有価証券報告書-第4期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社の連結子会社である株式会社三重銀行及び株式会社第三銀行は、2021年5月1日付で株式会社第三銀行を存続会社、株式会社三重銀行を消滅会社とする吸収合併を行い、株式会社三十三銀行となりました。
当社グループは、「地域のお客さまから愛され信頼される金融グループとして、地域とともに成長し、活力あふれる未来の創造に貢献します。」という経営理念のもと、企業価値向上に取り組んでおります。
当連結会計年度(2021年4月~2022年3月)におけるわが国の経済を振り返りますと、家計部門では、飲食店への時短要請等活動制限を伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などを背景に、個人消費の回復が緩やかなものにとどまりました。企業部門においても、半導体の供給不足等を受け生産活動が低迷したほか、中国の景気減速などにより輸出も回復の勢いが弱まりました。2021年末にかけては緊急事態宣言等の解除を受け景気は一時的に持ち直しの動きがみられましたが、年明け以降は、オミクロン株の感染拡大やロシアウクライナ情勢が緊迫化したことなどにより再び停滞感の強い状況となっています。
当社グループの主な営業基盤であります三重県においても、個人消費は、営業時間の短縮や外出自粛など活動制約によりサービス消費を中心に弱い動きが続きました。もっとも、世界的な需要の高まりを受けて電子部品・デバイスを中心に企業の生産活動が持ち直しているほか、輸出も増加基調で推移しています。県内景気は、一部で厳しい状況にあるものの、総じてみれば緩やかな持ち直しが続いています。
このような経営環境の下、当社の連結ベースの業績は次のようになりました。
財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度末比3,231億円増加し4兆6,360億円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末比88億円減少し、2,296億円となりました。
主要な勘定残高につきましては、預金等(譲渡性預金含む)は、前連結会計年度末比12億円増加し3兆7,790億円、貸出金は、前連結会計年度末比251億円減少し2兆7,760億円、有価証券は、前連結会計年度末比117億円減少し8,306億円となりました。
損益状況につきましては、経常収益は、株式等の売却益が減少したことなどから、前連結会計年度比57億66百万円減少し704億79百万円となりました。経常費用は、貸倒引当金繰入額が減少したことなどから、前連結会計年度比72億37百万円減少し655億94百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比14億71百万円増加し48億84百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7億26百万円増加し49億5百万円となりました。
セグメントごとの損益状況は、「銀行業」の経常収益は、前連結会計年度比118億9百万円減少し549億55百万円、セグメント利益(経常利益)は、前連結会計年度比19億53百万円減少し72億37百万円となりました。また、「リース業」の経常収益は、前連結会計年度比15億43百万円増加し174億84百万円、セグメント損益(経常損益)は、前連結会計年度比9億75百万円減少し△4億80百万円、「その他」の経常収益は、前連結会計年度比19億15百万円減少し55億84百万円、セグメント利益(経常利益)は、前連結会計年度比8億95百万円減少し31億31百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金が増加したことなどから、3,749億円のプラス(前連結会計年度比1,055億円増加)となりました。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等により、50億円のマイナス(前連結会計年度比579億円減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により、22億円のマイナス(前連結会計年度比0億円減少)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度比3,675億円増加し8,969億円となりました。
③ 国内・国際業務部門別収支
資金運用収支は、国内・国際業務部門ともに減少したことにより、全体で前連結会計年度比3億25百万円減少して337億61百万円となりました。また、全体の役務取引等収支は前連結会計年度比93百万円増加して105億94百万円となり、全体のその他業務収支は前連結会計年度比7億39百万円増加して20億65百万円となりました。
(注) 1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.相殺消去額欄の計数は、国内業務部門と国際業務部門間の資金貸借の利息であります。
④ 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
全体の資金運用勘定においては、平均残高は預け金の増加を主因に前連結会計年度比4,639億10百万円増加して4兆1,951億54百万円、利息は有価証券利息の減少を主因に前連結会計年度比5億96百万円減少して343億5百万円、利回りは前連結会計年度比0.12ポイント低下して0.81%となりました。
一方、全体の資金調達勘定においては、平均残高は借用金の増加を主因に前連結会計年度比2,396億44百万円増加して4兆1,413億78百万円、利息は預金利息の減少を主因に前連結会計年度比2億71百万円減少し5億44百万円、利回りは前連結会計年度比0.01ポイント低下して0.01%となりました。
イ.国内業務部門
(注) 1.平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度229,161百万円、当連結会計年度23,016百万円)を控除して表示しております。
4.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ロ.国際業務部門
(注) 1.国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
2.国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度9百万円、当連結会計年度20百万円)を控除して表示しております。
4.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ハ.合計
(注) 1.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度229,170百万円、当連結会計年度23,036百万円)を控除して表示しております。
⑤ 国内・国際業務部門別役務取引の状況
