有価証券報告書-第25期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/30 14:11
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度において当社グループは、前連結会計年度より継続して、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるとともに、「X-Tech(クロステック)サービス」について急速に拡大するDX(※1)市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現することを目指し、両者を両輪として当社グループの事業を展開させてまいりました。
以下、当連結会計年度における具体的な進捗について、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」という分類に従ってお伝えします。
最初に、積極的な成長投資の中心である「X-Techサービス」についてお伝えします。
アグリテック分野については、農業全体におけるバリューチェーンのDX・AX(※2)を実現するべく生産、加工、流通の領域において、事業展開を行っています。当連結会計年度では、ドローン散布DXサービス「ピンポイントタイム散布サービス(以下、PTS)」のさらなる拡大を図るべく積極的な営業活動及び成長投資を行いました。その結果、当連結会計年度におけるコメのPTSは、26府県133市町村で、約100の防除組合及びJA等のお客様に導入いただき、利用実績が、国内ドローン散布DXサービス最大規模(※3)のシェアとなる、26,000haに及び約11万ヶ所の水田で利用されました。なお、コメの農薬散布市場は、シェアの大部分を占めていたヘリコプター散布から、ドローン散布への移行が進んでおり、ドローン散布市場のポテンシャルは拡大の一途を辿っております。
デジタルヘルス分野については、少子高齢化による医療費の増大や医療関係者の人手不足といった課題の解決を図るため、遠隔診療サービスや手術支援ロボット向けデジタルプラットフォームサービスの提供をはじめとしたデジタルで業務効率化を図る各種DX・AXサービスを提供しております。当連結会計年度においては、国内初(※4)となる医療従事者の文書作成業務を生成AI(※5)が支援するオンプレミス(※6)LLM(※7)搭載サービス「OPTiM AI ホスピタル」の提供を開始いたしました。「OPTiM AI ホスピタル」には、外部インターネットへの接続を必要としない、高セキュリティのオンプレミス環境で動作する独自LLM「OPTiM AI」が搭載されています。本サービスは、病院など個人情報が重要視される環境においても生成AIを利用して、医師や看護師が作成必要な文書をAIで作成することができ、医療関係文書作成コストの約50%(※8)を削減することに成功しており、全国の病院で導入が始まりました。また、複数の病院を保有し、総合的な医療事業を展開する株式会社セントラルメディエンスと資本業務提携を締結しました。今後、豊富な病院経営のノウハウと事業を持つ株式会社セントラルメディエンスと病院経営DXサービスや、医療機器・薬品卸(SPD)DXサービス、病院清掃DXサービス、医事・レセプト管理DXサービス、その他医療関係DXサービスなどを開発し提供してまいります。
デジタルコンストラクションについては、スマホ一つで建設土木現場の日常をデジタル化できるアプリを提供しています。当連結会計年度においては、建設現場のモバイル統合運用ソリューションとなる「OPTiM Geo Scan」コーポレートライセンスの提供を開始しました。「OPTiM Geo Scan」コーポレートライセンスは、「OPTiM Geo Scan」のライセンスに加え、「OPTiM Geo Scan Advance」専用ハードウエア、GNSSレシーバー(※9)、iPhone等の必要な機材がセットになったサービスです。「OPTiM Geo Scan」コーポレートライセンスにご契約いただくことで、機材の調達や資産管理にわずらわされることなく、ワンストップですぐに「OPTiM Geo Scan」がご利用可能となります。大手ゼネコン各社様からの導入が相次いでおり、なかでも清水建設株式会社では、国内の全地域及び海外の23以上の現場で幅広く活用されています。
マーケティングDXについては、スマホを中心に大きく変容する消費者の生活様式にあらゆる組織、企業が対応できる「顧客接点のデジタル化サービス」を提供しており、さまざまな業界での事業展開が進捗しています。当連結会計年度では、自治体の提供するあらゆるアプリをまとめる自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム「自治体公式スーパーアプリ」について、メディアや外部機関から高い評価を得ており、その実績を基に、全国の自治体への展開を推進しました。その結果、福岡県田川市、福岡県宗像市、佐賀県武雄市など複数の自治体での提供が始まっております。
次に、もう一つの事業の柱である「モバイルマネジメントサービス」についてお伝えします。
当連結会計年度における「モバイルマネジメントサービス」では、14年連続でトップシェア(※10)の「OPTiM Biz(旧名称:Optimal Biz)」について、2025年2月9日に、サービス名を「OPTiM Biz」に変更し、AI時代に向け大幅にバージョンアップを実施しました。各機能群の大幅バージョンアップを実現したとともに、サービス名称、UX(※11)を刷新、AIエージェントの統合による操作支援サービスを搭載しました。また、各スマホ・タブレットメーカーとの緊密な協力関係を構築し、専用端末市場への展開を深めております。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーションの略称。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 AX…AIトランスフォーメーションの略称。AIを活用して業務の自動化や最適化を進め、組織全体の生産性を向上させるビジネスを変革させる概念の意味。
※3 2025年1月22日時点、当社調べ。
※4 2024年11月7日時点、当社調べ。電子カルテと連携し、オンプレミスとして導入されるLLM搭載サービスとして。
※5 生成AI…データから学習したパターンや関係性を活用して、テキストや画像、動画、音声などのコンテンツを新たに生成するAI技術の総称。
※6 オンプレミス…サーバーなどのハードウエアやアプリケーションなどのソフトウエアを、使用者の管理する施設内に設置して運用すること。
※7 LLM…Large Language Models(大規模言語モデル)の略。生成AIの一種で、大量のテキストデータを学習して高度な言語理解を実現するAI技術。
※8 2024年6月3日時点、当社調べ。
※9 GNSSレシーバー…複数の航法衛星から地上に向けて送信される電波を受信し、位置情報を取得する機器。
※10 出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「クラウドサービス市場の現状と展望 2013年度版」IT資産管理(MDM含む)市場「合計売上高」2011年度~2012年度実績(2013年発刊)、「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望 2014年度版」MDM市場動向「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2013年度実績(2014年発刊)、「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」MDM市場動向「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2014年度〜2017年度実績(2015~2018年発刊)、「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望」MDM市場「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」2018年度〜2023年度実績及び2024年度見込み(2019年~2024年発刊)より。
