有価証券報告書-第15期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現には潜在的リスクや不確実性を含んでおり、さらに業績に影響を与える要因はこれに限定されるものではありません。したがって、諸要因の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 経営成績
当社グループは、エネルギー関連事業、自動車関連事業、金融関連事業、旅行関連事業およびその他事業の5つの事業領域のうち、特に金融関連事業に対し積極的な投資を行い、事業規模を飛躍的に拡大いたしました。また、当社グループが中長期的な経営指標の目標として現在設定しております、売上高成長率25%および売上高経常利益率10%について、当連結会計年度ではいずれも達成しております。
(単位:百万円)
(売上高、営業利益)
連結子会社である株式会社ビットポイントジャパン(以下「BPJ」という)の業績の大幅な拡大およびエネルギー関連事業における電力売買事業の伸長が主な要因となり、当連結会計年度における売上高は、前期より8,601百万円増加し14,163百万円(前期比154.6%増)、営業利益は、前期より3,379百万円増加し3,411百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、前期より4,335百万円増加し8,971百万円(前期比93.5%増)となりました。その主な要因は、エネルギー関連事業における、電力売買事業の売上増加に伴う電力調達量の増加や平成29年12月から平成30年2月までにかけての電力仕入価格の高騰等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前期より886百万円増加し、1,779百万円(前期比99.2%増)となりました。その主な要因は、事業拡大に伴う人件費および地代家賃の増加等であります。
(営業外収益、営業外費用)
仮想通貨評価益が前期末より増加したことが主な要因となり、当連結会計年度における営業外収益は、前期より218百万円増加し220百万円となりました。他方、為替差損の発生および資金調達に伴う株式交付費・新株予約権発行費の増加が主な要因となり、当連結会計年度における営業外費用は、前期より245百万円増加し274百万円となりました。
(経常利益)
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前期より3,351百万円増加し3,358百万円となりました。また、当連結会計年度における売上高経常利益率は、23.7%となりました。
(特別損失)
平成30年1月の本社移転に伴う費用および固定資産除却損の発生により、当連結会計年度における特別損失は前期より10百万円増加し、10百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
(エネルギー関連事業)
エネルギー関連事業においては、電力売買事業、省エネルギー化支援コンサルティング、エネルギー管理システムの開発・販売、ならびに省エネルギー関連機器設備の販売を行っております。
電力売買事業においては、高圧需要家を中心に電力小売供給を行っており、第2四半期において中国電力、四国電力、九州電力管内で電力小売供給を開始したことに加え、第3四半期において低圧需要家に対する販売も着手し、電力需給契約軒数および契約電力量の拡大に努めました。平成29年12月から平成30年2月までの間において電力調達価格が想定外に高騰したことにより、契約件数および契約電力量の拡大ペースが鈍り、収益率も低下しました。しかしながら、当連結会計年度を通じて着実な事業拡大を成し遂げました。
省エネコンサルティング事業においては、「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」に係るエネマネ事業者として4年度連続で登録採択され、多くの案件の支援を行いましたが、当該補助金の採択率が低下したこともあり、当社支援案件の採択実績も前年度を下回りました。 一方で、第3四半期により新規省エネ商材等の販売のため顧客開拓を進めました。
以上の結果、当セグメントの売上高は6,055百万円(前期比4,253百万円増)、セグメント利益(営業利益)は70百万円(同266百万円減)となりました。
次期は、「トータル・エネルギー・ソリューション」の提供を徹底し、特にサービス面での差別化を図ることで継続的な収益機会の拡大に努めてまいります。その一環として、顧客接触機会の有効活用を図り、また、激化する他社との競争に備えるためにも、エネルギー関連事業を担う事業部を一つに統合することにより、電力小売から省エネ商材等の販売、省エネコンサルティングまで、「トータル・エネルギー・ソリューション」を、今まで以上にスムーズに提供できる体制に移行いたしました。
(自動車関連事業)
自動車関連事業においては、中古車販売事業者との中古車売買および中古車売買に関するコンサルティング等を行っております。
中古車売買は業者間売買であることもあり粗利率は低いものの、仕入から販売までの決済回収期間が短いため、資本回転率が高く、引き続き安定的かつ堅調な売上を獲得することができる事業ですが、一部の取引先との取引が縮小したことにより前期実績を下回る結果となり、当セグメントの売上高は3,423百万円(前期比337百万円減)、セグメント利益(営業利益)は33百万円(同91百万円減)となりました。
次期は、中核事業の一つとして、引き続き収益の安定化に努めてまいります。
(金融関連事業)
金融関連事業においては、連結子会社であるBPJが仮想通貨交換所・取引所の運営、仮想通貨交換業、仮想通貨レバレッジ取引、仮想通貨FX取引、仮想通貨送受金等のサービス提供を行っており、平成29年9月29日付で金融庁から仮想通貨交換業者として登録されております。
