有価証券報告書-第77期(2024/04/01-2025/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
(単位:百万円)
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当社グループの商況は、主要国において主力のレディスインナーウェア販売の低迷が続き、厳しい結果となりました。国内は、不採算店舗の撤退に加え、量販店における一部店舗の閉店や実店舗への来店客数減少等の影響を受け、低調に推移しました。米国は、資産価格の先行きに不透明感が増し、主力チャネルの百貨店を中心に不振が続きました。英国は、インフレ圧力が再び強まったことから消費者マインドが低迷し、主力チャネルの専門店を中心に販売が伸び悩みました。景気停滞が続く中国では、依然として消費者の購買行動は慎重であり、売上回復に時間を要しております。
このような環境において、当社グループは、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画(リバイズ)の目標達成に向けて、「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」に取り組みました。当連結会計年度においては、ビジネスモデル改革として、需要変動に応じて商品を柔軟に供給する新しいサプライチェーンの構築を進めたほか、国内の生産拠点の集約、子会社の株式譲渡を実施、決定しました。また、成長戦略として、国内においてはブランドマネージャー制の導入やブランドポートフォリオの再編を行い、集中投資の対象ブランドである「Wacoal(ワコール)」のリブランディングを実施したほか、「CW-X(シーダブリュー・エックス)」の有名アスリートを起用したプロモーション強化も行いました。海外においては欧州における販路拡大を企図して、英国のBravissimo Group Limited(以下、Bravissimo Group)を買収しました。資本効率の改善と経営管理機能の強化を目的としたROICマネジメントの導入については、当期に導入準備が完了し、2026年3月期より本格運用を開始します。そのほか、浅草橋ビル、旧福岡事業所跡地を売却し、政策保有株式の縮減にも取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上収益は、1,738億96百万円(前期比7.1%減)、事業損失は33億97百万円(前期は35億10百万円の事業利益)となりました。営業利益は、浅草橋ビル及び旧福岡事業所跡地等の固定資産売却益(94億39百万円)の計上が寄与し、33億28百万円(前期は95億3百万円の営業損失)となりました。税引前利益は56億93百万円(前期は82億90百万円の税引前損失)となりましたが、子会社再編に伴いグループ内で使用可能な欠損金が増加したため繰延税金資産を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は69億89百万円(前期は86億32百万円の当期損失)となりました。
なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=152.58円(前期144.62円)、1英ポンド=194.61円(同181.76円)、1中国元=21.10円(同20.14円)です。
報告セグメントの経営成績を示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
① ワコール事業(国内)
当連結会計年度は、不採算店舗の撤退や店頭在庫の適正化を目的とした納品調整に加え、実店舗の来店客数減少の影響を受け、売上は低調に推移しました。一方でEC事業については、自社ECは積極的な販促活動により増収を維持し、他社ECについても、ECモール運営事業者との連携強化に継続的に取り組んだことで、好調に推移しました。
アイテム別では、主力アイテムであるブラジャーについては苦戦が続くものの、カップ付きインナーやノンワイヤーブラについては伸長し、メジャーリーガーの大谷翔平選手をブランドアンバサダーとして起用したコンディショニングウェアブランドの「CW-X」についても好調に推移しました。
また当連結会計年度は、為替の円安進行に伴う原材料や工賃の上昇による原価高騰の影響を受けましたが、EC事業の構成比の上昇や小売価格の改定などにより、売上利益への影響を最小限に留めました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は878億28百万円(前期比6.8%減)となりました。営業利益は、主力ブランドである「Wacoal」のリブランディング費用や「CW-X」のプロモーションに対する広告費の投下に加え、子会社であるルシアンの譲渡決定に伴い計上した保有資産の減損損失が影響したものの、浅草橋ビルや旧福岡事業所跡地の売却益の計上が寄与し、29億70百万円(前期は41億93百万円の営業損失)となりました。
② ワコール事業(海外)
ワコールインターナショナル(米国)は、Intimates Online, Inc.の事業撤退の影響に加え、第4四半期以降の市場の急激な冷え込みにより売上が低迷し、現地通貨ベースの売上は前期を下回りました。実店舗については、店頭売上の不振に伴い得意先の仕入抑制が厳しさを増しており、自社ECについてもCRMシステムの稼働を開始したものの、現時点では売上の回復には至っておりません。一方、他社ECについては主要プラットフォームがけん引し、好調に推移しました。
ワコールヨーロッパは、2024年9月に買収したBravissimo Groupの売上が寄与し、現地通貨ベースの売上は前期を大きく上回りました。一方、英国・北米エリアにおいては、得意先の仕入抑制の影響を受けたほか、米国の関税政策の見通しに関する警戒感からメキシコに倉庫を持つ一部得意先への納品が停止するなどにより低調に推移しましたが、ドイツ・フランスを中心に欧州大陸での販売は引き続き伸長しました。一方、営業利益では、Bravissimo Group買収にかかる一時的な影響により、前期を下回りました。
中国ワコールは、消費者の低価格志向の高まりにより、実店舗・ECともに苦戦が続きました。得意先との取引条件交渉や不採算店舗の撤退などを進めましたが、売上減少による影響が大きく、損益改善には至りませんでした。また来期以降の高収益体質への改善を目指し、当連結会計年度に在庫評価損や店舗撤退費用などの構造改革費用10億44百万円を計上しました。
