四半期報告書-第75期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社グループは第1四半期連結会計期間から、従来の米国会計基準に替えてIFRSを適用しており、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における当社グループの経営環境は、主要国における販売の不振や、それに伴う得意先の仕入抑制の影響を受けて、厳しい結果となりました。国内は新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)に対する行動制限の緩和後も当社店舗への来店客数が低調に推移したことに加え、下期以降は、物価高騰に伴う買い控えの影響も見られたことから、売上の回復は緩やかなものに留まりました。海外については、米国は個人消費の減速や取引先における在庫調整の影響を受けて低調に推移したほか、中国は感染症に対する厳格な行動制限により苦戦しました。一方、欧州はインフレが進む中でも堅調に推移しました。また、アジア各国についても行動制限の緩和を受けて回復基調となりました。
このような状況のもと、当社グループは、2022年6月に公表した中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」に基づき、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進し、企業価値の向上に取り組んでおります。また、当期を初年度とする3か年の中期経営計画では、「VISION 2030」で掲げた「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現していくための礎を築く期間として、持続的な成長が可能な高収益企業への転換を果たすための取り組みを推進しております。
国内事業においては、引き続き、「顧客データの活用」、「オンラインとオフラインの融合」等による顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進するとともに、収益力の向上に向けた取り組みを強化し、「レジリエントな企業体質への転換」を進めていきます。海外事業においては、既存進出エリアでの堅実な売上拡大に加え、EC事業の拡大や新興エリアへの進出によって、更なる拡大を図っていきます。また、財務戦略については、成長に向けた積極的な投資を行いつつ、収益力の向上と資本効率の改善に取り組むことで、ROEの向上に取り組んでおります。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上収益は1,439億3百万円(前年同期比10.7%増)となりました。営業損益については、ワコールインターナショナル(米国)に係るのれんや無形資産などの減損損失(101億9百万円)を計上したことから、18億10百万円の営業損失(前年同期は61億13百万円の営業利益)となりました。
ワコールインターナショナル(米国)については、ECでの成長機会の創出と競争力の強化を図るため、2019年に“LIVELY”ブランドを展開するIntimates Online, Inc.(以下、IO社)を買収しました。しかしながら、デジタルマーケティングに関するプライバシー規制の強化や足元の個人消費の減速など外部環境の変化を踏まえ、ワコールインターナショナル(米国)の回収可能価額を再評価した結果、101億9百万円の減損損失を計上するに至りました。
税引前四半期利益は2億52百万円(前年同期比96.7%減)、親会社の所有者に帰属する四半期損益は24億31百万円の損失(前年同期は50億2百万円の利益)となりました。
なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=136.51円(前年同期111.10円)、1英ポンド=163.91円(同152.76円)、1中国元=19.88円(同17.25円)であります。
報告セグメントの実績を示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
① ワコール事業(国内)
ワコール事業(国内)については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「レジリエントな企業体質への転換」の実現に向けて、顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進するとともに、継続してコスト構造改革に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間につきましては、CX戦略の一環として取り組むリテンションマーケティングの強化が奏功し、自社EC・実店舗ともに会員顧客による購買は順調に推移しました。他方、新規を含む非会員顧客による購買は、来店や購買に繋がる効果的なマーケティング施策が打ち出せず、成果に繋げることができませんでした。なお、他社ECについては、大手ECベンダーとの取り組みの強化によって購買率などの改善に努めた結果、高い成長を実現しております。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は746億83百万円(前年同期比10.9%増)となりました。営業利益は、急激な円安に伴う調達コストの増加により売上利益率は低下したものの、増収に加え、固定資産(旧大阪事業所)の売却益30億24百万円の寄与もあり、50億53百万円(前年同期比47.2%増)となりました。
なお、当期から、ワコールにおける百貨店等との消化取引については、売上を店頭価格ベースに変更しておりますが、遡及修正はしておりません。当該変更により、売上収益と販売費及び一般管理費がそれぞれ同額(41億55百万円)増加しているため、営業利益に影響はありません。
② ワコール事業(海外)
ワコール事業(海外)については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「グローバル成長の加速」の実現に向けて、デジタルマーケティングの強化による新規顧客の獲得と、データ活用やCRMの強化による既存顧客のロイヤルカスタマー化に取り組んでおります。
