有価証券報告書-第24期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において当社グループでは、前連結会計年度より継続して、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、「X-Tech(クロステック)サービス」について急速に拡大するDX(※1)市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現することを目指し、両者を両輪として当社グループの事業を展開させてまいりました。
以下、当連結会計年度における具体的な進捗について、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」「その他サービス」という分類にしたがいましてお伝えいたします。
はじめに、積極的な成長投資の中心である「X-Techサービス」についてお伝えします。
まずアグリテックについては、ドローンを活用した、水稲栽培を行う圃場別にデジタル解析を実施し、適期の防除を可能とする「ピンポイントタイム散布」サービスの導入が、全国の水稲生産者及び農業団体へ急速に広がっております。前年度「ピンポイントタイム散布」サービスをご利用いただいたお客様よりサービスの継続した利用の申し込みや利用規模の拡大についてご相談いただくとともに、新規の導入も急速に拡大しております。
マーケティングDXについては、「OPTiM Digital Experience」プラットフォームの提供を中心に取り組んでおります。新しい展開として、デジタルを活用した誰もが暮らしやすい地域・地方を実現する「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」を提供開始しました。「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」とは、自治体が提供するあらゆるサービスや情報を、ひとつのアプリ、IDを通じて住民の皆様へ提供するためのプラットフォームです。本プラットフォームを活用したスーパーアプリを利用することで、住民の皆様は役所へ行かなくともオンラインで各種行政手続きを行うことができるようになります。さらに、ゴミの収集日、地域の情報、防犯防災など、ご自身に関連する欲しい情報や重要な情報を得ることもできます。また自治体は、窓口業務の省人化や、住民の属性に応じた情報発信を行うことができるなど、行政のデジタル化を推進することができます。本プラットフォームは、「佐賀市公式スーパーアプリ」にて活用されております。同アプリは、提供から9ヵ月間で約38,000ダウンロードを達成し、佐賀市民有効浸透率約3割と新しいデジタル行政インフラとして認識が広がっております。一般社団法人デジタルメディア協会(以下、AMD)の「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’23/第29回AMDアワード(※2)」において、「リージョナル賞」を受賞しており、外部機関からも高い評価を得ています。また、同アプリを用いた佐賀市の取組みは、デジタル庁が推進するデジタル田園都市国家構想交付金のTYPE3の交付対象として採択されました。このTYPE3交付対象とは、オープンなデータ連携基盤を活用し、複数のサービス実装を伴う、モデルケースとなり得る取組みというTYPE2の要件に加え、さらに先駆的かつデジタル社会変革による地域の暮らしの維持に繋がり、かつ総合評価が優れている取組みに対して採択されるものとなり、交付金の上限、補助金率も大きくなります。当社グループでは、「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」について、「佐賀市公式スーパーアプリ」で培ったノウハウを活かして、全国の自治体へのサービス展開を目指してまいります。
デジタルコンストラクションについては、スマホ3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」のライセンス契約数が順調に増加をしました。これは、好評な「OPTiM Geo Scan」の基本機能に加え、長距離での高精度な3次元測量を誰でも簡単に実現する「OPTiM Geo Scan Advance」などの、「OPTiM Geo Scan」関連サービスを利用することで、従来の測量に必要だった高額で専門的な測量機器をスマートフォンで代替できることや、図面作成や数量計算などの業務に必要なアウトプットの作成までスマートフォンで完結できることから、土木測量や災害被災現場の測量など幅広いシーンで活用された結果であると考えております。また、「OPTiM Geo Scan」は、国土交通省が提供している新技術情報提供システムNETIS(New Technology Information System、以下 NETIS)において、最高評価である「VE」を獲得しました。NETISとは、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、国土交通省が整備したデータベースシステムです。NETISに登録されることで、国及び地方公共団体などの発注者や施工業者、コンサルタントなどの方々へ情報が共有され、全国での活用が期待できます。
オフィスDXについては、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」及び文書管理サービス「OPTiM 電子帳簿保存」のバージョンアップを継続的に実施しております。文書管理を効率化する機能の追加や、契約書及び帳票書類のAI解析精度の向上を行うなどしており、ユーザーの利便性が向上した結果、大幅にライセンス数が増加しております。さらに、両サービスは公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証(※3)」を取得しました。ユーザーは改正電子帳簿保存法で求められている電子データ保存要件を、個別に確認することなく要件に適合した保存が可能になります。本認証を取得したことにより、法改正対応へのニーズを取り込むことができ、さらなる成長が期待できます。
映像管理DXについては、クラウドAI映像解析サービス「OPTiM AI Camera」をさまざまなお客様に提供しております。一例として、福岡市及び北九州市へも提供を開始しました。両自治体において「OPTiM AI Camera」は、役所における窓口の混雑状況を可視化し、市民サービスの向上や業務効率化に貢献しています。これらの事例に続き、全国の自治体へ「OPTiM AI Camera」を提供し、自治体DXの推進を支援いたします。
デジタルヘルスについては、遠隔診療サービスの展開を強化するとともに、株式会社メディカロイドの手術支援ロボットシステム「hinotoriTMサージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステム「MINS」の取組みが、継続的に成長しております。
次に、もう一つの事業の柱である「モバイルマネジメントサービス」についてお伝えします。「モバイルマネジメントサービス」では、13年連続シェアNo.1(※4)の「Optimal Biz」に関して、より効率的・効果的な環境整備を行い、モバイル端末がさらに浸透する中、多様化、深化する顧客ニーズへの対応を実現できるような体制づくりを実施しました。これらの施策の結果、「Optimal Biz」については、市場の成長とあわせて、順調にライセンス数も増加しております。今後も、市場における優位性の拡大を目指したバージョンアップを実施し、引き続きサービスを成長させていきます。
