四半期報告書-第39期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
企業や行政において、デジタル技術を活用した新規ビジネスやサービスの創出、ワークスタイルの変革などの戦略的経営改革が求められている中で、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の領域における投資はますます加速していくと見込まれております。
当社グループはこの潮流を長期的な成長の機会と捉え、お客様のDXを支援していくだけでなく当社自身も変革していく「コムチュア・トランスフォーメーション(CX)」を掲げ、これからの10年先を見据えた戦略であるグローバルベンダーとの連携強化を主軸に、独自のテンプレートやソリューションを付加価値として組み合わせて導入を支援することで、お客様のビジネスモデル変革の担い手として取り組んでまいりました。
以前よりLotus NotesやSAPなどのプラットフォームをベースにした付加価値の高いシステム構築にいち早く取り組み、時代の変化とともに取り扱うプラットフォームを増やしながら、現在ではAWSやMicrosoft、Salesforce、ServiceNow、Pegaなどのクラウドプラットフォームをベースにしたシステム構築、SASなどのデータ解析ツールを活用したデータアナリティクス、さらにはRPAによる業務の効率化・自動化などDX関連のソリューションの提供に取り組んでおります。これらのDXプラットフォームをベースにしたシステム構築の需要は高まっており、付加価値・収益性の高い提案が実現できております。更には従来の単体のプラットフォームに加え複合型のプラットフォームの提供など、最適なものを組み合わせて提供することで複雑化するお客様のニーズにも対応しております。そのために、より高度なベンダー資格取得の促進と提案力の向上に積極的に取り組み、コンサルティングなどの付加価値の高いサービスの提供にも注力しております。
提案・営業活動においては、オンラインと対面を組み合わせた効率的な営業活動のもと、日々の営業報告はSFAシステムの活用によって経営層を含めタイムリーな情報共有を行うことで、チームでの知恵出しによる提案内容のレベルの向上と営業活動の強化に取り組んでおります。さらには成長領域における新規事業の立上げを加速させるために、社内横断プロジェクトを発足し、顧客ニーズを踏まえたテンプレート化の推進など、次の成長に向け取り組んでおります。
受注環境が好調な一方で、業績確保のためにはエンジニアの人材確保が最優先課題であります。中でも社員の待遇の向上は最も重要な課題であり、前期は平均10%の昇給を実施し、今期も8%以上の昇給を計画しております。また、テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドな働き方の促進、小集団活動など自由な研究開発、経営と社員を結びつける場づくりなど、社員とのエンゲージメントの強化に一層取り組んでおります。
新卒採用における優秀な人材の採用に加え、中途採用でも外部のコンサルタントや採用エージェントなどの専門家と密な連携を取ることで採用方法の改善を進めるなど、採用活動の強化に取り組んでおります。
また、社員リソースで不足する分については協力会社のコアパートナー化などの戦略的な連携を進め、即戦力エンジニアの優先的な提供を依頼するとともに、当社グループの教育コンテンツを活用した成長領域での人材育成支援を行うなど、エンジニアの確保を積極的に進めております。
以上の取組みに加え、成長のスピードを加速するためのM&Aも人材確保の重要な施策の一つとして取り組んでおります。4月にソフトウエアクリエイション株式会社(以下、「ソフトウエアクリエイション」という。)を連結子会社化したことにより、120名のエンジニアをグループに迎え体制強化をいたしました。
当社は4月に移行した株式会社東京証券取引所の新市場区分について、「プライム市場」を選択いたしました。
また、より高いガバナンス水準の確保を目指し、経営体制の充実化を進め、2022年6月17日に開催した第38期定時株主総会をもって監査等委員会設置会社へと移行いたしました。委員の過半数が社外取締役で構成される監査等委員会が、業務執行の適法性、妥当性等の監査機能を担うことで、より透明性の高い経営を実現いたします。また、取締役会の業務執行決定権限を取締役に委任することにより、経営の意思決定および執行のさらなる迅速化が可能となります。
今後とも、株主を始めとするステークホルダーのご意見等にも配慮し、皆様の期待に応えるべく、さらなるコーポレートガバナンスの強化と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
これらの環境変化に対応するための取り組みの結果、当第1四半期連結累計期間の業績におきましては、DX事業の推進により、売上高は実質的に12期連続の増収で過去最高となったものの、労務費の大幅な増加や事業拡大に伴う費用の増加などにより、売上総利益は減少いたしました。
事業別の売上高と売上総利益の状況は、以下の通りです。
クラウドソリューション事業は、Microsoft社やSalesforce.com社との連携による顧客情報システム構築、また製造業などの大手企業を中心とした社内の情報系システムのクラウド化、業務プロセスのデジタル化に向けたコンサルティングなどの需要の増加により、売上高が増加いたしました。
