四半期報告書-第25期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/09 16:06
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間のわが国経済におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大防止策の継続的な実施、各種政策の効果等による社会経済活動レベルの段階的な回復により、持ち直しの動きが見られました。しかしながら、11月以降の新型コロナウイルス感染症の再拡大により、依然として予断を許さない状況が続いていることから、経済活動や金融資本市場の変動等への影響が予想されます。
不動産業界を取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による店舗の一時休業及び外出自粛の影響を受け、VR住宅展示場やオンラインによる接客・内見等、不動産Tech関連サービスへの関心がより一層高まり、テクノロジーを活用した業務効率化と透明性の高い不動産事業への変革が進んでおります。また、AI、IoTやAR・VR、その他テクノロジーを効果的に活用した、新たな生活様式に即した利便性の高いサービスの提供が必要となっております。
当社グループが主にサービスを提供する賃貸住宅市場につきましては、新築物件では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、引き続き新設住宅着工戸数は減少傾向にあります。既存物件では、多様化するニーズ、ライフスタイルに合わせたリフォームやリノベーション等による資産価値、入居者満足度向上への意識が高まっております。また、コロナ禍における外出自粛やテレワークの拡大等、インターネットの利用頻度が高まったことにより、インターネット設備への投資意欲は増加傾向にあります。
このような状況の下、当社グループは、従業員及び顧客の安心・安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症拡大防止策を継続する一方、主力事業である集合住宅向けISP(※1)事業の更なる拡大のため、サービス提供体制の強化、回線品質の維持・向上に向けた取り組みを引き続き実施するとともに、社宅管理代行サービス及びVR住宅展示場等の不動産事業との事業シナジー創出に取り組んでまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は売上高11,487,944千円(前年同期比20.9%増)、経常利益1,551,632千円(前年同期比133.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益993,782千円(前年同期比201.5%増)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
HomeIT事業
集合住宅向けISP事業につきましては、大手包括提携先との営業自粛解除後の連携強化に加え、インターネットの利用頻度の高まりによる需要拡大等も後押しとなり、ISPサービスの提供戸数は順調に拡大いたしました。新築物件では、高い評価を受けた世界初の無線ユニット脱着式システム、「PWINS(※2)」を中心に導入を進めました。既存物件では、宅内工事不要という課題解決型商品「SPES(※3)」が浸透したことにより、既存市場でのシェア拡大に寄与いたしました。
また、より安定した高品質のインターネット環境が求められる中、「GIGA Direct Connect(※4)」や「GIGA Priority Gate(※5)」といった高品質インターネット接続サービスの販売に注力いたしました。これらにより、当第3四半期連結累計期間における集合住宅向けISPサービスの提供戸数は、前連結会計年度末564,826戸に比べ、23.2%増の695,898戸となりました。
ネットワークサービス事業につきましては、MSP(※6)サービスやホスティングサービスでは、既存顧客との継続的取引により堅調に推移しており、システム開発事業では、「FutureVision®Plus」の新規顧客獲得、既存顧客のリプレイス等による拡販及び業務支援を推進いたしました。
IoT関連サービス事業につきましては、IoTやVR等の領域に属する資本業務提携先と、新たなサービスの開発や事業モデルの構築等を進めてまいりました。
以上の結果、売上高は10,829,702千円(前年同期比22.8%増)となり、セグメント利益は2,679,122千円(前年同期比36.3%増)となりました。
不動産事業
不動産事業につきましては、社宅管理代行事業では、引き続き、イオンモール株式会社をはじめとするイオングループ各社の社宅管理代行サービスの取扱件数拡大に努めてまいりました。VR住宅展示場事業では、埼玉エリアの「イオンハウジング VR住宅展示場」において、専任コンシェルジュによる有人案内サービスをスタートし、お客様の利便性の向上、出展企業様への送客数の拡大を図ってまいりました。加えて、集合住宅向けISP事業との事業シナジー創出を目的とし、社宅管理代行事業の販路を活用した集合住宅向けISPサービスをはじめとする当社サービスの販売体制確立に注力してまいりました。
なお、第2四半期連結会計期間において、連結子会社であった株式会社フォーメンバーズの株式の一部を譲渡したことにより連結の範囲から除外しており、当社グループの連結損益計算書は、同社の第2四半期連結累計期間の損益計算書のみ連結しております。
