有価証券報告書-第99期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、堅調な企業収益を背景に雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移したものの、海外経済の不確実性などから、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
建設産業におきましては、公共投資は前年度から概ね横ばいで継続し、民間設備投資は、製造業を中心に堅調に推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは2017年度からの3ヵ年を対象とする中期経営計画「Challenge to a new Stage」を策定し、国内土木、国内建築、海外建設からなる基幹3事業の「安定した収益確保による経営基盤強化と変化への果敢な挑戦」にグループが連携して取り組み、企業価値の一層の向上に努めております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
総資産は、受取手形及び完成工事未収入金、未成工事支出金等の減少などから、前連結会計年度末に比べ145億49百万円減少し、1,404億19百万円となりました。
負債は、支払手形及び工事未払金等の減少などから、前連結会計年度末に比べ188億76百万円減少し、874億52百万円となりました。
純資産は、期末配当の実施及び当期純利益の計上などから、前連結会計年度末に比べ43億26百万円増加し、529億66百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の30.7%から36.8%となり、6.1ポイント上昇いたしました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、前期比5.1%減の1,638億60百万円となり、営業利益は前期比27.8%減の78億15百万円、経常利益は前期比23.4%減の80億69百万円となり、これに法人税等を計上いたしました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比22.8%減の54億45百万円となりました。
事業セグメント別の実績は以下のとおりであります。
(国内土木事業)
安定的な営業利益確保のため、ポートフォリオ戦略の徹底及び時代の変革にフレキシブルに対応できる体制構築を目指し、民間営業力強化、官庁海上工事のシェアアップに努めてまいりました。主に上半期の受注が伸び悩んだこと及び高採算性工事の減少により、売上高、セグメント利益ともに前期を下回りました。当連結会計年度の売上高は前期比11.4%減の925億59百万円、セグメント利益は前期比54.1%減の36億48百万円となりました。
(国内建築事業)
外部環境の変動に左右されない営業基盤の構築を目指し、営業力強化、コスト競争力強化を推進しております。当期は大型工場、物流センターなどの工事の順調な進捗及び工事採算性の大幅な向上により、セグメント利益が大きく伸長いたしました。当連結会計年度の売上高は前期比16.1%増の537億7百万円、セグメント利益は前期比49.8%増の32億81百万円となりました。
(海外建設事業)
安定した営業利益確保に向けた体制の構築、リスクマネジメント力強化、人材育成などに取り組んでおります。当期はミャンマー、ベトナムの港湾工事がセグメント利益に寄与したほか、新たにインドネシアにおいて大型港湾工事を受注いたしました。当連結会計年度の売上高は前期比18.9%減の167億81百万円、セグメント利益は前期比73.3%増の6億57百万円となりました。
(不動産事業)
当連結会計年度の売上高は前期比58.0%減の3億73百万円、セグメント利益は前期比25.9%減の1億91百万円となりました。
(その他事業)
保険代理店業、物品の販売・リース事業などであり、当連結会計年度の売上高は前期比26.2%増の4億38百万円、セグメント利益は前期比22.2%減の36百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などから、93億48百万円の収入超過となりました。(前期は107億8百万円の収入超過)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などから、22億39百万円の支出超過となりました。(前期は8億72百万円の支出超過)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済、配当金の支払などから、29億67百万円の支出超過となりました。(前期は36億81百万円の支出超過)
以上の結果、当連結会計年度末日の現金及び現金同等物の残高は、320億40百万円となりました。(前期末日残高は278億30百万円)
キャッシュ・フロー指標の推移
※自己資本比率:自己資本(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払
①各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
②株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
③キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち短期借入金、長期借入金を対象としております。また、利払は連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④キャッシュ・フローがマイナスである場合は、当該年度の記載を省略しております。