※11 UX…User experience(ユーザーエクスペリエンス)の略。ユーザーが製品やサービスを利用して得られる体験の意味。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計の残高は、11,094,073千円となり、前連結会計年度末と比較して1,531,538千円増加いたしました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が994,219千円、ソフトウエアが498,993千円、投資有価証券が296,822千円増加した一方で、現金及び預金が167,957千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計の残高は、2,574,787千円となり、前連結会計年度末と比較して354,313千円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が488,445千円、未払金が207,271千円増加した一方で、短期借入金が314,550千円減少したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計の残高は、8,519,286千円となり、前連結会計年度末と比較して1,177,224千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が1,178,350千円増加したことによるものです。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高10,580,636千円(前年同期比3.3%増)、営業利益1,954,346千円(前年同期比0.7%増)、経常利益1,862,328千円(前年同期比1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,178,350千円(前年同期比0.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して167,957千円減少し、1,734,795千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は2,111,097千円(前年同期は1,965,133千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,863,407千円、減価償却費1,109,895千円による資金増加があった一方で、売上債権の増加994,219千円による資金減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,966,100千円(前年同期は1,504,066千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,571,625千円、投資有価証券の取得による支出330,000千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は312,955千円(前年同期は825千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出314,550千円があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。
c.販売実績
当社グループは単一セグメントのため、サービスごとに記載しております。
サービスの名称当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
販売高(千円)前年比(%)
IoTプラットフォームサービス9,487,161104.5
リモートマネジメントサービス607,45380.9
サポートサービス73,80485.8
その他サービス412,216124.6
合計10,580,636103.3

(注) 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
KDDI株式会社3,189,47531.13,268,79330.9

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、10,580,636千円(前年同期比3.3%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの売上高が9,487,161千円(前年同期比4.5%増)となり、ストック売上が増加したことによるものです。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、5,358,028千円(前年同期比3.1%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの収入の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
この結果、売上総利益は5,222,608千円(前年同期比3.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,268,261千円(前年同期比5.2%増)となりました。これは主に、研究開発費が減少した一方で給与手当及び業務委託費が増加したことによるものです。
この結果、営業利益は1,954,346千円(前年同期比0.7%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は33,470千円(前年同期比189.3%増)となりました。これは主に、受取手数料によるものです。
当連結会計年度における営業外費用は125,489千円(前年同期比16.5%増)となりました。これは主に、持分法による投資損失によるものです。
この結果、経常利益は1,862,328千円(前年同期比1.0%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別利益は、3,950千円(前年同期比90.3%減)となりました。これは、持分変動利益と国庫補助金によるものです。
当連結会計年度における特別損失は2,871千円(前年同期比86.5%減)となりました。これは、固定資産圧縮損と投資有価証券評価損によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,863,407千円(前年同期比0.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は、684,878千円(前連結会計年度は691,860千円)となり、前連結会計年度と比べて6,981千円減少いたしました。これは主に、将来減算一時差異の減少により法人税等調整額が減少したことによるものです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,178,350千円(前年同期比0.6%増)となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向や技術革新への対応等があります。当社グループのビジネスモデルの売上構造は、ストック売上が中心となっております。当社グループでは、急速に拡大するDX・AX市場でイノベーションを創出し、大きな成長を実現するべく投資を行うとともに、圧倒的なシェアを持つ「モバイルマネジメントサービス」を着実に成長させるべく事業展開を行ってまいりました。当社グループは、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」を中心とした取組みを引き続き推進し、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高の増加が研究開発投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加、ならびに研究開発投資の成果として知的財産権(特許権)を重視しております。
当連結会計年度における売上高は10,580,636千円となりました。売上高の多くを占めるストック売上については、「X-Techサービス」「モバイルマネジメントサービス」を中心に順調に推移しております。
知的財産権(特許権)については、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取組んでおります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発投資を目的とした人件費、外注費、業務委託費などです。
当社グループは、営業活動により獲得した自己資金を運転資金の財源にすることを基本としておりますが、状況に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施いたします。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の15.6%を占める1,734,795千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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