国内業務部門の役務取引等収益は、前連結会計年度比3億78百万円減少して139億80百万円、国際業務部門は前連結会計年度比7百万円増加して75百万円となりました。この結果、全体では前連結会計年度比3億72百万円減少して140億55百万円となりました。
一方、役務取引等費用は、全体では前連結会計年度比4億64百万円減少して34億61百万円となりました。
(注) 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
⑥ 国内・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1.国内業務部門は円建諸取引、国際業務部門は外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3.定期性預金=定期預金+定期積金
⑦ 貸出金残高の状況
イ.業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
ロ.外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
⑧ 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注) 1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.国際業務部門の「その他の証券」は、外国債券であります。
⑨ 生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
第2次中期経営計画の3年累計目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
① 経営成績の分析
○ 主な損益状況
第2次中期経営計画のもとで、お客さまとのリレーションを構築し、最適なソリューションを提供するビジネスモデルに取り組み、お客さま、地域経済の成長に貢献するため、経営指標の達成に向けて諸施策に取り組んだ結果、当連結会計年度における主な損益状況は以下のとおりとなりました。
連結粗利益は、前連結会計年度比5億7百万円増加し464億21百万円となりました。また、営業経費は、合併・システム統合関連費用の増加を主因に前連結会計年度比25億68百万円増加し425億12百万円、与信関連費用は、一般貸倒引当金繰入額や個別貸倒引当金繰入額が減少したことなどから前連結会計年度比84億17百万円減少し25億66百万円、株式等関係損益は、前連結会計年度比52億69百万円減少し13億32百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比14億71百万円増加し48億84百万円となりました。
特別損益は、前連結会計年度比31億54百万円減少し△11億37百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7億26百万円増加し49億5百万円となりました。
(注) 当連結会計年度は偶発損失引当金の取崩額が繰入額を上回るため、偶発損失引当金戻入益を計上しております。
② 財政状態の分析
○ 貸出金
貸出金は、前連結会計年度末比251億5百万円減少し2兆7,760億98百万円となりました。
<参考>金融再生法開示債権及びリスク管理債権
○ 有価証券
市場動向を注視しつつ機動的な運用に努めました結果、前連結会計年度末比117億52百万円減少し8,306億70百万円となりました。
○ 預金
預金と譲渡性預金を合わせた預金等の残高は、前連結会計年度末比12億32百万円増加し3兆7,790億98百万円となりました。
○ 純資産の部
純資産の部の合計は2,296億35百万円となりました。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益49億5百万円等により、前連結会計年度末比26億17百万円増加し1,318億65百万円となりました。
その他有価証券評価差額金は、株価等が下落したことなどから、前連結会計年度末比104億2百万円減少し92億9百万円となりました。
③ 連結自己資本比率(国内基準)
当連結会計年度末の連結における自己資本の額は、前連結会計年度末比24億20百万円増加し2,163億87百万円となりました。リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比1,037億67百万円減少し2兆3,523億17百万円となりました。この結果、連結自己資本比率は、前連結会計年度末比0.48ポイント上昇し、9.19%となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金が増加したことなどから、3,749億円のプラス(前連結会計年度比1,055億90百万円増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等により、50億48百万円のマイナス(前連結会計年度比579億13百万円減少)、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により、22億54百万円のマイナス(前連結会計年度比26百万円減少)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度の期末残高は、前連結会計年度末比3,675億97百万円増加し8,969億11百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当面の設備投資、成長分野への投資及び株主還元等は自己資金で対応する予定であります。また、貸出金や有価証券の運用については、大部分を顧客からの預金にて調達するとともに、必要に応じて日銀借入金や債券貸借取引により資金調達をしております。
なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社が連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
貸倒引当金の計上
当社グループにおける貸出金等の債権の残高は多額であり、貸倒引当金の計上は、経営成績等に与える影響が大きいため、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
銀行業を営む連結子会社の貸倒引当金は、資産の自己査定基準に基づき資産査定を実施し、判定した債務者区分と債権分類に応じて、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
正常先債権及び要注意先債権に相当する債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、1年間又は3年間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の直近3算定期間における平均値に基づき予想損失率を求め、算定しております。破綻懸念先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額に対して、今後の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、3年間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の直近3算定期間とより長期の過去の一定期間における平均値に基づき予想損失率を求め、そのいずれか高い方を用いて算定しております。破綻先債権及び実質破綻先債権に相当する債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額を計上しております。
