有価証券報告書-第23期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱などによる世界経済の不確実性の影響があったものの、総じて雇用環境や所得環境の改善が続き、穏やかな回復基調で推移いたしました。一方で、第4四半期以降は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響があり、今後の景気の先行きは不透明な状況となりました。
当社グループは、音声認識ビジネスを人工知能などの付加により、価値を増幅させたBSR(超音声認識)ビジネスに進化させ、2020年3月期までのBSR導入期、2023年3月期までのBSR展開期、2026年3月期までのBSR拡大期を経て、BSR拡大期の最終年度で売上高200億円営業利益率30%を実現することを計画しております。
そのような中、BSR導入期3カ年の最終年度である当連結会計年度につきましては、今までの主力のプロダクト販売やソリューションビジネスというフロービジネスの拡大に加え、新たなAmiVoice®クラウドプラットフォーム(ACP)とAmiVoice®クラウドサービス(ACS)のサブスクリプションビジネスをスタートすることができました。その結果、音声認識市場ベンダー別売上金額シェア1位を5年連続で獲得し(株式会社アイ・ティ・アールの発行する市場調査レポート「ITR Market View : AI市場2019」)、当社の商品やサービスが音声認識市場の拡大を牽引し続けていることも証明しております。
また、アドバンスト・メディア単体では、コア事業体であるBSR1(第一の成長エンジン)が5年連続増収増益を達成し、増収増益構造を強化することができました。
売上高に関しましては、BSR1において、CTI事業部およびVoXT事業部が大幅に増収し前期比19.3%増となりました。また、BSR2(第二の成長エンジン)においては、ビジネス開発センターが大幅に増収したものの連結子会社のAMIVOICE THAI CO., LTD.と株式会社グラモが大幅に減収したこと等から、前期比5.5%増となりました。よって、当社グループ全体では、前期比11.5%の増収となりました。
損益に関しまして、営業利益につきましては、BSR1において、CTI事業部およびVoXT事業部が大きく増収する中で粗利益率も高水準を維持し前期比4.1%増の増益となりました。一方、BSR2において、連結子会社のAMIVOICE THAI CO., LTD.と株式会社グラモの赤字が拡大し、前期比で減益となりました。当社グループ全体では、本社移転関連費を計画どおり単体の増益でカバーしたものの、BSR2の大幅な減益が影響し、前期比で4.0%の減益となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、営業減益に加え、当連結会計年度では為替差損37百万円(前期は為替差益83百万円)を計上したこと等により、前期比でそれぞれ減益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,747百万円(前年同期は売上高4,256百万円)、営業利益695百万円(前年同期は営業利益724百万円)、経常利益815百万円(前年同期は経常利益909百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益692百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益947百万円)となりました。
音声事業の各分野別の状況は、以下のとおりであります。
BSR1の状況(連結調整前)
CTI事業部(BSR1)
コンタクトセンター市場において競合企業の参入はあるものの、当社のAI音声認識ソリューション「AmiVoice® Communication Suite」の認識精度や機能、導入実績等の競争優位性の高さに加えて、パートナー連携強化の施策も奏功し、シェアの拡大を進めることができました。そのような中、フロービジネスである大型案件の獲得とストックビジネスであるサブスクリプションサービスの導入が堅調に進み、前期比30.3%の増収および前期比10.3%の増益となりました。
STF事業部(BSR1)
AI音声認識プラットフォームサービス「AmiVoice® Cloud Platform(ACP)」をリリースいたしました。これにより、より多くの企業やユーザーが、利用時間に応じた安価な価格で音声認識を利用することができるようになりました。
一方で、お客様窓口等の対面での商談をAI音声認識で文字化し、コンプライアンスの徹底や業務効率化を支援する「対面業務見える化ソリューション」の拡販を計画していたものの、営業活動が想定していたよりも時間を要したこと等により計画を下回ったため、前期比で減収減益となりました。
医療事業部(BSR1)
病院における医師や看護師、医療従事者の生産性向上の取り組みの中で、効率的にカルテ入力や帳票/報告書作成等を行うニーズに対して、AI音声入力ソフト「AmiVoice® Ex7」シリーズや、モバイル向けのAI音声入力サービス「AmiVoice® SBx Medical」、ワークシェアリングサービス「AmiVoice iNote®」等の販売や導入を進めました。しかしながら、来期以降を見据えた新サービスの開発や試行も進めたこと等から、前期比で3.9%増収したものの減益となりました。
VoXT事業部(BSR1)
地方自治体、大手民間企業や報道機関等における生産性向上の取り組みの中で、効率的に議事録や会議録の作成あるいは文字起こし等を行うニーズに対して、AI音声認識を活用した議事録作成支援システム「AmiVoice® MinutesWriter」や議事録向けAmiVoice®クラウドサービス「ProVoXT」の採用が進みました。また、パートナー企業との連携強化により販売や導入が加速し、前期比38.2%増収および前期比83.7%と大幅な増益となりました。
BSR2の状況(連結調整前)
海外事業部・ビジネス開発センター(BSR2)
海外事業部は、事業構造の再構築を優先し、中国語版AI音声認識AmiVoice® エンジンのさらなる認識精度向上や、コールセンターに続く新しい分野への事業開発を進めたため、前期比で減収減益となりました。
ビジネス開発センターは、建設・建築業界向け建築工程管理のプラットフォームサービス「AmiVoice® スーパーインスペクションプラットフォーム(SIP)」およびクラウド型会議ソリューション「AmiVoice® スーパーミーティングメモ」のユーザー企業数を順調に増やしました。あわせて、AI音声認識技術を利用したアプリケーションと人材サービスを組み合わせたAISH(AI Super-Humanizing)サービスも堅調に推移しました。よって、前期比87.4%増収し黒字化を実現いたしました。
