有価証券報告書-第65期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 15:33
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の日本経済は、雇用・所得環境が改善する下で、設備投資や個人消費などで回復の動きが見られました。一方、中東情勢の影響や、金融資本市場の変動の影響、アメリカの通商政策をめぐる動向などに留意が必要な状況が続きました。
このような状況において、当社グループは、「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築をめざし、「セコムグループ2030年ビジョン」の実現に取り組んできました。また、ビジョン実現に向けて今後の目指すべき方向性をより明確化し、成長をさらに確かなものとするために「セコムグループ ロードマップ2027」を策定し、各種取り組みを積極的に展開しました。なお、社会課題の複雑化が一層加速するなかで、2040年に向けて目指す方向を明確にするために、2026年5月に「セコムグループ2040年ビジョン」を策定しました。詳細については、2026年5月12日公表の「セコムグループ2040年ビジョン策定のお知らせ」をご参照ください。
2025年3月には、セキュリティロボット「cocobo」が遠隔操作型小型車の適合審査に合格し、警備会社が提供するロボットとして初めて公道を含む道路の走行が可能になりました。これにより、敷地周辺の公道で昼夜を問わず活用できるようになり、人とロボットの力を融合させた高度なセキュリティをより多くの場所に提供いたしました。また7月には、家庭向けAEDとしては日本初となるオートショック機能を搭載したAED「セコム・MyAED」を販売開始しました。2026年2月には、国内大手電気通信事業者と共同で陸上自衛隊向けリモート警備システムの構築を受託するなど、様々な取り組みを通じて、ますます多様化・高度化するお客様の安心ニーズに対し、きめ細やかな切れ目のないサービスを提供することに努めました。
2025年4月から10月にかけて開催された2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)では、会場内全域の人的警備で主要な役割を果たしたほか、監視カメラや入退室管理システムなどを多数導入し、安全な会場運営をサポートしました。
また、2025年10月には、世界各地で建設が相次いでいるデータセンターを運営する欧米企業などを中心に、強固な顧客基盤を持つグローバルセキュリティSI(注1)企業のAVTEL Holdings Pte. Ltd.を完全子会社化しました。
さらに、2025年12月には、国際的な環境NGOのCDPが2025年に実施した気候変動及び水セキュリティへの取り組みに関する調査において、最高評価となる「Aリスト」に2年連続でダブル選定されました。加えて、2025年10月と2026年2月には、日本経済新聞社の新たな株価指数である「日経平均株主還元株40指数」(注2)と「日経モート株指数」(注3)に選定されました。
(注1)グローバルセキュリティSI(System Integration):世界各地で事業展開するグローバル企業から、国・地域を跨いで統一した入退室管理システムや監視カメラ等のセキュリティシステムの導入コンサルティング、販売、工事等を請け負うサービス
(注2)日経平均株主還元株40指数:日経平均株価の構成銘柄(金融・不動産を除く)のうち株主還元利回りの高い40銘柄から構成される時価総額×利回りウエート方式の株価指数
(注3)日経モート株指数:東京証券取引所プライム市場に上場する銘柄(金融を除く)から「モート(経済の濠)」を備えるとみなされる30銘柄を選定した等ウエート方式の株価指数
セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業では、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、常駐警備や現金護送のサービスを提供するとともに、安全商品を販売しております。
事業所向けでは、防犯や防災をはじめ、従業員の就業管理などによる事業効率化に至るまで、企業の事業運営に有益な機能をオールインワンで提供するシステムセキュリティ「AZ」を提供しております。当連結会計年度は、「AZ」と監視カメラとの連携を強化し、セキュリティ機能および操作性の向上を図ることで拡販に努めました。また、従業員が店舗や訪問先などでカスタマーハラスメント被害にあった際、あらかじめ登録した上司に通報すると同時に音声を録音するアプリを開発し、10月から実証実験を開始しました。
家庭向けでは、防犯・防火ニーズに加え、お客様の生活スタイルに柔軟に対応でき、様々な機器と接続することでサービスを拡張できる「セコム・ホームセキュリティNEO」を提供しております。当連結会計年度は、「セコム・ホームセキュリティNEO」に顔認証機能を搭載した操作機器をラインアップし、操作性の向上とセキュリティ機能の強化を図ることで、ホームセキュリティシステムを積極的に拡販しました。
海外では、経済発展が続く東南アジアを中心に、緊急対処サービスや画像監視を特長とするセキュリティサービスの拡販に努めるとともに、最先端技術を取り込みながら機械警備のデジタルトランスフォーメーションを推進し、現地市場に適応したサービス、システムの開発・導入を推進しました。
当連結会計年度は事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したことおよび価格改定(値上げ)の影響や、常駐警備サービスの増収などにより、売上高は6,606億円(前期比4.3%増加)となり、営業利益は1,238億円(前期比7.7%増加)となりました。
防災事業では、オフィスビル、プラント、トンネル、文化財、船舶、住宅といった様々な施設に対し、お客様のご要望に応えた高品質な自動火災報知設備や消火設備などの各種防災システムを提供しております。当連結会計年度も、国内防災業界大手2社である能美防災株式会社およびニッタン株式会社が、それぞれの営業基盤や商品開発力などを活かした防災システムの受注に努めました。
当連結会計年度は火災報知設備などの増収により、売上高は1,868億円(前期比5.5%増加)となり、営業利益は原価率の改善により、247億円(前期比23.1%増加)となりました。
メディカルサービス事業では、訪問看護サービスや薬剤提供サービスなどの在宅医療サービスを中心として、シニアレジデンスの運営、電子カルテの提供、医療機器・医薬品等の販売、介護サービス、医療機関向け不動産賃貸等様々なメディカルサービスを提供しております。