③生産、受注及び販売の実績
(2)売上実績 (単位 百万円)
(注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
なお、提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高(契約高)及び施工高の状況
①受注工事高、完成工事高、繰越工事及び施工高
(注)1.前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当期受注工事高にその増減を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3.次期繰越高(手持工事高)は、不動産事業を除き(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
4.前期繰越工事高の上段( )内表示額は、前事業年度における次期繰越高であり、下段は当該事業年度の外国為替相場の変動及び工事契約解除等による増減額を反映させたものであります。
②受注工事高の受注方法別比率
(注)算出は請負金額比によります。
③完成工事高
(Ⅰ)完成工事高 (単位 百万円)
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第98期 請負金額10億円以上の主なもの
第99期 請負金額10億円以上の主なもの
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。
第98期 国土交通省 36,181百万円 23.0%
第99期 国土交通省 26,845百万円 18.1%
(注)手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
完成工事高及び完成工事原価の計上、販売用不動産の評価、貸倒引当金・完成工事補償引当金・工事損失引当金等の重要な引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の計上等に関して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果を連結貸借対照表及び連結損益計算書の金額に反映しております。但し、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 経営成績及びセグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容等
連結営業利益の変動要因としては、国内建築事業及び海外建設事業において増益となったものの、国内土木事業の減益分をカバーできず、3割弱の減益となりました。
国内土木事業は、2018年3月期は大型工事の設計変更契約の獲得が寄与し最高益となりましたが、2019年3月期は、上半期の受注不振による完成工事高の減少及び高採算性工事が減少し、43億円の減益となりました。
国内建築事業は、手持工事が順調に進捗したことに加え、工事採算の向上も相まり10億円の増益となりました。
海外建設事業は、売上高は減少となりましたが、手持工事の採算が改善し2億円の増益となりました。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの2020年3月期業績予想
受注高 1,685億円
売上高 1,830億円
売上総利益 182億円(売上総利益率 10.0%)
営業利益 91億円(営業利益率 5.0%)
経常利益 89億円
親会社株主に帰属する当期純利益 55億円
純資産 560億円
ROE 10.3%
(国内土木事業)
受注高 920億円
売上高 1,003億円
売上総利益 109億円(売上総利益率 10.8%)
セグメント利益 46億円
《基本戦略》
・5年後を見据え、安定的に営業利益40億円以上の達成
・ポートフォリオ戦略の徹底と、時代の変革にフレキシブルに対応し、利益を確保できる体制の構築
《重点施策》
ポートフォリオ戦略 民間営業力強化/海上工事のシェアアップ/陸上土木工事の取り組み強化
技術戦略・海洋事業 人的資源戦略推進/技術開発の効果的な実行/自航式多目的船AUGUST EXPLORER運用
働き方改革・生産性向上 ICT(情報通信技術)ツールの活用推進/4週6休に向けた対応強化
(国内建築事業)
受注高 593億円
売上高 585億円
売上総利益 52億円(売上総利益率 8.9%)
セグメント利益 35億円
《基本戦略》
・外部環境の変動時においても、営業利益を安定確保
・営業力、コスト競争力、人材・組織力の注力強化
《重点施策》
営業力強化 得意分野育成/脱競争能力の向上/設計施工への注力
コスト競争力強化 技術優位性の創出/工種別コスト競争力向上
人材・組織力強化 組織的な人材育成/機動的な組織運営/グループ連携の強化
(海外建設事業)
受注高 171億円
売上高 236億円
売上総利益 17億円(売上総利益率 7.5%)
セグメント利益 8億円
《基本戦略》
・安定した営業利益確保に向けた体制の構築
・将来的には収益の柱の一つとなるべく進化
《重点施策》
組織体制強化 間接部門の増強/現場支援体制強化/安全管理強化
人材育成推進 職員キャリアプランの作成/海外現地職員の育成継続
地域別営業戦略 既進出国中心に、ターゲット案件の確実な受注