デジタルソリューション事業は、金融業向けのアンチマネーロンダリングなどのデータ分析ビジネスの拡大に加え、Google Cloud Platform上での大量なデータを蓄積する環境の構築や整備などのデータマネジメントビジネスの拡大により、売上高が増加いたしました。
ビジネスソリューション事業は、慢性的なリソース不足によるS/4HANA化などSAP関連ビジネスの成長に一時的な鈍化が見られるものの、当期より連結した子会社の寄与により、売上高が増加いたしました。
プラットフォーム・運用サービス事業は、AWSなどのクラウド環境の構築/移行ビジネスおよびクラウド環境運用などのビジネスの拡大に加え、システム運用業務のアウトソーシングやセキュリティサポートなどの需要の増加により、売上高が増加いたしました。
デジタルラーニング事業は、Microsoft、Salesforce、ServiceNowなどのクラウドサービスの資格取得のためのDX教育ビジネスの拡大に加え、新人研修などの企業向けの企画型研修の需要の増加により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
それぞれの事業の範囲は以下のとおりとなります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
売上高は、DX関連ビジネスへの更なるシフト、プラットフォーマーやツールベンダー各社との連携の強化による営業活動の推進などの取り組みに加え、ビジネスソリューション事業の子会社の寄与により前年同期比で16.0%増の12期連続増収となりました。
売上総利益は、提案力の強化やサービス品質・生産性の向上、コンサルティング業務の拡大、成長領域へのシフトなどで一人当たり売上高が伸長したものの、退職抑制策としての社員満足度向上のための労務費の大幅な増加、将来の事業拡大を見込んで採用した新入社員の一時的な非稼働工数の増加などにより、前年同期比で5.2%の減益となりました。
営業利益は、採用や資格取得関連費用などの更なる成長に向けた先行投資に加え、ソフトウエアクリエイションの連結子会社化に伴うのれんを即時償却したこと等により、前年同期比で26.4%の減益となりました。
この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益として受取保険金が発生したものの、前年同期比で14.2%の減益となりました。
なお、企業経営の健全性の指標である自己資本比率は74.2%となり、健全性の高い経営を実践しております。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べて137百万円減少し、18,796百万円となりました。これは主に、ソフトウエアクリエイションの連結子会社化に伴い総資産が純額で709百万円増加した一方で、配当、税金及び賞与の支払等によりソフトウエアクリエイション以外の会社の現金及び預金1,071百万円が減少したことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間の負債は、前連結会計年度末に比べて257百万円減少し、4,856百万円となりました。これは主に、ソフトウエアクリエイションの連結子会社化に伴い負債が800百万円増加した一方で、納税により未払法人税等が841百万円及び賞与支給により賞与引当金が394百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度末に比べて119百万円増加し、13,940百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を478百万円計上する一方で、358百万円の配当を実施したことによるものであります。
(1) 業績の状況
企業や行政において、デジタル技術を活用した新規ビジネスやサービスの創出、ワークスタイルの変革などの戦略的経営改革が求められている中で、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の領域における投資はますます加速していくと見込まれております。
当社グループはこの潮流を長期的な成長の機会と捉え、お客様のDXを支援していくだけでなく当社自身も変革していく「コムチュア・トランスフォーメーション(CX)」を掲げ、これからの10年先を見据えた戦略であるグローバルベンダーとの連携強化を主軸に、独自のテンプレートやソリューションを付加価値として組み合わせて導入を支援することで、お客様のビジネスモデル変革の担い手として取り組んでまいりました。
以前よりLotus NotesやSAPなどのプラットフォームをベースにした付加価値の高いシステム構築にいち早く取り組み、時代の変化とともに取り扱うプラットフォームを増やしながら、現在ではAWSやMicrosoft、Salesforce、ServiceNow、Pegaなどのクラウドプラットフォームをベースにしたシステム構築、SASなどのデータ解析ツールを活用したデータアナリティクス、さらにはRPAによる業務の効率化・自動化などDX関連のソリューションの提供に取り組んでおります。これらのDXプラットフォームをベースにしたシステム構築の需要は高まっており、付加価値・収益性の高い提案が実現できております。更には従来の単体のプラットフォームに加え複合型のプラットフォームの提供など、最適なものを組み合わせて提供することで複雑化するお客様のニーズにも対応しております。そのために、より高度なベンダー資格取得の促進と提案力の向上に積極的に取り組み、コンサルティングなどの付加価値の高いサービスの提供にも注力しております。