また、破綻懸念先及び貸出条件緩和債権を有する債務者等で与信額が一定額以上の大口債務者のうち、債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、当該キャッシュ・フローを貸出条件緩和実施前の約定利子率で割引いた金額と債権の帳簿価額との差額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー見積法)により計上しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業部店及び審査所管部署が資産査定を実施し、当該部署から独立した監査部が査定結果を監査しております。
その他の連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円,%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社三十三銀行の貸借対照表(2021年3月31日については、株式会社三重銀行及び株式会社第三銀行の貸借対照表)の有価証券中の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社三十三銀行(単体)の資産の査定の額
(注) 未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。
なお、2021年5月1日付で、当社の完全子会社である株式会社三重銀行及び株式会社第三銀行は、株式会社第三銀行を存続会社、株式会社三重銀行を消滅会社として合併を行い、商号を株式会社三十三銀行に変更していることから、2021年3月31日の資産の査定の額は旧行ごとに記載しております。
株式会社三重銀行(単体)の資産の査定の額
(注) 未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。
株式会社第三銀行(単体)の資産の査定の額
(注) 1.未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。
2.部分直接償却後の金額を記載しております。
2021年3月末には部分直接償却38億円を実施しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社の連結子会社である株式会社三重銀行及び株式会社第三銀行は、2021年5月1日付で株式会社第三銀行を存続会社、株式会社三重銀行を消滅会社とする吸収合併を行い、株式会社三十三銀行となりました。
当社グループは、「地域のお客さまから愛され信頼される金融グループとして、地域とともに成長し、活力あふれる未来の創造に貢献します。」という経営理念のもと、企業価値向上に取り組んでおります。
当連結会計年度(2021年4月~2022年3月)におけるわが国の経済を振り返りますと、家計部門では、飲食店への時短要請等活動制限を伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などを背景に、個人消費の回復が緩やかなものにとどまりました。企業部門においても、半導体の供給不足等を受け生産活動が低迷したほか、中国の景気減速などにより輸出も回復の勢いが弱まりました。2021年末にかけては緊急事態宣言等の解除を受け景気は一時的に持ち直しの動きがみられましたが、年明け以降は、オミクロン株の感染拡大やロシアウクライナ情勢が緊迫化したことなどにより再び停滞感の強い状況となっています。
当社グループの主な営業基盤であります三重県においても、個人消費は、営業時間の短縮や外出自粛など活動制約によりサービス消費を中心に弱い動きが続きました。もっとも、世界的な需要の高まりを受けて電子部品・デバイスを中心に企業の生産活動が持ち直しているほか、輸出も増加基調で推移しています。県内景気は、一部で厳しい状況にあるものの、総じてみれば緩やかな持ち直しが続いています。
このような経営環境の下、当社の連結ベースの業績は次のようになりました。
財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度末比3,231億円増加し4兆6,360億円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末比88億円減少し、2,296億円となりました。
主要な勘定残高につきましては、預金等(譲渡性預金含む)は、前連結会計年度末比12億円増加し3兆7,790億円、貸出金は、前連結会計年度末比251億円減少し2兆7,760億円、有価証券は、前連結会計年度末比117億円減少し8,306億円となりました。
損益状況につきましては、経常収益は、株式等の売却益が減少したことなどから、前連結会計年度比57億66百万円減少し704億79百万円となりました。経常費用は、貸倒引当金繰入額が減少したことなどから、前連結会計年度比72億37百万円減少し655億94百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比14億71百万円増加し48億84百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7億26百万円増加し49億5百万円となりました。
セグメントごとの損益状況は、「銀行業」の経常収益は、前連結会計年度比118億9百万円減少し549億55百万円、セグメント利益(経常利益)は、前連結会計年度比19億53百万円減少し72億37百万円となりました。また、「リース業」の経常収益は、前連結会計年度比15億43百万円増加し174億84百万円、セグメント損益(経常損益)は、前連結会計年度比9億75百万円減少し△4億80百万円、「その他」の経常収益は、前連結会計年度比19億15百万円減少し55億84百万円、セグメント利益(経常利益)は、前連結会計年度比8億95百万円減少し31億31百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金が増加したことなどから、3,749億円のプラス(前連結会計年度比1,055億円増加)となりました。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等により、50億円のマイナス(前連結会計年度比579億円減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により、22億円のマイナス(前連結会計年度比0億円減少)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度比3,675億円増加し8,969億円となりました。
③ 国内・国際業務部門別収支