ワコールヨーロッパは、英国の百貨店における売上が好調に推移したことに加え、事業全体の約半分の売上を占める専門店についても堅調に推移したことから、増収となりました。商品・ブランド別では、スイムウェアが好調を維持したほか、ボディポジティブのトレンドの高まりを背景に、「Elomi」ブランドが高い成長を果たしております。ワコールインターナショナル(米国)は、前年同期に感染症影響から回復したことの裏返しに加え、インフレ進行に伴う消費者マインドの悪化もあり、低調な推移となりました。米国ワコールは、実店舗、自社・他社ECすべてで前年同期の売上水準を下回ったことや、それに伴う得意先の仕入抑制の影響もあり、現地通貨ベースで減収となりました。「LIVELY」ブランドを展開するIO社は、足元のマーケティング環境の悪化に鑑み、8月に経営体制を刷新して収益性の改善に取り組みましたが、広告宣伝費を大幅に抑制した結果、訪問客数が伸び悩みました。中国ワコールは、ECの苦戦に加え、ゼロコロナ政策下での厳格な行動制限による商業施設の休業や来店客数の減少が響き、大幅な減収となりました。
これらの結果に加えて、主要通貨が円安に推移したこともあり、邦貨換算後の当該セグメントの売上収益は497億92百万円(前年同期比11.9%増)となりました。営業損益は、感染症影響を強く受けた中国ワコールが営業損失となったことに加え、ワコールインターナショナル(米国)における減損損失(101億9百万円)の計上もあり、80億44百万円の営業損失(前年同期は18億6百万円の営業利益)となりました。
③ ピーチ・ジョン事業
ピーチ・ジョン事業については、消費者のニーズを捉える商品開発を進めるとともに、効果的なマーケティング戦略の展開によって高い利益水準の獲得を目指しております。
当第3四半期連結累計期間については、直営店の売上は前年同期の感染症影響の裏返しや、主力の「ナイスバディシリーズ」の売上が好調に推移したことなどから前年同期の水準を上回りました。一方、自社ECについては、引き続きコンテンツマーケティング施策に注力したものの、売上拡大に繋がる効果を得ることができず、前年同期の水準を下回りました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は90億49百万円(前年同期比1.0%減)となりました。営業利益は、広告宣伝費の抑制に努めたものの、減収影響に加え、円安に伴う原価上昇などが響き、8億96百万円(前年同期比40.0%減)となりました。
④ その他
その他については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「レジリエントな企業体質への転換」に向けて、不採算事業の対処や固定費の見直し等、確実に利益を出し続けることができる体制の構築を進めております。
当第3四半期連結累計期間については、ルシアンは大手衣料品チェーン向けのプライベートブランド商品の販売が不調に終わったものの、自社ブランドの売上回復や新規取引先への納品により、増収となりました。また、七彩やAiにおいても、行動制限の緩和に伴う需要の回復から増収となりました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は103億79百万円(前年同期比15.0%増)、営業利益は、2億85百万円(前年同期は6億20百万円の営業損失)となりました。増収効果や各社のオペレーション見直しの進展による収益構造の改善に加え、ルシアンの子会社工場用地からの退去に伴う補償金の計上などから、黒字を確保しました。
(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
※外部売上収益のみを記載しております。
(単位:百万円)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、自己株式の取得や借入金の返済による現金及び現金同等物の減少に加え、のれんや無形資産の減損などにより、前連結会計年度末に比して159億11百万円減少し、2,832億66百万円となりました。
負債は、借入金やリース負債が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して64億64百万円減少し、718億45百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、利益剰余金の減少と自己株式の増加などにより、前連結会計年度末に比して95億76百万円減少し、2,084億14百万円となりました。
以上の結果により、当第3四半期連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して0.7ポイント増加し、73.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して68億16百万円減少し、306億69百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期損失23億68百万円に減損損失などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、62億35百万円の収入(前年同期に比し86億43百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券及び有形固定資産の売却などにより、51億74百万円の収入(前年同期は44億84百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金支払、自己株式の取得などにより、184億34百万円の支出(前年同期に比し141億78百万円の支出減)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。感染症による見積りへの影響は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、4億51百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当社グループは第1四半期連結会計期間から、従来の米国会計基準に替えてIFRSを適用しており、前第3四半期連結累計期間及び前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
