四半期報告書-第73期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日~12月31日)における当社グループの経営は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の世界的な拡大の影響を大きく受ける結果となりました。多くの国や地域で外出規制や店舗の臨時休業が実施された4月、5月の水準からは回復基調にあるものの、依然として感染症の拡大影響は残っており、先行きは極めて不透明な状況です。このような環境の中、当社グループでは再成長に向け策定した下記の方針に基づき、お客さま・従業員・お取引先の安全と健康を最優先としながらも、引き続き、高収益の経営体質の構築に向けた取り組みを進めております。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、感染症の拡大に端を発した外出自粛や店舗休業、その後の来店客数の減少が影響し、1,149億1百万円(前年同期比20.2%減)となりました。他方、当第3四半期連結会計期間(2020年10月~12月)の売上高は、417億46百万円(前年同期比2.0%減)となりました。引き続き感染症の拡大影響が残ったものの、国内における前年の消費税増税後の需要減少の裏返しや、ピーチ・ジョン事業及び前期に買収したIntimates Online, Inc.(以下「IO社」)の成長などにより、大きく持ち直しました(第1四半期連結会計期間:前年同期比39.7%減、第2四半期連結会計期間:前年同期比17.6%減)。
営業利益は、大幅な減収となったものの、経費削減や雇用調整助成金など各国政府の支援策の活用が寄与し、39億56百万円の黒字(前年同期比59.6%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の営業利益は、売上利益率の改善(前年同期比1.0ポイント増)に加え、継続して経費削減に努めたことから26億80百万円(前年同期比775.8%増)と、大幅な増益となりました。
税引前四半期純利益は、営業利益の減益が響いたものの、有価証券・投資評価損益(純額)について評価益57億25百万円を計上したことから、108億73百万円(前年同期比30.6%減)となりました。
(当社は米国会計基準を採用しており、同会計基準に基づき、雇用調整助成金につきましては「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」から控除しております。また、当社及び連結子会社が保有する持分証券につきましては、公正価値で評価し、期初からの変動を「その他の収益・費用」で計上しております。)
当該期間の為替換算レートは、1米ドル=106.11円(前年同期108.67円)、1英ポンド=136.24円(同137.79円)、1中国元=15.37円(同15.90円)です。
オペレーティング・セグメントの実績を示すと次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「ワコール事業(国内)」セグメントに含めていたAi及び「ピーチ・ジョン事業」セグメントを「その他」セグメントへ含める変更を行いましたが、第2四半期連結累計期間以降において、「その他」セグメントに含めた「ピーチ・ジョン事業」が量的基準を満たしたため、報告セグメントとして記載する方法に変更しております。なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、当第3四半期連結累計期間の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(参考)主要子会社の売上高・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
※外部売上高のみを記載しております。
(単位:百万円)
※主要子会社の売上高・営業利益(△損失)は各国会計基準に基づく数値
① ワコール事業(国内)
当該セグメントの売上高は、感染症の拡大影響による上期の減収が響き、669億35百万円(前年同期比19.2%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、259億4百万円(前年同期比3.2%増)と一定の回復をみせましたが、11月後半以降は感染者の増加に伴って来店客数が再び減少するなど、依然として厳しい状況が続いております。
営業利益は、減収影響から減益となりましたが、経費削減や雇用調整助成金などの政府の支援策の活用により、30億8百万円の黒字(前年同期比57.7%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の営業利益は、増収効果に加え、経費の抑制に継続して取り組んだ結果、20億95百万円(前年同期比149.7%増)となりました。
<ワコール>ワコールの売上高は、ECについては高成長を維持したものの、消費者の行動範囲の縮小などから店頭売上が低迷し、前年同期に比べ20.6%の減収となりました。なお、当第3四半期連結会計期間の売上高は、引き続き感染症の拡大影響が残ったものの、自社ECの成長や前年の消費税増税後の需要減少の裏返しなどから、前年同期に比べ3.0%の増収となりました。
戦略的に強化している自社ECについては、巣ごもり需要の高まりを受け、睡眠時専用ブラジャー「ナイトアップブラ」などの商品が好調に推移したほか、新規顧客の獲得や直営店会員のEC送客などの施策が売上拡大に寄与し、前年同期に比べ62.7%の増収となりました。(当第3四半期連結会計期間:56.0%増)