当連結会計年度は医療機器・医薬品の販売が好調だったことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt. Ltd.の増収などにより、売上高は920億円(前期比6.8%増加)となり、営業利益は62億円(前期比15.6%増加)となりました。
保険事業では、当連結会計年度もセキュリティシステム導入によるリスク軽減を保険料に反映した事業所向けの「火災保険セキュリティ割引」や家庭総合保険「セコム安心マイホーム保険」、ガン治療費の実額を補償する「自由診療保険メディコム」、セコムの緊急対処員が要請に応じて事故現場に急行するサービスを付帯した自動車総合保険「セコム安心マイカー保険」など、当社グループならではの保険の販売を推進しました。
当連結会計年度はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」および自動車保険の販売が堅調に推移したこと、運用収益の増収などにより、売上高は654億円(前期比10.2%増加)となり、営業利益は自然災害による損害の減少、販売費及び一般管理費の減少などにより、59億円(前期比41.2%増加)となりました。
地理空間情報サービス事業では、航空機や車両、人工衛星などを利用した測量や計測で地理情報を集積し、加工・処理・解析した空間情報サービスを、国および地方自治体などの公共機関や民間企業、さらには新興国や発展途上国を含めた諸外国政府機関に提供しております。
当連結会計年度は国内公共部門の増収により、売上高は606億円(前期比3.9%増加)となり、営業利益は国内公共部門の原価率の改善、販売費及び一般管理費の減少により、53億円(前期比55.9%増加)となりました。
BPO・ICT事業では、データセンターを中核に、セコムならではのBCP(事業継続計画)支援や情報セキュリティ、クラウドサービス、認証サービスの提供に加えて、コンタクトセンター業務を含む様々なBPO業務の受託・運営を行っています。
当連結会計年度はデータセンター事業の増収およびサーバーなどの機器販売が好調だったことなどにより、売上高は1,299億円(前期比1.1%増加)となり、営業利益は前連結会計年度に稼働開始した新たなデータセンターの影響などによる原価の増加により、89億円(前期比1.9%減少)となりました。
その他事業には、不動産賃貸および建築設備工事などが含まれます。
当連結会計年度は売上高は613億円(前期比7.6%増加)となり、営業利益は92億円(前期比7.6%増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結売上高はすべての事業セグメントの増収により、1兆2,568億円(前期比4.7%増加)となり、営業利益は1,603億円(前期比11.1%増加)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益が123億円減少したことなどにより、1,821億円(前期比4.0%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,126億円(前期比4.2%増加)となりました。
なお、当連結会計年度の売上高、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも過去最高を達成することができました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末の総資産は、前期末比845億円(3.9%)増加の2兆2,301億円となりました。
流動資産は、有価証券が114億円(32.9%)増加の463億円、受取手形、売掛金及び契約資産が110億円(6.5%)増加の1,809億円、仕掛品が72億円(105.0%)増加の141億円、現金及び預金が137億円(3.4%)減少の3,949億円となり、流動資産合計は前期末比128億円(1.3%)増加の9,816億円となりました。
固定資産は、投資有価証券が451億円(10.4%)増加の4,808億円、有形固定資産が152億円(3.4%)増加の4,644億円、退職給付に係る資産が114億円(15.7%)増加の847億円となり、固定資産合計は前期末比717億円(6.1%)増加の1兆2,484億円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前期末比326億円(4.7%)増加の7,304億円となりました。
流動負債は、支払手形及び買掛金が77億円(18.8%)増加の488億円、未払法人税等が63億円(24.4%)増加の321億円、現金護送業務用預り金が43億円(3.6%)増加の1,253億円、未払消費税等が40億円(42.7%)増加の136億円となり、流動負債合計は前期末比260億円(6.9%)増加の4,053億円となりました。
固定負債は、保険契約準備金が25億円(1.4%)増加の1,929億円、繰延税金負債が25億円(9.9%)増加の278億円となり、固定負債合計は前期末比65億円(2.1%)増加の3,250億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が715億円(5.8%)の増加、自己株式が599億円(33.9%)の減少、その他有価証券評価差額金が266億円(69.0%)の増加、退職給付に係る調整累計額が43億円(58.0%)の増加、非支配株主持分が77億円(4.4%)の増加となり、純資産合計は前期末比519億円(3.6%)増加の1兆4,996億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の59.2%から58.9%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の3,056.12円から3,250.15円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の状況は、以下のとおりであります。
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー167,842203,56635,723
投資活動によるキャッシュ・フロー△100,798△ 88,60712,190
財務活動によるキャッシュ・フロー△ 85,246△118,110△ 32,864
現金及び現金同等物に係る換算差額2,4321,422△ 1,009
現金及び現金同等物の増減額△ 15,769△ 1,72914,039
現金及び現金同等物の期首残高424,173408,404△ 15,769
現金及び現金同等物の期末残高408,404406,675△ 1,729

