四半期報告書-第19期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

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2019/02/14 15:12
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文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期会計期間の期首から適用しており、財政状態については、遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間における国内経済は、政府による経済対策、日銀による金融政策の効果等を背景に、雇用・所得環境の改善傾向が続き、景気は緩やかな回復基調にあるものの、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動による影響が懸念されます。
このような市場環境の中、当社は、前期に引き続き第4次産業革命において中心的な役割を果たす企業となるため、AI・IoT・Robot分野においてさらなる積極的な事業展開および研究開発投資を行っており、第3四半期においても、研究開発は計画通り順調に進んでおります。
まず、AI・IoT・Robot分野においては、2018年10月に、AI画像解析技術で各業界特有の課題解決を実現するパッケージサービス「OPTiM AI Camera」ならびに、これまで実施してきたデータ解析のナレッジを活かした、定量データ解析サービス「OPTiM AI Prediction」を発表いたしました。「OPTiM AI Camera」は、店舗や施設など業界別・利用目的別に設置されたさまざまな種類のカメラからデータを収集し、学習済みモデルを活用して画像解析を行うことでマーケティング、セキュリティー、業務効率などの領域を支援するパッケージサービスです。11業種を対象とした計300種類を超える学習済みモデルを適用したメニューを揃え、AIを手軽に利用できる環境を整えました。また、「OPTiM AI Prediction」は、FinTech、価格変動予測、市場動向予測、セキュリティモニタリングなどのAIデータ解析を実際に運用するさまざまな場面において、収集されたデータを解析し、将来の動向の予測モデルを提供するサービスとなります。「OPTiM AI Camera」については、株式会社蔦屋エンタープライズが2019年4月に次世代ショールームとしてオープンする「蔦屋家電+」(ツタヤカデンプラス)へ「OPTiM AI Camera for Retail CE」の提供が決定しております。
AI・IoT・Robotを活用した農業分野においては、「スマート農業アライアンス」の取り組みの一つである、「スマートアグリフードプロジェクト」の成果として、2018年10月にピンポイント農薬散布テクノロジーを用いて栽培された「丹波黒 大豆・枝豆」を株式会社高島屋で販売を行い、2018年11月にはWebサイト「スマートアグリフーズ直送便(愛称:スマ直)」をオープンし、AIやドローンを使い農薬使用量を抑えたあんしん・安全なお米「スマート米」の販売を開始致しました。スマート米の栽培に活用した「ピンポイント農薬散布テクノロジー」については、基本特許を取得しており、アライアンスパートナーは、安心して当社技術をご利用頂けます。また、2018年11月には、一般社団法人九州経済連合会(以下 九経連)、福岡県、大分県とともに、九州における農業の競争力をAI・IoT・Robotを用いて強化し、“稼げる農業”の実現を加速化するべく、「スマート農業促進コンソーシアム」を設立し、「スマート農業促進コンソーシアム協定」を締結したことを発表しております。
AI・IoT・Robotを活用した医療分野においては、2018年11月に愛知県での遠隔服薬指導の実証実験にて「オンライン診療ポケットドクター」が採択されております。また、2018年12月には、当社の医療・介護向けプラットフォームを用いた訪問介護看護サービス向けソリューション「ほのぼのTV通話システム」がエヌ・デーソフトウェアより提供が開始されております。さらに、2018年12月に「高度管理医療機器等販売業・貸与業」の許可を取得しており、AI・IoTを活用した在宅医療支援サービス「Smart Home Medical Care」単体での提供のみならず、「Smart Home Medical Care」と連携できる医療機器その他のデバイスをソリューションとして提供することが可能となりました。これにより、エンドユーザーは、個別に機器を導入したりする必要性がなくなる等、利便性が向上し、「Smart Home Medical Care」の導入が促進されるものと考えております。
その他にもAI・IoT・Robotを活用した個別の業種に向けた取り組みが増えており、2018年10月には、電力向けでは九州電力株式会社とAI・IoTを活用した新規事業のための戦略的提携や、佐賀県警察と地域の安心安全をAI・IoTの活用で実現する包括連携協定の締結を行っています。
一方で、これらのAI・IoT・Robotに対する積極投資を支える既存事業も堅調に推移しており、その中心サービスである「Optimal Biz」においては、2017年度国内EMM市場にて出荷ID数の割合で31.1%のシェアを獲得するなど、引き続きトップシェアを維持しております。(出展:ミック経済研究所「コレボレーション・モバイル管理パッケージソフトの市場展望 2018年度版」)「Optimal Biz」については、このような現状の市場でのシェアに甘んじることなく性能・利便性を高めております。今期においては、バージョンアップによりGoogleが提供する法人向け端末管理フレームワーク「Android enterprise」の「ゼロタッチ登録」機能との連携を強化しました。これにより、「Optimal Biz」をご利用の管理者・端末利用者ともに、これまで以上にキッティング効率が向上し、迅速な端末配備を行うことができます。