連結子会社(BSR2)
AMIVOICE THAI CO., LTD.(タイ王国)は、想定していた案件の獲得が進まず、前期比で大幅な減収減益となりました。
株式会社グラモは、大手賃貸アパート会社への提案や導入に向けたトライアルを進めたものの、受注獲得までには至らなかったことと、既存大口顧客の案件獲得が想定を下回ったこと等から、前期比で大幅な減収減益となりました。
株式会社速記センターつくばは、自治体向け・裁判所向け・民間向け案件の受注獲得等を進め前期比で増収したものの、1案件あたりの利益率が減少し減益となりました。
株式会社Rixioは、ビジネス開発センターと連携し、人材サービスの拡大/強化を進めました。
(財政状態の状況)
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は8,133百万円となり、前連結会計年度末に比べ24百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が247百万円、受取手形及び売掛金が96百万円、電子記録債権が61百万円減少したものの、金銭の信託が400百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は3,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ300百万円の増加となりました。これはMultimodal Technologies, LLC.(米国)に対して、2025年10月1日から2035年9月30日までの10年間のライセンス費用として3百万米ドル(324百万円)を一括して前払いしたこと、本社移転等により有形固定資産が255百万円増加したこと、投資有価証券が評価替え等により532百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は11,686百万円となり、前連結会計年度末に比べ325百万円増加いたしました。
なお、Multimodal Technologies,LLCは3M社に買収され、すべての契約について、2019年12月30日に相手方の名称がMultimodal Technologies,LLCから、3M Health Information Systems,Inc.に変更になりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,006百万円となり、前連結会計年度末に比べ40百万円増加いたしました。これは前受金(主に売上代金の前受)が220百万円増加したこと、買掛金が38百万円、未払金が101百万円、未払法人税等が21百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は207百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円増加いたしました。これは主に本社移転により、資産除去債務が57百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,214百万円となり、前連結会計年度末に比べ84百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は10,471百万円となり、前連結会計年度末に比べ240百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益692百万円、その他有価証券評価差額金の減少448百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率88.3%(前連結会計年度末は88.7%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、5,036百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果、獲得した資金は876百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益808百万円を計上したことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果、使用した資金は853百万円となりました。これは定期預金の預入による支出2,800百万円、定期預金の払戻による収入2,618百万円、本社移転等による有形固定資産の取得による支出237百万円、販売用ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出253百万円、投資有価証券の取得による支出149百万円等によるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果、獲得した資金は0百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.生産実績は当期総製造費用で表示しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 本表の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮説
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りによって作成されております。具体的には、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、提出日現在において新型コロナウイルス感染症による重要な影響はございません。新型コロナウイルス感染症の影響等、将来の業績予想に反映させることが難しい要素もありますが、入手可能な情報を基に検証などを行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じその見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