提案・営業活動においては、オンラインと対面を組み合わせた効率的な営業活動のもと、日々の営業報告はSFAシステムの活用によって経営層を含めタイムリーな情報共有を行うことで、チームでの知恵出しによる提案内容のレベルの向上と営業活動の強化に取り組んでおります。さらには成長領域における新規事業の立上げを加速させるために、社内横断プロジェクトを発足し、顧客ニーズを踏まえたテンプレート化の推進など、次の成長に向け取り組んでおります。
受注環境が好調な一方で、業績確保のためにはエンジニアの人材確保が最優先課題であります。中でも社員の待遇の向上は最も重要な課題であり、前期は平均10%の昇給を実施し、今期も8%以上の昇給を計画しております。また、テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドな働き方の促進、小集団活動など自由な研究開発、経営と社員を結びつける場づくりなど、社員とのエンゲージメントの強化に一層取り組んでおります。
新卒採用における優秀な人材の採用に加え、中途採用でも外部のコンサルタントや採用エージェントなどの専門家と密な連携を取ることで採用方法の改善を進めるなど、採用活動の強化に取り組んでおります。
また、社員リソースで不足する分については協力会社のコアパートナー化などの戦略的な連携を進め、即戦力エンジニアの優先的な提供を依頼するとともに、当社グループの教育コンテンツを活用した成長領域での人材育成支援を行うなど、エンジニアの確保を積極的に進めております。
以上の取組みに加え、成長のスピードを加速するためのM&Aも人材確保の重要な施策の一つとして取り組んでおります。4月にソフトウエアクリエイション株式会社(以下、「ソフトウエアクリエイション」という。)を連結子会社化したことにより、120名のエンジニアをグループに迎え体制強化をいたしました。
当社は4月に移行した株式会社東京証券取引所の新市場区分について、「プライム市場」を選択いたしました。
また、より高いガバナンス水準の確保を目指し、経営体制の充実化を進め、2022年6月17日に開催した第38期定時株主総会をもって監査等委員会設置会社へと移行いたしました。委員の過半数が社外取締役で構成される監査等委員会が、業務執行の適法性、妥当性等の監査機能を担うことで、より透明性の高い経営を実現いたします。また、取締役会の業務執行決定権限を取締役に委任することにより、経営の意思決定および執行のさらなる迅速化が可能となります。
今後とも、株主を始めとするステークホルダーのご意見等にも配慮し、皆様の期待に応えるべく、さらなるコーポレートガバナンスの強化と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいります。
これらの環境変化に対応するための取り組みの結果、当第1四半期連結累計期間の業績におきましては、DX事業の推進により、売上高は実質的に12期連続の増収で過去最高となったものの、労務費の大幅な増加や事業拡大に伴う費用の増加などにより、売上総利益は減少いたしました。
事業別の売上高と売上総利益の状況は、以下の通りです。
クラウドソリューション事業は、Microsoft社やSalesforce.com社との連携による顧客情報システム構築、また製造業などの大手企業を中心とした社内の情報系システムのクラウド化、業務プロセスのデジタル化に向けたコンサルティングなどの需要の増加により、売上高が増加いたしました。
デジタルソリューション事業は、金融業向けのアンチマネーロンダリングなどのデータ分析ビジネスの拡大に加え、Google Cloud Platform上での大量なデータを蓄積する環境の構築や整備などのデータマネジメントビジネスの拡大により、売上高が増加いたしました。
ビジネスソリューション事業は、慢性的なリソース不足によるS/4HANA化などSAP関連ビジネスの成長に一時的な鈍化が見られるものの、当期より連結した子会社の寄与により、売上高が増加いたしました。
プラットフォーム・運用サービス事業は、AWSなどのクラウド環境の構築/移行ビジネスおよびクラウド環境運用などのビジネスの拡大に加え、システム運用業務のアウトソーシングやセキュリティサポートなどの需要の増加により、売上高が増加いたしました。
デジタルラーニング事業は、Microsoft、Salesforce、ServiceNowなどのクラウドサービスの資格取得のためのDX教育ビジネスの拡大に加え、新人研修などの企業向けの企画型研修の需要の増加により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
(百万円) | |||||
前年同期 | 当第1四半期 | 増減 | 増減率 | ||
クラウド ソリューション事業 | 売上高 | 2,244 | 2,447 | 202 | 9.0% |
売上総利益 | 569 | 546 | △23 | △4.1% | |
デジタル ソリューション事業 | 売上高 | 572 | 630 | 58 | 10.3% |