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループの事業活動における資金需要は主に大きく分けて運転資金と設備資金需要の2つがあります。季節的変動の影響を受けやすい建設業の事業特性を踏まえ、運転資金調達についてはコミットメントライン(特定融資枠)設定契約によるものとし、2017年9月に金融機関8行と総額100億円、期間3年のシンジケーション方式によるコミットメントライン設定契約を締結しております。また、2019年3月に金融機関1行と総額50億円、期間1年のコミットメントライン設定契約を締結しております。設備資金調達については、主要借入行を中心とした調達を行っております。
c.財務政策
当社グループの事業活動の推進、運営に必要な運転資金及び設備資金の調達を安定的に確保するため、金融機関からの借入による資金調達を行っております。
当連結会計年度末における長期借入金は35億15百万円、短期借入金は88億79百万円となり、有利子負債総額は前連結会計年度末比15億22百万円減の123億95百万円となっております。また引き続き、資金調達コスト低減にも取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、堅調な企業収益を背景に雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移したものの、海外経済の不確実性などから、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
建設産業におきましては、公共投資は前年度から概ね横ばいで継続し、民間設備投資は、製造業を中心に堅調に推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは2017年度からの3ヵ年を対象とする中期経営計画「Challenge to a new Stage」を策定し、国内土木、国内建築、海外建設からなる基幹3事業の「安定した収益確保による経営基盤強化と変化への果敢な挑戦」にグループが連携して取り組み、企業価値の一層の向上に努めております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
総資産は、受取手形及び完成工事未収入金、未成工事支出金等の減少などから、前連結会計年度末に比べ145億49百万円減少し、1,404億19百万円となりました。
負債は、支払手形及び工事未払金等の減少などから、前連結会計年度末に比べ188億76百万円減少し、874億52百万円となりました。
純資産は、期末配当の実施及び当期純利益の計上などから、前連結会計年度末に比べ43億26百万円増加し、529億66百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の30.7%から36.8%となり、6.1ポイント上昇いたしました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、前期比5.1%減の1,638億60百万円となり、営業利益は前期比27.8%減の78億15百万円、経常利益は前期比23.4%減の80億69百万円となり、これに法人税等を計上いたしました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比22.8%減の54億45百万円となりました。
事業セグメント別の実績は以下のとおりであります。
(国内土木事業)
安定的な営業利益確保のため、ポートフォリオ戦略の徹底及び時代の変革にフレキシブルに対応できる体制構築を目指し、民間営業力強化、官庁海上工事のシェアアップに努めてまいりました。主に上半期の受注が伸び悩んだこと及び高採算性工事の減少により、売上高、セグメント利益ともに前期を下回りました。当連結会計年度の売上高は前期比11.4%減の925億59百万円、セグメント利益は前期比54.1%減の36億48百万円となりました。
(国内建築事業)
外部環境の変動に左右されない営業基盤の構築を目指し、営業力強化、コスト競争力強化を推進しております。当期は大型工場、物流センターなどの工事の順調な進捗及び工事採算性の大幅な向上により、セグメント利益が大きく伸長いたしました。当連結会計年度の売上高は前期比16.1%増の537億7百万円、セグメント利益は前期比49.8%増の32億81百万円となりました。
(海外建設事業)
安定した営業利益確保に向けた体制の構築、リスクマネジメント力強化、人材育成などに取り組んでおります。当期はミャンマー、ベトナムの港湾工事がセグメント利益に寄与したほか、新たにインドネシアにおいて大型港湾工事を受注いたしました。当連結会計年度の売上高は前期比18.9%減の167億81百万円、セグメント利益は前期比73.3%増の6億57百万円となりました。
(不動産事業)
当連結会計年度の売上高は前期比58.0%減の3億73百万円、セグメント利益は前期比25.9%減の1億91百万円となりました。
(その他事業)
保険代理店業、物品の販売・リース事業などであり、当連結会計年度の売上高は前期比26.2%増の4億38百万円、セグメント利益は前期比22.2%減の36百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などから、93億48百万円の収入超過となりました。(前期は107億8百万円の収入超過)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などから、22億39百万円の支出超過となりました。(前期は8億72百万円の支出超過)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済、配当金の支払などから、29億67百万円の支出超過となりました。(前期は36億81百万円の支出超過)
以上の結果、当連結会計年度末日の現金及び現金同等物の残高は、320億40百万円となりました。(前期末日残高は278億30百万円)