他方、店頭売上は回復基調にあるものの、テレワークの浸透や人混みを回避する消費者の意識や行動の変化に伴って、都心部に展開する店舗は苦戦が続きました。当第3四半期連結会計期間における店頭売上は、百貨店、直営店ともに前年同期を下回りましたが、郊外立地の量販店については、ブラックフライデーなどの販促施策が奏功したこともあり、ワコールブランド、ウイングブランドともに前年同期を上回りました。
なお、3DボディスキャナーやAI(人口知能)を活用した接客システムについては、12月末時点で15店舗に導入を完了しております。また、10月末にはインナーウェア選びにおける新たな顧客体験の提供と、ビューティーアドバイザー(販売員)の新たな働き方の創造に向けて、アバターを活用した新しいカウンセリングサービスを開始しております。
営業利益は、5億81百万円(前年同期比88.2%減)となりました。減収の影響から大幅な減益となりましたが、売上利益率の改善や人件費、諸経費の削減により、黒字を確保しました。なお、雇用調整助成金(15億60百万円)につきましては、営業外収益として計上されているため上記の営業利益の金額には含まれておりません(連結経営成績上は米国会計基準に基づき営業利益に組み替え表示しております)。
② ワコール事業(海外)
邦貨換算後の当該セグメントの売上高は、感染症の拡大に伴う各国店舗の臨時休業に加え、円高による影響(△6億72百万円)もあり、298億48百万円(前年同期比21.7%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、感染症の拡大影響によるワコールヨーロッパの売上低迷が影響し、101億43百万円(前年同期比6.6%減)となりました。
営業損益は、83百万円の営業損失(前年同期:26億27百万円の営業利益)となりました。経費削減や各国政府の支援策を活用したものの、減収影響に加え、前期に買収した「IO社」の早期成長に向けて、戦略的なマーケティング投資を継続したことから、営業損失となりました。なお、当第3四半期連結会計期間の営業損益は、ワコールインターナショナル(米国)の赤字幅の縮小などが寄与し、2億4百万円の営業利益(前年同期:3億96百万円の営業損失)となり黒字を確保しました。
<ワコールインターナショナル(米国)>ワコールインターナショナル(米国)の現地通貨ベースの売上高は、前年同期に比べ8.0%の減収(邦貨換算ベース10.2%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、前期に買収した「IO社」が61.8%の増収となったほか、「Wacoal」や「b.tempt’d」などのブランドを展開する米国ワコールもECが伸長したことで4.5%の増収となり、前年同期に比べ10.9%の増収(邦貨換算ベース6.6%増)となりました。
米国ワコールの自社ECは、前年同期に比べ57.1%の増収(当第3四半期連結会計期間45.6%増)と高成長を維持したほか、他社ECも堅調に推移しました。店舗(百貨店)はロックダウン措置に伴う休業や解除以降の回復の遅れに加え、得意先の仕入枠の抑制などが影響し、低迷しました。「IO社」は、積極的な広告投下の寄与により、高成長を維持しております。
現地通貨ベースの営業損益は、経費削減や、政府の支援策の活用があったものの、減収影響に加え、「IO社」が展開する「LIVELY」ブランドに対して戦略的な成長投資を継続した結果、9.9百万ドル(邦貨換算ベース10億51百万円)の営業損失(前年同期:4.4百万ドルの営業利益(邦貨換算ベース4億79百万円))となりました。なお、当第3四半期連結会計期間は、1.4百万ドル(邦貨換算ベース1億36百万円)の営業損失(前年同期:6.1百万ドルの営業損失(邦貨換算ベース6億68百万円))となり、前年同期から大きく改善しました。
<ワコールヨーロッパ>ワコールヨーロッパの現地通貨ベースの売上高は、前年同期に比べ28.0%の減収(邦貨換算ベース28.8%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、クリスマス商戦に向けた一時的な納品の増加により、国や地域単位では前年の月次売上高を上回る月がありましたが、英国や欧州主要国における再度のロックダウン措置の影響が大きく、前年同期に比べ14.2%の減収(邦貨換算ベース15.7%減)となりました。また、当第3四半期連結会計期間における各地域の売上高は、英国は9.1%、欧州は24.9%、北米は17.8%とそれぞれ減収となりました。なお、前期より開始した自社ECについては計画を超えて推移しております。
現地通貨ベースの営業利益は、減収影響により71.3%と大幅な減益(邦貨換算ベース71.7%減)となったものの、経費の削減や政府の支援策の活用により、黒字を確保しました。
<中国ワコール>中国ワコールの現地通貨ベースの売上高は、前年同期に比べ18.8%の減収(邦貨換算ベース21.5%減)となりました。当第3四半期連結会計期間(2020年7月~9月)の売上高は、店舗・ECにおいて、主力の「Wacoal」ブランドが堅調に推移しましたが、中国における「PEACH JOHN」ブランドの売上が低調に推移した結果、前年同期に比べ1.0%の減収(邦貨換算ベース0.5%増)となりました。
現地通貨ベースの営業利益は、減収影響により、31.9%の減益(邦貨換算ベース34.1%減)となったものの、経費の削減や政府の支援策の活用により、黒字を確保しました。
