四半期報告書-第20期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/02/14 15:06
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【項目】
28項目
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
なお、当社グループは、第1四半期連結会計期間より四半期連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における国内経済は、政府による経済対策、日銀による金融政策の効果等を背景に、雇用・所得環境の改善傾向が続き、景気は緩やかな回復基調にあるものの、通商問題を巡る動向ならびに中国経済の先行き、英国のEU離脱、中東地域をめぐる情勢など、海外経済の動向や金融資本市場の変動の影響に加え、消費税引き上げ後の消費者マインド動向に留意する必要がある状況となっております。
このような市場環境の中、当社グループは、前期に引き続き第4次産業革命において中心的な役割を果たす企業となるため、AI・IoT・Robotics分野においてさらなる積極的な事業展開および研究開発投資を行っております。
第3四半期においても研究開発の進捗状況は順調であり、その成果として、「OPTiM AI Camera Mobile」、「OPTiM AI Camera Lite」、「OPTiM AI Creator」、「OPTiM AI Research」、「OPTiM AI Signage」、「OPTiM AI Voice Recorder」のAIサービスを発表しました。
「OPTiM AI Camera Mobile」は、ユーザーのスマ-トフォン・タブレット端末のカメラから映像の取得および画像解析をするサービスであり、「OPTiM AI Camera Lite」は、ご利用中の監視カメラ・映像データなどと連携して、簡単に画像解析を始められるエントリー版のサービスとなります。これらのサービスは、手軽にAI画像解析を開始できるAIサービスとなり、さらに「OPTiM AI Camera」の導入が促進されるものと考えております。
「OPTiM AI Creator」は、「OPTiM AI Camera」でご利用いただける画像解析用の学習済みモデルを、各業種・業界ごとに異なるニーズに合わせて、自身で作成することができるサービスです。「OPTiM AI Creator」を利用することで、専門的な画像認識モデルを簡単に作成することができます。
「OPTiM AI Research」、「OPTiM AI Signage」は、AIによる詳細な顧客分析、店頭におけるピンポイントでのマーケティングを実現するサービスです。
「OPTiM AI Voice Recorder」は、「OPTiM AI Voice」をバージョンアップしたサービスです。AIが音声を認識してテキスト化し、会議・インタビュー・講演などの文字起こしの手間を省き、業務生産性を高めることができます。
これらの新規サービスは、2019年10月24日と25日に開催した「OPTiM INNOVATION 2019」にて一般公開を行い、大変好評を頂いております。
積極投資を支える既存事業については、その中心サービスとなる「Optimal Biz」が、国内MDM・EMM市場で4年連続トップシェア(出典:富士キメラ総研2016年11月発刊「2016 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧(上巻)」、2017年9月発刊「2017 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧(上巻)」、2018年10月発刊「2018 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧(上巻)」、2019年10月発刊「2019 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 《市場編》」)の評価を得るなど、堅調に推移しております。
次に「OPTiM Cloud IoT OS」関連のサービスについてですが、医療分野においては、「先端医療×AI・IoT」領域で業務提携を行ったシスメックス株式会社と、デジタル医療の事業化を加速することを目的に、デジタル医療に関するプラットフォームとアプリケーションを活用したソリューションサービスの企画、開発、運営を担う合弁会社の設立に向け基本合意を行いました。さらに、次世代医療用ロボットのAI化に向けた業務提携に関する覚書を、株式会社メディカロイドと締結し、高度なAI・IoT技術を応用した次世代手術支援ロボットシステムの開発を進めております。
Robotics分野においては、川崎重工業株式会社と精密機械・ロボット分野のAI・IoT活用における業務提携に関する覚書を締結しました。この業務提携により、さまざまな産業での活躍が期待される精密機械・ロボットをネットワークに接続し、得られる情報をAIが解析するプラットフォームを構築することで、精密機械・ロボット分野におけるAI・IoT技術を活かした、新たなビジネスソリューションの早期開発・事業化とグローバル展開を目指してまいります。
