四半期報告書-第22期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 会計方針の変更」に記載しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナウイルス)の影響により依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いておりますが、一部で弱さが増してきております。
このような市場環境の中、当社グループは、今期も引き続き〇〇×ITを推進していくにあたり、社内業務改善・効率化のためのデジタル化を「Corporate DX」、デジタルを活用した事業創造のためのデジタル化を「Industrial DX」と分類し、2つのDX(※1)を推進することで、新たな市場を開拓してまいります。
「Corporate DX」においては、コロナ禍により、オフィス業務のデジタル化、リモートワークの推進、業務効率化、コスト削減といったニーズが急拡大しております。当社グループでは、既に「Optimal Biz」等の提供を通じて、累計18万社という顧客基盤を有しております。この顧客基盤に対して、販売パートナーを活用し、新サービスを開発・提供してまいります。
「Industrial DX」においては、これまでの〇〇×IT戦略の更なる推進により、当社グループのAI・IoTプラットフォームへの接続デバイスや産業向けキラーサービスが飛躍的に増加しております。今後は、デバイスカバレッジの強化、産業用キラーサービスの開発を推進し、全世界450億台のデバイスへの接続と産業用キラーサービスの提供を目指してまいります。
これら、2つのDXを両輪として、既存の強力な販売パートナーや合弁会社と一体となり、事業推進ならびに事業拡大を進めてまいります。
まず、「Corporate DX」の詳細についてご説明いたします。
当第1四半期連結累計期間における当社グループのビジネスの状況については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークが一般的となってきております。そのような背景のもと、社外で利用するスマートフォンやタブレット、PCの管理ならびに運用の需要が高まっており、「Optimal Biz」のライセンス数が堅調に拡大しております。それ裏付けるデータとしまして、第三者調査機関の株式会社テクノ・システム・リサーチより発刊された調査レポート「2020-2021年版 エンドポイント管理市場のマーケティング分析」の「2.モバイル管理市場」、2020年調査結果において、「Corporate DX」を支える「Optimal Biz」が19部門中12部門でトップシェアの評価をいただきました。
また、新たなサービスとして、「Optimal Remote Web」、「Optimal Remote IoT」、「OPTiM ID+(プラス)」、「OPTiM Contract」、「OPTiM Digital Marketing」を発表しました。
「Optimal Remote Web」は、ユーザーのPC・スマートフォン・タブレット等に表示されたWeb画面を簡単かつセキュアにリアルタイムで共有できるリモートサポートサービスです。オペレーターは、ユーザーに専用アプリをインストールしてもらう必要がなく、受付番号をユーザーから伺うだけで、閲覧しているWebページ内容が確認でき、サポートが行えます。
「Optimal Remote IoT」は、あらかじめエージェントを導入したIoT端末に対して遠隔操作を実施することができるサービスです。本サービスを利用することで、出勤せずにIoT機器の遠隔操作が可能となるため、テレワークで活用いただけます。また、現場に訪問することなく遠隔地に設置してあるデバイス操作が可能となるため、端末の運用・保守コスト削減やトラブルの早期復旧に寄与いたします。
「OPTiM ID+」は、組織で利用している複数のクラウドサービスに対し、ひとつのID・パスワードでログインすることができるクラウド型のID管理サービスです。「OPTiM ID+」の導入により、情報システム管理者の一元的なアカウント運用を実現するなど、複雑になりがちな情報漏洩対策の負荷を軽減いたします。また、「Optimal Biz」とも連携が行えるため、「Optimal Biz」により管理され、セキュリティが担保された端末からのみクラウドサービスへのログインを許可することもできます。これにより、PC・モバイル・クラウドサービスによって得られる利便性と、より強固なセキュリティ対策の両立を実現します。
「OPTiM Contract」は、AIを活用し契約書管理の効率化を実現するサービスです。本サービスでは、契約書に記載されている、契約書名や契約企業名、契約締結日・終了日、有効期間、契約更新日などのデータをAIが自動で高速抽出いたします。AIが自動的に抽出した情報は分類分けが行われ、ダッシュボードでまとめて管理が行われるため、管理コストが削減できます。また契約書の有効期限が近づくとアラートを発出することにより、契約更新漏れによる損失を防ぎます。
「OPTiM Digital Marketing」は、CRM(Customer Relationship Managementの略、顧客関係管理の意味)を軸とした企業のさまざまなマーケティング施策を最適化、効率化する為のクラウドサービスです。本サービスを用いることで、企業の顧客情報管理、Webサイトのコンテンツ管理、ECサイトの構築と運営、効率的なメルマガ配信など、顧客との接点強化に関わるさまざまな活動を最適化する事ができます。
次に、「Industrial DX」についてご説明いたします。