| 2022年3月期 第3四半期 連結累計期間 | 2023年3月期 第3四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | |||
| 増減額 | 増減率 | ||||
| 売上収益 | 129,989 | 143,903 | +13,914 | +10.7% | |
| 売上原価 | 56,351 | 62,246 | +5,895 | +10.5% | |
| 売上総利益 | 73,638 | 81,657 | +8,019 | +10.9% | |
| 販売費及び一般管理費 | 68,502 | 76,679 | +8,177 | +11.9% | |
| その他の収益 | 1,316 | 5,019 | +3,703 | +281.4% | |
| その他の費用 | 339 | 11,807 | +11,468 | - | |
| 営業利益(△損失) | 6,113 | △1,810 | △7,923 | - | |
| 金融収益 | 1,271 | 1,285 | +14 | +1.1% | |
| 金融費用 | 226 | 684 | +458 | +202.7% | |
| 持分法による投資損益 | 419 | 1,461 | +1,042 | +248.7% | |
| 税引前四半期利益 | 7,577 | 252 | △7,325 | △96.7% | |
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益(△損失) | 5,002 | △2,431 | △7,433 | - | |
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における当社グループの経営環境は、主要国における販売の不振や、それに伴う得意先の仕入抑制の影響を受けて、厳しい結果となりました。国内は新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)に対する行動制限の緩和後も当社店舗への来店客数が低調に推移したことに加え、下期以降は、物価高騰に伴う買い控えの影響も見られたことから、売上の回復は緩やかなものに留まりました。海外については、米国は個人消費の減速や取引先における在庫調整の影響を受けて低調に推移したほか、中国は感染症に対する厳格な行動制限により苦戦しました。一方、欧州はインフレが進む中でも堅調に推移しました。また、アジア各国についても行動制限の緩和を受けて回復基調となりました。
このような状況のもと、当社グループは、2022年6月に公表した中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」に基づき、複雑化・多様化する社会課題への取り組みを将来の「成長機会」として捉え、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」を両立する「サステナビリティ経営」を推進し、企業価値の向上に取り組んでおります。また、当期を初年度とする3か年の中期経営計画では、「VISION 2030」で掲げた「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを実現していくための礎を築く期間として、持続的な成長が可能な高収益企業への転換を果たすための取り組みを推進しております。
国内事業においては、引き続き、「顧客データの活用」、「オンラインとオフラインの融合」等による顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進するとともに、収益力の向上に向けた取り組みを強化し、「レジリエントな企業体質への転換」を進めていきます。海外事業においては、既存進出エリアでの堅実な売上拡大に加え、EC事業の拡大や新興エリアへの進出によって、更なる拡大を図っていきます。また、財務戦略については、成長に向けた積極的な投資を行いつつ、収益力の向上と資本効率の改善に取り組むことで、ROEの向上に取り組んでおります。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上収益は1,439億3百万円(前年同期比10.7%増)となりました。営業損益については、ワコールインターナショナル(米国)に係るのれんや無形資産などの減損損失(101億9百万円)を計上したことから、18億10百万円の営業損失(前年同期は61億13百万円の営業利益)となりました。
ワコールインターナショナル(米国)については、ECでの成長機会の創出と競争力の強化を図るため、2019年に“LIVELY”ブランドを展開するIntimates Online, Inc.(以下、IO社)を買収しました。しかしながら、デジタルマーケティングに関するプライバシー規制の強化や足元の個人消費の減速など外部環境の変化を踏まえ、ワコールインターナショナル(米国)の回収可能価額を再評価した結果、101億9百万円の減損損失を計上するに至りました。
税引前四半期利益は2億52百万円(前年同期比96.7%減)、親会社の所有者に帰属する四半期損益は24億31百万円の損失(前年同期は50億2百万円の利益)となりました。
なお、当該期間の為替換算レートは、1米ドル=136.51円(前年同期111.10円)、1英ポンド=163.91円(同152.76円)、1中国元=19.88円(同17.25円)であります。
報告セグメントの実績を示すと次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前年同期比 | |||||
| 第3四半期実績 | 構成比 | 第3四半期実績 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 売上収益合計 | 129,989 | 100.0% | 143,903 | 100.0% | +13,914 | +10.7% | |