③ ピーチ・ジョン事業
当該セグメントの売上高は、消費者のニーズを捉えた商品企画や話題性のあるプロモーション施策をSNSやWEB広告を用いて拡散するマーケティング戦略が奏功し、自社ECを中心に高成長を維持したことから、86億65百万円(前年同期比10.2%増)となりました。国内における当第3四半期連結会計期間の自社EC売上高は新規顧客が大幅に増加したことから前年同期に比べ42.6%の増収となったほか、店舗事業についても来店客の購買率の向上が寄与し、前年同期に比べ6.0%の増収となりました。
営業利益は、16億14百万円と大幅な増益(前年同期の営業利益1億68百万円)となりました。増収効果に加え、自社EC売上の構成比の高まりやセールの抑制などによる売上利益率の改善、店舗の臨時休業に伴う賃借料の減免などが増益に寄与しました。
④ その他
当該セグメントの売上高は、94億53百万円(前年同期比37.7%減)、営業損益は5億83百万円の営業損失(前年同期は1億7百万円の営業損失)となりました。
<ルシアン>ルシアンの売上高は、得意先の仕入枠の抑制の影響などにより、量販店や専門店向けのプライベートブランド商品の販売が低調に推移した結果、前年同期に比べ21.4%の減収となりました。営業損益は、前期の第4四半期に実施した不採算事業の撤退効果に加え、経費削減を進めた結果、1億49百万円の営業利益(前年同期は1億62百万円の営業損失)となりました。
<七彩>七彩の売上高は、感染症の拡大に伴う新規出店や各種イベントの中止・延期による工事事業の低迷が影響し、前年同期に比べ39.1%の減収となりました。営業損益は、経費削減に努めたものの、減収の影響が大きく、2億99百万円の営業損失(前年同期は1億77百万円の営業利益)となりました。
Aiの売上高は、感染症の拡大による旅行自粛や海水浴場の閉鎖により、リゾートウェア(水着)の販売が低迷したことから、前年同期に比べ55.3%の減収となりました。営業損益は、経費削減に努めたものの、大幅な減収が響き、4億41百万円の営業損失(前年同期は1億18百万円の営業損失)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、手元流動性の確保を目的として現金及び現金同等物を積み増したことなどにより、前連結会計年度末に比して367億83百万円増加し、3,144億71百万円となりました。
負債の部も、同様の理由で短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して365億59百万円増加し、1,047億99百万円となりました。
株主資本は、四半期純利益の計上や為替換算調整勘定などの変動により、前連結会計年度末に比して11億10百万円増加し、2,064億81百万円となりました。
以上の結果により、当第3四半期連結会計期間末における株主資本比率は、前連結会計年度末に比して8.3ポイント減少し、65.7%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して345億20百万円増加し、624億25百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益48億16百万円に減価償却費や繰延税金などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、27億34百万円の収入(前年同期に比し102億85百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得などにより、27億18百万円の支出(前年同期に比し18億88百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分からの子会社持分取得による支出や配当金及び条件付取得対価の支払などがあったものの、短期借入金及び長期債務の調達により、347億54百万円の収入(前年同期は140億67百万円の支出)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの四半期連結財務諸表は、米国において一般に認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。新型コロナウイルス感染症による見積りへの影響は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 四半期連結財務諸表に関する注記 1 四半期連結会計方針 E 見積りの使用」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、3億45百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
| 2020年3月期 第3四半期 連結累計期間 | 2021年3月期 第3四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | ||
| 増減額 | 増減率 | |||
| 売上高 | 144,031 | 114,901 | △29,130 | △20.2% |
| 売上原価 | 63,915 | 50,279 | △13,636 | △21.3% |
| 売上利益 | 80,116 | 64,622 | △15,494 | △19.3% |
| 販売費及び一般管理費 | 70,315 | 60,666 | △9,649 | △13.7% |