BSR導入期3カ年の最終年度である当連結会計年度につきましては、今までの主力のプロダクト販売やソリューションビジネスというフロービジネスの拡大に加え、新たなAmiVoice®クラウドプラットフォーム(ACP)とAmiVoice®クラウドサービス(ACS)のサブスクリプションビジネスをスタートすることができました。その結果、音声認識市場ベンダー別売上金額シェア1位を5年連続で獲得し(株式会社アイ・ティ・アールの発行する市場調査レポート「ITR Market View : AI市場2019」)、当社の商品やサービスが音声認識市場の拡大を牽引し続けていることも証明しております。
また、アドバンスト・メディア単体では、コア事業体であるBSR1(第一の成長エンジン)が5年連続増収増益を達成し、増収増益構造を強化することができました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
音声認識分野にGoogle、Apple、Amazonなどの欧米系巨大企業や、国内大手企業やベンチャー企業が参入し、市場競争が活発化する中での収益拡大が重要になります。その鍵は音声認識(ASR)から超音声認識(BSR: Beyond Speech Recognition)への進化であります。BSRとは従来のASR(UI:ユーザーインターフェース)に人工知能などを付加し、生産性あるいは品質の向上というユーザーにとっての価値を増幅させたUI/UX(顧客体験:ユーザーエクスペリエンス)のことを言います。また、当社グループは巨大企業などの競合企業が提供する汎用型の音声認識ではなく、長年の経験、ノウハウとデータの蓄積に裏付けされた、領域特化型高精度・BSRにより市場競争に勝ち、収益拡大を行ってまいります。
一方で、想定通り市場導入/展開ができず、想定していた以上の期間を要する可能性もあります。
その他の要因については、「2 事業等のリスク」を参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、5,036百万円となりました。
当連結会計年度においても、安定的に利益を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す財務体質への改善が進みました。しかし、本社移転による有形固定資産の取得、敷金の差入による支出等により現金及び現金同等物の残高は減少しております。今後も営業利益率を向上させることで、さらなる財務体質の改善を進めてまいります。
当社グループは流動性かつ安全性の高い現金及び預金を有しており、事業活動を推進する上で当面の必要な資金は既に確保しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱などによる世界経済の不確実性の影響があったものの、総じて雇用環境や所得環境の改善が続き、穏やかな回復基調で推移いたしました。一方で、第4四半期以降は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響があり、今後の景気の先行きは不透明な状況となりました。
当社グループは、音声認識ビジネスを人工知能などの付加により、価値を増幅させたBSR(超音声認識)ビジネスに進化させ、2020年3月期までのBSR導入期、2023年3月期までのBSR展開期、2026年3月期までのBSR拡大期を経て、BSR拡大期の最終年度で売上高200億円営業利益率30%を実現することを計画しております。
そのような中、BSR導入期3カ年の最終年度である当連結会計年度につきましては、今までの主力のプロダクト販売やソリューションビジネスというフロービジネスの拡大に加え、新たなAmiVoice®クラウドプラットフォーム(ACP)とAmiVoice®クラウドサービス(ACS)のサブスクリプションビジネスをスタートすることができました。その結果、音声認識市場ベンダー別売上金額シェア1位を5年連続で獲得し(株式会社アイ・ティ・アールの発行する市場調査レポート「ITR Market View : AI市場2019」)、当社の商品やサービスが音声認識市場の拡大を牽引し続けていることも証明しております。
また、アドバンスト・メディア単体では、コア事業体であるBSR1(第一の成長エンジン)が5年連続増収増益を達成し、増収増益構造を強化することができました。
売上高に関しましては、BSR1において、CTI事業部およびVoXT事業部が大幅に増収し前期比19.3%増となりました。また、BSR2(第二の成長エンジン)においては、ビジネス開発センターが大幅に増収したものの連結子会社のAMIVOICE THAI CO., LTD.と株式会社グラモが大幅に減収したこと等から、前期比5.5%増となりました。よって、当社グループ全体では、前期比11.5%の増収となりました。
損益に関しまして、営業利益につきましては、BSR1において、CTI事業部およびVoXT事業部が大きく増収する中で粗利益率も高水準を維持し前期比4.1%増の増益となりました。一方、BSR2において、連結子会社のAMIVOICE THAI CO., LTD.と株式会社グラモの赤字が拡大し、前期比で減益となりました。当社グループ全体では、本社移転関連費を計画どおり単体の増益でカバーしたものの、BSR2の大幅な減益が影響し、前期比で4.0%の減益となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、営業減益に加え、当連結会計年度では為替差損37百万円(前期は為替差益83百万円)を計上したこと等により、前期比でそれぞれ減益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,747百万円(前年同期は売上高4,256百万円)、営業利益695百万円(前年同期は営業利益724百万円)、経常利益815百万円(前年同期は経常利益909百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益692百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益947百万円)となりました。
音声事業の各分野別の状況は、以下のとおりであります。
BSR1の状況(連結調整前)
| 売上高 | (前年同期比) | 営業利益 | (前年同期比) | |
| BSR1(第一の成長エンジン) | 3,718百万円 | 19.3%増 | 993百万円 | 4.1%増 |
CTI事業部(BSR1)
コンタクトセンター市場において競合企業の参入はあるものの、当社のAI音声認識ソリューション「AmiVoice® Communication Suite」の認識精度や機能、導入実績等の競争優位性の高さに加えて、パートナー連携強化の施策も奏功し、シェアの拡大を進めることができました。そのような中、フロービジネスである大型案件の獲得とストックビジネスであるサブスクリプションサービスの導入が堅調に進み、前期比30.3%の増収および前期比10.3%の増益となりました。