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、全体で2,035億円の資金の増加(前連結会計年度は1,678億円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益1,800億円、減価償却費739億円であります。また、主な資金の減少要因は、法人税等の支払額506億円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体で886億円の資金の減少(前連結会計年度は1,007億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出704億円、投資有価証券の取得による支出336億円、無形固定資産の取得による支出200億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得100億円であります。また、主な資金の増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入467億円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体で1,181億円の資金の減少(前連結会計年度は852億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、自己株式の増加額600億円、配当金の支払額411億円であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ17億円減少して4,066億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
セキュリティサービス事業11,59415.28,65156.7
防災事業208,65813.2109,67224.8
地理空間情報サービス事業60,7293.426,6060.3
BPO・ICT事業7,2563.51,537△ 7.4
その他事業14,30127.38,8716.1
合計302,54111.5155,34019.5

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)
(百万円)
前期比(%)
セキュリティサービス事業660,6024.3
防災事業186,8845.5
メディカルサービス事業92,0866.8
保険事業65,40110.2
地理空間情報サービス事業60,6453.9
BPO・ICT事業129,9011.1
その他事業61,3757.6
合計1,256,8964.7

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(概要)
当社グループは、セキュリティサービスを中心に防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、不動産賃貸などの事業活動全般にわたってサービスの拡充、営業の拡大、システムの構築、商品の開発に努めるなど、積極的な事業展開を図ってまいりました。
当連結会計年度における連結売上高はすべての事業セグメントの増収により、1兆2,568億円(前期比4.7%増加)となり、営業利益は1,603億円(前期比11.1%増加)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益が123億円減少したことなどにより、1,821億円(前期比4.0%増加)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,126億円(前期比4.2%増加)となりました。
(売上高)
すべての事業セグメントの増収により、売上高は前期比4.7%増加の1兆2,568億円となりました。各事業セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティサービス事業が52.6%、防災事業が14.9%、メディカルサービス事業が7.3%、保険事業が5.2%、地理空間情報サービス事業が4.8%、BPO・ICT事業が10.3%、その他事業が4.9%となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は、前期比3.5%増加の8,580億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の69.1%から68.3%になりました。
販売費及び一般管理費は、前期比5.1%増加の2,384億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の18.9%から19.0%になりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業利益は1,603億円(前期比11.1%増加)となりました。
(経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、米国などにおける投資事業組合運用益の減少などにより、営業外収益が前期比97億円(26.7%)減少となり、営業外費用が前期比7億円(12.9%)減少したことにより、経常利益は1,821億円(前期比4.0%増加)となりました。
法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計は519億円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は前連結会計年度の28.3%から28.9%に上昇しました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益が前期比17億円(10.2%)減少の154億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,126億円(前期比4.2%増加)となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度と同率の9.0%になりました。また、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の259.97円から276.17円、ROEは前連結会計年度と同率の8.7%となりました。
なお、当社は、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業は、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したことおよび価格改定(値上げ)の影響や、常駐警備サービスの増収などにより、売上高は6,737億円(前期比4.2%増加)となり、営業利益は1,238億円(前期比7.7%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の17.8%から18.4%になりました。