| 営業利益 | 9,801 | 3,956 | △5,845 | △59.6% |
| その他の収益・費用 | 1,382 | 1,192 | △190 | △13.7% |
| A:有価証券・投資評価損益(純額) | 4,486 | 5,725 | +1,239 | +27.6% |
| 税引前四半期純利益 | 15,669 | 10,873 | △4,796 | △30.6% |
| 当社株主に帰属する四半期純利益 | 11,014 | 4,972 | △6,042 | △54.9% |
| 参考情報:Aを考慮しない税引前四半期純利益 | 11,183 | 5,148 | △6,035 | △54.0% |
当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日~12月31日)における当社グループの経営は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)の世界的な拡大の影響を大きく受ける結果となりました。多くの国や地域で外出規制や店舗の臨時休業が実施された4月、5月の水準からは回復基調にあるものの、依然として感染症の拡大影響は残っており、先行きは極めて不透明な状況です。このような環境の中、当社グループでは再成長に向け策定した下記の方針に基づき、お客さま・従業員・お取引先の安全と健康を最優先としながらも、引き続き、高収益の経営体質の構築に向けた取り組みを進めております。
| <基本方針> | お客さま・従業員・お取引先の、「健康・安全」を最優先として対応 |
| <短期的な方針> | 経営悪化を踏まえたコスト削減の実行と、財務基盤の安定性確保 |
| ・事業領域全般にわたり、これまでの施策や支出計画の見直し実行 ・感染症の長期化に備えた、手元流動性の強化 ・売上減少に伴う過剰在庫の回避に向けた生産調整 | |
| <中長期的な方針> | バリューチェーンの徹底的な点検と改革の実行~「高収益の経営体質」に向けた転機に~ |
| ・現状のコストストラクチャーの見直し(固定費削減に向けた取り組みの推進) ・デジタル・トランスフォーメーションの取り組み加速 ・お客さまとのタッチポイントの見直し・再整備(変化する主要チャネルへの対応) ・「新しい生活様式」で顧客が待ち望む商品・サービスの開発、新たな接客や販売スタイルへの対応力強化 |
当第3四半期連結累計期間の売上高は、感染症の拡大に端を発した外出自粛や店舗休業、その後の来店客数の減少が影響し、1,149億1百万円(前年同期比20.2%減)となりました。他方、当第3四半期連結会計期間(2020年10月~12月)の売上高は、417億46百万円(前年同期比2.0%減)となりました。引き続き感染症の拡大影響が残ったものの、国内における前年の消費税増税後の需要減少の裏返しや、ピーチ・ジョン事業及び前期に買収したIntimates Online, Inc.(以下「IO社」)の成長などにより、大きく持ち直しました(第1四半期連結会計期間:前年同期比39.7%減、第2四半期連結会計期間:前年同期比17.6%減)。
営業利益は、大幅な減収となったものの、経費削減や雇用調整助成金など各国政府の支援策の活用が寄与し、39億56百万円の黒字(前年同期比59.6%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の営業利益は、売上利益率の改善(前年同期比1.0ポイント増)に加え、継続して経費削減に努めたことから26億80百万円(前年同期比775.8%増)と、大幅な増益となりました。
税引前四半期純利益は、営業利益の減益が響いたものの、有価証券・投資評価損益(純額)について評価益57億25百万円を計上したことから、108億73百万円(前年同期比30.6%減)となりました。
(当社は米国会計基準を採用しており、同会計基準に基づき、雇用調整助成金につきましては「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」から控除しております。また、当社及び連結子会社が保有する持分証券につきましては、公正価値で評価し、期初からの変動を「その他の収益・費用」で計上しております。)
当該期間の為替換算レートは、1米ドル=106.11円(前年同期108.67円)、1英ポンド=136.24円(同137.79円)、1中国元=15.37円(同15.90円)です。
オペレーティング・セグメントの実績を示すと次のとおりであります。
第1四半期連結累計期間より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「ワコール事業(国内)」セグメントに含めていたAi及び「ピーチ・ジョン事業」セグメントを「その他」セグメントへ含める変更を行いましたが、第2四半期連結累計期間以降において、「その他」セグメントに含めた「ピーチ・ジョン事業」が量的基準を満たしたため、報告セグメントとして記載する方法に変更しております。なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、当第3四半期連結累計期間の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前年同期比 | |||||
