有価証券報告書-第22期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 12:09
【資料】
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【項目】
149項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,902,604千円増加し、22,749,485千円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ445,672千円増加し、10,244,264千円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,456,932千円増加し、12,505,220千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高64,026,120千円(前期比60.1%増)、営業利益2,312,443千円(前期比159.4%増)、経常利益2,301,702千円(前期比145.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,387,642千円(前期比906.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
宅配事業(Oisix)は、売上高29,619,356千円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益4,036,252千円(前期比22.7%増)となりました。
宅配事業(大地を守る会)は、売上高10,902,455千円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益1,639,551千円(前期比6.1%減)となりました。
宅配事業(らでぃっしゅぼーや)は、売上高18,028,454千円、セグメント利益3,342,442千円となりました。なお、当連結会計年度より業績が加わったことから比較分析は行っておりません。
その他事業は、売上高5,793,689千円(前期比36.3%増)、セグメント利益689,131千円(前期比5.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動による3,115,308千円の増加、投資活動による2,215,594千円の減少、財務活動による6,031千円の増加などにより、現金及び現金同等物(以下「資金」)は898,643千円増加したことから、期末残高は8,093,373千円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っていますが、事業全体における重要性が低いため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループの主な事業は、最終消費者へ直接販売する小売業であり、当該事業は商品を仕入れてから販売するまでの期間が極めて短期間のため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比
(%)
宅配事業(Oisix)(千円)29,619,356+19.4
宅配事業(大地を守る会)(千円)10,902,455△2.8
宅配事業(らでぃっしゅぼーや)(千円)18,028,454-
その他事業(千円)5,793,689+36.3
合計(千円)64,026,120+60.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
3.その他事業には商品売上のほか、業務受託売上・広告売上等が含まれております。
4.前連結会計年度に比べ、販売実績が大きく増加した主な理由は、らでぃっしゅぼーやの宅配事業・その他事業の販売実績が加わったことによるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の景気対策などの効果もあり緩やかな景気回復基調で推移したものの、個人消費におきましては、依然として先行きが不透明であり、お客様の選別の目が一段と厳しくなってきております。
近年のEC業界においては、スマートフォンの一層の普及やSNS等を活用した販売経路の多様化が進む中で、市場における価格・サービス競争は激しさを増しており、配送員等の人手不足を背景とした物流コストの上昇や、大手流通における食品宅配サービス事業への参入など、取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。
一方で、共働き世帯の増加や健康志向の上昇など、ライフスタイル・価値観の変化に伴う消費者ニーズがますます多様化する中、近年、国内においてはミールキット市場が拡大しております。また、当社の主たる事業領域である安全性に配慮した食品業界においては、安心・安全に対する消費者の意識が引き続き高い状況にあります。
このような環境の中、当社は、会員制食品宅配事業において約30年の歴史を持つらでぃっしゅぼーや株式会社を2018年2月に子会社化、両社のシナジーを最大限に発揮するため、同年10月には合併による経営統合を行い、成長市場である食品EC市場において、既存サービスであるOisix及び大地を守る会に、らでぃっしゅぼーやを加えた3ブランドの独自性・競争優位性の確立に取り組んでまいりました。
a.経営成績等及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は22,749,485千円となり、前連結会計年度末残高19,846,880千円と比較して2,902,604千円増加しました。
流動資産は16,601,798千円となり、前連結会計年度末残高15,261,572千円と比較して1,340,225千円増加しました。この主な要因は、現金及び預金899,843千円の増加、商品及び製品255,415千円の増加によるものです。
固定資産は6,147,686千円となり、前連結会計年度末残高4,585,307千円と比較して1,562,378千円増加しました。有形固定資産129,324千円の増加、無形固定資産237,154千円の減少、投資その他の資産1,670,208千円の増加によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は10,244,264千円となり、前連結会計年度末残高9,798,592千円と比較して445,672千円増加しました。
流動負債は9,450,000千円となり、前連結会計年度末残高8,729,685千円と比較して720,315千円増加しました。この主な要因は、未払金573,289千円の増加、その他173,363千円の増加によるものです。