資金運用収支は、国内・国際業務部門ともに減少したことにより、全体で前連結会計年度比3億25百万円減少して337億61百万円となりました。また、全体の役務取引等収支は前連結会計年度比93百万円増加して105億94百万円となり、全体のその他業務収支は前連結会計年度比7億39百万円増加して20億65百万円となりました。
種 類 | 期 別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 相殺消去額 | 合 計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
資金運用収支 | 前連結会計年度 | 32,806 | 1,279 | - | 34,086 |
当連結会計年度 | 32,521 | 1,239 | - | 33,761 | |
うち資金運用収益 | 前連結会計年度 | 33,596 | 1,369 | △64 | 34,901 |
当連結会計年度 | 33,060 | 1,282 | △37 | 34,305 | |
うち資金調達費用 | 前連結会計年度 | 790 | 89 | △64 | 815 |
当連結会計年度 | 538 | 42 | △37 | 544 | |
役務取引等収支 | 前連結会計年度 | 10,460 | 40 | - | 10,501 |
当連結会計年度 | 10,552 | 41 | - | 10,594 | |
うち役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 14,358 | 68 | - | 14,427 |
当連結会計年度 | 13,980 | 75 | - | 14,055 | |
うち役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 3,898 | 27 | - | 3,925 |
当連結会計年度 | 3,427 | 33 | - | 3,461 | |
その他業務収支 | 前連結会計年度 | 1,077 | 248 | - | 1,326 |
当連結会計年度 | 1,872 | 192 | - | 2,065 | |
うちその他業務収益 | 前連結会計年度 | 2,333 | 248 | - | 2,582 |
当連結会計年度 | 1,930 | 192 | - | 2,123 | |
うちその他業務費用 | 前連結会計年度 | 1,255 | - | - | 1,255 |
当連結会計年度 | 57 | - | - | 57 |
(注) 1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.相殺消去額欄の計数は、国内業務部門と国際業務部門間の資金貸借の利息であります。
④ 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
全体の資金運用勘定においては、平均残高は預け金の増加を主因に前連結会計年度比4,639億10百万円増加して4兆1,951億54百万円、利息は有価証券利息の減少を主因に前連結会計年度比5億96百万円減少して343億5百万円、利回りは前連結会計年度比0.12ポイント低下して0.81%となりました。
一方、全体の資金調達勘定においては、平均残高は借用金の増加を主因に前連結会計年度比2,396億44百万円増加して4兆1,413億78百万円、利息は預金利息の減少を主因に前連結会計年度比2億71百万円減少し5億44百万円、利回りは前連結会計年度比0.01ポイント低下して0.01%となりました。
イ.国内業務部門
種 類 | 期 別 | 平均残高 | 利息 | 利回り |
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | (168,892) 3,721,850 | (64) 33,596 | 0.90 |
当連結会計年度 | (153,251) 4,185,971 | (37) 33,060 | 0.78 | |
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 2,778,043 | 28,547 | 1.02 |
当連結会計年度 | 2,771,588 | 27,930 | 1.00 | |
うち商品有価証券 | 前連結会計年度 | 1,143 | 9 | 0.80 |
当連結会計年度 | 868 | 6 | 0.73 | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 661,568 | 4,731 | 0.71 |
当連結会計年度 | 642,047 | 4,137 | 0.64 | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 106,259 | 197 | 0.18 |
当連結会計年度 | 614,112 | 888 | 0.14 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | 3,892,278 | 790 | 0.02 |
当連結会計年度 | 4,132,428 | 538 | 0.01 | |
うち預金 | 前連結会計年度 | 3,627,850 | 613 | 0.01 |
当連結会計年度 | 3,705,906 | 386 | 0.01 | |
うち譲渡性預金 | 前連結会計年度 | 81,028 | 5 | 0.00 |
当連結会計年度 | 77,130 | 4 | 0.00 | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | 182,796 | 127 | 0.06 |
当連結会計年度 | 348,336 | 114 | 0.03 |
(注) 1.平均残高は、日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度229,161百万円、当連結会計年度23,016百万円)を控除して表示しております。
4.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ロ.国際業務部門
種 類 | 期 別 | 平均残高 | 利息 | 利回り |
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | 178,285 | 1,369 | 0.76 |
当連結会計年度 | 162,434 | 1,282 | 0.78 | |
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 1,388 | 19 | 1.38 |
当連結会計年度 | 2,268 | 33 | 1.46 | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 165,764 | 1,343 | 0.81 |
当連結会計年度 | 148,825 | 1,241 | 0.83 | |
うちコールローン及び 買入手形 | 前連結会計年度 | 1,948 | 3 | 0.17 |