| 第3四半期累計 | 構成比 | 第3四半期累計 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 売上高合計 | 144,031 | 100.0% | 114,901 | 100.0% | △29,130 | △20.2% | |
| ワコール事業(国内) | 82,872 | 57.5% | 66,935 | 58.3% | △15,937 | △19.2% | |
| ワコール事業(海外) | 38,110 | 26.5% | 29,848 | 26.0% | △8,262 | △21.7% | |
| ピーチ・ジョン事業 | 7,865 | 5.5% | 8,665 | 7.5% | +800 | +10.2% | |
| その他 | 15,184 | 10.5% | 9,453 | 8.2% | △5,731 | △37.7% | |
(単位:百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前年同期比 | |||||
| 第3四半期累計 | 売上比 | 第3四半期累計 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 営業利益(△損失) | 9,801 | 6.8% | 3,956 | 3.4% | △5,845 | △59.6% | |
| ワコール事業(国内) | 7,113 | 8.6% | 3,008 | 4.5% | △4,105 | △57.7% | |
| ワコール事業(海外) | 2,627 | 6.9% | △83 | - | △2,710 | - | |
| ピーチ・ジョン事業 | 168 | 2.1% | 1,614 | 18.6% | +1,446 | +860.7% | |
| その他 | △107 | - | △583 | - | △476 | - | |
(参考)主要子会社の売上高・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
| 売上高 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前年同期比 | ||||
| 第3四半期 累計 | 構成比 | 第3四半期 累計 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | 78,749 | 54.7% | 62,546 | 54.4% | △16,203 | △20.6% | |
| ワコールインターナショナル(米国) | 14,241 | 9.9% | 12,790 | 11.1% | △1,451 | △10.2% | |
| ワコールヨーロッパ | 9,875 | 6.9% | 7,027 | 6.1% | △2,848 | △28.8% | |
| 中国ワコール | 8,288 | 5.8% | 6,502 | 5.7% | △1,786 | △21.5% | |
| ピーチ・ジョン | 7,865 | 5.5% | 8,665 | 7.5% | +800 | +10.2% | |
| ルシアン | 4,363 | 3.0% | 3,430 | 3.0% | △933 | △21.4% | |
| 七彩 | 6,480 | 4.5% | 3,949 | 3.4% | △2,531 | △39.1% | |
| Ai | 3,083 | 2.1% | 1,377 | 1.2% | △1,706 | △55.3% | |
※外部売上高のみを記載しております。
(単位:百万円)
| 営業利益(△損失) | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前年同期比 | ||||
| 第3四半期 累計 | 売上比 | 第3四半期 累計 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | 4,927 | 6.3% | 581 | 0.9% | △4,346 | △88.2% | |
| ワコールインターナショナル(米国) | 479 | 3.4% | △1,051 | - | △1,530 | - | |
| ワコールヨーロッパ | 750 | 7.6% | 212 | 3.0% | △538 | △71.7% | |
| 中国ワコール | 733 | 8.8% | 483 | 7.4% | △250 | △34.1% | |
| ピーチ・ジョン | 168 | 2.1% | 1,614 | 18.6% | +1,446 | +860.7% | |
| ルシアン | △162 | - | 149 | 4.3% | +311 | - | |
| 七彩 | 177 | 2.7% | △299 | - | △476 | - | |
| Ai | △118 | - | △441 | - | △323 | - | |
※主要子会社の売上高・営業利益(△損失)は各国会計基準に基づく数値
① ワコール事業(国内)
当該セグメントの売上高は、感染症の拡大影響による上期の減収が響き、669億35百万円(前年同期比19.2%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、259億4百万円(前年同期比3.2%増)と一定の回復をみせましたが、11月後半以降は感染者の増加に伴って来店客数が再び減少するなど、依然として厳しい状況が続いております。