| ワコール事業(国内) | 67,340 | 51.8% | 74,683 | 51.9% | +7,343 | +10.9% | |
| ワコール事業(海外) | 44,480 | 34.2% | 49,792 | 34.6% | +5,312 | +11.9% | |
| ピーチ・ジョン事業 | 9,141 | 7.0% | 9,049 | 6.3% | △92 | △1.0% | |
| その他 | 9,028 | 7.0% | 10,379 | 7.2% | +1,351 | +15.0% | |
(単位:百万円)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前年同期比 | |||||
| 第3四半期実績 | 売上比 | 第3四半期実績 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| 営業利益(△損失) | 6,113 | 4.7% | △1,810 | - | △7,923 | - | |
| ワコール事業(国内) | 3,433 | 5.1% | 5,053 | 6.8% | +1,620 | +47.2% | |
| ワコール事業(海外) | 1,806 | 4.1% | △8,044 | - | △9,850 | - | |
| ピーチ・ジョン事業 | 1,494 | 16.3% | 896 | 9.9% | △598 | △40.0% | |
| その他 | △620 | - | 285 | 2.7% | +905 | - | |
① ワコール事業(国内)
ワコール事業(国内)については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「レジリエントな企業体質への転換」の実現に向けて、顧客体験価値の向上に向けた独自のCX戦略を推進するとともに、継続してコスト構造改革に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間につきましては、CX戦略の一環として取り組むリテンションマーケティングの強化が奏功し、自社EC・実店舗ともに会員顧客による購買は順調に推移しました。他方、新規を含む非会員顧客による購買は、来店や購買に繋がる効果的なマーケティング施策が打ち出せず、成果に繋げることができませんでした。なお、他社ECについては、大手ECベンダーとの取り組みの強化によって購買率などの改善に努めた結果、高い成長を実現しております。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は746億83百万円(前年同期比10.9%増)となりました。営業利益は、急激な円安に伴う調達コストの増加により売上利益率は低下したものの、増収に加え、固定資産(旧大阪事業所)の売却益30億24百万円の寄与もあり、50億53百万円(前年同期比47.2%増)となりました。
なお、当期から、ワコールにおける百貨店等との消化取引については、売上を店頭価格ベースに変更しておりますが、遡及修正はしておりません。当該変更により、売上収益と販売費及び一般管理費がそれぞれ同額(41億55百万円)増加しているため、営業利益に影響はありません。
② ワコール事業(海外)
ワコール事業(海外)については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「グローバル成長の加速」の実現に向けて、デジタルマーケティングの強化による新規顧客の獲得と、データ活用やCRMの強化による既存顧客のロイヤルカスタマー化に取り組んでおります。
ワコールヨーロッパは、英国の百貨店における売上が好調に推移したことに加え、事業全体の約半分の売上を占める専門店についても堅調に推移したことから、増収となりました。商品・ブランド別では、スイムウェアが好調を維持したほか、ボディポジティブのトレンドの高まりを背景に、「Elomi」ブランドが高い成長を果たしております。ワコールインターナショナル(米国)は、前年同期に感染症影響から回復したことの裏返しに加え、インフレ進行に伴う消費者マインドの悪化もあり、低調な推移となりました。米国ワコールは、実店舗、自社・他社ECすべてで前年同期の売上水準を下回ったことや、それに伴う得意先の仕入抑制の影響もあり、現地通貨ベースで減収となりました。「LIVELY」ブランドを展開するIO社は、足元のマーケティング環境の悪化に鑑み、8月に経営体制を刷新して収益性の改善に取り組みましたが、広告宣伝費を大幅に抑制した結果、訪問客数が伸び悩みました。中国ワコールは、ECの苦戦に加え、ゼロコロナ政策下での厳格な行動制限による商業施設の休業や来店客数の減少が響き、大幅な減収となりました。
これらの結果に加えて、主要通貨が円安に推移したこともあり、邦貨換算後の当該セグメントの売上収益は497億92百万円(前年同期比11.9%増)となりました。営業損益は、感染症影響を強く受けた中国ワコールが営業損失となったことに加え、ワコールインターナショナル(米国)における減損損失(101億9百万円)の計上もあり、80億44百万円の営業損失(前年同期は18億6百万円の営業利益)となりました。
③ ピーチ・ジョン事業
ピーチ・ジョン事業については、消費者のニーズを捉える商品開発を進めるとともに、効果的なマーケティング戦略の展開によって高い利益水準の獲得を目指しております。
当第3四半期連結累計期間については、直営店の売上は前年同期の感染症影響の裏返しや、主力の「ナイスバディシリーズ」の売上が好調に推移したことなどから前年同期の水準を上回りました。一方、自社ECについては、引き続きコンテンツマーケティング施策に注力したものの、売上拡大に繋がる効果を得ることができず、前年同期の水準を下回りました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は90億49百万円(前年同期比1.0%減)となりました。営業利益は、広告宣伝費の抑制に努めたものの、減収影響に加え、円安に伴う原価上昇などが響き、8億96百万円(前年同期比40.0%減)となりました。