固定負債は794,264千円となり、前連結会計年度末残高1,068,907千円と比較して274,643千円減少しました。この主な要因は、退職給付に係る負債458,874千円の減少、その他180,017千円の増加によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は12,505,220千円となり、前連結会計年度末残高10,048,288千円と比較して2,456,932千円増加しました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,387,642千円の計上によるものです。
2)経営成績
当連結会計年度より、らでぃっしゅぼーや株式会社の子会社化に伴い、同社の損益計算書を連結損益計算書に含めております。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、当連結会計年度よりらでぃっしゅぼーやの宅配事業・その他事業の売上高が加わり、また、当社のミールキットサービス「KitOisix」が好評を博するなどOisixの定期購入会員数が順調に増加したことなどにより、前連結会計年度と比較して60.1%増の64,026,120千円となりました。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、売上拡大に伴い商品仕入が増加したことなどにより、前連結会計年度と比較して57.6%増の33,504,178千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、売上拡大に伴う変動費の増加、らでぃっしゅぼーや株式会社との合併に伴う一般管理費の増加などにより、前連結会計年度と比較して58.2%増の28,209,498千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特殊要因である、2018年10月1日付のらでぃっしゅぼーや株式会社との吸収合併による税務上の繰越欠損金の継承、繰延税金資産の追加計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して906.4%増の2,387,642千円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、3,115,308千円(前期比90.2%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,150,556千円、減価償却費457,460千円、のれん償却額384,939千円、未払金の増加額550,127千円等による収入と、たな卸資産の増加額264,134千円、法人税等の支払額366,702千円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,215,594千円(前期比688.1%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得243,522千円、無形固定資産の取得717,760千円、関係会社株式の取得1,100,000千円、敷金及び保証金の差入109,567千円などの支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、6,031千円(前期比99.0%減)となりました。これは主に、新株予約権の権利行使に伴う株式の発行による収入47,958千円、リース債務の返済による支出42,524千円によるものであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、商品の仕入、お客様へ商品を配送するための荷造運賃発送費、新規顧客獲得を中心としたマーケティング費用などの営業費用であります。また、設備資金需要としては、販売管理システムの改修などソフトウェア開発による投資などがあります。
2)財務政策
当社グループは現在、運転資金については、原則として手持資金(利益等の内部留保資金)を充当しております。また、設備資金については、設備投資計画に基づき、手元資金で不足が生じる場合は、長期借入金での調達を検討いたします。また、設備投資の案件が継続して発生する、あるいは大型の案件が発生する場合については、長期的な財務体質の強化を意識し、公募増資も視野に入れた資金調達を検討いたします。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、売上高、営業利益及び売上高営業利益率を重要な指標としております。
また、企業結合において発生したのれんなどの償却費(非現金支出費用)が業績に与える影響を考慮し、事業が生み出す現金収支の状況を適切に判断するための指標として、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を重視しております。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
【宅配事業(Oisix)】
インターネットを通じて主に食品・食材の直販を行う宅配事業(Oisix)においては、ミールキットサービス「KitOisix」が引き続き好評を博し、定期宅配サービス「おいしっくすくらぶ」会員数が20万人を突破するなど順調に伸長した結果、売上高が大幅に増加しております。また、会員数の増加による売上高の増加に加えて、原価率の改善や注文単価の上昇による利益率の上昇により、セグメント利益が大きく増加しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
売上高 29,619,356千円(前期比19.4%増)
セグメント利益 4,036,252千円(前期比22.7%増)
【宅配事業(大地を守る会)】
カタログやインターネットを通じて主に食品・食材の直販を行う宅配事業(大地を守る会)においては、購買行動の二極化が進み、購買単価は上昇するも頻度低下し、売上高はやや微減となりました。また、新規会員獲得のための販売促進費を抑制した前年同期からの反動減などにより、セグメント利益は減少しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
売上高 10,902,455千円(前期比 2.8%減)
セグメント利益 1,639,551千円(前期比 6.1%減)
【宅配事業(らでぃっしゅぼーや)】
カタログやインターネットを通じて主に食品・食材の直販を行う宅配事業(らでぃっしゅぼーや)においては、新規会員獲得のための販売促進費を抑制し、サービスの進化に注力すると同時に、利益構造改善のため赤字受注の削減に取り組んだ結果、会員数自体は減少傾向にありますが、概ね計画通りに推移しております。
売上高 18,028,454千円
セグメント利益 3,342,442千円
【その他事業】
当セグメントは、ソリューション事業、店舗事業、海外事業、卸事業等からなるその他事業でありますが、当連結会計年度より、らでぃっしゅぼーや株式会社の卸事業の業績が加わっております。。
これらの結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
売上高 5,793,689千円(前期比36.3%増)
セグメント利益 689,131千円(前期比 5.0%減)