平成29年4月1日付で改正資金決済法等仮想通貨関連法令が施行され、また消費税法施行令の改正により同年7月1日から仮想通貨の譲渡に係る消費税が非課税となったこと等を受け、仮想通貨取引市場への日本人の参加が急伸し、需要の高まりとともに仮想通貨の価格が急騰しました。特に平成29年12月にはビットコインの価格が前年同期比で約20倍の2百万円超まで高騰し、国内での関心が一層高まりました。他方で、平成30年1月26日にみなし仮想通貨交換業者における仮想通貨不正流出事件が発覚したことで、一部の仮想通貨交換業者に対する不安も拡大し、銀行業界や広告業界などは仮想通貨交換業者との取引に慎重な姿勢に傾くなど、逆風も弱くない一年となりました。
そのような状況下、BPJでは海外仮想通貨取引所の展開を含む複数の業務提携を行うとともに、口座開設数を堅調に伸ばしました。さらに取引システムの機能やセキュリティ対策強化、並びにアプリ開発などサービス強化に対しても継続して投資を行い、安心安全を最優先とする仮想通貨交換所・取引所として姿勢を明確に打ち出したことから、業績は著しく拡大し、当セグメントの売上高は4,547百万円(前期比4,547百万円増)、セグメント利益(営業利益)3,731百万円(同3,919百万円増)となりました。
次期は、「安心安全を最優先とする仮想通貨交換所・取引所の運営」を第一義に、サービス基盤の一層の拡充・強化に努めるとともに、提供サービスの拡充、ユーザビリティの向上等を図る諸施策により、さらなる収益機会の拡大に努めてまいります。さらに、業容の拡大に備え、内部管理態勢の強化も行ってまいります。
(旅行関連事業)
旅行関連事業においては、主にインバウンドニーズに応えるべく、連結子会社である株式会社ジャービス(以下「JARVIS」という)が、ホテル事業開発、宿泊施設の運営、およびブランディング・デザイン等のサービスを展開しております。平成29年の訪日外国人旅行者数は前年比19%増の2,869万人と過去最高となり、旅行消費額も前年比18%増の4兆4,161億円となりました。ますます高まるインバウンド需要に呼応し、JARVISでは、平成32年までに時代即応型のスマートホテル(自社ブランド:4棟、他社ブランド:6棟)の企画開発・運営を行うことを発表し、その実現に向けて準備を進めており、12月には自社案件第1号となるホテルの建設を東京銀座においてスタートいたしました。
しかしながら開発投資案件等の売上寄与には相応の期間を要することから、当セグメントの売上高は79百万円(前期比79百万円増)、セグメント損失(営業損失)18百万円(同2百万円減)となりました。
次期は、特に案件の進捗管理の徹底を図り、収益改善に努めてまいります。
(その他事業)
その他事業においては、主にマーケティングコンサルティング事業を行っております。当セグメントの売上高は58百万円、セグメント利益(営業利益)58百万円となりました。
なお、その他事業は、当連結会計年度から発生したため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
仕入および販売の実績は以下のとおりであります。
(1)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 仕入実績には消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.販売実績には消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先に関する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.A社との間で守秘義務契約があるため、社名の公表は控えさせていただきます。
(2) 財政状態
<連結貸借対照表の要約>(単位:百万円)
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、13,310百万円となり、前連結会計年度末(2,132百万円)に比べ、11,178百万円増加となりました。主な要因は、現金及び預金5,780百万円、仮想通貨4,426百万円、売掛金560百万円の増加等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、5,264百万円となり、前連結会計年度末(339百万円)に比べ、4,925百万円増加となりました。主な要因は、敷金及び保証金4,477百万円、ソフトウェア280百万円の増加等によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、8,435百万円となり、前連結会計年度末(898百万円)に比べ、7,537百万円増加となりました。主な要因は、仮想通貨預り金4,083百万円、預り金1,737百万円、未払法人税等1,096百万円の増加等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、55百万円となり、前連結会計年度末(12百万円)に比べ、42百万円増加となりました。主な要因は、長期借入金50百万円の増加、リース債務7百万の減少によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、10,083百万円となり、前連結会計年度末(1,560百万円)に比べ、8,523百万円増加となりました。主な要因は、資本金3,136百万円、資本剰余金3,127百万円、利益剰余金2,273百万円の増加等によるものです。
(財務比率)
当連結会計年度末における流動比率は、前連結会計年度末に比べ79.6ポイント下降し、157.8%となりました。これは、金融関連事業の伸長に伴い顧客資産である法定通貨および仮想通貨の預り金が増加したことが主な要因であります。
また、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ7.8%下降し、54.2%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
