四半期報告書-第22期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 会計方針の変更」に記載しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の景気は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナウイルス)の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっております。
このような市場環境の中、当社グループは、社内業務改善・効率化のためのデジタル化を「Corporate DX」、デジタルを活用した事業創造のためのデジタル化を「Industrial DX」と分類して2つのDX(※1)を推進し、新たな市場を開拓すべく、引き続き〇〇×ITを推進しております。
まず、第2四半期連結累計期間における「Corporate DX」につきましては、11年連続トップシェアを維持している「Optimal Biz」(デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社、「クラウドサービス市場の現状と展望 2013年度版」IT資産管理(MDM含む)市場「合計売上高」2011年度~2012年度実績(2013年発刊)、「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望 2014年度版」MDM市場動向「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2013年度実績(2014年発刊)、「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」MDM市場動向「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2014年度~2017年度実績(2015~2018年発刊)、「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望」MDM市場「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2018年度~2020年度実績および2021年度予測より(2019年~2021年発刊)より。)を中心とするストック型の売上について、拡大を続けております。
第2四半期連結累計期間においては、新たにクラウド認証基盤サービス「OPTiM ID+(プラス)」の販売を開始しました。「OPTiM ID+」は、組織で利用している複数のクラウドサービスに対し、ひとつのID・パスワードでログインすることができるクラウド型のID管理サービスです。「OPTiM ID+」の導入により、情報システム管理者の一元的なアカウント運用を実現するなど、複雑になりがちな情報漏洩対策の負荷を軽減いたします。また、「Optimal Biz」とも連携が行えるため、「Optimal Biz」により管理され、セキュリティが担保された端末からのみクラウドサービスへのログインを許可することもできます。これにより、PC・モバイル・クラウドサービスによって得られる利便性と、より強固なセキュリティ対策の両立を実現します。
また、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」が、アドビ株式会社が提供する「Adobe Document Cloud」のクラウド型電子サインサービス「Adobe Sign」と連携が開始することを発表しました。これにより、従来の紙媒体の契約書のスキャンデータやMicrosoft Wordの文章ファイルだけではなく、「Adobe Sign」で締結した電子契約も一元的に管理が可能となるため、あらゆる企業の活動で必要とされる契約締結・管理業務に関するコストやリスク削減をいたします。
次に「Industrial DX」については、第1四半期から引き続き「OPTiM Cloud IoT OS」を中心とするストック型の売上が拡大しております。
まず、業種を問わずご利用いただけるAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」については、順調に普及が進んでおり、パナソニック ネットソリューションズ株式会社と連携し「OPTiM AI Camera Enterprise」とVMS(ビデオ管理システム:Video Management System)サービス「ArgosView」との接続検証を完了しました。「OPTiM AI Camera Enterprise」と「ArgosView」を組み合わせることで、広大な施設や複数の施設・フロアの混雑状況の確認がAI画像解析により容易となり、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の検討に寄与します。また、お客様の滞在時間の確認も可能となるため、店舗マーケティングにも活用できます。
次に、「Industrial DX」の各分野における取り組みについてご説明いたします。
建設分野においては、LiDAR(ライダー:Light Detection and Rangingの略、レーザー光を使い、対象物までの距離や位置、形状を正確に検知できるセンサー技術の一種)センサー付きのスマートフォンやタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Geo Scan」を、国土交通省 九州地方整備局が実施する「令和3年度防災訓練」へ提供しました。「OPTiM Geo Scan」を災害復旧活動で活用することで、測量機器のコスト軽減や測量時間の短縮を見込むことができ、3次元データの収集や同データを活用した災害復旧活動への寄与が期待できます。さらに、「OPTiM Geo Scan」と、3次元点群データをクラウド上で処理・解析・共有することができる、スキャン・エックス株式会社のサービス「スキャン・エックス」のサービス連携を開始しました。本連携により、測量から3次元データの作成・編集後の施主とのデータ共有まで、「OPTiM Geo Scan」のアカウントのみを利用するだけで実施できるようになります。また、株式会社小松製作所と進めております、LANDLOGプラットフォームの構築およびスマートコンストラクションの取り組みに関しても順調に推移しております。
農業分野においては、当社ならびに株式会社クボタ、inaho株式会社、株式会社ルートレック・ネットワークス、株式会社レグミン、株式会社関東甲信クボタの6社で、ハウス栽培のスマート化に向けた実証実験を開始しました。参画企業各社が保有するロボットやAI等を活用した自動化ソリューションを持ち寄ることで、潅水(水やり)、施肥、防除(病害虫の予防・駆除)、収穫といった各栽培工程で収集するデータを相互利活用できる実証環境を構築しております。さらに、福島県白河地区における、ドローンを用いて適宜に農薬散布する取り組みや新潟県をはじめとしたさまざまな地域においてドローンを用いた直播栽培を実施し、米の栽培の負荷軽減を目指す取り組みなどを実施しております。このように、さまざまな実証実験を重ねながら新たなソリューションの開発を目指しております。