また、これらの取り組みや、西日本におけるAI・IoT・Roboticsを活用した「○○×IT」戦略をさらに加速させるため、兵庫県神戸市に新たな拠点「OPTiM KOBE」を開設しました。
さらに、海外での事業展開として、ベトナム国営最大手通信グループVietnam Posts and Telecommunications Groupと、ベトナムにおけるAIサービスおよびスマート農業分野における業務提携に関する覚書を締結しました。この業務提携により、「OPTiM AI Camera」などのAIサービスをカスタマイズした上で、ベトナムの各種店舗や施設へ導入し、マーケティング、セキュリティーなどの領域で支援するサービス展開を目指します。スマート農業事業に関しては、米を中心に農産物の一大産地であるベトナムに、ピンポイント農薬散布テクノロジーおよびピンポイント施肥テクノロジーを導入することで農産物の生産性と品質を向上し、安心・安全な農産物の安定的な生産体系の構築を目指します。
なお、これらAI・IoT・Roboticsに関連する取り組みが評価され、2019年9月に株式会社ミック経済研究所が発刊した調査レポートにおいて、当社グループのAIソリューションが、業種別売上高動向の「農林水産業」部門、「医療」部門、ユーザー従業員規模別売上高動向の「ユーザー従業員数300名未満の売上動向」部門、測定・観察・探索市場動向の「測定・観察・探索ベンダーシェア」部門の4部門において、シェアNo.1の評価を頂いております(出展:株式会社ミック経済研究所「AI(ディープラーニング)活用の画像認識ソリューション市場の現状と展望「2019年度版」)。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高4,502,267千円、営業利益47,888千円、経常利益50,136千円、親会社株主に帰属する四半期純損失37,770千円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、計画通り順調に推移しており、通期の連結業績予想へ与える影響は一切ございません。
また、当社グループの事業は、ライセンス販売・保守サポートサービス(オプティマル)事業のみの単一事業であるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、サービス別の内訳は次のとおりです。
(IoTプラットフォームサービス)
「Optimal Biz」につきましては、順調にライセンス数を増やしており、各調査機関のレポートにおいても、引き続き市場シェアNo.1を維持しております。
株式会社ミック経済研究所が発刊した調査レポート「コラボレーション・モバイル管理ソフトの市場展望 2019年度版」において、「EMM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」の2018年度出荷ID数、「EMM出荷金額(SaaS・ASP含む)」の2018年度出荷金額、「MDM出荷ID数(SaaS・ASP含む)」の2018年度ID数、「MDM出荷金額(SaaS・ASP含む)」の2018年度出荷金額、「SaaS・ASP型MDM出荷ID数」の2018年度ID数、「SaaS・ASP型MDM出荷金額」の2018年度出荷金額、「モバイルOS別出荷金額」のiOS、Windowsそれぞれの2018年度の出荷金額、「業種別MDM売上高推移」における全ての業種(公共、学校、公益事業、金融業、流通業、サービス業、通信業、製造業)での2018年度の売上高、「ユーザー規模別MDM売上高推移」における全ての従業員規模(大手、中堅、SMB)の2018年度の売上高でシェアNo.1を獲得しております。
AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用したサービスについては、「OPTiM AI Camera」のエントリーサービスとなる「OPTiM AI Camera Mobile」ならびに「OPTiM AI Camera Lite」、独自のAI画像認識モデルを作成できる「OPTiM AI Creator」、AIによる詳細な顧客分析、店頭におけるピンポイントでのマーケティングを実現する「OPTiM AI Research」ならびに「OPTiM AI Signage」、「OPTiM AI Voice」をバージョンアップしたサービスとなる「OPTiM AI Voice Recorder」など、一挙6サービスの発表を行いました。「OPTiM AI Camera」と連携する、ビデオ管理システム(Video Management System、以下 VMS)との連携も進み、世界シェアNo.1メーカー(出典:IHS Markit2019年6月発表調査レポート)であるGenetec Inc.の総合セキュリティプラットフォーム「Genetec Security Center」のVMSサービス「Omnicast」との連携や、国内クラウド録画サービスシェアNo.1メーカー(出典:株式会社テクノ・システム・リサーチ「2018年ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査」、2017年クラウド録画サービスカメラシェア)であるセーフィー株式会社のVMSサービス「Safie」との接続検証を完了しました。さらに、国内ビデオ管理システム市場No.1メーカー(出典:株式会社富士経済発表、「2017、2018 セキュリティ関連市場の将来展望」)であるパナソニックネットソリューションズ株式会社のVMSサービス「ArgosView」と接続検証を進めることについて合意しております。