当連結会計年度 | 977 | 1 | 0.14 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | (168,892) 178,348 | (64) 89 | 0.05 |
当連結会計年度 | (153,251) 162,201 | (37) 42 | 0.02 | |
うち預金 | 前連結会計年度 | 9,440 | 12 | 0.13 |
当連結会計年度 | 8,936 | 5 | 0.05 |
(注) 1.国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
2.国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度9百万円、当連結会計年度20百万円)を控除して表示しております。
4.( )内は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
ハ.合計
種 類 | 期 別 | 平均残高(百万円) | 利息(百万円) | 利回り (%) | ||||
小計 | 相殺 消去額 | 合計 | 小計 | 相殺 消去額 | 合計 | |||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | 3,900,136 | △168,892 | 3,731,244 | 34,966 | △64 | 34,901 | 0.93 |
当連結会計年度 | 4,348,405 | △153,251 | 4,195,154 | 34,342 | △37 | 34,305 | 0.81 | |
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 2,779,431 | - | 2,779,431 | 28,566 | - | 28,566 | 1.02 |
当連結会計年度 | 2,773,857 | - | 2,773,857 | 27,963 | - | 27,963 | 1.00 | |
うち商品有価証券 | 前連結会計年度 | 1,143 | - | 1,143 | 9 | - | 9 | 0.80 |
当連結会計年度 | 868 | - | 868 | 6 | - | 6 | 0.73 | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 827,333 | - | 827,333 | 6,075 | - | 6,075 | 0.73 |
当連結会計年度 | 790,872 | - | 790,872 | 5,379 | - | 5,379 | 0.68 | |
うちコールローン 及び買入手形 | 前連結会計年度 | 1,948 | - | 1,948 | 3 | - | 3 | 0.17 |
当連結会計年度 | 977 | - | 977 | 1 | - | 1 | 0.14 | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 106,259 | - | 106,259 | 197 | - | 197 | 0.18 |
当連結会計年度 | 614,112 | - | 614,112 | 888 | - | 888 | 0.14 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | 4,070,626 | △168,892 | 3,901,734 | 879 | △64 | 815 | 0.02 |
当連結会計年度 | 4,294,629 | △153,251 | 4,141,378 | 581 | △37 | 544 | 0.01 | |
うち預金 | 前連結会計年度 | 3,637,290 | - | 3,637,290 | 626 | - | 626 | 0.01 |
当連結会計年度 | 3,714,843 | - | 3,714,843 | 391 | - | 391 | 0.01 | |
うち譲渡性預金 | 前連結会計年度 | 81,028 | - | 81,028 | 5 | - | 5 | 0.00 |
当連結会計年度 | 77,130 | - | 77,130 | 4 | - | 4 | 0.00 | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | 182,796 | - | 182,796 | 127 | - | 127 | 0.06 |
当連結会計年度 | 348,336 | - | 348,336 | 114 | - | 114 | 0.03 |
(注) 1.相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度229,170百万円、当連結会計年度23,036百万円)を控除して表示しております。
⑤ 国内・国際業務部門別役務取引の状況
国内業務部門の役務取引等収益は、前連結会計年度比3億78百万円減少して139億80百万円、国際業務部門は前連結会計年度比7百万円増加して75百万円となりました。この結果、全体では前連結会計年度比3億72百万円減少して140億55百万円となりました。
一方、役務取引等費用は、全体では前連結会計年度比4億64百万円減少して34億61百万円となりました。
種 類 | 期 別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合 計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 14,358 | 68 | 14,427 |
当連結会計年度 | 13,980 | 75 | 14,055 | |
うち預金・貸出業務 | 前連結会計年度 | 4,555 | - | 4,555 |
当連結会計年度 | 5,549 | - | 5,549 | |
うち為替業務 | 前連結会計年度 | 2,224 | 65 | 2,290 |
当連結会計年度 | 1,847 | 71 | 1,918 | |
うち証券関連業務 | 前連結会計年度 | 2,644 | - | 2,644 |
当連結会計年度 | 2,535 | - | 2,535 | |
うち保護預り・貸金庫業務 | 前連結会計年度 | 158 | - | 158 |
当連結会計年度 | 113 | - | 113 | |
うち代理業務 | 前連結会計年度 | 3,504 | - | 3,504 |
当連結会計年度 | 2,897 | - | 2,897 | |
うち保証業務 | 前連結会計年度 | 1,269 | 3 | 1,273 |
当連結会計年度 | 1,035 | 3 | 1,039 | |
役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 3,898 | 27 | 3,925 |
当連結会計年度 | 3,427 | 33 | 3,461 | |
うち為替業務 | 前連結会計年度 | 466 | 23 | 489 |
当連結会計年度 | 312 | 28 | 341 |
(注) 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