STF事業部(BSR1)
AI音声認識プラットフォームサービス「AmiVoice® Cloud Platform(ACP)」をリリースいたしました。これにより、より多くの企業やユーザーが、利用時間に応じた安価な価格で音声認識を利用することができるようになりました。
一方で、お客様窓口等の対面での商談をAI音声認識で文字化し、コンプライアンスの徹底や業務効率化を支援する「対面業務見える化ソリューション」の拡販を計画していたものの、営業活動が想定していたよりも時間を要したこと等により計画を下回ったため、前期比で減収減益となりました。
医療事業部(BSR1)
病院における医師や看護師、医療従事者の生産性向上の取り組みの中で、効率的にカルテ入力や帳票/報告書作成等を行うニーズに対して、AI音声入力ソフト「AmiVoice® Ex7」シリーズや、モバイル向けのAI音声入力サービス「AmiVoice® SBx Medical」、ワークシェアリングサービス「AmiVoice iNote®」等の販売や導入を進めました。しかしながら、来期以降を見据えた新サービスの開発や試行も進めたこと等から、前期比で3.9%増収したものの減益となりました。
VoXT事業部(BSR1)
地方自治体、大手民間企業や報道機関等における生産性向上の取り組みの中で、効率的に議事録や会議録の作成あるいは文字起こし等を行うニーズに対して、AI音声認識を活用した議事録作成支援システム「AmiVoice® MinutesWriter」や議事録向けAmiVoice®クラウドサービス「ProVoXT」の採用が進みました。また、パートナー企業との連携強化により販売や導入が加速し、前期比38.2%増収および前期比83.7%と大幅な増益となりました。
BSR2の状況(連結調整前)
| 売上高 | (前年同期比) | 営業利益 | (前年同期比) | |
| BSR2(第二の成長エンジン) | 1,093百万円 | 5.5%増 | △301百万円 | ― |
海外事業部・ビジネス開発センター(BSR2)
海外事業部は、事業構造の再構築を優先し、中国語版AI音声認識AmiVoice® エンジンのさらなる認識精度向上や、コールセンターに続く新しい分野への事業開発を進めたため、前期比で減収減益となりました。
ビジネス開発センターは、建設・建築業界向け建築工程管理のプラットフォームサービス「AmiVoice® スーパーインスペクションプラットフォーム(SIP)」およびクラウド型会議ソリューション「AmiVoice® スーパーミーティングメモ」のユーザー企業数を順調に増やしました。あわせて、AI音声認識技術を利用したアプリケーションと人材サービスを組み合わせたAISH(AI Super-Humanizing)サービスも堅調に推移しました。よって、前期比87.4%増収し黒字化を実現いたしました。
連結子会社(BSR2)
AMIVOICE THAI CO., LTD.(タイ王国)は、想定していた案件の獲得が進まず、前期比で大幅な減収減益となりました。
株式会社グラモは、大手賃貸アパート会社への提案や導入に向けたトライアルを進めたものの、受注獲得までには至らなかったことと、既存大口顧客の案件獲得が想定を下回ったこと等から、前期比で大幅な減収減益となりました。
株式会社速記センターつくばは、自治体向け・裁判所向け・民間向け案件の受注獲得等を進め前期比で増収したものの、1案件あたりの利益率が減少し減益となりました。
株式会社Rixioは、ビジネス開発センターと連携し、人材サービスの拡大/強化を進めました。
(財政状態の状況)
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は8,133百万円となり、前連結会計年度末に比べ24百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が247百万円、受取手形及び売掛金が96百万円、電子記録債権が61百万円減少したものの、金銭の信託が400百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は3,553百万円となり、前連結会計年度末に比べ300百万円の増加となりました。これはMultimodal Technologies, LLC.(米国)に対して、2025年10月1日から2035年9月30日までの10年間のライセンス費用として3百万米ドル(324百万円)を一括して前払いしたこと、本社移転等により有形固定資産が255百万円増加したこと、投資有価証券が評価替え等により532百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は11,686百万円となり、前連結会計年度末に比べ325百万円増加いたしました。
なお、Multimodal Technologies,LLCは3M社に買収され、すべての契約について、2019年12月30日に相手方の名称がMultimodal Technologies,LLCから、3M Health Information Systems,Inc.に変更になりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,006百万円となり、前連結会計年度末に比べ40百万円増加いたしました。これは前受金(主に売上代金の前受)が220百万円増加したこと、買掛金が38百万円、未払金が101百万円、未払法人税等が21百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は207百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円増加いたしました。これは主に本社移転により、資産除去債務が57百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,214百万円となり、前連結会計年度末に比べ84百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は10,471百万円となり、前連結会計年度末に比べ240百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益692百万円、その他有価証券評価差額金の減少448百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率88.3%(前連結会計年度末は88.7%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 営業活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額) | 778 | 876 |
