四半期報告書-第38期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/06 10:19
【資料】
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【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
企業や行政において、デジタル技術を活用した新規ビジネスやサービスの創出、ワークスタイルの変革などの戦略的経営改革が求められている中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるIT投資需要の鈍化があったものの需要は回復しつつあり、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の領域における投資はますます加速していくと見込まれております。
当社グループはこの潮流を長期的な成長の機会と捉え、お客様のDXを支援していくだけでなく当社自身も変革していく「コムチュア・トランスフォーメーション(CX)」を掲げ、これからの10年先を見据えた戦略であるグローバルでメジャーなプラットフォームベンダーやツールベンダーとの連携強化を主軸に、独自のテンプレートやソリューションを付加価値として組み合わせて導入を支援することで、お客様のビジネスモデル変革の担い手として取り組んでまいりました。
以前よりLotus NotesやSAPなどのプラットフォームをベースにしたローコードなカスタマイズ型のシステム構築にいち早く取り組み、時代の変化とともに取り扱うプラットフォームを増やしながら、現在ではMicrosoft、Salesforce、ServiceNow、AWSなどのクラウドプラットフォームをベースにしたシステム構築、SASなどのデータ解析ツールを活用したデータアナリティクス、さらにはRPAツールによる業務の効率化・自動化などに取り組んでおります。従来の単体のプラットフォームに加え複合型のプラットフォームの提供など、最適なものを組み合わせて提供することで複雑化するお客様のニーズに対応しております。そのために、より高度なベンダー資格取得の促進と提案力の向上に積極的に取り組み、上流工程のビジネスやコンサルティングなどの高付加価値化にも注力しております。
提案・営業活動においては、オンラインと対面を組み合わせた営業スタイルを実践しており、日々の営業報告はSFAシステムの活用によって経営層を含めタイムリーな情報共有を行うことで、社内の知恵出しによる提案内容のレベルの向上と営業活動の強化に取り組んでおります。さらには成長領域における新規事業の立上げを加速させるために、社内横断プロジェクトを発足し、顧客ニーズを踏まえたアイデアの創出など、次の成長に向けた取組みにも着手しております。
一方で、ニューノーマル時代の働き方を見据え、社内システムのデジタル化やテレワークを取り入れたハイブリット型の働き方、時短および時差出勤を取り入れ、Webコミュニケーションツールなどを活用した社内外とのコミュニケーションの実施など、新しい働き方を推進しております。
これらの環境変化に対応するための取り組みの結果、当第1四半期連結累計期間の業績におきましては、DX事業を推進したことで、売上高は実質的に(注)11期連続の増収、売上総利益はV字回復を果たして2期ぶりに過去最高となりました。
(注)2021年3月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を早期適用したため、それ以前の四半期連結累計期間に同基準を適用したと仮定して、売上高を比較しております。
クラウドソリューション事業は、官公庁向けの医療管理システムの構築、インターネット情報サービス業や建設業などの大手企業を中心に社内の情報系システムのクラウド化、業務プロセスのデジタル化などの需要の増加により、売上、売上総利益ともに増加いたしました。
デジタルソリューション事業は、小売業向けの需要予測や金融業向けのリスクマネジメントなどのデータ分析ビジネスの拡大に加え、小売業向けの大量なデータを蓄積する環境の構築や整備などのデータマネジメントビジネスの拡大により、売上、売上総利益ともに増加いたしました。
ビジネスソリューション事業は、SAP関連ビジネスの拡大や人事系のシステム開発の需要の増加に加え、当社プロダクトをベースにした全銀ネット接続サービスなどの需要の伸びにより売上、売上総利益ともに増加いたしました。
プラットフォーム・運用サービス事業は、AWSなどのクラウド環境の構築/移行ビジネスおよびクラウド環境運用などのビジネスの拡大に加え、システム運用業務のアウトソーシング需要の増加により売上、売上総利益ともに増加いたしました。
デジタルラーニング事業は、Microsoft、Salesforce、ServiceNowなどのクラウドサービスの資格取得のためのDX教育ビジネスの拡大に加え、当期より連結した子会社の寄与で売上が増加し、売上総利益は黒字に回復いたしました。
(百万円)
前年同期当第1四半期増減増減率
クラウド
ソリューション事業
売上高1,9952,24424912.5%
売上総利益41056915938.9%
デジタル
ソリューション事業
売上高4985727414.7%
売上総利益1141432926.0%
ビジネス
ソリューション事業
売上高1,3351,434997.4%
売上総利益2553115622.0%
プラットフォーム・
運用サービス事業
売上高1,0861,170847.7%
売上総利益2542843011.5%
デジタル
ラーニング事業
売上高44489445999.2%
売上総利益△10142152― %