医療分野においては、国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」(以下、hinotoriTM)の製品導入が推進されている中、当社グループは「hinotoriTM」のネットワークサポートシステムのプラットフォームである「Medicaroid Intelligent Network System」(MINS)をはじめとしてソフト面において製品導入のサポートを継続しております。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いオンライン診療のニーズが高まっており、「オンライン診療プラットフォーム」の需要が高まっております。これをうけて当社ならびに国立大学法人 神戸大学、株式会社ZAIKENと共同で、「オンライン診療ポケットドクター」とウェアラブル心電計「duranta(デュランタ)」を用いて、心房細動患者の外来診療における小型心電計の郵送システムを活用する、新しい診療形態の安全性と有用性の検討を行う共同研究を開始しました。本研究を通じて、オンラインでの診察と、対面による診察を組み合わせた循環器外来での新たな診療形態の安全性と有用性を検討しております。
また知財分野では、契約書AI解析・管理システムの特許(特許第6290459号)が、令和3年度九州地方発明表彰において、「文部科学大臣賞」を受賞しました。さらに、株式会社パテント・リザルトが集計した、1993年から2020年の日本の情報通信分野における特許資産個人ランキングにおいて、当社代表取締役社長 菅谷 俊二が1位である旨評価頂いております。
これら、さまざまな分野における当社の活動やすぐにビジネス活用できるAI・IoTソリューションを紹介するイベントを「OPTiM INNOVATION 2021」と評して開催いたします。本年は「あなたの仕事を変えるDX」をテーマとし、当社グループが取り組む複数の産業ごとに、開催日を分けて実施を予定しております。まず第1弾として、建設業界向けの「OPTiM INNOVATION 2021 Construction」、第2弾として農業業界向け「OPTiM INNOVATION 2021 Agri」、第3弾、第4弾として、医療業界向け「OPTiM INNOVATION 2021 Medical」、オフィス・小売・製造業界を含めたあらゆる企業向け「OPTiM INNOVATION 2021 Final」の開催を予定しております。「OPTiM INNOVATION 2021 Construction」では、i-Construction、ICT活用、3次元施工、BIM(※2)/CIM(※3)といった建設現場DX化の最新事情及び建設現場に革命を起こす測量アプリ「OPTiM Geo Scan」のアップデート情報や導入・活用事例、今後の展望をご紹介いたします。「OPTiM INNOVATION 2021 Agri」では、当社グループが推進するスマート農業に関する新サービスや当社特許技術「ピンポイント農薬散布テクノロジー」など、最先端技術を用いたプロジェクト事例やパートナーとの取り組みを紹介いたします。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高3,521,478千円(前年同四半期比15.4%増)、営業利益571,878千円(前年同四半期比75.6%増)、経常利益516,550千円(前年同四半期比0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益319,884千円(前年同四半期比0.5%減)となりました。
上記の通り、売上・利益ともに順調に推移しております。
なお、営業利益と経常利益の乖離が大きくなっておりますが、これは前期から今期にかけて設立した合弁会社3社ともに投資フェーズであり、費用先行となっていることに起因しております。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益が、前年対比でマイナス計上となっておりますが、これは前年度において、国からの補助金等の確定がずれ込んだことによる受取手数料(約9,200万円)及び投資事業組合運用益(約9,900万円)といった特殊要因として営業外収益の計上があったことが影響しております。
当社グループの売上構造については、ストック型売上が中心となっていること、及び、フロー型のカスタマイズ収入の検収時期が下期に集中する傾向があること、等の理由から、売上は下期偏重となります。
一方で長期にわたる全世界的規模での新型コロナウイルスの経済的影響が懸念されております。国内で全国的に出されていた緊急事態宣言措置区域及びまん延防止等重点措置区域の解除がなされた現在においても、今後の新型コロナウイルスの罹患の状況や、それが社会に与える影響等が不透明であり、当社グループに与える影響がどの程度になるのかは予測不能な側面があります。万が一、今後、感染が再拡大し、終息へ向かわない場合、景気自体の減衰につながり、当社グループへも影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループの売上構造については、ストック型売上が中心となっていること、及び、フロー型のカスタマイズ収入の検収時期が下期に集中する傾向があること、等の理由から、売上は下期偏重となります。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーション。ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 BIM…Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略。計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図る取り組み。
※3 CIM…Construction Information Modeling/Management(コンストラクション インフォメーション モデリング マネージメント)の略。建築分野で活用されていたBIMを土木分野で導入したもの。