まず、業種を問わずご利用いただけるAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」については、順調に普及が進んでおります。第1四半期においては、KDDI株式会社と連携し、恩賜上野動物園内(上野動物園)に、「OPTiM AI Camera」の「混雑可視化機能」(混雑状況匿名化表示)を提供しております。このサービスでは、混雑が予想されるエリアの混雑状況をリアルタイムで可視化し、上野動物園のWebサイトに表示します。来園されたお客様がこの情報を確認し、空いているエリアから回るなど、予め混雑度合いを確認し、混雑を回避して快適に観覧することができ、かつ新型コロナウイルス感染対策の面からも、安心して観覧することができます。
また新たなサービスとして、IoTを活用したクラウド機器管理サービス「OPTiM IoT」を発表しました。「OPTiM IoT」とは、あらゆる機器や装置をクラウドから管理・運用するサービスです。本サービスを導入することにより、管理している機器や装置の稼働最適化を行え、機器・装置の生産性を最大限に引き出すことができます。
次に、「Industrial DX」の各分野における取り組みについてご説明いたします。
農業分野においては、ドローン直播機の開発を共同で進めている石川県農林総合研究センターと協力し、固定翼型ドローン「OPTiM Hawk」の空撮画像から、広範囲の水稲、大豆等に関する生育情報を取得し、きめ細やかな栽培指導を実現する実証実験を実施しました。従来、栽培指導には、地域の代表圃場の調査から得られる生育情報を活用しますが、本実証実験では、固定翼型ドローンの技術を応用し、従来の代表圃場の生育情報にドローンから得られる広範囲の情報を組み合わせます。これにより、対象地域全ての圃場の状態を確認することができ、圃場ごとの状況に即したきめ細かい栽培指導を実現できるため、農作物の収量・品質の更なる向上が見込めます。なお、本実証実験は、農林水産省の「令和3年度スマート農業実証プロジェクト」の取り組みの一貫として実施しております。
医療分野においては、新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中で、人との接触を行わない新たな診療方法としてオンライン診療の注目が高まっております。そのような中、当社グループが提供している「オンライン診療プラットフォーム」をご利用いただいているお客様の要望に沿うべくバージョンアップを行いました。本バージョンアップにより、ビデオ通話機能の拡充が行われています。さらに、「ヘルスケアデバイス連携」機能の対応項目を強化し、Apple Watchが測定した血中酸素濃度を参照できるようになりました。
建設分野においては、LiDAR(ライダー:Light Detection and Rangingの略、レーザー光を使い、対象物までの距離や位置、形状を正確に検知できるセンサー技術の一種)センサー付きのスマートフォンやタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Land Scan」を、新たに「OPTiM Geo Scan」として、正式に提供を開始しました。「OPTiM Geo Scan」とは、スマートフォンまたはタブレットで土構造物等の測量対象をスキャンすることで、土木現場で求められる高精度な3次元データを生成可能なアプリケーションです。本アプリケーションは、ドローンやレーザースキャナなどの利用が難しい小規模現場での利用を想定しており、従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大60%削減することができます。さらに費用面においても、既存の3D測量(ドローン、レーザースキャナ等)に比べ80%以上のコスト削減が実現できます。
また、KDDI株式会社と、合弁会社「DXGoGo(ディーエックスゴーゴー)株式会社」を設立しました。DXGoGoでは、KDDI株式会社および当社の強みを活かし、導入がしやすいAIやIoTを活用したDX商品・サービスの企画・提供を行います。さらに、新しいビジネスモデルを創出する企画と事業化を通じて、あらゆる産業分野のデジタル変革に貢献します。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,683,831千円(前年同四半期比22.2%増)、営業利益240,089千円(前年同四半期は営業損失38,603千円)、経常利益227,619千円(前年同四半期比622.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益135,993千円(前年同四半期比947.7%増)となりました。
「Corporate DX」については、「Optimal Biz」を中心としたライセンス売上が、本来の主流である法人向けのMDMサービスを中心に堅調に進捗しており、新サービスによるライセンスの積み上げも期待できるものと考えております。「Industrial DX」については、ライセンス・カスタマイズ(※2)による売上が前期に比べて順調に立ち上がりを見せております。加えて、各業種に特化したソリューションの展開を見込んでおりますが、特に数年前から取り組んでいる農業×IT分野における売上が好調に推移しております。
一方で長期にわたる全世界的規模での新型コロナウイルスの経済的影響が懸念されております。当社グループにおいても、今後売上の拡大を担っていく新規ビジネス、特に顧客企業による当社グループサービス導入時のカスタマイズ開発は、前期においてパートナー企業のコロナ影響下での方針や施策の変更による影響を受ける場面が出ており、今後の新型コロナウイルスの罹患の状況や、それが社会に与える影響等が不透明である現在において、当社グループに与える影響がどの程度になるのかは不透明な側面があります。