最後に、「その他サービス」については、「Optimal Remote」や「タブホ」のライセンス売上が計画どおりに推移しております。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーションの略称。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 AMDアワード…AMDが、毎年過去1年間に発売又は発表されたデジタルコンテンツの中から優秀作品又はサービスを審査のうえ、選定し、その制作者個人あるいはグループの功績を表彰するもの。詳細は以下のWebサイトをご確認ください。https://amd.or.jp/pressrelease/2024/20240305_29th_AMD_award_prize.pdf
※3 電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証…公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)により、スキャナ保存(紙で授受した書類をスキャンして電子データとして保存すること)を行う市販ソフトウエア及びソフトウエアサービスが、電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックされ、法的要件を満足していると判断したものを認証する制度。
※4 出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所 2023年9月発刊、「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望 2023年度版」より。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計の残高は、9,562,534千円となり、前連結会計年度末と比較して1,343,083千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが787,353千円、現金及び預金が461,892千円、受取手形、売掛金及び契約資産が389,901千円増加した一方で、ソフトウエア仮勘定が169,970千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計の残高は、2,220,473千円となり、前連結会計年度末と比較して190,331千円増加いたしました。これは主に、未払金が165,133千円増加したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計の残高は、7,342,061千円となり、前連結会計年度末と比較して1,152,752千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が1,171,356千円増加したことによるものです。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高10,243,411千円(前年同期比10.4%増)、営業利益1,940,238千円(前年同期比10.9%増)、経常利益1,844,116千円(前年同期比12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,171,356千円(前年同期比21.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して461,892千円増加し、1,902,753千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は1,965,133千円(前年同期は2,313,091千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,863,440千円、減価償却費829,535千円による資金増加があった一方で、法人税等の支払額532,148千円、売上債権の増加389,901千円による資金減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,504,066千円(前年同期は1,651,715千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,400,533千円、有形固定資産の取得による支出114,900千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は825千円(前年同期は199,915千円の使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入924千円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは単一セグメントのため、サービスごとに記載しております。
(注) 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、10,243,411千円(前年同期比10.4%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの売上高が9,075,503千円(前年同期比12.4%増)となり、ライセンス収入が増加したことによるものです。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、5,196,167千円(前年同期比13.0%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの収入の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
この結果、売上総利益は5,047,243千円(前年同期比7.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,107,004千円(前年同期比6.1%増)となりました。これは主に、研究開発費が減少した一方で人件費、業務委託費、及び広告宣伝費が増加したことによるものです。
この結果、営業利益は1,940,238千円(前年同期比10.9%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は11,571千円(前年同期比19.7%減)となりました。これは主に、受取手数料によるものです。
当連結会計年度における営業外費用は107,693千円(前年同期比16.9%減)となりました。これは主に、持分法による投資損失によるものです。
この結果、経常利益は1,844,116千円(前年同期比12.8%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別利益は、40,652千円(前連結会計年度の発生はありません)となりました。これは、持分変動利益と国庫補助金によるものです。