② 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産の残高は、5,844,057千円となり、前連結会計年度末と比較して404,849千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが324,443千円、ソフトウエア仮勘定が177,375千円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が651,282千円、現金及び預金が305,807千円減少したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計の残高は、1,172,837千円となり、前連結会計年度末と比較して720,180千円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が261,795千円、未払法人税等が357,166千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、4,671,220千円となり、前連結会計年度末と比較して315,331千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が319,884千円増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況に関する分析
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して305,807千円減少し、1,147,869千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は566,164千円(前年同四半期は510,363千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少額651,282千円、仕入債務の減少額252,252千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は867,887千円(前年同四半期は325,941千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出613,531千円、敷金及び保証金の差入による支出151,169千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は4,084千円(前年同四半期は559千円の獲得)となりました。これは主に、非支配株主への配当金の支払額4,200千円があったことによるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は595,486千円です。ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は543,757千円となっております。これは研究開発に係る受託収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計会計において、当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因について重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、研究開発投資に向けた労務費及び外注費等があります。
② 財務政策
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、資産合計の19.6%を占める1,147,869千円です。
当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源とし、研究開発活動および設備投資を行っております。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 会計方針の変更」に記載しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の景気は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナウイルス)の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっております。
このような市場環境の中、当社グループは、社内業務改善・効率化のためのデジタル化を「Corporate DX」、デジタルを活用した事業創造のためのデジタル化を「Industrial DX」と分類して2つのDX(※1)を推進し、新たな市場を開拓すべく、引き続き〇〇×ITを推進しております。
まず、第2四半期連結累計期間における「Corporate DX」につきましては、11年連続トップシェアを維持している「Optimal Biz」(デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社、「クラウドサービス市場の現状と展望 2013年度版」IT資産管理(MDM含む)市場「合計売上高」2011年度~2012年度実績(2013年発刊)、「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望 2014年度版」MDM市場動向「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2013年度実績(2014年発刊)、「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」MDM市場動向「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2014年度~2017年度実績(2015~2018年発刊)、「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望」MDM市場「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2018年度~2020年度実績および2021年度予測より(2019年~2021年発刊)より。)を中心とするストック型の売上について、拡大を続けております。
第2四半期連結累計期間においては、新たにクラウド認証基盤サービス「OPTiM ID+(プラス)」の販売を開始しました。「OPTiM ID+」は、組織で利用している複数のクラウドサービスに対し、ひとつのID・パスワードでログインすることができるクラウド型のID管理サービスです。「OPTiM ID+」の導入により、情報システム管理者の一元的なアカウント運用を実現するなど、複雑になりがちな情報漏洩対策の負荷を軽減いたします。また、「Optimal Biz」とも連携が行えるため、「Optimal Biz」により管理され、セキュリティが担保された端末からのみクラウドサービスへのログインを許可することもできます。これにより、PC・モバイル・クラウドサービスによって得られる利便性と、より強固なセキュリティ対策の両立を実現します。