資産は、長期貸付金などが減少しましたが、短期貸付金、退職給付に係る資産、仕掛品、無形固定資産、有形固定資産、リース債権及びリース投資資産などの増加により、1兆112億円(前期比2.3%増加)となりました。
防災事業は、火災報知設備などの増収により、売上高は1,899億円(前期比5.0%増加)となり、営業利益は原価率の改善により、247億円(前期比23.1%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の11.1%から13.0%になりました。
資産は、現金及び預金などが減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産、有形固定資産、投資有価証券、無形固定資産、退職給付に係る資産などの増加により、2,256億円(前期比8.9%増加)となりました。
メディカルサービス事業は、医療機器・医薬品の販売が好調だったことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt. Ltd.の増収などにより、売上高は921億円(前期比6.8%増加)となり、営業利益は62億円(前期比15.6%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の6.3%から6.8%になりました。
資産は、受取手形、売掛金及び契約資産などが増加しましたが、短期貸付金、長期貸付金などの減少により、1,428億円(前期比0.3%減少)となりました。
保険事業は、セコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」および自動車保険の販売が堅調に推移したこと、運用収益の増収などにより、売上高は686億円(前期比10.0%増加)となり、営業利益は自然災害による損害の減少、販売費及び一般管理費の減少などにより、59億円(前期比41.2%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の6.8%から8.7%になりました。
資産は、コールローン、現金及び預金などが減少しましたが、投資有価証券などの増加により、2,770億円(前期比8.2%増加)となりました。
地理空間情報サービス事業は、国内公共部門の増収により、売上高は608億円(前期比4.0%増加)となり、営業利益は国内公共部門の原価率の改善、販売費及び一般管理費の減少により、53億円(前期比55.9%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の5.9%から8.9%になりました。
資産は、現金及び預金、投資有価証券などが減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産、退職給付に係る資産などの増加により、705億円(前期比2.5%増加)となりました。
BPO・ICT事業は、データセンター事業の増収およびサーバーなどの機器販売が好調だったことなどにより、売上高は1,396億円(前期比0.4%増加)となり、営業利益は前連結会計年度に稼働開始した新たなデータセンターの影響などによる原価の増加により、89億円(前期比1.9%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の6.6%から6.4%になりました。
資産は、無形固定資産などが減少しましたが、有形固定資産、現金及び預金などの増加により、1,931億円(前期比1.6%増加)となりました。
その他事業は、売上高は626億円(前期比6.8%増加)となり、営業利益は92億円(前期比7.6%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の14.7%から14.8%になりました。
資産は、短期貸付金などが減少しましたが、現金及び預金、有形固定資産、リース債権及びリース投資資産などの増加により、1,568億円(前期比2.8%増加)となりました。
なお、以上のセグメント売上高および営業損益はセグメント間取引を含む数値であり、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(経営成績の状況)」に記載した売上高(セグメント間取引を含まない外部顧客に対する売上高)とは一致しません。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(財政状態の状況)」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が506億円となりましたが、税金等調整前当期純利益が1,800億円、減価償却費が739億円となったことなどにより、全体では2,035億円の資金の増加となりました。
前連結会計年度との比較では、棚卸資産の増減額が前連結会計年度の7億円の減少に対し89億円の増加となりましたが、投資事業組合運用益が123億円減少、仕入債務の増減額が前連結会計年度の36億円の減少に対し59億円の増加、現金護送業務用現金預金及び預り金の増減額が前連結会計年度の48億円の減少に対し30億円の増加、未払消費税等の増減額が前連結会計年度の20億円の減少に対し37億円の増加、税金等調整前当期純利益が52億円増加、利息及び配当金の受取額が43億円増加となったことなどにより、営業活動から得た資金は前期比357億円(21.3%)の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入が467億円となりましたが、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出704億円、投資有価証券の取得による支出336億円、無形固定資産の取得による支出200億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得100億円となったことなどにより、全体では886億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、投資有価証券の取得による支出が172億円増加、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得が94億円増加となりましたが、投資有価証券の売却及び償還による収入が251億円増加、定期預金の増減額が前連結会計年度の127億円の増加に対し31億円の減少となったことなどにより、投資活動に使用した資金は前期比121億円(12.1%)の減少となりました。