以上の結果、売上高は651,241千円(前年同期比3.4%減)となり、セグメント損失は132,581千円(前年同期はセグメント損失343,450千円)となりました。
その他
その他の事業につきましては、売上高は7,119千円(前年同期比4.4%減)となり、セグメント利益は1,353千円(前年同期比25.9%増)となりました。
※1 ISP :Internet Service Provider の略。公衆通信回線等を経由して契約者にインターネットへの接続を提供する事業者
※2 PWINS :Plug-in Wi-Fi Network System の略(略称:ピーウィンズ)。Wi-Fi通信を行う無線ユニットを分け脱着式にすることで、Wi-Fi規格の変更などによるハードウェア交換時にかかるコストを縮小することを可能にした世界初のシステム
※3 SPES :Single-Pair Ethernet Service の略(略称:エスピーイーズ)。既存物件へのISPサービス導入に関する課題解決を目的とし、当社、NECネッツエスアイ株式会社及びBroadcom Inc.との連携で開発した既存電話線を用いてインターネット接続が可能となる世界初の集合住宅向けISPサービス
※4 GIGA Direct Connect :ギガダイレクトコネクト。高品質で安全性の高い光ファイバー専用線を利用することで、他の利用者と回線を共用しないため、より安心・安全にインターネット環境を提供する専用線型インターネット接続サービス
※5 GIGA Priority Gate :ギガプライオリティゲート。NTT東西フレッツ網にて、株式会社GLBBジャパンが保有する仮想通信路を確立する技術を、当社が物件に設置するインターネット接続ルータに適用し、他の一般利用者とは共用しない専用接続ゲートを経由することで安定性が確保された高品質なインターネット接続環境を提供する優先ゲート方式インターネット接続サービス
※6 MSP :Managed Service Provider の略。顧客の利用するコンピュータやネットワーク等のITシステムの運用や監視、保守等を行い、利用可能な状態に維持するサービスを提供する事業者
② 財政状態の分析
(a)資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産につきましては、受取手形及び売掛金333,670千円、流動資産「その他」が264,565千円減少したものの、現金及び預金が386,745千円、原材料及び貯蔵品467,865千円、リース資産249,387千円、有形固定資産「その他」が226,739千円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ842,816千円増加し、9,930,032千円となりました。主な増減理由は、連結子会社である株式会社フォーメンバーズを連結の範囲から除外したことによるものであります。また、破産更生債権等が1,496,914千円増加し、貸倒引当金を1,496,914千円繰入れております。
負債合計につきましては、リース債務が373,422千円増加したものの、社債が72,866千円、長期借入金が224,172千円、未払金が47,111千円減少したこと等により前連結会計年度末に比べ177,168千円減少し、6,222,496千円となりました。
純資産合計につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益993,782千円の計上、剰余金の配当52,629千円により3,707,536千円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ7.7ポイント改善し、37.3%となりました。
(b)資金の源泉
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、総資産の29.7%を占める2,950,906千円であり、将来予想可能な運転資金及び資本的支出等の資金需要に対して十分な財源が存在すると考えております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載に重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営資源を、収益性の高い主力事業である集合住宅向
けISP事業及び当社内の不動産関連事業に集中することといたしました。この変更に伴い、連結子会社である株式会社フォーメンバーズ(不動産事業セグメント)の株式の一部を譲渡し、連結の範囲から除外しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数は前連結会計年度末290名から70名減少し220名となりました。主な減少理由は、連結子会社である株式会社フォーメンバーズ(不動産事業セグメント)の株式の一部を譲渡し、連結の範囲から除外したことによるものであります。
(7)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備投資の新設等について、当第3四半期連結累計期間において完了したものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名
所在地セグメントの名称設備の内容投資総額
(千円)
完了年月
提出会社
本社
東京都
中野区
不動産事業共同住宅238,7662020年9月