また、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」が、アドビ株式会社が提供する「Adobe Document Cloud」のクラウド型電子サインサービス「Adobe Sign」と連携が開始することを発表しました。これにより、従来の紙媒体の契約書のスキャンデータやMicrosoft Wordの文章ファイルだけではなく、「Adobe Sign」で締結した電子契約も一元的に管理が可能となるため、あらゆる企業の活動で必要とされる契約締結・管理業務に関するコストやリスク削減をいたします。
次に「Industrial DX」については、第1四半期から引き続き「OPTiM Cloud IoT OS」を中心とするストック型の売上が拡大しております。
まず、業種を問わずご利用いただけるAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」については、順調に普及が進んでおり、パナソニック ネットソリューションズ株式会社と連携し「OPTiM AI Camera Enterprise」とVMS(ビデオ管理システム:Video Management System)サービス「ArgosView」との接続検証を完了しました。「OPTiM AI Camera Enterprise」と「ArgosView」を組み合わせることで、広大な施設や複数の施設・フロアの混雑状況の確認がAI画像解析により容易となり、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の検討に寄与します。また、お客様の滞在時間の確認も可能となるため、店舗マーケティングにも活用できます。
次に、「Industrial DX」の各分野における取り組みについてご説明いたします。
建設分野においては、LiDAR(ライダー:Light Detection and Rangingの略、レーザー光を使い、対象物までの距離や位置、形状を正確に検知できるセンサー技術の一種)センサー付きのスマートフォンやタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Geo Scan」を、国土交通省 九州地方整備局が実施する「令和3年度防災訓練」へ提供しました。「OPTiM Geo Scan」を災害復旧活動で活用することで、測量機器のコスト軽減や測量時間の短縮を見込むことができ、3次元データの収集や同データを活用した災害復旧活動への寄与が期待できます。さらに、「OPTiM Geo Scan」と、3次元点群データをクラウド上で処理・解析・共有することができる、スキャン・エックス株式会社のサービス「スキャン・エックス」のサービス連携を開始しました。本連携により、測量から3次元データの作成・編集後の施主とのデータ共有まで、「OPTiM Geo Scan」のアカウントのみを利用するだけで実施できるようになります。また、株式会社小松製作所と進めております、LANDLOGプラットフォームの構築およびスマートコンストラクションの取り組みに関しても順調に推移しております。
農業分野においては、当社ならびに株式会社クボタ、inaho株式会社、株式会社ルートレック・ネットワークス、株式会社レグミン、株式会社関東甲信クボタの6社で、ハウス栽培のスマート化に向けた実証実験を開始しました。参画企業各社が保有するロボットやAI等を活用した自動化ソリューションを持ち寄ることで、潅水(水やり)、施肥、防除(病害虫の予防・駆除)、収穫といった各栽培工程で収集するデータを相互利活用できる実証環境を構築しております。さらに、福島県白河地区における、ドローンを用いて適宜に農薬散布する取り組みや新潟県をはじめとしたさまざまな地域においてドローンを用いた直播栽培を実施し、米の栽培の負荷軽減を目指す取り組みなどを実施しております。このように、さまざまな実証実験を重ねながら新たなソリューションの開発を目指しております。
医療分野においては、国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」(以下、hinotoriTM)の製品導入が推進されている中、当社グループは「hinotoriTM」のネットワークサポートシステムのプラットフォームである「Medicaroid Intelligent Network System」(MINS)をはじめとしてソフト面において製品導入のサポートを継続しております。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いオンライン診療のニーズが高まっており、「オンライン診療プラットフォーム」の需要が高まっております。これをうけて当社ならびに国立大学法人 神戸大学、株式会社ZAIKENと共同で、「オンライン診療ポケットドクター」とウェアラブル心電計「duranta(デュランタ)」を用いて、心房細動患者の外来診療における小型心電計の郵送システムを活用する、新しい診療形態の安全性と有用性の検討を行う共同研究を開始しました。本研究を通じて、オンラインでの診察と、対面による診察を組み合わせた循環器外来での新たな診療形態の安全性と有用性を検討しております。
また知財分野では、契約書AI解析・管理システムの特許(特許第6290459号)が、令和3年度九州地方発明表彰において、「文部科学大臣賞」を受賞しました。さらに、株式会社パテント・リザルトが集計した、1993年から2020年の日本の情報通信分野における特許資産個人ランキングにおいて、当社代表取締役社長 菅谷 俊二が1位である旨評価頂いております。
これら、さまざまな分野における当社の活動やすぐにビジネス活用できるAI・IoTソリューションを紹介するイベントを「OPTiM INNOVATION 2021」と評して開催いたします。本年は「あなたの仕事を変えるDX」をテーマとし、当社グループが取り組む複数の産業ごとに、開催日を分けて実施を予定しております。まず第1弾として、建設業界向けの「OPTiM INNOVATION 2021 Construction」、第2弾として農業業界向け「OPTiM INNOVATION 2021 Agri」、第3弾、第4弾として、医療業界向け「OPTiM INNOVATION 2021 Medical」、オフィス・小売・製造業界を含めたあらゆる企業向け「OPTiM INNOVATION 2021 Final」の開催を予定しております。「OPTiM INNOVATION 2021 Construction」では、i-Construction、ICT活用、3次元施工、BIM(※2)/CIM(※3)といった建設現場DX化の最新事情及び建設現場に革命を起こす測量アプリ「OPTiM Geo Scan」のアップデート情報や導入・活用事例、今後の展望をご紹介いたします。「OPTiM INNOVATION 2021 Agri」では、当社グループが推進するスマート農業に関する新サービスや当社特許技術「ピンポイント農薬散布テクノロジー」など、最先端技術を用いたプロジェクト事例やパートナーとの取り組みを紹介いたします。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高3,521,478千円(前年同四半期比15.4%増)、営業利益571,878千円(前年同四半期比75.6%増)、経常利益516,550千円(前年同四半期比0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益319,884千円(前年同四半期比0.5%減)となりました。
