有価証券報告書-第155期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/19 16:47
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三菱電機グループが当連結会計年度中にとった主な施策及び翌連結会計年度以降に向けての施策については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」などに記載のとおりですが、これらの施策の実施状況を踏まえた当連結会計年度に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下のとおりです。
(1) 業績概要
当連結会計年度の日本の景気は、底堅い個人消費や設備投資といった内需が下支えとなり、緩やかな回復基調が続きました。米国の景気は、関税影響の下押し要因はあるものの、データセンターを中心としたAIなどのテクノロジー関連の投資拡大や個人消費が下支えとなり、堅調に推移しました。中国の景気は、輸出の増加や政府施策による下支えがありつつも、不動産不況や内需の弱さが続いたことで成長が鈍化し、緩やかな減速傾向で推移しました。
このような状況の中、三菱電機グループは、ビジネスエリア経営体制のもと、事業変革・ポートフォリオ戦略の加速と事業競争力強化・経営体質強化に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。
<連結決算概要>
前連結会計年度当連結会計年度前連結会計年度比
売上高55,217億円58,947億円3,730億円増
営業利益3,918億円4,330億円412億円増
税引前当期純利益4,372億円5,260億円888億円増
親会社株主に帰属
する当期純利益
3,240億円4,077億円836億円増

①売上高
売上高は、為替円安の影響や価格改善の効果などにより、前連結会計年度比3,730億円増加の5兆8,947億円となりました。インフラ部門では、社会システム事業は国内の交通事業や海外向けUPS*1事業の増加、エネルギーシステム事業は国内外の電力流通事業で増加し、防衛・宇宙システム事業は防衛システム事業の大口案件により増加しました。ライフ部門では、ビルシステム事業は中東の関係会社の連結子会社化影響に加え、海外(除く中国)向けや国内リニューアル事業で増加し、空調・家電事業は円安の影響や価格改善の効果に加え、欧州・国内・北米での家庭用・業務用空調機器で増加しました。インダストリー・モビリティ部門では、FAシステム事業はスマートフォン、AI関連の設備投資や工作機械関連需要により増加しましたが、自動車機器事業は中国における日系自動車メーカーの販売の落ち込みや、北米向けカーマルチメディアの事業縮小により減少しました。デジタルイノベーション部門では、ITインフラ・セキュリティ事業、製造DXソリューション事業などにより増加しました。セミコンダクター・デバイス部門は前連結会計年度並みとなりました。
*1 UPS:Uninterruptible Power Supply / 無停電電源装置
<売上高における為替影響額>
前連結会計年度
期中平均レート
当連結会計年度
期中平均レート
当連結会計年度
売上高への影響額
連結合計--約460億円増
内、米ドル153円151円約90億円減
内、ユーロ164円176円約410億円増
内、人民元21.1円21.4円約40億円増

②営業利益
営業利益は、インフラ部門での大幅な増益をはじめ、すべてのセグメントで増益となり、前連結会計年度比412億円増加の4,330億円となりました。営業利益率は、売上原価率の改善などにより、前連結会計年度比0.2ポイント改善の7.3%となりました。
売上原価率は、価格改善やインフラ部門、インダストリー・モビリティ部門等での売上構成の改善などにより、前連結会計年度比1.5ポイント改善しました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比724億円増加し、売上高比率は前連結会計年度比0.2ポイント改善しました。その他の損益は、特別退職金の計上などにより前連結会計年度比835億円減少し、売上高比率は前連結会計年度比1.5ポイント悪化しました。
③税引前当期純利益
税引前当期純利益は、営業利益の増加などにより、前連結会計年度比888億円増加の5,260億円、売上高比率は8.9%となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、税引前当期純利益の増加などにより、前連結会計年度比836億円増加の4,077億円、売上高比率は6.9%となりました。
なお、ROEは前連結会計年度比1.3ポイント改善の9.7%となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。
① インフラ
社会システム事業の事業環境は、国内外の公共分野や交通分野における設備投資が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、受注高は海外の交通事業の大口案件の減少などにより前連結会計年度を下回りましたが、売上高は国内の交通事業や海外向けUPS事業の増加などにより、前連結会計年度を上回りました。
