有価証券報告書-第79期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 15:50
【資料】
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【項目】
109項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)は、スマートフォンやデータセンタ向けに半導体・電子部品の需要が旺盛だったことから、年初から設備投資に力強い動きが見られました。
例年投資が活発なアジア地域のほか、日米欧においても積極的な投資が行われ、半導体ではメモリやロジック、半導体以外ではセラミックコンデンサやガラス部品など、様々な用途で精密加工のニーズが増加したことで受注高は前期から大きく増加しました。
そのため、ブレードダイサをはじめ、グラインダ、レーザソーなど精密加工装置は、過去最高の出荷額を記録。また、顧客の設備稼働率も高水準が続いたことから、消耗品である精密加工ツールの出荷額も大幅な増加となりました。これらの結果、売上高は5期連続で過去最高を更新しました。
利益については、販売管理費が人件費を中心に増加したものの、売上高の大幅な増加に加え、高付加価値製品の出荷増や製品構成の変化によりGP率が上昇したため、営業利益は6割増の大幅増益となりました。
以上の結果、当期の業績は、売上高 1,673億64百万円(前期比24.7%増)
営業利益 509億95百万円(前期比62.7%増)
経常利益 526億90百万円(前期比66.1%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 371億71百万円(前期比53.6%増)
となり、各利益において過去最高益を大幅に更新しました。
なお、当期時点で「4年累計経常利益率」は25.5%となり、当社の目指すべき目標の一つである「4年累計経常利益率20%以上」を2期連続で達成しました。
財政状態については、当期末の総資産は2,565億55百万円となり、前期末と比べ308億7百万円増加しました。
これは業容の拡大に伴い現預金や売掛金、たな卸資産が増加したほか、桑畑工場Cゾーンの建設に伴い建設仮勘定が増加したことによるものです。
負債は512億90百万円となり、前期末と比べ68億61百万円増加しました。これは借入金を返済した一方、未払法人税等や賞与引当金が増加したことによるものです。
純資産は2,052億64百万円となり、前期末から239億47百万円増加しました。
これらの資本構成の結果、各指標は以下の通りとなりました。
総資産利益率(ROA) 15.4%(前期比 4.2ポイント上昇)
自己資本利益率(ROE) 19.3%(前期比 5.4ポイント上昇)
4年累計RORA(Return On Risk Assets) 34.4%(前期比 8.1ポイント上昇)
自己資本比率 79.6%(前期末比 0.3ポイント低下)
(2)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、507億31百万円の収入となりました。(前期比54.2%増)
これは税金等調整前当期純利益が大幅に増加したことが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、126億73百万円の支出となりました。(前期比99.8%増)
これは桑畑工場Cゾーンの建設など、有形固定資産の取得による支出が増加したことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、240億53百万円の支出となりました。(前期比101.2%増)
これは配当金の支払いによる支出の増加と借入金の返済により支出が増加しました。
これらの結果、当期末の現金及び現金同等物の残高は、855億45百万円となりました。(前期末から138億54百万円の増加)また、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」を合算した「フリー・キャッシュ・フロー」は380億58百万円の資金増加となりました。
② 財務政策
当社グループは、運転資金、設備資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を調達しております。
また、需要拡大へ対応するための生産体制増強として、桑畑工場の拡張を計画しており、自己資金によって、2021年5月までに総額270億円の投資を予定しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2014年3月期2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期
自己資本比率(%)71.474.880.479.979.6
時価ベースの
自己資本比率(%)
128.0217.1164.2269.0321.3
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率(年)
1.30.40.30.3-
インタレスト・カバレ
ッジ・レシオ(倍)
399.9575.0675.1825.62,180.7

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
前年同期比(%)
精密加工システム事業(百万円)127,430128.9
合計(百万円)127,430128.9

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における受注状況は次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
精密加工システム事業171,858124.718,102132.6
合計171,858124.718,102132.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当社グループは精密加工システム事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
前年同期比(%)
精密加工システム事業(百万円)167,364124.7
合計(百万円)167,364124.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。