当連結会計年度における特別損失は21,328千円(前年同期比7.1%減)となりました。これは、固定資産圧縮損によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,863,440千円(前年同期比15.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は、691,860千円(前連結会計年度は649,052千円)となり、前連結会計年度と比べて42,807千円増加いたしました。これは主に、ライセンス収入が増加したことにより課税所得が増加したことによるものです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,171,356千円(前年同期比21.7%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向や技術革新への対応等があります。当社グループでは、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、急速に拡大するDX市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現するべく事業展開を行ってまいりました。当社グループは、「モバイルマネジメントサービス」「X-Techサービス」を中心とした取組みを引き続き推進し、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の増加が研究開発投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加、ならびに研究開発投資の成果として知的財産権(特許権)を重視しております。
当連結会計年度における売上高は10,243,411千円を達成しました。売上高の多くを占めるストック型のライセンス収入については、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」を中心にライセンス数を積み上げることができ、順調に推移しております。
知的財産権(特許権)については、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取り組んでまいりました。
このような取り組みの一例として、「OPTiM Contract」での研究開発成果を権利化した特許第6290459号「契約書管理システム、契約書管理方法、および契約書管理プログラム」(令和3年度九州地方発明表彰・文部科学大臣賞)や、「OPTiM Geo Scan」での研究開発成果を権利化した特許第6928217号「測定処理装置、方法及びプログラム」が挙げられます。
また、取り組みで得た知見は、知的財産による産業発展に寄与すべく国内外に発信しております。2023年4月の世界知的所有権機関(WIPO)主催イベントでは、当社代表取締役社長の菅谷への知財活用に関するインタビューが紹介されました。また、WIPOのIP Advantage(世界各国の知財活用事例データベース)に、当社農業事業での知財活用事例が掲載されました。
今後も、知的財産権獲得による競争優位の確保に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発投資を目的とした人件費、外注費、業務委託費などです。
当社グループは、営業活動により獲得した自己資金を運転資金の財源にすることを基本としておりますが、状況に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施いたします。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の19.9%を占める1,902,753千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において当社グループでは、前連結会計年度より継続して、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、「X-Tech(クロステック)サービス」について急速に拡大するDX(※1)市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現することを目指し、両者を両輪として当社グループの事業を展開させてまいりました。
以下、当連結会計年度における具体的な進捗について、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」「その他サービス」という分類にしたがいましてお伝えいたします。
はじめに、積極的な成長投資の中心である「X-Techサービス」についてお伝えします。
まずアグリテックについては、ドローンを活用した、水稲栽培を行う圃場別にデジタル解析を実施し、適期の防除を可能とする「ピンポイントタイム散布」サービスの導入が、全国の水稲生産者及び農業団体へ急速に広がっております。前年度「ピンポイントタイム散布」サービスをご利用いただいたお客様よりサービスの継続した利用の申し込みや利用規模の拡大についてご相談いただくとともに、新規の導入も急速に拡大しております。
マーケティングDXについては、「OPTiM Digital Experience」プラットフォームの提供を中心に取り組んでおります。新しい展開として、デジタルを活用した誰もが暮らしやすい地域・地方を実現する「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」を提供開始しました。「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」とは、自治体が提供するあらゆるサービスや情報を、ひとつのアプリ、IDを通じて住民の皆様へ提供するためのプラットフォームです。本プラットフォームを活用したスーパーアプリを利用することで、住民の皆様は役所へ行かなくともオンラインで各種行政手続きを行うことができるようになります。さらに、ゴミの収集日、地域の情報、防犯防災など、ご自身に関連する欲しい情報や重要な情報を得ることもできます。また自治体は、窓口業務の省人化や、住民の属性に応じた情報発信を行うことができるなど、行政のデジタル化を推進することができます。本プラットフォームは、「佐賀市公式スーパーアプリ」にて活用されております。同アプリは、提供から9ヵ月間で約38,000ダウンロードを達成し、佐賀市民有効浸透率約3割と新しいデジタル行政インフラとして認識が広がっております。一般社団法人デジタルメディア協会(以下、AMD)の「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’23/第29回AMDアワード(※2)」において、「リージョナル賞」を受賞しており、外部機関からも高い評価を得ています。また、同アプリを用いた佐賀市の取組みは、デジタル庁が推進するデジタル田園都市国家構想交付金のTYPE3の交付対象として採択されました。このTYPE3交付対象とは、オープンなデータ連携基盤を活用し、複数のサービス実装を伴う、モデルケースとなり得る取組みというTYPE2の要件に加え、さらに先駆的かつデジタル社会変革による地域の暮らしの維持に繋がり、かつ総合評価が優れている取組みに対して採択されるものとなり、交付金の上限、補助金率も大きくなります。当社グループでは、「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」について、「佐賀市公式スーパーアプリ」で培ったノウハウを活かして、全国の自治体へのサービス展開を目指してまいります。
