有価証券報告書-第145期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 16:21
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172項目
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済状況は、国内では、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかに回復しました。海外では、米国は一部に弱さがみられるものの底堅く推移し、欧州も持ち直しの動きがみられましたが、中国は不動産市場の停滞を背景に緩やかな減速が続きました。一方、米国の通商政策の動向や中東情勢の緊迫化に伴う資源やエネルギー価格の上昇など、世界経済の先行きに対する不透明感が強まっています。
こうした情勢の下、当社グループは当期を初年度とする2027年度までの第13次中期経営計画をスタートさせました。成長領域向け製品の生産能力増強や事業体制の再編など将来の成長に向けた施策を着実に進める一方、自動車・鉄鋼等の既存顧客向けは需要変動の影響を受け、事業ごとに業績の明暗が分かれる結果となりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は1,429億8百万円(前期比3.4%増加)、営業利益は111億14百万円(前期比8.8%増加)、経常利益は151億94百万円(前期比8.3%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は141億78百万円(前期比9.6%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っております。以下の前期比較については、変更後の算定方法により組み替えた数値で比較分析しております。
(工業機材)
オーダーメイド品は、国内においては、主要顧客である軸受業界に持ち直しの動きが見られたものの、自動車・鉄鋼業界の生産が低調に推移したことから、売上は前年並みとなりました。海外においては、北米では自動車・軸受向けが関税政策の影響を受け、中国では鉄鋼向けが顧客の在庫調整の影響を受けたほか、東南アジアでは自動車・軸受業界の景気低迷の影響を受けたことから、海外全体で売上は減少しました。成長分野である電子半導体向けは、拡販の取り組みを進めた結果、国内及び中国で売上は増加しました。汎用品は、切断・オフセット砥石は、国内向けは横ばいとなったものの、海外向けはアジアが減少したことに加えてタイバーツ高の影響を大きく受けたことから、売上は減少しました。研磨布紙は、国内及びアジア向けが堅調に推移し、売上は増加しました。その結果、工業機材事業の売上高は、563億85百万円(前期比0.1%減少)、営業利益は為替及び米国の関税政策の影響等を受けたことから、16億5百万円(前期比12.1%減少)となりました。
(セラミック・マテリアル)
電子ペースト及び電子部品材料は、積層セラミックコンデンサ用材料において、ADAS(先進運転支援システム)の進展等により搭載される電子部品数が増加している自動車向け、並びに需要が拡大しているAIサーバー向けが堅調に推移したことから、売上は増加しました。セラミックコアは交換需要・新規需要共に堅調で、売上は増加しました。石膏は海外の建材関係が回復傾向にあり、売上は増加しました。蛍光表示管は主要顧客の在庫調整の影響を受け、厚膜回路基板は米国向けの医療センサー用が減少したことから、いずれも売上は減少しました。セラミック原料は耐熱ガラス用及びディスプレー用が減少し、売上は減少しました。その結果、セラミック・マテリアル事業の売上高は、500億35百万円(前期比10.0%増加)、営業利益は販売及び生産量の増加により、83億24百万円(前期比23.8%増加)となりました。
(エンジニアリング)
主力の焼成炉及び乾燥炉は、エレクトロニクス向けとメンテナンス関連が堅調であったことから、売上は増加しました。混合装置及び濾過装置は、半導体・食品向けが堅調で、売上は増加しました。超硬丸鋸切断機は、自動車向けが落ち込んだことから、売上は大きく減少しました。ロードカッターは、公共工事が低調に推移し、売上は前年並みに留まりました。その結果、エンジニアリング事業の売上高は、297億57百万円(前期比2.4%増加)、営業利益は18億28百万円(前期比5.9%増加)となりました。
(食器)
国内においては、エアライン向けの受注が堅調に推移したものの、商品ラインナップの見直しに伴い一部商品の終売を進めたことから、国内全体での売上は減少しました。海外においては、米国では関税政策の影響による購買心理の冷え込みや、中国及びインドでは流通在庫の消化局面にあることから需要が減少し、海外全体での売上は減少しました。その結果、食器事業の売上高は、67億30百万円(前期比6.5%減少)、営業利益は販売減に加え、原材料価格の上昇や市場開拓に向けた先行費用の増加により、6億43百万円の営業損失(前期は64百万円の営業損失)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ317億64百万円(16.0%)増加し2,300億76百万円、負債合計は、前連結会計年度末に比べ148億87百万円(31.4%)増加し623億38百万円、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ168億76百万円(11.2%)増加し1,677億38百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ16億9百万円増加し、134億60百万円となりました。また、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは23億33百万円の支出となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローにおける収入は、前連結会計年度から80億27百万円増加の100億43百万円となりました。これは主に仕入債務の減少幅の縮小に加え、法人税等の支払額の減少により資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローにおいて支出した資金は、前連結会計年度から24億46百万円増加の77億10百万円となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が増加した一方、有形及び無形固定資産の取得による支出、並びに定期預金の預入による支出が増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローにより支出した資金は、前連結会計年度から14億86百万円減少の15億44百万円となりました。これは主に自己株式の取得による支出が増加したものの、短期借入金が増加したことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
生産高(百万円)前年同期比(%)
工業機材45,015100.4
セラミック・マテリアル43,862117.0
エンジニアリング6,134102.8
食器4,24989.2
合計99,261106.7