| 投資活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額) | △3,056 | △853 |
| 財務活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額) | 3,012 | 0 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 82 | △40 |
| 現金及び現金同等物増減額(△は減少) | 816 | △16 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、5,036百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果、獲得した資金は876百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益808百万円を計上したことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果、使用した資金は853百万円となりました。これは定期預金の預入による支出2,800百万円、定期預金の払戻による収入2,618百万円、本社移転等による有形固定資産の取得による支出237百万円、販売用ソフトウェア等の無形固定資産の取得による支出253百万円、投資有価証券の取得による支出149百万円等によるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果、獲得した資金は0百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 音声事業(千円) | 1,396,733 | 134.8 |
| 合計(千円) | 1,396,733 | 134.8 |
(注)1.生産実績は当期総製造費用で表示しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 音声事業 | 4,618,622 | 110.2 | 781,549 | 115.4 |
| 合計 | 4,618,622 | 110.2 | 781,549 | 115.4 |
(注) 上記の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 音声事業(千円) | 4,747,341 | 111.5 |
| 合計(千円) | 4,747,341 | 111.5 |
(注) 本表の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮説
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りによって作成されております。具体的には、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、提出日現在において新型コロナウイルス感染症による重要な影響はございません。新型コロナウイルス感染症の影響等、将来の業績予想に反映させることが難しい要素もありますが、入手可能な情報を基に検証などを行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じその見積り額が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
BSR導入期3カ年の最終年度である当連結会計年度につきましては、今までの主力のプロダクト販売やソリューションビジネスというフロービジネスの拡大に加え、新たなAmiVoice®クラウドプラットフォーム(ACP)とAmiVoice®クラウドサービス(ACS)のサブスクリプションビジネスをスタートすることができました。その結果、音声認識市場ベンダー別売上金額シェア1位を5年連続で獲得し(株式会社アイ・ティ・アールの発行する市場調査レポート「ITR Market View : AI市場2019」)、当社の商品やサービスが音声認識市場の拡大を牽引し続けていることも証明しております。
また、アドバンスト・メディア単体では、コア事業体であるBSR1(第一の成長エンジン)が5年連続増収増益を達成し、増収増益構造を強化することができました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
音声認識分野にGoogle、Apple、Amazonなどの欧米系巨大企業や、国内大手企業やベンチャー企業が参入し、市場競争が活発化する中での収益拡大が重要になります。その鍵は音声認識(ASR)から超音声認識(BSR: Beyond Speech Recognition)への進化であります。BSRとは従来のASR(UI:ユーザーインターフェース)に人工知能などを付加し、生産性あるいは品質の向上というユーザーにとっての価値を増幅させたUI/UX(顧客体験:ユーザーエクスペリエンス)のことを言います。また、当社グループは巨大企業などの競合企業が提供する汎用型の音声認識ではなく、長年の経験、ノウハウとデータの蓄積に裏付けされた、領域特化型高精度・BSRにより市場競争に勝ち、収益拡大を行ってまいります。
一方で、想定通り市場導入/展開ができず、想定していた以上の期間を要する可能性もあります。
その他の要因については、「2 事業等のリスク」を参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ16百万円減少し、5,036百万円となりました。
当連結会計年度においても、安定的に利益を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す財務体質への改善が進みました。しかし、本社移転による有形固定資産の取得、敷金の差入による支出等により現金及び現金同等物の残高は減少しております。今後も営業利益率を向上させることで、さらなる財務体質の改善を進めてまいります。
当社グループは流動性かつ安全性の高い現金及び預金を有しており、事業活動を推進する上で当面の必要な資金は既に確保しています。