有価証券報告書-第41期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものです。
当社は過年度の決算訂正を行っており、前連結会計年度との比較は、訂正後の数値で比較分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国における金融引き締めの長期化観測や通商政策の不確実性の継続に加え、中国経済の回復の遅れや地政学的リスクの高まり等を背景に、先行き不透明な状況が続きました。また、製造業分野においては在庫調整や需要の地域差が継続する等、当社グループを取り巻く事業環境も依然として不安定な状況にありました。
このような経営環境のもと、当社グループは、各事業において新市場への参入や新規事業の開拓等、次の成長への種まきを進めるとともに、事業基盤の強化を図るべく、グループ全体で合理化・効率化を徹底的に進め、事業効率の高い体制への転換及び抜本的コスト構造改革に取り組んでまいりました。
具体的には、HS事業における多様な人材の活躍推進、EMS事業における戦略投資拠点の収益改善、PS事業における産業機器分野への展開等に取り組み、各事業において売上成長と収益性改善に向けた施策を進めてまいりました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は75,660百万円(前期比0.1%減)、営業利益はEMS事業における減益の影響等により1,695百万円(前期比4.3%減)となりました。
また、営業外収支において為替変動の影響を受けたこと等により、経常利益は1,230百万円(前期比30.6%減)となりました。
さらに、特別調査委員会による調査及び追加の監査手続き等に伴う費用について、特別調査等関連損失及び特別調査等関連損失引当金繰入額を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は308百万円(前期比60.4%減)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、以下のとおりです。
1)HS事業(ヒューマンソリューション事業:人材ビジネス事業)
国内事業については、製造向け派遣事業における在籍人数の拡大や、採算性の高いエンジニア人材・施工管理人材の派遣拡大等により売上が増加しました。海外事業においても、タイや中国、ベトナムにおける新規及び既存顧客との取引拡大等により売上が増加しました。利益面では、売上増加に伴う固定費吸収や高付加価値人材の拡大等により収益性が改善しました。
この結果、当セグメントの売上高は25,285百万円(前期比9.1%増)、セグメント利益は960百万円(前期比30.8%増)となりました。
2)EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)
国内外における主要顧客の販売不振、在庫調整及び生産計画の後ろ倒しの影響等により、売上が減少しました。特に海外においては、中国での脱チャイナ影響や製品EOLの影響がありました。利益面では、国内において新規案件の受注や費用抑制による改善要素があった一方、海外においては、メキシコにおける主要顧客の計画後ろ倒しや為替影響、中国における売上減少の影響等により、セグメント全体として減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は33,158百万円(前期比3.2%減)、セグメント利益は389百万円(前期比47.2%減)となりました。
3)PS事業(パワーサプライ事業:カスタム電源事業)
ドキュメント関連分野における市場縮小や米国関税影響等による市況低迷の影響を受け、売上は減少しました。一方で、産業関連分野やアミューズメント分野においては、新規引合の獲得や採用機種の生産増加等により、一定の伸びがみられました。利益面では、海外における生産拠点再編や委託先立ち上げ等の拠点戦略の推進、ならびに原価低減活動の強化等により収益性の改善が進み、増益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は17,216百万円(前期比5.7%減)、セグメント利益は1,188百万円(前期比0.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,172百万円増加し5,952百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。また、現金及び現金同等物に係る換算差額を91百万円計上しております。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、3,180百万円の収入(前年同期は1,371百万円の収入)となりました。主なプラス要因は、減価償却費1,495百万円(前年同期は1,514百万円)、税金等調整前当期純利益1,063百万円(前年同期は1,587百万円)、仕入債務の増加額750百万円(前年同期は245百万円の減少額)等となり、主なマイナス要因は、法人税等の支払額909百万円(前年同期は1,025百万円)、利息の支払額474百万円(前年同期は521百万円)、棚卸資産の増加額251百万円(前年同期は1,573百万円の減少額)等によるものです。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、888百万円の支出(前年同期は899百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、有形固定資産の売却による収入158百万円(前年同期は65百万円の収入)等となり、主なマイナス要因は有形固定資産の取得による支出953百万円(前年同期は954百万円の支出)、敷金及び保証金の差入による支出80百万円(前年同期は42百万円の支出)等によるものです。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、211百万円の支出(前年同期は1,252百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、短期借入金の純増額1,429百万円(前年同期は2,024百万円の純増額)等となり、主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出786百万円(前年同期は2,434百万円の支出)、ファイナンス・リース債務の返済による支出735百万円(前年同期は617百万円の支出)等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは、製造アウトソーシング事業を主な事業として営んでいます。HS事業につきましては、その大部分が、請負業務・派遣業務であり、重要性が乏しいため、記載を省略しています。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| EMS事業 (千円) | 30,383,369 | 96.53 |
