者数の計算式は、以下のとおりです。
当該期間の各月稼動利用者数{(前月末利用者数+当月末利用者数)/2}の合計
※3 利用者数は、以下のとおり、契約数を基本としつつ、一定の契約数を除外して算定しています。
利用者数 = 契約数
-通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」並びにMVNOへ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る契約数
-5G契約、Xi契約及びFOMA契約と同一名義のデータプラン契約数
なお、通信モジュールサービス、「電話番号保管」、「メールアドレス保管」、「ドコモビジネストランシーバー」、MVNOへ提供する卸電気通信役務及び事業者間接続に係る収入並びに「dポイント」等に係る収入影響等は、ARPUの算定上、収入に含まれておりません。
(3)流動性及び資金の源泉
前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー
(注)2
29,95230,091
営業活動によるキャッシュ・フロー
(休日影響(注)1を除く)(注)2
27,71530,091
投資活動によるキャッシュ・フロー△18,527△14,245
財務活動によるキャッシュ・フロー
(注)2
△10,413△16,895
現金及び現金同等物の期末残高10,3369,357

(注)1.前々期末日が休日だったことから、通信サービス料金等の支払期限が月末から翌月初に後倒しとなった影響
2,237億円。
2.前連結会計年度以降はIFRS16号影響を含んだ額。
資金調達及び資金の源泉と使途
当連結会計年度の営業活動によって得たキャッシュ・フローは、3兆91億円となり、休日影響を除いた場合の前連結会計年度の2兆7,715億円から2,375億円増加しております。 これはEBITDAの改善や、運転資本の改善によるものであります。
NTTグループは、営業活動によって得たキャッシュ・フローを主に設備の取得、配当金の支払、自己株式の取得等に充てました。
当連結会計年度の投資活動に充てたキャッシュ・フローは、1兆4,245億円となり、前連結会計年度の1兆8,527億円から支出が4,282億円減少しております。これは、有形固定資産、無形資産及び投資不動産に対する投資が現金支出ベースで612億円減少したことや、貸付金の回収による収入が6,727億円増加した一方で、投資の売却による収入が2,522億円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度の有形固定資産、無形資産及び投資不動産に対する投資の減少は、移動通信事業においてLTE等の投資効率化により投資が減少したこと、その他の事業において街づくり事業の投資が減少したこと等によります。なお、当連結会計年度の発生主義に基づく設備投資額1兆7,283億円の主な内訳は移動通信事業が5,691億円、地域通信事業が5,274億円でした。
当連結会計年度の財務活動に充てたキャッシュ・フローは、1兆6,895億円となり、前連結会計年度の1兆413億円から支出が6,483億円増加しております。これは、非支配持分からの子会社株式取得による支出が3兆8,848億円増加した一方で、借入債務による収入が2兆8,054億円増加したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度の長期借入による資金調達の内訳は、社債による調達が2兆1,469億円、金融機関借入による調達が5,116億円となっております。
また、2021年3月31日現在のNTTグループの有利子負債残高は7兆6,243億円であり、2020年3月31日現在の4兆6,999億円から2兆9,244億円増加しました。2021年3月31日現在の有利子負債の株主資本に対する比率は100.8%(2020年3月31日現在は51.9%)となりました。
NTTグループは、営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、銀行やその他の金融機関からの借入金、あるいは、資本市場における株式や債券の発行により、将来にわたって現在予測される設備投資とその他の支出や負債の支払に必要な財源が確保できると確信しております。
翌連結会計年度は、移動通信事業、地域通信事業において、ネットワーク関連投資を中心とした効率化に取り組む一方で、街づくり事業やエネルギー事業等の新事業に関する投資が増加すること等により、発生主義に基づく設備投資額を1兆7,500億円と見込んでおります。その内訳は、移動通信事業が5,500億円、地域通信事業が5,100億円等となっております。設備投資は確実な予測が困難な需要動向、競争環境及びその他の要因に影響を受けるため、予想とは異なることもありえます。なお、NTTグループの実際の資金調達額は、将来の事業運営、市場状況、その他の要因によって変化するため、正確に予測することは困難であります。
流動性
2021年3月31日現在のNTTグループの現金及び現金同等物残高は9,357億円であり、2020年3月31日現在の1兆336億円から978億円減少しました。現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。
契約上の債務
下記の表は、2021年3月31日現在におけるNTTグループの契約上の債務をまとめたものであります。
(単位:百万円)

負債・債務の内訳支払い期限ごとの債務額
総 額1年以内1年超
5年以内
5年超
契約上の債務
長期借入債務 (注)14,857,589401,8652,296,2842,159,440
社債2,712,777183,1211,128,3281,401,328
銀行からの借入金2,144,812218,7441,167,956758,112
長期借入債務に係る支払利息186,11429,18196,09060,843
リース負債 (注)2898,756203,240367,672327,844
購入コミットメント (注)358,57728,69025,3604,527
その他の固定負債 (注)4----

(注)1.長期借入債務には1年以内に返済予定のものを含めて表示しております。長期借入債務の詳細については、連結財務諸表「注記4.5. 短期借入債務及び長期借入債務」参照。
2.リース負債には利息相当額を含んでおります。
3.購入コミットメントは主に有形固定資産その他の資産の購入に関する契約債務であります。なお、残余期間が1年内の購入コミットメントを含んでおりますが、解約可能な購入コミットメントを除いております。
4.その他の固定負債は重要性がない、あるいは支払時期が不確実であるため、上表に金額を記載しておりません。なお、連結財務諸表「注記3.11. 従業員給付」に記載のとおり、NTTグループの年金制度に対して、翌連結会計年度に合計15,978百万円の拠出を見込んでおります。
2021年3月31日現在、NTTグループの有形固定資産及びその他資産の購入等に係る契約債務残高は約586億円となっており、営業活動によって得たキャッシュ・フローによりこれらの売買契約代金の支払をする予定であります。
(4)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断については、連結財務諸表「注記1.4. 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」参照。