この結果、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの純額)は、1,149億円の資金の増加(前連結会計年度は670億円の資金の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の増加額600億円、配当金の支払額411億円となったことなどにより、全体では1,181億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、自己株式の増加額が299億円増加、短期借入金の純増減額が前連結会計年度の41億円の増加に対し34億円の減少となったことなどにより、財務活動に使用した資金は前期比328億円(38.6%)の増加となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比17億円(0.4%)減少の4,066億円となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
第61期2022年3月期第62期2023年3月期第63期2024年3月期第64期2025年3月期第65期2026年3月期
自己資本比率(%)58.858.558.859.258.9
時価ベースの
自己資本比率(%)
101.488.1110.998.6109.5
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率(年)
0.40.40.40.40.3
インタレスト・
カバレッジ・レシオ
195.9165.6152.4126.8138.4

※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりであります。
当社グループは、柔軟な事業活動を行い、強固な財務基盤を保つために、高い流動性を維持することを基本方針としております。また、「社会システム産業」の構築に向けて、営業活動から得た資金や、市場調達および金融機関からの借入等により調達した資金で、積極的に事業投資活動を行っております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は687億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,066億円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告金額に影響を与える判断、見積りの設定を行うことが必要となります。これらの見積りは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 有形固定資産
当社グループでは、有形固定資産の評価において、減損損失の兆候がある場合には、減損の判定を行っています。事業用資産においては管理会計上の区分で資産グルーピングを行い、賃貸不動産および遊休資産などは個別物件単位で区分を行い、当連結会計年度で収益性が著しく低下した場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、資産グループの回収可能価額の見積りは、処分価額、不動産鑑定評価額などで算出する正味売却価額、将来キャッシュ・フロー、割引率などで算出する使用価値などにより測定しております。正味売却価額上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資産グループの使用期間中および使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率などの仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
b. のれん及びその他無形資産
当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産の評価において、減損損失の兆候がある場合には、減損の判定を行っています。のれん及びその他の無形固定資産の回収可能価額の見積りや減損判定に当たっては、必要に応じて外部専門家などによる評価を活用しております。なお、回収可能価額の測定で使用する、将来キャッシュ・フロー、割引率などの仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
c. 貸倒引当金
当社グループでは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、過去の実績、将来の見通し等を総合的に勘案して見積もられた回収不能見込額を、貸倒引当金として計上しております。回収不能見込額の見積りにおいて使用される仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収不能見込額が増減し、貸倒引当金を増額または減額する可能性があります。
d. 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、将来の課税所得の見積りにあたっては、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されていますが、見積りは、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化などにより、影響を受ける可能性があり、また、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
e. 退職給付費用及び退職給付に係る負債
当社および当社と同一の退職給付制度を有する国内連結子会社においては、退職金制度と確定拠出型年金制度を採用しております。退職給付費用及び退職給付に係る負債について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定した割引率、予想昇給率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。これら年金数理計算の前提条件には将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって影響を受ける可能性があるため、前提条件と実際の結果が異なる場合、または前提条件の変更がある場合には、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。

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