デジタルコンストラクションについては、スマホ3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」のライセンス契約数が順調に増加をしました。これは、好評な「OPTiM Geo Scan」の基本機能に加え、長距離での高精度な3次元測量を誰でも簡単に実現する「OPTiM Geo Scan Advance」などの、「OPTiM Geo Scan」関連サービスを利用することで、従来の測量に必要だった高額で専門的な測量機器をスマートフォンで代替できることや、図面作成や数量計算などの業務に必要なアウトプットの作成までスマートフォンで完結できることから、土木測量や災害被災現場の測量など幅広いシーンで活用された結果であると考えております。また、「OPTiM Geo Scan」は、国土交通省が提供している新技術情報提供システムNETIS(New Technology Information System、以下 NETIS)において、最高評価である「VE」を獲得しました。NETISとは、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、国土交通省が整備したデータベースシステムです。NETISに登録されることで、国及び地方公共団体などの発注者や施工業者、コンサルタントなどの方々へ情報が共有され、全国での活用が期待できます。
オフィスDXについては、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」及び文書管理サービス「OPTiM 電子帳簿保存」のバージョンアップを継続的に実施しております。文書管理を効率化する機能の追加や、契約書及び帳票書類のAI解析精度の向上を行うなどしており、ユーザーの利便性が向上した結果、大幅にライセンス数が増加しております。さらに、両サービスは公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証(※3)」を取得しました。ユーザーは改正電子帳簿保存法で求められている電子データ保存要件を、個別に確認することなく要件に適合した保存が可能になります。本認証を取得したことにより、法改正対応へのニーズを取り込むことができ、さらなる成長が期待できます。
映像管理DXについては、クラウドAI映像解析サービス「OPTiM AI Camera」をさまざまなお客様に提供しております。一例として、福岡市及び北九州市へも提供を開始しました。両自治体において「OPTiM AI Camera」は、役所における窓口の混雑状況を可視化し、市民サービスの向上や業務効率化に貢献しています。これらの事例に続き、全国の自治体へ「OPTiM AI Camera」を提供し、自治体DXの推進を支援いたします。
デジタルヘルスについては、遠隔診療サービスの展開を強化するとともに、株式会社メディカロイドの手術支援ロボットシステム「hinotoriTMサージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステム「MINS」の取組みが、継続的に成長しております。
次に、もう一つの事業の柱である「モバイルマネジメントサービス」についてお伝えします。「モバイルマネジメントサービス」では、13年連続シェアNo.1(※4)の「Optimal Biz」に関して、より効率的・効果的な環境整備を行い、モバイル端末がさらに浸透する中、多様化、深化する顧客ニーズへの対応を実現できるような体制づくりを実施しました。これらの施策の結果、「Optimal Biz」については、市場の成長とあわせて、順調にライセンス数も増加しております。今後も、市場における優位性の拡大を目指したバージョンアップを実施し、引き続きサービスを成長させていきます。
最後に、「その他サービス」については、「Optimal Remote」や「タブホ」のライセンス売上が計画どおりに推移しております。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーションの略称。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 AMDアワード…AMDが、毎年過去1年間に発売又は発表されたデジタルコンテンツの中から優秀作品又はサービスを審査のうえ、選定し、その制作者個人あるいはグループの功績を表彰するもの。詳細は以下のWebサイトをご確認ください。https://amd.or.jp/pressrelease/2024/20240305_29th_AMD_award_prize.pdf
※3 電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証…公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)により、スキャナ保存(紙で授受した書類をスキャンして電子データとして保存すること)を行う市販ソフトウエア及びソフトウエアサービスが、電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックされ、法的要件を満足していると判断したものを認証する制度。
※4 出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所 2023年9月発刊、「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望 2023年度版」より。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計の残高は、9,562,534千円となり、前連結会計年度末と比較して1,343,083千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが787,353千円、現金及び預金が461,892千円、受取手形、売掛金及び契約資産が389,901千円増加した一方で、ソフトウエア仮勘定が169,970千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計の残高は、2,220,473千円となり、前連結会計年度末と比較して190,331千円増加いたしました。これは主に、未払金が165,133千円増加したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計の残高は、7,342,061千円となり、前連結会計年度末と比較して1,152,752千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が1,171,356千円増加したことによるものです。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高10,243,411千円(前年同期比10.4%増)、営業利益1,940,238千円(前年同期比10.9%増)、経常利益1,844,116千円(前年同期比12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,171,356千円(前年同期比21.7%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して461,892千円増加し、1,902,753千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は1,965,133千円(前年同期は2,313,091千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,863,440千円、減価償却費829,535千円による資金増加があった一方で、法人税等の支払額532,148千円、売上債権の増加389,901千円による資金減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,504,066千円(前年同期は1,651,715千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,400,533千円、有形固定資産の取得による支出114,900千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は825千円(前年同期は199,915千円の使用)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入924千円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは単一セグメントのため、サービスごとに記載しております。