<連結キャッシュ・フロー計算書の要約>(単位:百万円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は6,982百万円となり、前連結会計年度末(1,203百万円)に比べ、5,779百万円増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は215百万円(前期は217百万円の支出)となりました。これは主に仮想通貨預り金の増加額4,083百万円、税金等調整前当期純利益3,348百万円、預り金の増加額1,737百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は572百万円(前期は254百万円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出316百万円、敷金の差入による支出138百万円、有形固定資産の取得による支出61百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は6,136百万円(前期は504百万円の収入)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入6,160百万円、長期借入れによる収入200百万円などによるものであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性の分析
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性の分析につきましては、上記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
次期におきましては、成長の期待できる金融関連事業を中心に事業の拡大を図るために、システム開発、マーケティング施策の実施に加え、仮想通貨取引における流動性の確保のための諸施策を行う予定であります。そのために必要な資金の投下・確保を進めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その実現には潜在的リスクや不確実性を含んでおり、さらに業績に影響を与える要因はこれに限定されるものではありません。したがって、諸要因の変化により、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 経営成績
当社グループは、エネルギー関連事業、自動車関連事業、金融関連事業、旅行関連事業およびその他事業の5つの事業領域のうち、特に金融関連事業に対し積極的な投資を行い、事業規模を飛躍的に拡大いたしました。また、当社グループが中長期的な経営指標の目標として現在設定しております、売上高成長率25%および売上高経常利益率10%について、当連結会計年度ではいずれも達成しております。
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に 帰属する当期純利益 | |
当連結会計年度 (平成30年3月期) | 14,163 | 3,411 | 3,358 | 2,293 |
前連結会計年度 (平成29年3月期) | 5,561 | 32 | 6 | △42 |
(売上高、営業利益)
連結子会社である株式会社ビットポイントジャパン(以下「BPJ」という)の業績の大幅な拡大およびエネルギー関連事業における電力売買事業の伸長が主な要因となり、当連結会計年度における売上高は、前期より8,601百万円増加し14,163百万円(前期比154.6%増)、営業利益は、前期より3,379百万円増加し3,411百万円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、前期より4,335百万円増加し8,971百万円(前期比93.5%増)となりました。その主な要因は、エネルギー関連事業における、電力売買事業の売上増加に伴う電力調達量の増加や平成29年12月から平成30年2月までにかけての電力仕入価格の高騰等によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前期より886百万円増加し、1,779百万円(前期比99.2%増)となりました。その主な要因は、事業拡大に伴う人件費および地代家賃の増加等であります。
(営業外収益、営業外費用)
仮想通貨評価益が前期末より増加したことが主な要因となり、当連結会計年度における営業外収益は、前期より218百万円増加し220百万円となりました。他方、為替差損の発生および資金調達に伴う株式交付費・新株予約権発行費の増加が主な要因となり、当連結会計年度における営業外費用は、前期より245百万円増加し274百万円となりました。
(経常利益)
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前期より3,351百万円増加し3,358百万円となりました。また、当連結会計年度における売上高経常利益率は、23.7%となりました。
(特別損失)
平成30年1月の本社移転に伴う費用および固定資産除却損の発生により、当連結会計年度における特別損失は前期より10百万円増加し、10百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、文中の各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおりません。
(エネルギー関連事業)
エネルギー関連事業においては、電力売買事業、省エネルギー化支援コンサルティング、エネルギー管理システムの開発・販売、ならびに省エネルギー関連機器設備の販売を行っております。
電力売買事業においては、高圧需要家を中心に電力小売供給を行っており、第2四半期において中国電力、四国電力、九州電力管内で電力小売供給を開始したことに加え、第3四半期において低圧需要家に対する販売も着手し、電力需給契約軒数および契約電力量の拡大に努めました。平成29年12月から平成30年2月までの間において電力調達価格が想定外に高騰したことにより、契約件数および契約電力量の拡大ペースが鈍り、収益率も低下しました。しかしながら、当連結会計年度を通じて着実な事業拡大を成し遂げました。