④ その他
その他については、中期経営計画のコア戦略で掲げる「レジリエントな企業体質への転換」に向けて、不採算事業の対処や固定費の見直し等、確実に利益を出し続けることができる体制の構築を進めております。
当第3四半期連結累計期間については、ルシアンは大手衣料品チェーン向けのプライベートブランド商品の販売が不調に終わったものの、自社ブランドの売上回復や新規取引先への納品により、増収となりました。また、七彩やAiにおいても、行動制限の緩和に伴う需要の回復から増収となりました。
これらの結果、当該セグメントの売上収益は103億79百万円(前年同期比15.0%増)、営業利益は、2億85百万円(前年同期は6億20百万円の営業損失)となりました。増収効果や各社のオペレーション見直しの進展による収益構造の改善に加え、ルシアンの子会社工場用地からの退去に伴う補償金の計上などから、黒字を確保しました。
(参考)主要子会社の売上収益・営業利益(△損失)
(単位:百万円)
| 売上収益 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前年同期比 | ||||
| 第3四半期 累計 | 構成比 | 第3四半期 累計 | 構成比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | 61,766 | 47.5% | 70,397 | 48.9% | +8,631 | +14.0% | |
| ワコールインターナショナル(米国) | 19,331 | 14.9% | 21,491 | 14.9% | +2,160 | +11.2% | |
| ワコールヨーロッパ | 11,937 | 9.2% | 14,013 | 9.7% | +2,076 | +17.4% | |
| 中国ワコール | 8,894 | 6.8% | 7,333 | 5.1% | △1,561 | △17.6% | |
| ピーチ・ジョン | 9,141 | 7.0% | 9,049 | 6.3% | △92 | △1.0% | |
| ルシアン | 2,460 | 1.9% | 2,494 | 1.7% | +34 | +1.4% | |
| 七彩 | 4,157 | 3.2% | 4,703 | 3.3% | +546 | +13.1% | |
※外部売上収益のみを記載しております。
(単位:百万円)
| 営業利益(△損失) | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 前年同期比 | ||||
| 第3四半期 累計 | 売上比 | 第3四半期 累計 | 売上比 | 増減額 | 増減率 | ||
| ワコール | 2,528 | 4.1% | 5,160 | 7.3% | +2,632 | +104.1% | |
| ワコールインターナショナル(米国) | 518 | 2.7% | △9,587 | - | △10,105 | - | |
| ワコールヨーロッパ | 1,351 | 11.3% | 955 | 6.8% | △396 | △29.3% | |
| 中国ワコール | △33 | - | △668 | - | △635 | - | |
| ピーチ・ジョン | 1,494 | 16.3% | 896 | 9.9% | △598 | △40.0% | |
| ルシアン | △416 | - | 90 | 3.6% | +506 | - | |
| 七彩 | △66 | - | 32 | 0.7% | +98 | - | |
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、自己株式の取得や借入金の返済による現金及び現金同等物の減少に加え、のれんや無形資産の減損などにより、前連結会計年度末に比して159億11百万円減少し、2,832億66百万円となりました。
負債は、借入金やリース負債が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比して64億64百万円減少し、718億45百万円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、利益剰余金の減少と自己株式の増加などにより、前連結会計年度末に比して95億76百万円減少し、2,084億14百万円となりました。
以上の結果により、当第3四半期連結会計期間末における親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比して0.7ポイント増加し、73.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比して68億16百万円減少し、306億69百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期損失23億68百万円に減損損失などによる調整を加えた金額に対して、資産及び負債の増減などによる調整を行った結果、62億35百万円の収入(前年同期に比し86億43百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券及び有形固定資産の売却などにより、51億74百万円の収入(前年同期は44億84百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当金支払、自己株式の取得などにより、184億34百万円の支出(前年同期に比し141億78百万円の支出減)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。感染症による見積りへの影響は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた対処すべき課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、4億51百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。