また、各業界における活動も進んでおり、医療分野においてはシスメックス株式会社との合弁会社の設立に向けた基本合意、株式会社メディカロイドと次世代医療用ロボットのAI化に向けた業務提携に関する覚書を締結しました。
Robotics分野においては、川崎重工業株式会社と精密機械・ロボット分野のAI・IoT活用における業務提携に関する覚書を締結しました。
農業分野においては、株式会社エンルートとAI・IoT・ドローンを活用したスマート農業分野での協業を発表しました。また、大規模な生産法人や企業において、スマート農業に対する課題解決をワンストップで支援する「スマート農業プロフェッショナルサービス」を開始しました。さらに、AIやドローンを使い農薬使用量を抑えたあんしん・安全なお米「スマート米」の品種ラインナップを拡大し、2019年度産新米「スマート米2020」として販売しております。
海外での事業展開についても拡大しており、ベトナム国営最大手通信グループVietnam Posts and Telecommunications Groupと、ベトナムにおけるAIサービスおよびスマート農業分野における業務提携に関する覚書を締結しました。
(リモートマネジメントサービス)
リモートマネジメントサービスにつきましては、遠隔作業支援「Remote Action」、「Optimal Second Sight」、遠隔作業支援から作業管理まで行う「Smart Field」の拡販を継続して行っており、ライセンス数も順調に伸ばしております。
(サポートサービス)
パソコン市場の成長性が鈍化しており、売上高は減少傾向にございます。しかし、MVNO市場においても自動化やサポート効率化のニーズは強く、引き続きサービスの拡大を進めております。
(その他サービス)
「パソコンソフト使い放題」、「ビジネスソフト使い放題(パソコンソフト使い放題の法人向けサービス)」ともに、販売が堅調に進んでおります。人気雑誌読み放題サービス「タブホ」においては、通常の販売だけではなく、法人向けサービスである「タブホスポット」の販売に関しても好調に推移しております。
②財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、4,160,421千円となりました。主な内訳は現金及び預金が1,451,261千円、受取手形及び売掛金が887,284千円、繰延税金資産が724,297千円です。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計の残高は、1,276,582千円となりました。主な内訳は支払手形及び買掛金が400,801千円、未払法人税等が184,419千円です。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、2,883,839千円となりました。主な内訳は資本金が443,409千円、資本剰余金が727,541千円、利益剰余金が1,717,899千円です。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事実上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,435,148千円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向や技術革新への対応等があります。当社グループが事業展開する市場は堅調に拡大を続けており、その市場のなかでの当社グループの位置づけも優位な状況であることは変わっておりません。ただし、世界の大きな潮流は、AI・IoT・Roboticsを活用した「第4次産業革命」へと加速度をあげて移行しております。時代の大きな転換点を鑑みるに、「第4次産業革命」において中心的な役割を果たす企業となるためには、より一層の研究開発投資が必要であると判断しました。具体的には、ここ数年取り組んでまいりました、各業界・産業とITを融合させる「○○×IT」によりITの力で業界・産業基盤を再構築する取り組みを引き続き推進し、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存です。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、研究開発投資に向けた労務費及び外注費等があります。
②財務政策
当期末の現金及び現金同等物は、資産合計の34.9%を占める1,451,261千円です。当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源とし、研究開発活動及び設備投資を行っております。