省エネコンサルティング事業においては、「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」に係るエネマネ事業者として4年度連続で登録採択され、多くの案件の支援を行いましたが、当該補助金の採択率が低下したこともあり、当社支援案件の採択実績も前年度を下回りました。 一方で、第3四半期により新規省エネ商材等の販売のため顧客開拓を進めました。
以上の結果、当セグメントの売上高は6,055百万円(前期比4,253百万円増)、セグメント利益(営業利益)は70百万円(同266百万円減)となりました。
次期は、「トータル・エネルギー・ソリューション」の提供を徹底し、特にサービス面での差別化を図ることで継続的な収益機会の拡大に努めてまいります。その一環として、顧客接触機会の有効活用を図り、また、激化する他社との競争に備えるためにも、エネルギー関連事業を担う事業部を一つに統合することにより、電力小売から省エネ商材等の販売、省エネコンサルティングまで、「トータル・エネルギー・ソリューション」を、今まで以上にスムーズに提供できる体制に移行いたしました。
(自動車関連事業)
自動車関連事業においては、中古車販売事業者との中古車売買および中古車売買に関するコンサルティング等を行っております。
中古車売買は業者間売買であることもあり粗利率は低いものの、仕入から販売までの決済回収期間が短いため、資本回転率が高く、引き続き安定的かつ堅調な売上を獲得することができる事業ですが、一部の取引先との取引が縮小したことにより前期実績を下回る結果となり、当セグメントの売上高は3,423百万円(前期比337百万円減)、セグメント利益(営業利益)は33百万円(同91百万円減)となりました。
次期は、中核事業の一つとして、引き続き収益の安定化に努めてまいります。
(金融関連事業)
金融関連事業においては、連結子会社であるBPJが仮想通貨交換所・取引所の運営、仮想通貨交換業、仮想通貨レバレッジ取引、仮想通貨FX取引、仮想通貨送受金等のサービス提供を行っており、平成29年9月29日付で金融庁から仮想通貨交換業者として登録されております。
平成29年4月1日付で改正資金決済法等仮想通貨関連法令が施行され、また消費税法施行令の改正により同年7月1日から仮想通貨の譲渡に係る消費税が非課税となったこと等を受け、仮想通貨取引市場への日本人の参加が急伸し、需要の高まりとともに仮想通貨の価格が急騰しました。特に平成29年12月にはビットコインの価格が前年同期比で約20倍の2百万円超まで高騰し、国内での関心が一層高まりました。他方で、平成30年1月26日にみなし仮想通貨交換業者における仮想通貨不正流出事件が発覚したことで、一部の仮想通貨交換業者に対する不安も拡大し、銀行業界や広告業界などは仮想通貨交換業者との取引に慎重な姿勢に傾くなど、逆風も弱くない一年となりました。
そのような状況下、BPJでは海外仮想通貨取引所の展開を含む複数の業務提携を行うとともに、口座開設数を堅調に伸ばしました。さらに取引システムの機能やセキュリティ対策強化、並びにアプリ開発などサービス強化に対しても継続して投資を行い、安心安全を最優先とする仮想通貨交換所・取引所として姿勢を明確に打ち出したことから、業績は著しく拡大し、当セグメントの売上高は4,547百万円(前期比4,547百万円増)、セグメント利益(営業利益)3,731百万円(同3,919百万円増)となりました。
次期は、「安心安全を最優先とする仮想通貨交換所・取引所の運営」を第一義に、サービス基盤の一層の拡充・強化に努めるとともに、提供サービスの拡充、ユーザビリティの向上等を図る諸施策により、さらなる収益機会の拡大に努めてまいります。さらに、業容の拡大に備え、内部管理態勢の強化も行ってまいります。
(旅行関連事業)
旅行関連事業においては、主にインバウンドニーズに応えるべく、連結子会社である株式会社ジャービス(以下「JARVIS」という)が、ホテル事業開発、宿泊施設の運営、およびブランディング・デザイン等のサービスを展開しております。平成29年の訪日外国人旅行者数は前年比19%増の2,869万人と過去最高となり、旅行消費額も前年比18%増の4兆4,161億円となりました。ますます高まるインバウンド需要に呼応し、JARVISでは、平成32年までに時代即応型のスマートホテル(自社ブランド:4棟、他社ブランド:6棟)の企画開発・運営を行うことを発表し、その実現に向けて準備を進めており、12月には自社案件第1号となるホテルの建設を東京銀座においてスタートいたしました。
しかしながら開発投資案件等の売上寄与には相応の期間を要することから、当セグメントの売上高は79百万円(前期比79百万円増)、セグメント損失(営業損失)18百万円(同2百万円減)となりました。
次期は、特に案件の進捗管理の徹底を図り、収益改善に努めてまいります。
(その他事業)
その他事業においては、主にマーケティングコンサルティング事業を行っております。当セグメントの売上高は58百万円、セグメント利益(営業利益)58百万円となりました。
なお、その他事業は、当連結会計年度から発生したため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
仕入および販売の実績は以下のとおりであります。
(1)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前期比 (%) |
エネルギー関連事業(千円) | 5,362,694 | 524.5 |
自動車関連事業(千円) | 3,724,202 | 105.9 |
金融関連事業(千円) | ― | ― |
旅行関連事業(千円) | ― | ― |
その他(千円) | ― | ― |
合計(千円) | 9,086,896 | 200.2 |
(注) 仕入実績には消費税等は含まれておりません。
(2)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | 前期比 (%) |
エネルギー関連事業(千円) | 6,055,021 | 336.1 |
自動車関連事業(千円) | 3,423,166 | 91.0 |
金融関連事業(千円) | 4,547,485 | ― |
旅行関連事業(千円) | 79,500 | ― |