キャッシュ・フロー指標の推移
2015年3月期 | 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | |
自己資本比率(%) | 28.0 | 29.2 | 29.9 | 30.7 | 36.8 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 36.0 | 35.3 | 27.2 | 29.7 | 28.6 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | - | 4.7 | 1.3 | 1.3 | 1.3 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | - | 12.8 | 45.5 | 41.5 | 59.9 |
※自己資本比率:自己資本(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払
①各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
②株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
③キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち短期借入金、長期借入金を対象としております。また、利払は連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④キャッシュ・フローがマイナスである場合は、当該年度の記載を省略しております。
③生産、受注及び販売の実績
(1)受注実績 | (単位 百万円) |
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
国内土木事業 国内建築事業 | 90,491 56,739 | △9.2 7.0 |
海外建設事業 不動産事業 その他事業 | 27,798 373 438 | 15.5 △58.0 26.2 |
合計 | 175,841 | △1.2 |
(2)売上実績 (単位 百万円)
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
国内土木事業 国内建築事業 | 92,559 53,707 | △11.4 16.1 |
海外建設事業 不動産事業 その他事業 | 16,781 373 438 | △18.9 △58.0 26.2 |
合計 | 163,860 | △5.1 |
(注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
なお、提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高(契約高)及び施工高の状況
①受注工事高、完成工事高、繰越工事及び施工高
第98期(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | (単位 百万円) |
種類別 | 前期繰越 工事高 | 当期受注 工事高 | 計 | 当期完成 工事高 | 次期繰越高 | 当期施工高 | ||
手持工事高 | うち施工高 | |||||||
建設事業 | % | |||||||
海上土木 | (68,248) 67,831 | 75,891 | 143,722 | 80,922 | 62,800 | 8.2 | 5,155 | 85,301 |
陸上土木 | (33,115) 33,070 | 35,687 | 68,757 | 32,345 | 36,411 | 6.6 | 2,415 | 33,271 |
建 築 | 48,411 | 50,607 | 99,019 | 44,393 | 54,626 | 1.0 | 536 | 44,382 |
計 | (149,775) 149,313 | 162,186 | 311,499 | 157,661 | 153,838 | 5.3 | 8,107 | 162,956 |
不動産事業 | - | 514 | 514 | 514 | - | - | - | - |
合計 | (149,775) 149,313 | 162,701 | 312,014 | 158,175 | 153,838 | - | - | - |
第99期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | (単位 百万円) |
種類別 | 前期繰越 工事高 | 当期受注 工事高 | 計 | 当期完成 工事高 | 次期繰越高 | 当期施工高 | ||
手持工事高 | うち施工高 | |||||||
建設事業 | % | |||||||
海上土木 | (62,800) 63,507 | 62,921 | 126,429 | 66,361 | 60,067 | 1.0 | 625 | 61,831 |
陸上土木 | (36,411) 36,385 | 37,124 | 73,509 | 30,274 | 43,235 | 2.9 | 1,267 | 29,126 |
建 築 | (54,626) 54,611 | 55,307 | 109,918 | 51,768 | 58,149 | 0.8 | 444 | 51,676 |
計 | (153,838) 154,504 | 155,353 | 309,857 | 148,404 | 161,452 | 1.4 | 2,337 | 142,634 |
不動産事業 | - | 354 | 354 | 354 | - | - | - | - |
