四半期報告書-第25期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/11 16:05
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間のわが国経済におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発出に伴う外出自粛や各自治体からの営業自粛要請等により、社会・経済活動が急速に停滞し、極めて厳しい状況となりました。また、当該宣言解除後も段階的に経済活動が再開されつつあるものの、収束時期が不透明な中、今後起こり得る第二波への懸念等、依然として予断を許さない状況が続いております。
当社グループが主にサービスを提供いたします賃貸住宅市場につきましては、新築物件では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため全国的な着工休止及び工事中断が拡大し、新設住宅着工戸数は減少傾向にあります。既存物件では、営業活動自粛による設備導入計画の遅れが発生しましたが、段階的に回復しつつあります。また、新築物件中心から既存活用型市場への転換が進み、リフォームやリノベーションの需要は今後更に高まることが見込まれております。
不動産業界を取り巻く環境につきましては、店舗の一時休業及び外出自粛による密室・対面営業の制限等による業績への影響が発生いたしました。一方、オンライン会議システムの需要が高まり、商談やVR技術による遠隔接客等、新たな営業スタイルへの関心が強まっております。加えて、政府が提唱する「Society5.0」(※1)に向けて、テクノロジーを活用した業務効率化と透明性の高い不動産事業への変化が求められている中、AI、IoTやAR・VR、その他テクノロジーを用いた不動産Tech領域の様々なサービスの実用化が進んでおります。また、各種IoT機器を活用することにより多様化する生活スタイルに相応しいスマートホームの実現等、利便性の高いサービスの需要は更に拡大すると見込まれております。
このような状況の下、当社グループは、従業員及び顧客の安心・安全確保を最優先事項と考え、一部の業務を除きテレワークへの全面移行を実施し、当連結会計年度より刷新した「テクノロジーで不動産事業に新たな付加価値を創造する企業へ」というビジョンの実現に向けて、主力事業である集合住宅向けISP(※2)事業の更なる成長を目指すとともに、不動産仲介、社宅管理代行サービスの拡大を図り、新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に抑えることに注力してまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における経営成績は、売上高3,437,891千円(前年同期比11.0%増)、経常利益300,989千円(前年同期比90.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益185,718千円(前年同期比159.3%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。なお、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項
(セグメント情報等)」に記載のとおり、前第2四半期連結会計期間より報告セグメントの区分変更を行ったため前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後の報告セグメントに組み替えた数値で比較しておりま
す。
HomeIT事業
集合住宅向けISP事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発出に伴う大手包括提携先の営業自粛及び工事中断等の影響により、受注数が減少いたしましたが、当該宣言解除後、受注数減少のリカバリーに向けた大手包括提携先との連携により、既存物件への「SPES(※3)」導入に注力した結果、当第1四半期連結累計期間における集合住宅向けISPサービスの提供戸数は、前連結会計年度末564,826戸に比べ7.9%増の609,628戸となりました。
ネットワークサービス事業につきましては、MSP(※4)サービスやホスティングサービスにおいて、既存顧客との継続的な取引により、堅調に推移いたしました。システム開発事業では、「FutureVision® Plus」の拡販及び既存顧客の支援に注力いたしました。
IoT関連サービス事業につきましては、IoTやVR等の領域に属する資本業務提携先の協力体制の強化を図り、生活様式に対応した新サービスの開発や事業モデルの構築等に向けた取組みを進めてまいりました。
以上の結果、売上高は3,106,189千円(前年同期比7.9%増)となり、セグメント利益は692,587千円(前年同期比15.4%増)となりました。
不動産事業
不動産事業につきましては、集合住宅向けISP事業に次ぐ柱として事業シナジーを視野に業績改善に向けた取組みを継続しております。AHN(※5)事業では、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発出に伴うイオンモール株式会社の営業時間短縮、店舗休業等による、AHN店舗の休業、並びにAHN店舗の新規出店遅延が生じました。この状況において、連結子会社である株式会社フォーメンバーズがAHN加盟店運営本部として、新規店舗出店及び既存AHN加盟店のフォローアップを行い、新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に抑えることに注力してまいりました。結果、当第1四半期連結累計期間に新たに3店舗をオープンすると共に、フォーメンバーズ運営店1店舗をAHN加盟希望の法人へ譲渡し、イオンハウジングが展開する店舗数は、31店舗(イオンモール直営店舗:5店舗、フォーメンバーズ運営店舗:5店舗、AHN加盟店舗:21店舗)となりました。
社宅管理代行事業では、イオンモール株式会社をはじめとするイオングループ各社の社宅管理代行サービスの取扱い件数の更なる拡大を図ってまいりました。
また、AHN加盟店等、不動産事業の販路において、集合住宅向けISPサービスをはじめとする当社各サービスの販売体制確立に注力してまいりました。
以上の結果、売上高は329,399千円(前年同期比52.6%増)となり、セグメント損失は54,349千円(前年同期はセグメント損失120,830千円)となりました。
その他
その他の事業につきましては、売上高は2,362千円(前年同期比6.8%減)となり、セグメント利益は360千円(前年同期比38.9%減)となりました。
※1 Society5.0:政府が「目指すべき未来社会」として提唱するサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)(https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)
※2 ISP :Internet Service Provider の略。公衆通信回線等を経由して契約者にインターネットへの接続を提供する事業者
※3 SPES :Single-Pair Ethernet Serviceの略(略称:エスピーイーズ)。既存物件へのISPサービス導入に関する課題解決を目的とし、当社、NECネッツエスアイ株式会社及びBroadcom Inc.との連携で開発した、既存電話線を用いてインターネット接続が可能となる世界初の集合住宅向けISPサービス
※4 MSP :Managed Service Provider の略。顧客の利用するコンピュータやネットワーク等のITシステムの運用や監視、保守等を行い、利用可能な状態に維持するサービスを提供する事業者
※5 AHN :Aeon Housing Network の略。イオンハウジングにおけるネットワーク店舗の呼称
② 財政状態の分析
(a)資産、負債及び純資産の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産につきましては、現金及び預金が422,479千円、原材料及び貯蔵品が90,269千円増加したものの、受取手形及び売掛金が481,968千円、流動資産「その他」が217,274千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ172,887千円減少し、8,914,327千円となりました。
負債合計につきましては、支払手形及び買掛金が83,446千円、長期借入金が74,724千円、未払法人税等が116,103千円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ305,926千円減少し、6,093,738千円となりました。
純資産合計につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益185,718千円の計上、剰余金の配当52,629千円により、2,820,589千円となり、自己資本比率は31.6%となりました。
(b)資金の源泉
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、総資産の33.5%を占める2,986,639千円であり、将来の予想可能な運転資金及び資本的支出等の資金需要に対して十分な財源が存在すると考えております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載に重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。