万が一、今後も感染拡大が長期化し、終息へ向かわない場合、景気自体の減衰につながり、当社グループへも影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループの売上構造については、ストック型のライセンス収入が売上の中心(約8割)となっていること、及び、フロー型のカスタマイズ収入の検収時期が下期に集中する傾向があること、等の理由から、売上は下期偏重となります。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーション。ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 ライセンス・カスタマイズ…当社研究開発部分をライセンスとし、それをもとにしたカスタマイズ開発のこと。将来のライセンス発行につながる開発。
② 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産の残高は、5,719,052千円となり、前連結会計年度末と比較して529,854千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが201,760千円、投資その他の資産が185,340千円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が835,900千円減少したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計の残高は、1,226,898千円となり、前連結会計年度末と比較して666,118千円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が263,780千円、未払法人税等が461,102千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、4,492,153千円となり、前連結会計年度末と比較して136,264千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が135,993千円増加したことによるものです。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事実上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は276,026千円です。ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は251,857千円となっております。これは研究開発に係る受託収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計会計において、当社グループの経営に影響を与える大きな要因について重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、研究開発投資に向けた労務費及び外注費等があります。
② 財務政策
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、資産合計の23.6%を占める1,348,622千円です。
当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源とし、研究開発活動および設備投資を行っております。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 会計方針の変更」に記載しております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナウイルス)の影響により依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いておりますが、一部で弱さが増してきております。
このような市場環境の中、当社グループは、今期も引き続き〇〇×ITを推進していくにあたり、社内業務改善・効率化のためのデジタル化を「Corporate DX」、デジタルを活用した事業創造のためのデジタル化を「Industrial DX」と分類し、2つのDX(※1)を推進することで、新たな市場を開拓してまいります。
「Corporate DX」においては、コロナ禍により、オフィス業務のデジタル化、リモートワークの推進、業務効率化、コスト削減といったニーズが急拡大しております。当社グループでは、既に「Optimal Biz」等の提供を通じて、累計18万社という顧客基盤を有しております。この顧客基盤に対して、販売パートナーを活用し、新サービスを開発・提供してまいります。
「Industrial DX」においては、これまでの〇〇×IT戦略の更なる推進により、当社グループのAI・IoTプラットフォームへの接続デバイスや産業向けキラーサービスが飛躍的に増加しております。今後は、デバイスカバレッジの強化、産業用キラーサービスの開発を推進し、全世界450億台のデバイスへの接続と産業用キラーサービスの提供を目指してまいります。
これら、2つのDXを両輪として、既存の強力な販売パートナーや合弁会社と一体となり、事業推進ならびに事業拡大を進めてまいります。
まず、「Corporate DX」の詳細についてご説明いたします。
当第1四半期連結累計期間における当社グループのビジネスの状況については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークが一般的となってきております。そのような背景のもと、社外で利用するスマートフォンやタブレット、PCの管理ならびに運用の需要が高まっており、「Optimal Biz」のライセンス数が堅調に拡大しております。それ裏付けるデータとしまして、第三者調査機関の株式会社テクノ・システム・リサーチより発刊された調査レポート「2020-2021年版 エンドポイント管理市場のマーケティング分析」の「2.モバイル管理市場」、2020年調査結果において、「Corporate DX」を支える「Optimal Biz」が19部門中12部門でトップシェアの評価をいただきました。
また、新たなサービスとして、「Optimal Remote Web」、「Optimal Remote IoT」、「OPTiM ID+(プラス)」、「OPTiM Contract」、「OPTiM Digital Marketing」を発表しました。