合計 | (153,838) 154,504 | 155,707 | 310,211 | 148,759 | 161,452 | - | - | - |
(注)1.前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当期受注工事高にその増減を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3.次期繰越高(手持工事高)は、不動産事業を除き(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
4.前期繰越工事高の上段( )内表示額は、前事業年度における次期繰越高であり、下段は当該事業年度の外国為替相場の変動及び工事契約解除等による増減額を反映させたものであります。
②受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。 | (単位 %) |
期別 | 区分 | 特命 | 競争 | 計 |
第98期 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 海上土木工事 | 26.9 | 73.1 | 100 |
陸上土木工事 | 48.8 | 51.2 | 100 | |
建築工事 | 28.7 | 71.3 | 100 | |
第99期 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 海上土木工事 | 28.9 | 71.1 | 100 |
陸上土木工事 | 32.2 | 67.8 | 100 | |
建築工事 | 36.5 | 63.5 | 100 |
(注)算出は請負金額比によります。
③完成工事高
(Ⅰ)完成工事高 (単位 百万円)
期別 | 区分 | 国内 | 海外 | 計 (B) | ||
官公庁 | 民間 | (A) | (A)/(B) (%) | |||
第98期 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 海上土木工事 | 53,890 | 11,524 | 15,507 | 19.2 | 80,922 |
陸上土木工事 | 24,670 | 6,791 | 884 | 2.7 | 32,345 | |
建築事業 | 8,899 | 35,454 | 38 | 0.1 | 44,393 | |
計 | 87,460 | 53,770 | 16,430 | 10.4 | 157,661 | |
第99期 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 海上土木工事 | 41,949 | 12,929 | 11,482 | 17.3 | 66,361 |
陸上土木工事 | 25,183 | 5,048 | 42 | 0.1 | 30,274 | |
建築事業 | 9,053 | 42,663 | 51 | 0.1 | 51,768 | |
計 | 76,186 | 60,642 | 11,576 | 7.8 | 148,404 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第98期 請負金額10億円以上の主なもの
フィリピン共和国 公共事業道路省 | パシグ・マリキナ河川改修事業(フェーズⅢ)パシグ工区 |
宮城県 | 大曲浜(矢本工区)林地荒廃防止施設災害復旧工事 |
沖縄総合事務局 | 那覇空港滑走路増設4工区埋立工事 |
今治造船株式会社 | 西ひうち埋立整備工事 |
三浦市 | (仮称)三浦市低温卸売場建設工事 |
株式会社ランテック | 株式会社ランテック大阪支店新築工事(新南港センター) |
第99期 請負金額10億円以上の主なもの
ベトナム社会主義共和国 運輸省 | ラックフェン国際港建設事業(港湾)パッケージ8 |
国土交通省 | 横浜港南本牧地区岸壁(-18m)(耐震)上部等工事 |
宮城県 | 朴島地先海岸(南側)災害復旧工事 |
大阪港埠頭株式会社 | 南港フェリー埠頭第二桟橋補強工事 |
国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 人工知能に関するグローバル研究拠点 臨海ハブ拠点研究棟 (仮称)建築工事 |
株式会社シーアールイー | ロジスクエア春日部新築工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。
第98期 国土交通省 36,181百万円 23.0%
第99期 国土交通省 26,845百万円 18.1%
(Ⅱ)不動産事業売上高 | (単位 百万円) |
期別 | 区分 | 金額 |
第98期 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 土地建物販売収入 | 217 |
賃貸収入 | 297 | |
計 | 514 | |
第99期 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 土地建物販売収入 | 56 |
賃貸収入 | 297 | |
計 | 354 |
④手持工事高(2019年3月31日現在) | (単位 百万円) |
区分 | 国内 | 海外 | 計 | |
官公庁 | 民間 | |||
海上土木工事 | 28,546 | 8,413 | 23,107 | 60,067 |
陸上土木工事 | 35,201 | 2,175 | 5,858 | 43,235 |
建築工事 | 2,971 | 55,178 | ― | 58,149 |
計 | 66,719 | 65,767 | 28,965 | 161,452 |