営業利益は、減収影響から減益となりましたが、経費削減や雇用調整助成金などの政府の支援策の活用により、30億8百万円の黒字(前年同期比57.7%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の営業利益は、増収効果に加え、経費の抑制に継続して取り組んだ結果、20億95百万円(前年同期比149.7%増)となりました。
<ワコール>ワコールの売上高は、ECについては高成長を維持したものの、消費者の行動範囲の縮小などから店頭売上が低迷し、前年同期に比べ20.6%の減収となりました。なお、当第3四半期連結会計期間の売上高は、引き続き感染症の拡大影響が残ったものの、自社ECの成長や前年の消費税増税後の需要減少の裏返しなどから、前年同期に比べ3.0%の増収となりました。
戦略的に強化している自社ECについては、巣ごもり需要の高まりを受け、睡眠時専用ブラジャー「ナイトアップブラ」などの商品が好調に推移したほか、新規顧客の獲得や直営店会員のEC送客などの施策が売上拡大に寄与し、前年同期に比べ62.7%の増収となりました。(当第3四半期連結会計期間:56.0%増)
他方、店頭売上は回復基調にあるものの、テレワークの浸透や人混みを回避する消費者の意識や行動の変化に伴って、都心部に展開する店舗は苦戦が続きました。当第3四半期連結会計期間における店頭売上は、百貨店、直営店ともに前年同期を下回りましたが、郊外立地の量販店については、ブラックフライデーなどの販促施策が奏功したこともあり、ワコールブランド、ウイングブランドともに前年同期を上回りました。
なお、3DボディスキャナーやAI(人口知能)を活用した接客システムについては、12月末時点で15店舗に導入を完了しております。また、10月末にはインナーウェア選びにおける新たな顧客体験の提供と、ビューティーアドバイザー(販売員)の新たな働き方の創造に向けて、アバターを活用した新しいカウンセリングサービスを開始しております。
営業利益は、5億81百万円(前年同期比88.2%減)となりました。減収の影響から大幅な減益となりましたが、売上利益率の改善や人件費、諸経費の削減により、黒字を確保しました。なお、雇用調整助成金(15億60百万円)につきましては、営業外収益として計上されているため上記の営業利益の金額には含まれておりません(連結経営成績上は米国会計基準に基づき営業利益に組み替え表示しております)。
② ワコール事業(海外)
邦貨換算後の当該セグメントの売上高は、感染症の拡大に伴う各国店舗の臨時休業に加え、円高による影響(△6億72百万円)もあり、298億48百万円(前年同期比21.7%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、感染症の拡大影響によるワコールヨーロッパの売上低迷が影響し、101億43百万円(前年同期比6.6%減)となりました。
営業損益は、83百万円の営業損失(前年同期:26億27百万円の営業利益)となりました。経費削減や各国政府の支援策を活用したものの、減収影響に加え、前期に買収した「IO社」の早期成長に向けて、戦略的なマーケティング投資を継続したことから、営業損失となりました。なお、当第3四半期連結会計期間の営業損益は、ワコールインターナショナル(米国)の赤字幅の縮小などが寄与し、2億4百万円の営業利益(前年同期:3億96百万円の営業損失)となり黒字を確保しました。
<ワコールインターナショナル(米国)>ワコールインターナショナル(米国)の現地通貨ベースの売上高は、前年同期に比べ8.0%の減収(邦貨換算ベース10.2%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、前期に買収した「IO社」が61.8%の増収となったほか、「Wacoal」や「b.tempt’d」などのブランドを展開する米国ワコールもECが伸長したことで4.5%の増収となり、前年同期に比べ10.9%の増収(邦貨換算ベース6.6%増)となりました。
米国ワコールの自社ECは、前年同期に比べ57.1%の増収(当第3四半期連結会計期間45.6%増)と高成長を維持したほか、他社ECも堅調に推移しました。店舗(百貨店)はロックダウン措置に伴う休業や解除以降の回復の遅れに加え、得意先の仕入枠の抑制などが影響し、低迷しました。「IO社」は、積極的な広告投下の寄与により、高成長を維持しております。
現地通貨ベースの営業損益は、経費削減や、政府の支援策の活用があったものの、減収影響に加え、「IO社」が展開する「LIVELY」ブランドに対して戦略的な成長投資を継続した結果、9.9百万ドル(邦貨換算ベース10億51百万円)の営業損失(前年同期:4.4百万ドルの営業利益(邦貨換算ベース4億79百万円))となりました。なお、当第3四半期連結会計期間は、1.4百万ドル(邦貨換算ベース1億36百万円)の営業損失(前年同期:6.1百万ドルの営業損失(邦貨換算ベース6億68百万円))となり、前年同期から大きく改善しました。
<ワコールヨーロッパ>ワコールヨーロッパの現地通貨ベースの売上高は、前年同期に比べ28.0%の減収(邦貨換算ベース28.8%減)となりました。当第3四半期連結会計期間の売上高は、クリスマス商戦に向けた一時的な納品の増加により、国や地域単位では前年の月次売上高を上回る月がありましたが、英国や欧州主要国における再度のロックダウン措置の影響が大きく、前年同期に比べ14.2%の減収(邦貨換算ベース15.7%減)となりました。また、当第3四半期連結会計期間における各地域の売上高は、英国は9.1%、欧州は24.9%、北米は17.8%とそれぞれ減収となりました。なお、前期より開始した自社ECについては計画を超えて推移しております。