その他(千円) | 58,000 | ― |
合計(千円) | 14,163,174 | 254.6 |
(注)1.販売実績には消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先に関する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
販売高 (千円) | 割合 (%) | 販売高 (千円) | 割合 (%) | |
A社 | 732,388 | 13.2 | 125,637 | 0.9 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.A社との間で守秘義務契約があるため、社名の公表は控えさせていただきます。
(2) 財政状態
<連結貸借対照表の要約>(単位:百万円)
前連結会計年度末 (平成29年3月期末) | 当連結会計年度末 (平成30年3月期末) | 増減 | |
総資産 | 2,471 | 18,575 | 16,104 |
負債合計 | 910 | 8,491 | 7,580 |
純資産 | 1,560 | 10,083 | 8,523 |
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、13,310百万円となり、前連結会計年度末(2,132百万円)に比べ、11,178百万円増加となりました。主な要因は、現金及び預金5,780百万円、仮想通貨4,426百万円、売掛金560百万円の増加等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、5,264百万円となり、前連結会計年度末(339百万円)に比べ、4,925百万円増加となりました。主な要因は、敷金及び保証金4,477百万円、ソフトウェア280百万円の増加等によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、8,435百万円となり、前連結会計年度末(898百万円)に比べ、7,537百万円増加となりました。主な要因は、仮想通貨預り金4,083百万円、預り金1,737百万円、未払法人税等1,096百万円の増加等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、55百万円となり、前連結会計年度末(12百万円)に比べ、42百万円増加となりました。主な要因は、長期借入金50百万円の増加、リース債務7百万の減少によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、10,083百万円となり、前連結会計年度末(1,560百万円)に比べ、8,523百万円増加となりました。主な要因は、資本金3,136百万円、資本剰余金3,127百万円、利益剰余金2,273百万円の増加等によるものです。
(財務比率)
当連結会計年度末における流動比率は、前連結会計年度末に比べ79.6ポイント下降し、157.8%となりました。これは、金融関連事業の伸長に伴い顧客資産である法定通貨および仮想通貨の預り金が増加したことが主な要因であります。
また、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ7.8%下降し、54.2%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
<連結キャッシュ・フロー計算書の要約>(単位:百万円)
前連結会計年度 (平成29年3月期) | 当連結会計年度 (平成30年3月期) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △217 | 215 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △254 | △572 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 504 | 6,136 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 1,203 | 6,982 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は6,982百万円となり、前連結会計年度末(1,203百万円)に比べ、5,779百万円増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は215百万円(前期は217百万円の支出)となりました。これは主に仮想通貨預り金の増加額4,083百万円、税金等調整前当期純利益3,348百万円、預り金の増加額1,737百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は572百万円(前期は254百万円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出316百万円、敷金の差入による支出138百万円、有形固定資産の取得による支出61百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は6,136百万円(前期は504百万円の収入)となりました。これは主に新株予約権の行使による株式の発行による収入6,160百万円、長期借入れによる収入200百万円などによるものであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性の分析
当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性の分析につきましては、上記「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
次期におきましては、成長の期待できる金融関連事業を中心に事業の拡大を図るために、システム開発、マーケティング施策の実施に加え、仮想通貨取引における流動性の確保のための諸施策を行う予定であります。そのために必要な資金の投下・確保を進めてまいります。