| PS事業 (千円) | 14,125,232 | 94.00 |
| 合計(千円) | 44,508,602 | 95.71 |
(注)1.金額は、製造原価によっています。
2.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後の区分により作成した数値に基づき算出しています。
b. 受注実績
当社グループは、受注から生産までの期間が短く受注管理を行う必要性が乏しく、受注実績と販売実績の差異が僅少のため、受注実績の記載を省略しています。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| HS事業 (千円) | 25,285,140 | 109.12 |
| EMS事業 (千円) | 33,158,815 | 96.76 |
| PS事業 (千円) | 17,216,671 | 94.26 |
| 合計(千円) | 75,660,628 | 99.94 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。
3.当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後の区分により作成した数値に基づき算出しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
■資産・負債及び純資産
1)資産
当連結会計年度末の資産合計は38,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ、2,145百万円増加いたしました。
流動資産合計は27,958百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,895百万円増加いたしました。これは主に、その他流動資産が572百万円減少したものの、現金及び預金が2,199百万円、原材料及び貯蔵品が333百万円増加したことによるものです。
固定資産合計は10,415百万円となり、前連結会計年度末に比べ250百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が337百万円増加したことによるものです。
2)負債及び純資産
当連結会計年度末の負債合計は33,260百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,597百万円増加いたしました。
流動負債合計は30,064百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,973百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が258百万円減少したものの、短期借入金が1,521百万円、支払手形及び買掛金が756百万円増加したことによるものです。
固定負債合計は3,196百万円となり、前連結会計年度末に比べ375百万円減少いたしました。これは主にその他固定負債が129百万円、リース債務が67百万円増加したものの、長期借入金が616百万円減少したことによるものです。
純資産合計は5,112百万円となり、前連結会計年度末に比べ547百万円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が445百万円、利益剰余金が39百万円増加したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は、0.6ポイント上昇し13.1%となりました。
持続的成長をめざす中、その基盤となる財務体質の改善は重要課題と認識しており、中期経営計画においてキャッシュマネジメントを強化、有利子負債の削減を計画しております。
具体的には、外部コストや間接費の削減、不採算事業からの撤退等を通じてコスト構造の見直しを進めるとともに、営業キャッシュ・フローの改善及び資本効率を意識した投資判断の徹底により、安定的な財務基盤の構築を図ってまいります。また、D/Eレシオ及び自己資本比率を主要な財務管理指標として、財務レバレッジの適正化及び自己資本の充実を進めてまいります。
| (単位:百万円) | 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | |
| 流動資産 | 26,063 | 27,958 | 1,895 | |
| 固定資産 | 10,165 | 10,415 | 250 | |
| 有形固定資産 | 8,354 | 8,692 | 337 | |
| 無形固定資産 | 551 | 496 | △54 | |
| 投資その他の資産 | 1,259 | 1,226 | △32 | |
| 資産合計 | 36,228 | 38,373 | 2,145 | |
| 負債合計 | 31,663 | 33,260 | 1,597 | |
| 流動負債 | 28,091 | 30,064 | 1,973 | |
| 固定負債 | 3,571 | 3,196 | △375 | |
| 純資産合計 | 4,565 | 5,112 | 547 | |
| 負債・純資産合計 | 36,228 | 38,373 | 2,145 | |
■セグメント別の経営成績
| (単位:百万円) | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| HS事業 | 売上高 | 23,172 | 25,285 | 9.1% |
| セグメント利益 | 734 | 960 | 30.8% | |
| EMS事業 | 売上高 | 34,270 | 33,158 | △3.2% |
| セグメント利益 | 737 | 389 | △47.2% | |
| PS事業 | 売上高 | 18,264 | 17,216 | △5.7% |
| セグメント利益 | 1,183 | 1,188 | 0.4% | |
| 調整額 | セグメント利益 | △884 | △842 | - |
| 合計 | 売上高 | 75,707 | 75,660 | △0.1% |
| セグメント利益 | 1,771 | 1,695 | △4.3% | |
■設備投資及び減価償却費
当連結会計年度における設備投資については、グローバル市場における成長機会の創出及び事業基盤の強化を目的として、EMS事業及びPS事業を中心に、生産性向上及び品質向上に資する投資を実施いたしました。