これらのサービスは、売上高で前年同期比28.5%増の進捗を達成しております。
この結果、当第3四半期累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
①財政状態
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産の残高は、3,180,898千円となり、前事業年度末と比較して464,479千円減少いたしました。これは主に、繰延税金資産が165,777千円増加した一方で、現金及び預金が634,998千円減少したことによるものです。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、737,420千円となり、前事業年度末と比較して12,899千円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が59,667千円増加した一方で、流動負債のその他に含まれる未払金が47,893千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産の残高は、2,443,478千円となり、前事業年度末と比較して477,378千円減少いたしました。これは主に、四半期純損失により利益剰余金が403,044千円減少したことによるものです。
②経営成績
当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高3,611,560千円(前年同期比28.5%増)、営業損失532,736千円(前年同期は営業利益240,672千円)、経常損失524,879千円(前年同期は経常利益238,611千円)、四半期純損失403,044千円(前年同期は四半期純利益119,781千円)となりました。
当社の売上構造は、ストック型のライセンス収入で月額課金による売上が中心となっていること及びフロー型のカスタマイズ売上の検収時期が下期に集中する傾向があるため、売上は下期偏重となります。第3四半期の進捗状況としては、売上・利益ともに計画どおりであり、業績予想への影響は一切ございません。
なお、当社の事業は、ライセンス販売・保守サポートサービス(オプティマル)事業のみの単一事業であるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、サービス別の内訳は次のとおりであります。
(IoTプラットフォームサービス)
「Optimal Biz」が引き続きライセンス数を伸ばしております。2017年度国内EMM市場にて出荷ID数の割合で31.1%のシェアを獲得するなど、引き続きトップシェアを維持しております。(出展:ミック経済研究所「コレボレーション・モバイル管理パッケージソフトの市場展望 2018年度版」)
AI・IoT・Robot分野では、AIカメラの導入が各業界で進んでおります。
AI・IoT・Robotを活用した農業分野では、ピンポイント農薬散布技術を利用した日本各地での米と大豆の本格販売を開始しました。これらのピンポイント農薬散布・施肥テクノロジーに関する基本特許は国内で取得済みであり、本特許は現在世界主要各国で出願しております。
(リモートマネジメントサービス)
遠隔作業支援から作業管理まで行う「Smart Field」の拡販に注力しております。遠隔作業支援「Remote Action」、「Optimal Second Sight」も順調にライセンス数を伸ばしております。
(サポートサービス)
パソコン市場の成長性が鈍化しており、当該売上高は減少傾向にあります。しかし、MVNO市場においても自動化、サポート効率化のニーズは強く、引き続きサービスの拡大を進めてまいります。
(その他サービス)
「パソコンソフト使い放題」、「ビジネスソフト使い放題(パソコンソフト使い放題の法人向けサービス)」ともに、既存の販売パートナーでの販売が堅調に進んでおります。人気雑誌読み放題サービス「タブホ」においては、今までの雑誌に加え、週刊アスキーなど株式会社KADOKAWAの雑誌16誌を追加し、ますます魅力的なサービスにしております。通常の販売に加え、法人向けサービスであるタブホスポットの販売も好調に推移しております。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、1,775,543千円であります。ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は1,772,880千円となっております。これは、研究開発に係る受託収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向や技術革新への対応等があります。当社が事業展開する市場は堅調に拡大を続けており、その市場のなかでの当社の位置づけも優位な状況であることは変わっておりません。ただし、世界の大きな潮流は、AI・IoT・Robotを活用した「第4次産業革命」へと加速度をあげて移行しております。時代の大きな転換点を鑑みるに、「第4次産業革命」において中心的な役割を果たす企業となるためには、より一層の研究開発投資が必要であると判断しました。具体的には、ここ数年取り組んでまいりました、各業界・産業とITを融合させる「○○×IT」によりITの力で業界・産業基盤を再構築する取り組みを引き続き推進し、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、研究開発投資に向けた労務費及び外注費等があります。
②財務政策
当期末の現金及び現金同等物は、資産合計の32.1%を占める1,019,958千円です。当社は、主に営業活動から得た資金を財源とし、研究開発活動および設備投資を行っております。