これらの結果、邦貨換算ベースでの当該セグメントの売上収益は672億37百万円(前期比0.8%減)となりました。営業利益は、米国・中国の不振とBravissimo Group買収にかかる一時的な影響、中国の構造改革費用などを計上した結果、4億59百万円(前期はのれんの減損損失等により51億45百万円の営業損失)となりました。
③ ピーチ・ジョン事業
当連結会計年度においては、事業方針を「新規顧客の獲得強化」と定め、コミュニケーション施策や商品戦略の見直しを図りました。それにより、第3四半期以降の売上は回復基調が見られましたが、それ以前の期間における直営店及び自社ECの販売不振を受け、前期の水準を下回りました。なお、他社ECについては、主要プラットフォームを中心に好調に推移しました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は104億69百万円(前期比2.5%減)となりました。営業損失は2億66百万円(前期は2億39百万円の営業損失)となりました。
④ その他
当連結会計年度における当該セグメントの売上収益は83億62百万円(前期比42.4%減)となりました。営業利益は1億65百万円(前期比123.0%増)となりました。
(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
※外部売上収益のみを記載しております。
(単位:百万円)
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は、その他の金融資産や現金及び現金同等物が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して218億46百万円減少し、2,721億83百万円となりました。
負債は、借入金が増加したものの、繰延税金負債、営業債務及びその他の債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して15億96百万円減少し、772億91百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、自己株式を取得したことなどにより、前連結会計年度末に比して200億10百万円減少し、1,918億19百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して1.5ポイント減少し、70.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して101億28百万円減少し、234億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益67億88百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、49億38百万円の収入(前期に比し63億53百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産等の売却などにより、93億82百万円の収入(前期に比し46億66百万円の収入減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより、229億25百万円の支出(前期に比し27億14百万円の支出増)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、ピーチ・ジョン事業については、すべて販売会社のため該当事項はありません。また、その他のセグメントについては、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.生産実績の金額は製造原価によっております。
②受注実績
その他のうち㈱七彩の店舗内装工事部門については受注生産形態をとっております。
当連結会計年度におけるその他の受注実績を示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.受注高及び受注残高が減少したのは、㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.その他の販売実績が減少したのは、主に㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。
3.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払が可能となっております。ただし、金融機関に借入枠は設けており、2025年3月31日現在の借入枠の合計は533億65百万円、借入枠を設けている借入金の残高は141億61百万円となっており、主な残高の内訳としては当社が78億54百万円、WACOAL INTERNATIONAL CORP.が16億45百万円、WACOAL EUROPE LTD.が38億76百万円となっております。
これらの借入枠の期限は、ほとんどが自動的に更新されるものであり、現状更新を妨げるような事象は発生していないと考えております。仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、グループの各社から資金を供給することが可能であると考えております。また、資金需要について大きな季節変動はありません。
また、子会社からの親会社への配当に係る規制は特に無いと考えております。
今後も目的や収益性を厳格に見積もることで、資金の流動性を確保していきます。
①設備投資
「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。
②キャッシュ・フロー
「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。
なお、重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
(単位:百万円)
| 2024年3月期 実績 | 2025年3月期 実績 | 前期比 | |||
| 増減額 | 増減率 | ||||
| 売上収益 | 187,208 | 173,896 | △13,312 | △7.1% | |