それぞれの事業の範囲は以下のとおりとなります。
事業区分事業内容
クラウドソリューション事業グローバルなプラットフォーマー(Microsoft,Salesforce.com,ServiceNow,Pegaなど)との連携によるシステムソリューションの提供など
デジタルソリューション事業ビッグデータ/AIツールの活用によるデータ分析ソリューションの提供、RPAツールを使った業務プロセスの自動化など
ビジネスソリューション事業ERPパッケージベンダー(SAPなど)との連携による会計、人事、フィンテックなどの基幹システム構築・運用とモダナイゼーションやコンサルタントなど
プラットフォーム・運用サービス事業クラウドプラットフォーマー(Amazon Web Service, Google Cloud Platformなど)やハードウェアベンダー(HPE,Dell,Ciscoなど)との連携による設計・構築・運用、自社センターでのシステムの遠隔監視サービス、ヘルプデスクなど
デジタルラーニング事業eラーニングなどのプラットフォームを活用した、企業内のIT人材育成のためのITスキルの習得やプラットフォームベンダー資格取得のための教育など

以上の結果、当第1四半期連結累計会計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
(百万円)
前年同期当第1四半期増減増減率
売上高4,9605,91095019.2%
売上総利益1,0241,45142741.7%
営業利益55793237467.2%
経常利益56092936865.7%
親会社株主に帰属する
四半期純利益
36955818851.0%


売上高は、DX関連ビジネスへの更なるシフト、ベンダー連携の強化による営業活動の推進などの取り組みによって4事業が堅調に伸長したことにより前年同期比で10.8%増となり、さらにはデジタルラーニング事業の子会社の寄与により前年同期比で19.2%増の実質的に11期連続の増収となりました。
売上総利益は、提案力の強化やサービス品質・生産性の向上、コンサルティング業務の拡大、成長領域へのシフトなどで一人あたり売上高が伸長したことに加え、前年同期に発生した不採算案件が収束したことで、社員満足度向上のための労務費の大幅な増加、事業拡大に伴う外注費の増加などを吸収し、前年同期比で41.7%の増益となりました。
営業利益は、採用や資格取得関連費用などの更なる成長に向けた先行投資に加え、のれん償却額が増加した一方で、テレワークやWeb会議の推進など働き方改革に取り組んだことで通勤費や会議費などが削減され、前年同期比で67.2%の増益となりました。
この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比で65.7%増の過去最高となりました。
また、企業経営の健全性の指標である自己資本比率は75.5%となり、健全性と高収益性を両立した経営を実践しております。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べて295百万円増加し、16,778百万円となりました。これは主に、売上債権の回収が進んだことにより受取手形及び売掛金が267百万円、実質価額の低下等による評価損により投資有価証券が84百万円それぞれ減少した一方で、税金等調整前四半期純利益の増加等により現金及び預金が598百万円増加したことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間の負債は、前連結会計年度末に比べて16百万円減少し、4,113百万円となりました。これは主に社会保険料等の預り金の増加等により流動負債のその他が177百万円、売上原価の増加に伴い買掛金が87百万円増加した一方で、賞与支給により賞与引当金が291百万円減少したことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度末に比べて311百万円増加し、12,665百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を558百万円計上する一方で、247百万円の配当を実施したことによるものであります。