現地通貨ベースの営業利益は、減収影響により71.3%と大幅な減益(邦貨換算ベース71.7%減)となったものの、経費の削減や政府の支援策の活用により、黒字を確保しました。
<中国ワコール>中国ワコールの現地通貨ベースの売上高は、前年同期に比べ18.8%の減収(邦貨換算ベース21.5%減)となりました。当第3四半期連結会計期間(2020年7月~9月)の売上高は、店舗・ECにおいて、主力の「Wacoal」ブランドが堅調に推移しましたが、中国における「PEACH JOHN」ブランドの売上が低調に推移した結果、前年同期に比べ1.0%の減収(邦貨換算ベース0.5%増)となりました。
現地通貨ベースの営業利益は、減収影響により、31.9%の減益(邦貨換算ベース34.1%減)となったものの、経費の削減や政府の支援策の活用により、黒字を確保しました。
③ ピーチ・ジョン事業
当該セグメントの売上高は、消費者のニーズを捉えた商品企画や話題性のあるプロモーション施策をSNSやWEB広告を用いて拡散するマーケティング戦略が奏功し、自社ECを中心に高成長を維持したことから、86億65百万円(前年同期比10.2%増)となりました。国内における当第3四半期連結会計期間の自社EC売上高は新規顧客が大幅に増加したことから前年同期に比べ42.6%の増収となったほか、店舗事業についても来店客の購買率の向上が寄与し、前年同期に比べ6.0%の増収となりました。
営業利益は、16億14百万円と大幅な増益(前年同期の営業利益1億68百万円)となりました。増収効果に加え、自社EC売上の構成比の高まりやセールの抑制などによる売上利益率の改善、店舗の臨時休業に伴う賃借料の減免などが増益に寄与しました。
④ その他
当該セグメントの売上高は、94億53百万円(前年同期比37.7%減)、営業損益は5億83百万円の営業損失(前年同期は1億7百万円の営業損失)となりました。
<ルシアン>ルシアンの売上高は、得意先の仕入枠の抑制の影響などにより、量販店や専門店向けのプライベートブランド商品の販売が低調に推移した結果、前年同期に比べ21.4%の減収となりました。営業損益は、前期の第4四半期に実施した不採算事業の撤退効果に加え、経費削減を進めた結果、1億49百万円の営業利益(前年同期は1億62百万円の営業損失)となりました。
<七彩>七彩の売上高は、感染症の拡大に伴う新規出店や各種イベントの中止・延期による工事事業の低迷が影響し、前年同期に比べ39.1%の減収となりました。営業損益は、経費削減に努めたものの、減収の影響が大きく、2億99百万円の営業損失(前年同期は1億77百万円の営業利益)となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、手元流動性の確保を目的として現金及び現金同等物を積み増したことなどにより、前連結会計年度末に比して367億83百万円増加し、3,144億71百万円となりました。
負債の部も、同様の理由で短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比して365億59百万円増加し、1,047億99百万円となりました。
株主資本は、四半期純利益の計上や為替換算調整勘定などの変動により、前連結会計年度末に比して11億10百万円増加し、2,064億81百万円となりました。
以上の結果により、当第3四半期連結会計期間末における株主資本比率は、前連結会計年度末に比して8.3ポイント減少し、65.7%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して345億20百万円増加し、624億25百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益48億16百万円に減価償却費や繰延税金などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、27億34百万円の収入(前年同期に比し102億85百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得などにより、27億18百万円の支出(前年同期に比し18億88百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分からの子会社持分取得による支出や配当金及び条件付取得対価の支払などがあったものの、短期借入金及び長期債務の調達により、347億54百万円の収入(前年同期は140億67百万円の支出)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの四半期連結財務諸表は、米国において一般に認められた会計基準に準拠して作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予想等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。新型コロナウイルス感染症による見積りへの影響は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 四半期連結財務諸表に関する注記 1 四半期連結会計方針 E 見積りの使用」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、3億45百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。