| 売上原価 | 83,123 | 76,452 | △6,671 | △8.0% | |
| 売上総利益 | 104,085 | 97,444 | △6,641 | △6.4% | |
| 販売費及び一般管理費 | 100,575 | 100,841 | +266 | +0.3% | |
| 事業利益(△損失) | 3,510 | △3,397 | △6,907 | - | |
| その他の収益 | 1,990 | 11,211 | +9,221 | +463.4% | |
| その他の費用 | 15,003 | 4,486 | △10,517 | △70.1% | |
| 営業利益(△損失) | △9,503 | 3,328 | +12,831 | - | |
| 金融収益 | 2,529 | 2,170 | △359 | △14.2% | |
| 金融費用 | 328 | 618 | +290 | +88.4% | |
| 持分法による投資損益 | △988 | 813 | +1,801 | - | |
| 税引前利益(△損失) | △8,290 | 5,693 | +13,983 | - | |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(△損失) | △8,632 | 6,989 | +15,621 | - | |
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における当社グループの商況は、主要国において主力のレディスインナーウェア販売の低迷が続き、厳しい結果となりました。国内は、不採算店舗の撤退に加え、量販店における一部店舗の閉店や実店舗への来店客数減少等の影響を受け、低調に推移しました。米国は、資産価格の先行きに不透明感が増し、主力チャネルの百貨店を中心に不振が続きました。英国は、インフレ圧力が再び強まったことから消費者マインドが低迷し、主力チャネルの専門店を中心に販売が伸び悩みました。景気停滞が続く中国では、依然として消費者の購買行動は慎重であり、売上回復に時間を要しております。
このような環境において、当社グループは、2026年3月期を最終年度とする中期経営計画(リバイズ)の目標達成に向けて、「収益力の改善に向けたビジネスモデル改革」、「“VISION2030”達成に向けた成長戦略」、「ROICマネジメントの導入」、「アセットライト化の推進」に取り組みました。当連結会計年度においては、ビジネスモデル改革として、需要変動に応じて商品を柔軟に供給する新しいサプライチェーンの構築を進めたほか、国内の生産拠点の集約、子会社の株式譲渡を実施、決定しました。また、成長戦略として、国内においてはブランドマネージャー制の導入やブランドポートフォリオの再編を行い、集中投資の対象ブランドである「Wacoal(ワコール)」のリブランディングを実施したほか、「CW-X(シーダブリュー・エックス)」の有名アスリートを起用したプロモーション強化も行いました。海外においては欧州における販路拡大を企図して、英国のBravissimo Group Limited(以下、Bravissimo Group)を買収しました。資本効率の改善と経営管理機能の強化を目的としたROICマネジメントの導入については、当期に導入準備が完了し、2026年3月期より本格運用を開始します。そのほか、浅草橋ビル、旧福岡事業所跡地を売却し、政策保有株式の縮減にも取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上収益は、1,738億96百万円(前期比7.1%減)、事業損失は33億97百万円(前期は35億10百万円の事業利益)となりました。営業利益は、浅草橋ビル及び旧福岡事業所跡地等の固定資産売却益(94億39百万円)の計上が寄与し、33億28百万円(前期は95億3百万円の営業損失)となりました。税引前利益は56億93百万円(前期は82億90百万円の税引前損失)となりましたが、子会社再編に伴いグループ内で使用可能な欠損金が増加したため繰延税金資産を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は69億89百万円(前期は86億32百万円の当期損失)となりました。
なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=152.58円(前期144.62円)、1英ポンド=194.61円(同181.76円)、1中国元=21.10円(同20.14円)です。
報告セグメントの経営成績を示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 | |||||
| 実績 | 構成比 | 実績 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 売上収益合計 | 187,208 | 100.0% | 173,896 | 100.0% | △13,312 | △7.1% | |
| ワコール事業(国内) | 94,198 | 50.3% | 87,828 | 50.5% | △6,370 | △6.8% | |
| ワコール事業(海外) | 67,757 | 36.2% | 67,237 | 38.7% | △520 | △0.8% | |
| ピーチ・ジョン事業 | 10,741 | 5.7% | 10,469 | 6.0% | △272 | △2.5% | |
| その他 | 14,512 | 7.8% | 8,362 | 4.8% | △6,150 | △42.4% | |
(単位:百万円)
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 | |||||
| 実績 | 売上比 | 実績 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 営業利益(△損失) | △9,503 | - | 3,328 | 1.9% | +12,831 | - | |
| ワコール事業(国内) | △4,193 | - | 2,970 | 3.4% | +7,163 | - | |
| ワコール事業(海外) | △5,145 | - | 459 | 0.7% | +5,604 | - | |
| ピーチ・ジョン事業 | △239 | - | △266 | - | △27 | - | |
