有価証券報告書-第34期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/18 13:08
【資料】
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【項目】
112項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績の継続的な向上に加え、雇用・所得の改善が進むなど経済の好循環が実現しつつあり、緩やかな回復基調となっております。国内企業のIT投資については、デジタルトランスフォーメーション時代において企業が競争力を高め、働き方改革を目指した業務の効率化や自動化を実現するために不可欠なものであることから、クラウドサービス、データアナリティクスを中心に拡大が継続しており、クラウドサービスにビッグデータやIoT等を加えた新しい市場(第3のプラットフォーム市場)は、当連結会計年度以降も順調に推移し、2021年には約15兆円の市場規模に達することが予測されております(IT専門の調査会社・IDC Japan株式会社「国内第3のプラットフォーム市場 産業分野別 企業規模別予測、2017年~2021年」による)。
このような経営環境の中、当社グループにおきましては、クラウド、ビッグデータビジネスの拡大を積極的に行った結果、4つの事業(グループウェアソリューション事業、ERPソリューション事業、Webソリューション事業及びネットワークサービス事業)が順調に推移したことに加え、AI、IoT、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)等の新技術・分野への取組みが新たな成長エンジンとなり大きく伸張いたしました。
当社グループの事業を支える活動といたしましては、現場の第一線にてお客様の要望や関心(ささやき)を吸い上げ、社内での知恵出しを行い、新たな提案・サービス(カタチ)にしてお客様に応える「ささやきをカタチに」する活動を重点施策の一つとして実行し、同時に高付加価値化の追求、案件総量の確保、生産性向上と高品質への取組みも継続的に行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は16,383百万円(前期比17.9%増)、営業利益は1,968百万円(前期比29.3%増)、経常利益は2,010百万円(前期比30.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,395百万円(前期比31.4%増)となりました。
売上高は、高い市場成長率を示すクラウド、ビッグデータビジネスの拡大、AI、RPAなど新技術への取組み及び2016年10月に連結子会社化いたしました株式会社コメットの業績も寄与して8期連続の増収となり、過去最高となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、継続的な高付加価値化戦略による一人当たり売上高の増大、案件総量の拡大及び見積りやプロジェクト管理プロセスの徹底による不採算案件の撲滅等により、人材の補強及び教育研修等のコスト増加を吸収して7期連続の増益となり、こちらも過去最高となりました。
セグメント別の業績(売上高には内部売上高を含む)を示すと、次のとおりであります。
① ソリューションサービス関連
当セグメントにおきましては、クラウド市場の成長を背景としたクラウド、ビッグデータビジネスの順調な拡大、新たに立ち上げたAI、RPA等のビジネスの急拡大により、売上高は10,714,065千円(前年同期比13.3%増)、営業利益は1,199,634千円(前年同期比19.1%増)となりました。
② プロダクト販売関連
当セグメントにおきましては、クラウドビジネスの拡大によるセールスフォース・ドットコムのライセンス等の売上は引き続き堅調であったものの、他のライセンスの二次販売代理店の縮小により、売上高は156,497千円(前年同期比2.2%減)にとどまりました。しかしながら、販売管理体制の効率化を進めた結果、営業利益は92,064千円(前年同期比63.0%増)となりました。
③ ネットワークサービス関連
当セグメントにおきましては、お客様のクラウドへの移行に伴う基盤系ソリューション、遠隔監視ビジネスなど、ビジネスの高付加価値化を積極的に推進しました。また、前年度第3四半期から連結した子会社も大きく寄与し、売上高5,803,973千円(前年同期比26.3%増)、営業利益は676,672千円(前年同期比47.6%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社グループは、各種システムの提案、構築、保守及び運用に係るサービスの提供を行っており、生産実績を定義することは困難であるため記載しておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ソリューションサービス関連10,946,42614.42,210,67510.1
プロダクト販売関連49,48910.19,67510.5
ネットワークサービス関連4,840,541△16.82,420,633△24.4
合計15,836,4572.64,640,983△11.1

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
ソリューションサービス関連10,712,97214.2
プロダクト販売関連48,572△11.3
ネットワークサービス関連5,621,54426.1
合計16,383,09017.9

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,315,019千円増加し、8,600,726千円となりました。これは主に、子会社株式の売却等によりのれんが496,743千円減少したものの、好業績を反映して現金及び預金が1,687,835千円、受取手形及び売掛金が226,285千円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて326,153千円増加し、3,728,313千円となりました。これは主に、1年内返済予定を含む長期借入金の返済により339,992千円減少したものの、課税所得の増大により未払法人税等が249,998千円、社員の貢献に報いるべく賞与のベースを引き上げたこと等に伴い賞与引当金が139,303千円、売上の増加によりその他の流動負債に含まれている未払消費税が107,933千円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて988,865千円増加し、4,872,412千円となりました。これは主に、業績が好調なことから、剰余金の配当を上回る親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,687,835千円増加し、4,200,879千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、1,953,430千円(前年同期比109.2%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,046,263千円、のれん償却額197,259千円、賞与引当金の増加143,826千円及び減損損失121,559千円に対し、売上債権の増加267,789千円及び関係会社株式売却益131,051千円があったことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果獲得した資金は、378,262千円(前期は627,687千円の使用)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入305,005千円及び保険積立金の解約による収入64,229千円があったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は643,856千円(前年同期比609.4%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入130,000千円に対し、配当金の支払額434,165千円及び長期借入金の返済による支出339,992千円があったことによるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末において総資産の5割近い手元資金を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はありません。