⑥ 国内・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種 類 | 期 別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合 計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
預 金 合 計 | 前連結会計年度 | 3,688,145 | 9,319 | 3,697,464 |
当連結会計年度 | 3,696,915 | 8,381 | 3,705,296 | |
うち流動性預金 | 前連結会計年度 | 2,225,546 | - | 2,225,546 |
当連結会計年度 | 2,306,416 | - | 2,306,416 | |
うち定期性預金 | 前連結会計年度 | 1,444,170 | - | 1,444,170 |
当連結会計年度 | 1,382,813 | - | 1,382,813 | |
うちその他 | 前連結会計年度 | 18,428 | 9,319 | 27,747 |
当連結会計年度 | 7,684 | 8,381 | 16,066 | |
譲 渡 性 預 金 | 前連結会計年度 | 80,402 | - | 80,402 |
当連結会計年度 | 73,802 | - | 73,802 | |
総 合 計 | 前連結会計年度 | 3,768,547 | 9,319 | 3,777,866 |
当連結会計年度 | 3,770,717 | 8,381 | 3,779,098 |
(注) 1.国内業務部門は円建諸取引、国際業務部門は外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
3.定期性預金=定期預金+定期積金
⑦ 貸出金残高の状況
イ.業種別貸出状況(末残・構成比)
業 種 別 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
国内 (除く特別国際金融取引勘定分) | 2,801,203 | 100.00 | 2,776,098 | 100.00 |
製造業 | 272,416 | 9.72 | 261,622 | 9.42 |
農業,林業 | 5,481 | 0.20 | 5,789 | 0.21 |
漁業 | 1,679 | 0.06 | 1,137 | 0.04 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 2,790 | 0.10 | 2,838 | 0.10 |
建設業 | 143,194 | 5.11 | 138,183 | 4.98 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 129,822 | 4.63 | 124,661 | 4.49 |
情報通信業 | 13,728 | 0.49 | 11,993 | 0.43 |
運輸業,郵便業 | 107,195 | 3.83 | 106,934 | 3.85 |
卸売業,小売業 | 217,589 | 7.77 | 219,034 | 7.89 |
金融業,保険業 | 185,873 | 6.64 | 178,398 | 6.43 |
不動産業,物品賃貸業 | 567,371 | 20.25 | 581,183 | 20.94 |
各種サービス業 | 275,583 | 9.84 | 266,860 | 9.61 |
地方公共団体 | 81,872 | 2.92 | 81,939 | 2.95 |
その他 | 796,603 | 28.44 | 795,520 | 28.66 |
特別国際金融取引勘定分 | - | - | - | - |
政府等 | - | - | - | - |
金融機関 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - |
合 計 | 2,801,203 | - | 2,776,098 | - |
(注) 「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
ロ.外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
⑧ 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
種 類 | 期 別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合 計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
国債 | 前連結会計年度 | 167,319 | - | 167,319 |
当連結会計年度 | 168,458 | - | 168,458 | |
地方債 | 前連結会計年度 | 152,246 | - | 152,246 |
当連結会計年度 | 182,876 | - | 182,876 | |
社債 | 前連結会計年度 | 153,992 | - | 153,992 |
当連結会計年度 | 136,256 | - | 136,256 | |
株式 | 前連結会計年度 | 60,196 | - | 60,196 |
当連結会計年度 | 53,594 | - | 53,594 | |
その他の証券 | 前連結会計年度 | 146,298 | 162,367 | 308,666 |
当連結会計年度 | 141,974 | 147,509 | 289,484 | |
合計 | 前連結会計年度 | 680,054 | 162,367 | 842,422 |
当連結会計年度 | 683,160 | 147,509 | 830,670 |
(注) 1.国内業務部門は当社及び連結子会社の円建諸取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建諸取引であります。但し、円建対非居住者諸取引等は国際業務部門に含めております。
2.国際業務部門の「その他の証券」は、外国債券であります。
⑨ 生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
第2次中期経営計画の3年累計目標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
① 経営成績の分析
○ 主な損益状況
第2次中期経営計画のもとで、お客さまとのリレーションを構築し、最適なソリューションを提供するビジネスモデルに取り組み、お客さま、地域経済の成長に貢献するため、経営指標の達成に向けて諸施策に取り組んだ結果、当連結会計年度における主な損益状況は以下のとおりとなりました。
連結粗利益は、前連結会計年度比5億7百万円増加し464億21百万円となりました。また、営業経費は、合併・システム統合関連費用の増加を主因に前連結会計年度比25億68百万円増加し425億12百万円、与信関連費用は、一般貸倒引当金繰入額や個別貸倒引当金繰入額が減少したことなどから前連結会計年度比84億17百万円減少し25億66百万円、株式等関係損益は、前連結会計年度比52億69百万円減少し13億32百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比14億71百万円増加し48億84百万円となりました。