| その他 | 74 | 0.5% | 165 | 2.0% | +91 | +123.0% | |
① ワコール事業(国内)
当連結会計年度は、不採算店舗の撤退や店頭在庫の適正化を目的とした納品調整に加え、実店舗の来店客数減少の影響を受け、売上は低調に推移しました。一方でEC事業については、自社ECは積極的な販促活動により増収を維持し、他社ECについても、ECモール運営事業者との連携強化に継続的に取り組んだことで、好調に推移しました。
アイテム別では、主力アイテムであるブラジャーについては苦戦が続くものの、カップ付きインナーやノンワイヤーブラについては伸長し、メジャーリーガーの大谷翔平選手をブランドアンバサダーとして起用したコンディショニングウェアブランドの「CW-X」についても好調に推移しました。
また当連結会計年度は、為替の円安進行に伴う原材料や工賃の上昇による原価高騰の影響を受けましたが、EC事業の構成比の上昇や小売価格の改定などにより、売上利益への影響を最小限に留めました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は878億28百万円(前期比6.8%減)となりました。営業利益は、主力ブランドである「Wacoal」のリブランディング費用や「CW-X」のプロモーションに対する広告費の投下に加え、子会社であるルシアンの譲渡決定に伴い計上した保有資産の減損損失が影響したものの、浅草橋ビルや旧福岡事業所跡地の売却益の計上が寄与し、29億70百万円(前期は41億93百万円の営業損失)となりました。
② ワコール事業(海外)
ワコールインターナショナル(米国)は、Intimates Online, Inc.の事業撤退の影響に加え、第4四半期以降の市場の急激な冷え込みにより売上が低迷し、現地通貨ベースの売上は前期を下回りました。実店舗については、店頭売上の不振に伴い得意先の仕入抑制が厳しさを増しており、自社ECについてもCRMシステムの稼働を開始したものの、現時点では売上の回復には至っておりません。一方、他社ECについては主要プラットフォームがけん引し、好調に推移しました。
ワコールヨーロッパは、2024年9月に買収したBravissimo Groupの売上が寄与し、現地通貨ベースの売上は前期を大きく上回りました。一方、英国・北米エリアにおいては、得意先の仕入抑制の影響を受けたほか、米国の関税政策の見通しに関する警戒感からメキシコに倉庫を持つ一部得意先への納品が停止するなどにより低調に推移しましたが、ドイツ・フランスを中心に欧州大陸での販売は引き続き伸長しました。一方、営業利益では、Bravissimo Group買収にかかる一時的な影響により、前期を下回りました。
中国ワコールは、消費者の低価格志向の高まりにより、実店舗・ECともに苦戦が続きました。得意先との取引条件交渉や不採算店舗の撤退などを進めましたが、売上減少による影響が大きく、損益改善には至りませんでした。また来期以降の高収益体質への改善を目指し、当連結会計年度に在庫評価損や店舗撤退費用などの構造改革費用10億44百万円を計上しました。
これらの結果、邦貨換算ベースでの当該セグメントの売上収益は672億37百万円(前期比0.8%減)となりました。営業利益は、米国・中国の不振とBravissimo Group買収にかかる一時的な影響、中国の構造改革費用などを計上した結果、4億59百万円(前期はのれんの減損損失等により51億45百万円の営業損失)となりました。
③ ピーチ・ジョン事業
当連結会計年度においては、事業方針を「新規顧客の獲得強化」と定め、コミュニケーション施策や商品戦略の見直しを図りました。それにより、第3四半期以降の売上は回復基調が見られましたが、それ以前の期間における直営店及び自社ECの販売不振を受け、前期の水準を下回りました。なお、他社ECについては、主要プラットフォームを中心に好調に推移しました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は104億69百万円(前期比2.5%減)となりました。営業損失は2億66百万円(前期は2億39百万円の営業損失)となりました。
④ その他
当連結会計年度における当該セグメントの売上収益は83億62百万円(前期比42.4%減)となりました。営業利益は1億65百万円(前期比123.0%増)となりました。
(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
| 売上収益 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 | ||||
| 実績 | 構成比 | 実績 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | 88,701 | 47.4% | 82,369 | 47.4% | △6,332 | △7.1% | |
| ワコールインターナショナル(米国) | 28,038 | 15.0% | 24,917 | 14.3% | △3,121 | △11.1% | |
| ワコールヨーロッパ | 20,353 | 10.9% | 25,201 | 14.5% | +4,848 | +23.8% | |
| 中国ワコール | 10,396 | 5.6% | 9,085 | 5.2% | △1,311 | △12.6% | |
| ピーチ・ジョン | 10,741 | 5.7% | 10,469 | 6.0% | △272 | △2.5% | |
| ルシアン | 2,583 | 1.4% | 2,880 | 1.7% | +297 | +11.5% | |
※外部売上収益のみを記載しております。
(単位:百万円)
| 営業利益(△損失) | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 前期比 | ||||
| 実績 | 売上比 | 実績 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | △3,061 | - | 6,180 | 7.5% | +9,241 | - | |
| ワコールインターナショナル(米国) | △6,884 | - | 681 | 2.7% | +7,565 | - | |