売上総利益 | 143 | 135 | △8 | △6.1% | |
ビジネス ソリューション事業 | 売上高 | 1,434 | 1,935 | 501 | 34.9% |
売上総利益 | 311 | 295 | △15 | △5.0% | |
プラットフォーム・ 運用サービス事業 | 売上高 | 1,170 | 1,337 | 167 | 14.3% |
売上総利益 | 284 | 241 | △42 | △14.9% | |
デジタル ラーニング事業 | 売上高 | 489 | 504 | 15 | 3.1% |
売上総利益 | 142 | 157 | 15 | 10.7% |
それぞれの事業の範囲は以下のとおりとなります。
事業区分 | 事業内容 |
クラウドソリューション事業 | グローバルなプラットフォーマー(Microsoft,Salesforce.com,ServiceNow,Pegaなど)との連携によるシステムソリューションの提供など |
デジタルソリューション事業 | ビッグデータ/AIツール(SAS,Informaticaなど)の活用によるデータ分析ソリューションの提供、RPAツール(UiPath,Automation Anywhereなど)を使った業務プロセスの自動化など |
ビジネスソリューション事業 | ERPパッケージベンダー(SAPなど)との連携による会計、人事、フィンテックなどの基幹システム構築・運用とモダナイゼーションやコンサルティングなど |
プラットフォーム・運用サービス事業 | クラウドプラットフォーマー(Amazon Web Service, Google Cloud Platformなど)やハードウェアベンダー(HPE,Dell,Ciscoなど)との連携による設計・構築・運用、自社センターでのシステムの遠隔監視サービス、ヘルプデスクなど |
デジタルラーニング事業 | eラーニングなどのプラットフォームを活用した、企業内のIT人材育成のためのITスキルの習得やプラットフォームベンダー資格取得のための教育など |
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
(百万円) | ||||
前年同期 | 当第1四半期 | 増減 | 増減率 | |
売上高 | 5,910 | 6,855 | 945 | 16.0% |
売上総利益 | 1,451 | 1,376 | △74 | △5.2% |
営業利益 | 932 | 686 | △245 | △26.4% |
経常利益 | 929 | 681 | △248 | △26.7% |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 558 | 478 | △79 | △14.2% |
売上高は、DX関連ビジネスへの更なるシフト、プラットフォーマーやツールベンダー各社との連携の強化による営業活動の推進などの取り組みに加え、ビジネスソリューション事業の子会社の寄与により前年同期比で16.0%増の12期連続増収となりました。
売上総利益は、提案力の強化やサービス品質・生産性の向上、コンサルティング業務の拡大、成長領域へのシフトなどで一人当たり売上高が伸長したものの、退職抑制策としての社員満足度向上のための労務費の大幅な増加、将来の事業拡大を見込んで採用した新入社員の一時的な非稼働工数の増加などにより、前年同期比で5.2%の減益となりました。
営業利益は、採用や資格取得関連費用などの更なる成長に向けた先行投資に加え、ソフトウエアクリエイションの連結子会社化に伴うのれんを即時償却したこと等により、前年同期比で26.4%の減益となりました。
この結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益として受取保険金が発生したものの、前年同期比で14.2%の減益となりました。
なお、企業経営の健全性の指標である自己資本比率は74.2%となり、健全性の高い経営を実践しております。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間の総資産は、前連結会計年度末に比べて137百万円減少し、18,796百万円となりました。これは主に、ソフトウエアクリエイションの連結子会社化に伴い総資産が純額で709百万円増加した一方で、配当、税金及び賞与の支払等によりソフトウエアクリエイション以外の会社の現金及び預金1,071百万円が減少したことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間の負債は、前連結会計年度末に比べて257百万円減少し、4,856百万円となりました。これは主に、ソフトウエアクリエイションの連結子会社化に伴い負債が800百万円増加した一方で、納税により未払法人税等が841百万円及び賞与支給により賞与引当金が394百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
当第1四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度末に比べて119百万円増加し、13,940百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を478百万円計上する一方で、358百万円の配当を実施したことによるものであります。