「Optimal Remote Web」は、ユーザーのPC・スマートフォン・タブレット等に表示されたWeb画面を簡単かつセキュアにリアルタイムで共有できるリモートサポートサービスです。オペレーターは、ユーザーに専用アプリをインストールしてもらう必要がなく、受付番号をユーザーから伺うだけで、閲覧しているWebページ内容が確認でき、サポートが行えます。
「Optimal Remote IoT」は、あらかじめエージェントを導入したIoT端末に対して遠隔操作を実施することができるサービスです。本サービスを利用することで、出勤せずにIoT機器の遠隔操作が可能となるため、テレワークで活用いただけます。また、現場に訪問することなく遠隔地に設置してあるデバイス操作が可能となるため、端末の運用・保守コスト削減やトラブルの早期復旧に寄与いたします。
「OPTiM ID+」は、組織で利用している複数のクラウドサービスに対し、ひとつのID・パスワードでログインすることができるクラウド型のID管理サービスです。「OPTiM ID+」の導入により、情報システム管理者の一元的なアカウント運用を実現するなど、複雑になりがちな情報漏洩対策の負荷を軽減いたします。また、「Optimal Biz」とも連携が行えるため、「Optimal Biz」により管理され、セキュリティが担保された端末からのみクラウドサービスへのログインを許可することもできます。これにより、PC・モバイル・クラウドサービスによって得られる利便性と、より強固なセキュリティ対策の両立を実現します。
「OPTiM Contract」は、AIを活用し契約書管理の効率化を実現するサービスです。本サービスでは、契約書に記載されている、契約書名や契約企業名、契約締結日・終了日、有効期間、契約更新日などのデータをAIが自動で高速抽出いたします。AIが自動的に抽出した情報は分類分けが行われ、ダッシュボードでまとめて管理が行われるため、管理コストが削減できます。また契約書の有効期限が近づくとアラートを発出することにより、契約更新漏れによる損失を防ぎます。
「OPTiM Digital Marketing」は、CRM(Customer Relationship Managementの略、顧客関係管理の意味)を軸とした企業のさまざまなマーケティング施策を最適化、効率化する為のクラウドサービスです。本サービスを用いることで、企業の顧客情報管理、Webサイトのコンテンツ管理、ECサイトの構築と運営、効率的なメルマガ配信など、顧客との接点強化に関わるさまざまな活動を最適化する事ができます。
次に、「Industrial DX」についてご説明いたします。
まず、業種を問わずご利用いただけるAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」については、順調に普及が進んでおります。第1四半期においては、KDDI株式会社と連携し、恩賜上野動物園内(上野動物園)に、「OPTiM AI Camera」の「混雑可視化機能」(混雑状況匿名化表示)を提供しております。このサービスでは、混雑が予想されるエリアの混雑状況をリアルタイムで可視化し、上野動物園のWebサイトに表示します。来園されたお客様がこの情報を確認し、空いているエリアから回るなど、予め混雑度合いを確認し、混雑を回避して快適に観覧することができ、かつ新型コロナウイルス感染対策の面からも、安心して観覧することができます。
また新たなサービスとして、IoTを活用したクラウド機器管理サービス「OPTiM IoT」を発表しました。「OPTiM IoT」とは、あらゆる機器や装置をクラウドから管理・運用するサービスです。本サービスを導入することにより、管理している機器や装置の稼働最適化を行え、機器・装置の生産性を最大限に引き出すことができます。
次に、「Industrial DX」の各分野における取り組みについてご説明いたします。
農業分野においては、ドローン直播機の開発を共同で進めている石川県農林総合研究センターと協力し、固定翼型ドローン「OPTiM Hawk」の空撮画像から、広範囲の水稲、大豆等に関する生育情報を取得し、きめ細やかな栽培指導を実現する実証実験を実施しました。従来、栽培指導には、地域の代表圃場の調査から得られる生育情報を活用しますが、本実証実験では、固定翼型ドローンの技術を応用し、従来の代表圃場の生育情報にドローンから得られる広範囲の情報を組み合わせます。これにより、対象地域全ての圃場の状態を確認することができ、圃場ごとの状況に即したきめ細かい栽培指導を実現できるため、農作物の収量・品質の更なる向上が見込めます。なお、本実証実験は、農林水産省の「令和3年度スマート農業実証プロジェクト」の取り組みの一貫として実施しております。
医療分野においては、新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中で、人との接触を行わない新たな診療方法としてオンライン診療の注目が高まっております。そのような中、当社グループが提供している「オンライン診療プラットフォーム」をご利用いただいているお客様の要望に沿うべくバージョンアップを行いました。本バージョンアップにより、ビデオ通話機能の拡充が行われています。さらに、「ヘルスケアデバイス連携」機能の対応項目を強化し、Apple Watchが測定した血中酸素濃度を参照できるようになりました。
建設分野においては、LiDAR(ライダー:Light Detection and Rangingの略、レーザー光を使い、対象物までの距離や位置、形状を正確に検知できるセンサー技術の一種)センサー付きのスマートフォンやタブレットで土構造物等の測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できるアプリケーション「OPTiM Land Scan」を、新たに「OPTiM Geo Scan」として、正式に提供を開始しました。「OPTiM Geo Scan」とは、スマートフォンまたはタブレットで土構造物等の測量対象をスキャンすることで、土木現場で求められる高精度な3次元データを生成可能なアプリケーションです。本アプリケーションは、ドローンやレーザースキャナなどの利用が難しい小規模現場での利用を想定しており、従来の光波測量と比較すると、測量時間を最大60%削減することができます。さらに費用面においても、既存の3D測量(ドローン、レーザースキャナ等)に比べ80%以上のコスト削減が実現できます。