主な内容として、EMS事業においては、メキシコ拠点における不動産賃貸借契約に係るリース資産への投資に加え、マレーシア拠点において基板実装関連設備等への投資を実施いたしました。また、PS事業においては、中国拠点における不動産賃貸借契約に係るリース資産、基板実装設備及び品質検査関連設備への投資に加え、日本拠点における建屋内装・設備工事、香港拠点において電子部品製造・検査関連設備等への投資を実施し、生産体制の強化を推進いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の設備投資額は、前年同期比34.1%増の1,629百万円、当連結会計年度の減価償却費は前年同期比1.3%減の1,495百万円となりました。
翌連結会計年度以降の設備投資(新規・拡充)については、営業キャッシュ・フローの改善及び資本効率を重視し、生産体制強化、設備更新及び社内インフラ整備等を計画しております。また、当社グループでは、投資判断及び撤退判断の規律強化を目的として投資委員会を設置し、その運営を通じて投資判断の適正化を図っております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが投資活動及び財務活動による支出を上回ったこと等により、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ2,172百万円増加し、5,952百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループは、財務基盤の強化を重要な経営課題と位置付けております。営業活動によるキャッシュ・フローの増加を主因として、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は前連結会計年度の14.5年から6.6年へ改善し、インタレスト・カバレッジ・レシオは2.6倍から6.7倍へ改善いたしました。
当社グループの主な資金需要は、各事業における運転資金のほか、生産設備の更新・増強及び生産性向上に向けた設備投資であります。これらの資金需要については、営業活動により獲得した資金を基本財源とし、必要に応じて金融機関からの借入等を活用する方針です。
また、中期経営計画においては、キャッシュマネジメントの強化及び有利子負債の削減を重点施策として掲げております。外部コストや間接費の削減、不採算事業からの撤退等を通じた収益基盤の強化に加え、営業キャッシュ・フローの拡大及び資本効率を意識した投資判断の徹底により、安定的な財務基盤の構築を図ってまいります。
加えて、D/Eレシオ及び自己資本比率を主要な財務管理指標として注視し、資本構成の最適化による財務健全性の向上を進めてまいります。
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 6.9 | 12.6 | 13.1 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 16.7 | 27.9 | 20.0 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.6 | 14.5 | 6.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 6.5 | 2.6 | 6.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利息の支払額
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注)2.株式時価総額については、自己株式を除く発行済株式総数により計算しております。
(注)3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注)4.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。
■資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの資金需要の主なものは運転資金、設備資金及び法人税等の支払です。これに対しては、営業キャッシュ・フローから生み出した内部資金の活用を優先し、内部資金では不足する場合に外部からの借入や資本性の資金調達で対応することを原則としております。
借入を行う場合は、低コスト、長短のバランスの勘案、安定的な資金確保を方針としております。長短のバランスについては、運転資金等の短期資金需要については短期借入金で、設備資金やM&A等の長期資金需要については長期借入金で調達を行うこととしております。
グループにおける資金調達は原則として当社に一元化し、資金効率の向上を図っております。また、グループ会社の運営資金については、事業戦略に基づき必要と判断した額を、取締役会決議を経た上で貸し付けております。
当連結会計年度においては、運転資金を中心とした資金調達の結果、外部からの借入金は904百万円の増加(純額)となっております。引き続き、運転資本の効率化を図り借入金を減少させ、これにより自己資本比率等の財務体質改善をめざします。
| (単位:百万円) | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 税金等調整前当期純利益 | 1,587 | 1,063 | |
| 減価償却費 | 1,514 | 1,495 | |
| 運転資金の増減 | 1,066 | 886 | |
| その他 | △2,797 | △265 | |
| 営業キャッシュ・フロー | 1,371 | 3,180 | |
| 固定資産の取得・売却 | △942 | △831 | |
| その他 | 42 | △56 | |
| 投資キャッシュ・フロー | △899 | △888 | |
| フリーキャッシュ・フロー | 471 | 2,292 | |
| 借入金の増減 | 90 | 792 | |
| 配当金支払 他 | △1,342 | △1,003 | |
| 財務キャッシュ・フロー | △1,252 | △211 | |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 3,779 | 5,952 | |
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っております。重要な資産の評価基準及び評価方法、重要な減価償却資産の減価償却の方法、重要な引当金の計上基準等において、継続性・網羅性・厳格性を重視して処理計上しており、繰延税金資産につきましては、将来の回収可能性を十分に検討したうえで計上しております。
特に、有形固定資産及び無形固定資産の減損損失については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。