上記の通り、売上・利益ともに順調に推移しております。
なお、営業利益と経常利益の乖離が大きくなっておりますが、これは前期から今期にかけて設立した合弁会社3社ともに投資フェーズであり、費用先行となっていることに起因しております。
また、親会社株主に帰属する四半期純利益が、前年対比でマイナス計上となっておりますが、これは前年度において、国からの補助金等の確定がずれ込んだことによる受取手数料(約9,200万円)及び投資事業組合運用益(約9,900万円)といった特殊要因として営業外収益の計上があったことが影響しております。
当社グループの売上構造については、ストック型売上が中心となっていること、及び、フロー型のカスタマイズ収入の検収時期が下期に集中する傾向があること、等の理由から、売上は下期偏重となります。
一方で長期にわたる全世界的規模での新型コロナウイルスの経済的影響が懸念されております。国内で全国的に出されていた緊急事態宣言措置区域及びまん延防止等重点措置区域の解除がなされた現在においても、今後の新型コロナウイルスの罹患の状況や、それが社会に与える影響等が不透明であり、当社グループに与える影響がどの程度になるのかは予測不能な側面があります。万が一、今後、感染が再拡大し、終息へ向かわない場合、景気自体の減衰につながり、当社グループへも影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループの売上構造については、ストック型売上が中心となっていること、及び、フロー型のカスタマイズ収入の検収時期が下期に集中する傾向があること、等の理由から、売上は下期偏重となります。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーション。ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 BIM…Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略。計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムの効率化・高度化を図る取り組み。
※3 CIM…Construction Information Modeling/Management(コンストラクション インフォメーション モデリング マネージメント)の略。建築分野で活用されていたBIMを土木分野で導入したもの。
② 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産の残高は、5,844,057千円となり、前連結会計年度末と比較して404,849千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが324,443千円、ソフトウエア仮勘定が177,375千円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が651,282千円、現金及び預金が305,807千円減少したことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計の残高は、1,172,837千円となり、前連結会計年度末と比較して720,180千円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が261,795千円、未払法人税等が357,166千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産の残高は、4,671,220千円となり、前連結会計年度末と比較して315,331千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が319,884千円増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況に関する分析
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して305,807千円減少し、1,147,869千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は566,164千円(前年同四半期は510,363千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の減少額651,282千円、仕入債務の減少額252,252千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は867,887千円(前年同四半期は325,941千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出613,531千円、敷金及び保証金の差入による支出151,169千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は4,084千円(前年同四半期は559千円の獲得)となりました。これは主に、非支配株主への配当金の支払額4,200千円があったことによるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は595,486千円です。ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は543,757千円となっております。これは研究開発に係る受託収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計会計において、当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因について重要な変更はありません。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、研究開発投資に向けた労務費及び外注費等があります。
② 財務政策
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、資産合計の19.6%を占める1,147,869千円です。
当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源とし、研究開発活動および設備投資を行っております。