| サービスの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年比(%) | |
| IoTプラットフォームサービス | 9,075,503 | 112.4 |
| リモートマネジメントサービス | 751,120 | 108.4 |
| サポートサービス | 86,045 | 77.8 |
| その他サービス | 330,741 | 82.7 |
| 合計 | 10,243,411 | 110.4 |
(注) 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| KDDI株式会社 | 3,114,648 | 33.6 | 3,189,475 | 31.1 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、10,243,411千円(前年同期比10.4%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの売上高が9,075,503千円(前年同期比12.4%増)となり、ライセンス収入が増加したことによるものです。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、5,196,167千円(前年同期比13.0%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの収入の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
この結果、売上総利益は5,047,243千円(前年同期比7.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,107,004千円(前年同期比6.1%増)となりました。これは主に、研究開発費が減少した一方で人件費、業務委託費、及び広告宣伝費が増加したことによるものです。
この結果、営業利益は1,940,238千円(前年同期比10.9%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は11,571千円(前年同期比19.7%減)となりました。これは主に、受取手数料によるものです。
当連結会計年度における営業外費用は107,693千円(前年同期比16.9%減)となりました。これは主に、持分法による投資損失によるものです。
この結果、経常利益は1,844,116千円(前年同期比12.8%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別利益は、40,652千円(前連結会計年度の発生はありません)となりました。これは、持分変動利益と国庫補助金によるものです。
当連結会計年度における特別損失は21,328千円(前年同期比7.1%減)となりました。これは、固定資産圧縮損によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,863,440千円(前年同期比15.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は、691,860千円(前連結会計年度は649,052千円)となり、前連結会計年度と比べて42,807千円増加いたしました。これは主に、ライセンス収入が増加したことにより課税所得が増加したことによるものです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,171,356千円(前年同期比21.7%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向や技術革新への対応等があります。当社グループでは、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、急速に拡大するDX市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現するべく事業展開を行ってまいりました。当社グループは、「モバイルマネジメントサービス」「X-Techサービス」を中心とした取組みを引き続き推進し、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の増加が研究開発投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加、ならびに研究開発投資の成果として知的財産権(特許権)を重視しております。
当連結会計年度における売上高は10,243,411千円を達成しました。売上高の多くを占めるストック型のライセンス収入については、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」を中心にライセンス数を積み上げることができ、順調に推移しております。
知的財産権(特許権)については、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取り組んでまいりました。
このような取り組みの一例として、「OPTiM Contract」での研究開発成果を権利化した特許第6290459号「契約書管理システム、契約書管理方法、および契約書管理プログラム」(令和3年度九州地方発明表彰・文部科学大臣賞)や、「OPTiM Geo Scan」での研究開発成果を権利化した特許第6928217号「測定処理装置、方法及びプログラム」が挙げられます。
また、取り組みで得た知見は、知的財産による産業発展に寄与すべく国内外に発信しております。2023年4月の世界知的所有権機関(WIPO)主催イベントでは、当社代表取締役社長の菅谷への知財活用に関するインタビューが紹介されました。また、WIPOのIP Advantage(世界各国の知財活用事例データベース)に、当社農業事業での知財活用事例が掲載されました。
今後も、知的財産権獲得による競争優位の確保に取り組んでまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発投資を目的とした人件費、外注費、業務委託費などです。
当社グループは、営業活動により獲得した自己資金を運転資金の財源にすることを基本としておりますが、状況に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施いたします。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の19.9%を占める1,902,753千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。