(注)手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
株式会社セブン・イレブン-沖縄 | (仮称)株式会社武蔵野沖縄 沖縄工場新築工事 | 2019年9月完成予定 |
国土交通省 | 神戸港航路附帯施設地盤改良工事(第1工区) | 2019年10月完成予定 |
月島機械株式会社 | 月島機械株式会社八千代事業所建設工事 | 2019年12月完成予定 |
山元町 | 平成30年度(債務)漁機2号 東波除堤工事 | 2020年12月完成予定 |
インドネシア共和国 運輸省 海運総局 | パティンバン新港開発事業フェーズ1のうちパッケージ2 外周護岸/防波堤築造及び外港航路浚渫工事 | 2021年3月完成予定 |
フィリピン共和国 公共事業道路省 | カガヤンデオロ洪水対策工事(パッケージ2) | 2022年3月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
完成工事高及び完成工事原価の計上、販売用不動産の評価、貸倒引当金・完成工事補償引当金・工事損失引当金等の重要な引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の計上等に関して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果を連結貸借対照表及び連結損益計算書の金額に反映しております。但し、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 経営成績及びセグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容等
連結営業利益の変動要因としては、国内建築事業及び海外建設事業において増益となったものの、国内土木事業の減益分をカバーできず、3割弱の減益となりました。
国内土木事業は、2018年3月期は大型工事の設計変更契約の獲得が寄与し最高益となりましたが、2019年3月期は、上半期の受注不振による完成工事高の減少及び高採算性工事が減少し、43億円の減益となりました。
国内建築事業は、手持工事が順調に進捗したことに加え、工事採算の向上も相まり10億円の増益となりました。
海外建設事業は、売上高は減少となりましたが、手持工事の採算が改善し2億円の増益となりました。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの2020年3月期業績予想
受注高 1,685億円
売上高 1,830億円
売上総利益 182億円(売上総利益率 10.0%)
営業利益 91億円(営業利益率 5.0%)
経常利益 89億円
親会社株主に帰属する当期純利益 55億円
純資産 560億円
ROE 10.3%
(国内土木事業)
受注高 920億円
売上高 1,003億円
売上総利益 109億円(売上総利益率 10.8%)
セグメント利益 46億円
《基本戦略》
・5年後を見据え、安定的に営業利益40億円以上の達成
・ポートフォリオ戦略の徹底と、時代の変革にフレキシブルに対応し、利益を確保できる体制の構築
《重点施策》
ポートフォリオ戦略 民間営業力強化/海上工事のシェアアップ/陸上土木工事の取り組み強化
技術戦略・海洋事業 人的資源戦略推進/技術開発の効果的な実行/自航式多目的船AUGUST EXPLORER運用
働き方改革・生産性向上 ICT(情報通信技術)ツールの活用推進/4週6休に向けた対応強化
(国内建築事業)
受注高 593億円
売上高 585億円
売上総利益 52億円(売上総利益率 8.9%)
セグメント利益 35億円
《基本戦略》
・外部環境の変動時においても、営業利益を安定確保
・営業力、コスト競争力、人材・組織力の注力強化
《重点施策》
営業力強化 得意分野育成/脱競争能力の向上/設計施工への注力
コスト競争力強化 技術優位性の創出/工種別コスト競争力向上
人材・組織力強化 組織的な人材育成/機動的な組織運営/グループ連携の強化
(海外建設事業)
受注高 171億円
売上高 236億円
売上総利益 17億円(売上総利益率 7.5%)
セグメント利益 8億円
《基本戦略》
・安定した営業利益確保に向けた体制の構築
・将来的には収益の柱の一つとなるべく進化
《重点施策》
組織体制強化 間接部門の増強/現場支援体制強化/安全管理強化
人材育成推進 職員キャリアプランの作成/海外現地職員の育成継続
地域別営業戦略 既進出国中心に、ターゲット案件の確実な受注
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要
当社グループの事業活動における資金需要は主に大きく分けて運転資金と設備資金需要の2つがあります。季節的変動の影響を受けやすい建設業の事業特性を踏まえ、運転資金調達についてはコミットメントライン(特定融資枠)設定契約によるものとし、2017年9月に金融機関8行と総額100億円、期間3年のシンジケーション方式によるコミットメントライン設定契約を締結しております。また、2019年3月に金融機関1行と総額50億円、期間1年のコミットメントライン設定契約を締結しております。設備資金調達については、主要借入行を中心とした調達を行っております。
c.財務政策
当社グループの事業活動の推進、運営に必要な運転資金及び設備資金の調達を安定的に確保するため、金融機関からの借入による資金調達を行っております。
当連結会計年度末における長期借入金は35億15百万円、短期借入金は88億79百万円となり、有利子負債総額は前連結会計年度末比15億22百万円減の123億95百万円となっております。また引き続き、資金調達コスト低減にも取り組んでまいります。