(注)金額は、販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
工業機材56,28499.37,71098.7
セラミック・マテリアル50,469111.15,083109.3
エンジニアリング29,23094.131,51398.4
食器6,67392.560791.4
合計142,657101.644,91499.4

(注)金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称売上高
(百万円)
前年同期比
(%)
内、海外売上高
(百万円)
前年同期比
(%)
海外売上割合
(%)
工業機材56,38599.920,99097.737.2
セラミック・マテリアル50,035110.028,264110.556.5
エンジニアリング29,757102.411,64784.039.1
食器6,73093.53,81992.656.7
合計142,908103.464,72199.545.3

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
ⅰ)総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ317億64百万円(16.0%)増加し、2,300億76百万円となりました。うち、流動資産が89億38百万円増加の993億45百万円、固定資産が228億25百万円増加の1,307億31百万円であります。これは主に投資有価証券並びに有形固定資産が増加したことによるものです。
ⅱ)負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ148億87百万円(31.4%)増加し、623億38百万円となりました。これは主に短期借入金並びに繰延税金負債が増加したことによるものです。
ⅲ)純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ168億76百万円(11.2%)増加し、1,677億38百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金並びに利益剰余金が増加したことによるものです。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ388円91銭増加して3,031円96銭となり、自己資本比率は前連結会計年度末の75.6%から72.5%に減少しました。
なお、2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、1株当たり純資産額は当該株式分割実施後の株数にて算出しております。
(経営成績)
ⅰ)売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ47億26百万円(3.4%)増加の1,429億8百万円となりました。なお、販売活動の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
ⅱ)経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ11億65百万円(8.3%)増加の151億94百万円となりました。主な要因としては、売上高が増加したことによるものであります。
ⅲ)特別利益・特別損失
当連結会計年度の特別利益は62億75百万円であり、主なものは投資有価証券売却益62億57百万円であります。また、当連結会計年度の特別損失は21億56百万円であり、主なものは環境対策引当金繰入額17億26百万円であります。
ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、193億13百万円の税金等調整前当期純利益となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は141億78百万円となりました。
1株当たり当期純利益は254円64銭となり、自己資本利益率は前連結会計年度の8.7%から9.0%となりました。
なお、2026年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、1株当たり当期純利益は当該株式分割実施後の株数にて算出しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入れ又は社債の発行により資金調達することとしております。
運転資金につきましては、期限が一年以内の短期借入金で資金調達を行っております。国内におきましては、キャッシュ・マネジメント・システムにより当社が一括して資金を調達して各連結子会社に必要資金を分配し、海外におきましては、各々の連結子会社が運転資金として使用する現地通貨にて調達することを基本としております。2026年3月31日現在の短期借入金の残高は131億55百万円であります。
設備投資等の長期資金につきましては、自己資金を原則とし、一部を長期借入金により調達することとしております。
2026年3月31日現在の現預金残高は195億70百万円で、当社グループとして十分な水準の手元資金を確保していると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況に基づく仮定により、様々な見積りを行っており、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
ⅰ)繰延税金資産
繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、回収が不確実と考えられる部分は、評価性引当額としています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
なお、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収可能額の見直しを行い、繰延税金資産の修正を行うため、当期純利益額が変動する可能性があります。
ⅱ)退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の期待運用収益率に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い債券の利回りを基礎として決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
ⅲ)固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、損益を悪化させる可能性があります。

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