| ワコールヨーロッパ | 1,816 | 8.9% | 897 | 3.6% | △919 | △50.6% | |
| 中国ワコール | △998 | - | △1,844 | - | △846 | - | |
| ピーチ・ジョン | △239 | - | △266 | - | △27 | - | |
| ルシアン | △167 | - | 0 | 0.0% | +167 | - | |
(2)財政状態
当連結会計年度末における総資産は、その他の金融資産や現金及び現金同等物が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して218億46百万円減少し、2,721億83百万円となりました。
負債は、借入金が増加したものの、繰延税金負債、営業債務及びその他の債務が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して15億96百万円減少し、772億91百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、自己株式を取得したことなどにより、前連結会計年度末に比して200億10百万円減少し、1,918億19百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して1.5ポイント減少し、70.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して101億28百万円減少し、234億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益67億88百万円に減価償却費及び償却費や法人所得税費用などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、49億38百万円の収入(前期に比し63億53百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産等の売却などにより、93億82百万円の収入(前期に比し46億66百万円の収入減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得などにより、229億25百万円の支出(前期に比し27億14百万円の支出増)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、ピーチ・ジョン事業については、すべて販売会社のため該当事項はありません。また、その他のセグメントについては、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
| 報告セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ワコール事業(国内) | 35,336 | 96.1 |
| ワコール事業(海外) | 18,165 | 88.0 |
| 合計 | 53,501 | 93.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.生産実績の金額は製造原価によっております。
②受注実績
その他のうち㈱七彩の店舗内装工事部門については受注生産形態をとっております。
当連結会計年度におけるその他の受注実績を示すと、次のとおりであります。
| 報告セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| その他 | 794 | 17.2 | - | - |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.受注高及び受注残高が減少したのは、㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 報告セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ワコール事業(国内) | 87,828 | 93.2 |
| ワコール事業(海外) | 67,237 | 99.2 |
| ピーチ・ジョン事業 | 10,469 | 97.5 |
| その他 | 8,362 | 57.6 |
| 合計 | 173,896 | 92.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.その他の販売実績が減少したのは、主に㈱七彩株式の一部譲渡により同社を連結の範囲から除外したことによるものであります。
3.総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の流動性は、主に営業活動による純現金収入によります。営業活動による純現金収入により、外部からの多額の借入や、その他の資金調達手段に頼らずに、大部分の運転資金の確保や設備投資、配当金の支払が可能となっております。ただし、金融機関に借入枠は設けており、2025年3月31日現在の借入枠の合計は533億65百万円、借入枠を設けている借入金の残高は141億61百万円となっており、主な残高の内訳としては当社が78億54百万円、WACOAL INTERNATIONAL CORP.が16億45百万円、WACOAL EUROPE LTD.が38億76百万円となっております。
これらの借入枠の期限は、ほとんどが自動的に更新されるものであり、現状更新を妨げるような事象は発生していないと考えております。仮にいずれかの子会社において借入が不可能になったとしても、グループの各社から資金を供給することが可能であると考えております。また、資金需要について大きな季節変動はありません。
また、子会社からの親会社への配当に係る規制は特に無いと考えております。
今後も目的や収益性を厳格に見積もることで、資金の流動性を確保していきます。
①設備投資
「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載しております。
②キャッシュ・フロー
「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。これらの連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。
なお、重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。