特別損益は、前連結会計年度比31億54百万円減少し△11億37百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7億26百万円増加し49億5百万円となりました。
前連結会計年度 (百万円) (A) | 当連結会計年度 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
連結粗利益 | 45,914 | 46,421 | 507 |
資金利益 | 34,086 | 33,761 | △325 |
役務取引等利益 | 10,501 | 10,594 | 93 |
その他業務利益 | 1,326 | 2,065 | 739 |
営業経費 | 39,944 | 42,512 | 2,568 |
与信関連費用 | 10,983 | 2,566 | △8,417 |
貸出金償却 | 59 | 11 | △48 |
一般貸倒引当金繰入額 | 3,566 | △299 | △3,865 |
個別貸倒引当金繰入額 | 7,143 | 3,022 | △4,121 |
偶発損失引当金繰入額 | 26 | - | △26 |
その他 | 189 | 6 | △183 |
偶発損失引当金戻入益 (注) | - | 173 | 173 |
償却債権取立益 | 2 | 1 | △1 |
株式等関係損益 | 6,601 | 1,332 | △5,269 |
株式等売却益 | 8,073 | 1,826 | △6,247 |
株式等売却損 | 1,442 | 491 | △951 |
株式等償却 | 29 | 2 | △27 |
その他 | 1,825 | 2,209 | 384 |
経常利益 | 3,413 | 4,884 | 1,471 |
特別損益 | 2,017 | △1,137 | △3,154 |
税金等調整前当期純利益 | 5,430 | 3,746 | △1,684 |
法人税、住民税及び事業税 | 5,252 | 553 | △4,699 |
法人税等調整額 | △4,020 | △1,668 | 2,352 |
法人税等合計 | 1,232 | △1,114 | △2,346 |
当期純利益 | 4,197 | 4,861 | 664 |
非支配株主に帰属する当期純利益又は 非支配株主に帰属する当期純損失(△) | 18 | △44 | △62 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,179 | 4,905 | 726 |
(注) 当連結会計年度は偶発損失引当金の取崩額が繰入額を上回るため、偶発損失引当金戻入益を計上しております。
② 財政状態の分析
○ 貸出金
貸出金は、前連結会計年度末比251億5百万円減少し2兆7,760億98百万円となりました。
<参考>金融再生法開示債権及びリスク管理債権
前連結会計年度末 (百万円) (A) | 当連結会計年度末 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | ||
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 14,308 | 17,837 | 3,529 | |
危険債権 | 48,597 | 44,379 | △4,218 | |
要管理債権 | 4,846 | 6,748 | 1,902 | |
三月以上延滞債権 | 316 | 37 | △279 | |
貸出条件緩和債権 | 4,530 | 6,710 | 2,180 | |
小計 | 67,753 | 68,964 | 1,211 | |
正常債権 | 2,787,761 | 2,756,980 | △30,781 | |
合計 | 2,855,514 | 2,825,945 | △29,569 |
○ 有価証券
市場動向を注視しつつ機動的な運用に努めました結果、前連結会計年度末比117億52百万円減少し8,306億70百万円となりました。
前連結会計年度末 (百万円) (A) | 当連結会計年度末 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
国債 | 167,319 | 168,458 | 1,139 |
地方債 | 152,246 | 182,876 | 30,630 |
社債 | 153,992 | 136,256 | △17,736 |
株式 | 60,196 | 53,594 | △6,602 |
その他 | 308,666 | 289,484 | △19,182 |
うち外国債券 | 162,367 | 147,509 | △14,858 |
合計 | 842,422 | 830,670 | △11,752 |
○ 預金
預金と譲渡性預金を合わせた預金等の残高は、前連結会計年度末比12億32百万円増加し3兆7,790億98百万円となりました。
○ 純資産の部
純資産の部の合計は2,296億35百万円となりました。
利益剰余金は、親会社株主に帰属する当期純利益49億5百万円等により、前連結会計年度末比26億17百万円増加し1,318億65百万円となりました。
その他有価証券評価差額金は、株価等が下落したことなどから、前連結会計年度末比104億2百万円減少し92億9百万円となりました。
③ 連結自己資本比率(国内基準)
当連結会計年度末の連結における自己資本の額は、前連結会計年度末比24億20百万円増加し2,163億87百万円となりました。リスク・アセットの額は、前連結会計年度末比1,037億67百万円減少し2兆3,523億17百万円となりました。この結果、連結自己資本比率は、前連結会計年度末比0.48ポイント上昇し、9.19%となりました。
前連結会計年度末 (百万円) (A) | 当連結会計年度末 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
1.連結自己資本比率 (2/3) | 8.71% | 9.19% | 0.48% |
2.連結における自己資本の額 | 213,967 | 216,387 | 2,420 |
3.リスク・アセットの額 | 2,456,084 | 2,352,317 | △103,767 |
4.連結総所要自己資本額 | 98,243 | 94,092 | △4,151 |
④ キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは、借用金が増加したことなどから、3,749億円のプラス(前連結会計年度比1,055億90百万円増加)、投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等により、50億48百万円のマイナス(前連結会計年度比579億13百万円減少)、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出等により、22億54百万円のマイナス(前連結会計年度比26百万円減少)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度の期末残高は、前連結会計年度末比3,675億97百万円増加し8,969億11百万円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当面の設備投資、成長分野への投資及び株主還元等は自己資金で対応する予定であります。また、貸出金や有価証券の運用については、大部分を顧客からの預金にて調達するとともに、必要に応じて日銀借入金や債券貸借取引により資金調達をしております。
なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
前連結会計年度 (百万円) (A) | 当連結会計年度 (百万円) (B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 269,310 | 374,900 | 105,590 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 52,865 | △5,048 | △57,913 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,228 | △2,254 | △26 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 529,313 | 896,911 | 367,597 |
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社が連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
貸倒引当金の計上
当社グループにおける貸出金等の債権の残高は多額であり、貸倒引当金の計上は、経営成績等に与える影響が大きいため、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
銀行業を営む連結子会社の貸倒引当金は、資産の自己査定基準に基づき資産査定を実施し、判定した債務者区分と債権分類に応じて、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
正常先債権及び要注意先債権に相当する債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、1年間又は3年間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の直近3算定期間における平均値に基づき予想損失率を求め、算定しております。破綻懸念先債権に相当する債権については、債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額に対して、今後の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、3年間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の直近3算定期間とより長期の過去の一定期間における平均値に基づき予想損失率を求め、そのいずれか高い方を用いて算定しております。破綻先債権及び実質破綻先債権に相当する債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額を計上しております。
また、破綻懸念先及び貸出条件緩和債権を有する債務者等で与信額が一定額以上の大口債務者のうち、債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、当該キャッシュ・フローを貸出条件緩和実施前の約定利子率で割引いた金額と債権の帳簿価額との差額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー見積法)により計上しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業部店及び審査所管部署が資産査定を実施し、当該部署から独立した監査部が査定結果を監査しております。
その他の連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円,%)
2022年3月31日 | |
1.連結自己資本比率 (2/3) | 9.19 |
2.連結における自己資本の額 | 2,163 |
3.リスク・アセットの額 | 23,523 |
4.連結総所要自己資本額 | 940 |
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社三十三銀行の貸借対照表(2021年3月31日については、株式会社三重銀行及び株式会社第三銀行の貸借対照表)の有価証券中の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるものについて債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
株式会社三十三銀行(単体)の資産の査定の額
債権の区分 | 2021年3月31日 | 2022年3月31日 |
金額(億円) | 金額(億円) | |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | - | 161 |
危険債権 | - | 443 |
要管理債権 | - | 67 |
正常債権 | - | 27,711 |
(注) 未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。
なお、2021年5月1日付で、当社の完全子会社である株式会社三重銀行及び株式会社第三銀行は、株式会社第三銀行を存続会社、株式会社三重銀行を消滅会社として合併を行い、商号を株式会社三十三銀行に変更していることから、2021年3月31日の資産の査定の額は旧行ごとに記載しております。
株式会社三重銀行(単体)の資産の査定の額
債権の区分 | 2021年3月31日 | 2022年3月31日 |
金額(億円) | 金額(億円) | |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 45 | - |
危険債権 | 218 | - |
要管理債権 | 10 | - |
正常債権 | 14,767 | - |
(注) 未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。
株式会社第三銀行(単体)の資産の査定の額
債権の区分 | 2021年3月31日 | 2022年3月31日 |
金額(億円) | 金額(億円) | |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 50 | - |
危険債権 | 267 | - |
要管理債権 | 37 | - |
正常債権 | 13,253 | - |
(注) 1.未収利息及び仮払金については、資産の自己査定基準に基づき、債務者区分を行っているものを対象としております。
2.部分直接償却後の金額を記載しております。
2021年3月末には部分直接償却38億円を実施しております。