また、KDDI株式会社と、合弁会社「DXGoGo(ディーエックスゴーゴー)株式会社」を設立しました。DXGoGoでは、KDDI株式会社および当社の強みを活かし、導入がしやすいAIやIoTを活用したDX商品・サービスの企画・提供を行います。さらに、新しいビジネスモデルを創出する企画と事業化を通じて、あらゆる産業分野のデジタル変革に貢献します。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,683,831千円(前年同四半期比22.2%増)、営業利益240,089千円(前年同四半期は営業損失38,603千円)、経常利益227,619千円(前年同四半期比622.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益135,993千円(前年同四半期比947.7%増)となりました。
「Corporate DX」については、「Optimal Biz」を中心としたライセンス売上が、本来の主流である法人向けのMDMサービスを中心に堅調に進捗しており、新サービスによるライセンスの積み上げも期待できるものと考えております。「Industrial DX」については、ライセンス・カスタマイズ(※2)による売上が前期に比べて順調に立ち上がりを見せております。加えて、各業種に特化したソリューションの展開を見込んでおりますが、特に数年前から取り組んでいる農業×IT分野における売上が好調に推移しております。
一方で長期にわたる全世界的規模での新型コロナウイルスの経済的影響が懸念されております。当社グループにおいても、今後売上の拡大を担っていく新規ビジネス、特に顧客企業による当社グループサービス導入時のカスタマイズ開発は、前期においてパートナー企業のコロナ影響下での方針や施策の変更による影響を受ける場面が出ており、今後の新型コロナウイルスの罹患の状況や、それが社会に与える影響等が不透明である現在において、当社グループに与える影響がどの程度になるのかは不透明な側面があります。
万が一、今後も感染拡大が長期化し、終息へ向かわない場合、景気自体の減衰につながり、当社グループへも影響が及ぶ可能性があります。
なお、当社グループの売上構造については、ストック型のライセンス収入が売上の中心(約8割)となっていること、及び、フロー型のカスタマイズ収入の検収時期が下期に集中する傾向があること、等の理由から、売上は下期偏重となります。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーション。ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 ライセンス・カスタマイズ…当社研究開発部分をライセンスとし、それをもとにしたカスタマイズ開発のこと。将来のライセンス発行につながる開発。
② 財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産の残高は、5,719,052千円となり、前連結会計年度末と比較して529,854千円減少いたしました。これは主に、ソフトウエアが201,760千円、投資その他の資産が185,340千円増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が835,900千円減少したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計の残高は、1,226,898千円となり、前連結会計年度末と比較して666,118千円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が263,780千円、未払法人税等が461,102千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産の残高は、4,492,153千円となり、前連結会計年度末と比較して136,264千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益により利益剰余金が135,993千円増加したことによるものです。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事実上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は276,026千円です。ただし、販売費及び一般管理費における研究開発費は251,857千円となっております。これは研究開発に係る受託収入を、販売費及び一般管理費の控除項目として処理したことによるものです。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計会計において、当社グループの経営に影響を与える大きな要因について重要な変更はありません。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、研究開発投資に向けた労務費及び外注費等があります。
② 財務政策
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、資産合計の23.6%を占める1,348,622千円です。
当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源とし、研究開発活動および設備投資を行っております。