エネルギーシステム事業の事業環境は、再生可能エネルギーの拡大やデータセンターの増設などを背景に需要が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、受注高は国内外の発電事業の増加などにより前連結会計年度を上回り、売上高は国内外の電力流通事業の増加などにより前連結会計年度を上回りました。
防衛・宇宙システム事業の事業環境は、政府関連予算の増加などにより防衛・宇宙分野ともに需要が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、防衛システム事業の大口案件の増加により、受注高・売上高ともに前連結会計年度を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比119%の1兆4,634億円となりました。
営業利益は、売上高の増加や売上案件の変動などにより、前連結会計年度比652億円増加の1,547億円となりました。
② インダストリー・モビリティ
FAシステム事業の事業環境は、中国におけるスマートフォン、工作機械関連の需要や、日本・中国などにおけるAI関連の半導体などの設備投資需要が増加しました。このような状況の中、同事業は、スマートフォン、AI関連の設備投資や工作機械関連需要の増加などにより、受注高・売上高ともに前連結会計年度を上回りました。
自動車機器事業の事業環境は、新車販売台数がインド・中国・欧州を中心に増加し、その他の地域では前連結会計年度並みとなりました。このような状況の中、同事業は、中国における日系自動車メーカーの販売減少による影響や、北米向けカーマルチメディアの事業縮小などにより、売上高は前連結会計年度を下回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比102%の1兆6,738億円となりました。
営業利益は、FAシステム事業は売上高の増加や価格改善の効果などにより増加し、自動車機器事業は価格改善の効果や費用の削減などにより増加しました。部門全体では、前連結会計年度比484億円増加の1,310億円となりました。
③ ライフ
ビルシステム事業の事業環境は、国内などの一部地域でリニューアル需要が拡大しました。このような状況の中、同事業は、中東の関係会社の連結子会社化影響に加え、海外(除く中国)向けの増加や国内のリニューアル事業の増加などにより、受注高・売上高ともに前連結会計年度を上回りました。
空調・家電事業の事業環境は、国内で家庭用・業務用空調機器の需要が堅調に推移したほか、欧州でも需要回復の動きが継続しました。このような状況の中、同事業は、円安の影響や価格改善の効果に加え、欧州・国内・北米 での家庭用・業務用空調機器の増加などにより、売上高は前連結会計年度を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前連結会計年度比106%の2兆3,182億円となりました。
営業利益は、ビルシステム事業は売上高の増加や売上案件の変動などにより増加し、空調・家電事業は為替の影響や費用の増加に加え、素材高騰影響などにより減少しました。部門全体では、前連結会計年度比132億円増加の1,705億円となりました。
④ デジタルイノベーション
情報システム・サービス事業の事業環境は、レガシーシステムの更新やデジタルトランスフォーメーション(DX)導入関連の需要が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、ITインフラ・セキュリティ事業、製造DXソリューション事業などの増加により、受注高・売上高ともに前連結会計年度を上回り、売上高は前連結会計年度比108%の1,580億円となりました。
営業利益は、売上高の増加などにより、前連結会計年度比10億円増加の119億円となりました。
⑤ セミコンダクター・デバイス
半導体・デバイス事業の事業環境は、パワー半導体の需要停滞が継続しましたが、通信用光デバイスの需要が堅調に推移しました。このような状況の中、同事業は、受注高は電鉄・電力向けパワー半導体、通信用光デバイスの増加などにより前連結会計年度を上回り、売上高は前連結会計年度並みの2,871億円となりました。
営業利益は、売上構成の変動影響などにより、前連結会計年度比69億円増加の475億円となりました。
⑥ その他
売上高は、前連結会計年度の物流関係会社の持分法適用会社化や、当連結会計年度の子会社の譲渡に伴う減少などにより、前連結会計年度比97%の8,235億円となりました。
営業利益は、前連結会計年度の物流関係会社株式の一部譲渡影響による減少はあるものの、当連結会計年度の子会社株式の譲渡影響や売上案件の変動などにより、前連結会計年度比15億円増加の531億円となりました。
顧客の所在地別の売上高の状況は、次のとおりです。
① 日本
社会システム事業や防衛・宇宙システム事業などの増加により、前連結会計年度比108%の2兆9,323億円となりました。
② 北米
自動車機器事業などの減少はありましたが、エネルギーシステム事業や空調・家電事業などの増加により、前連結会計年度比107%の8,527億円となりました。
北米のうち米国については、自動車機器事業などの減少はありましたが、エネルギーシステム事業などの増加により、前連結会計年度比109%の7,297億円となりました。
③ アジア
自動車機器事業などの減少はありましたが、FAシステム事業やビルシステム事業などの増加により、前連結会計年度比104%の1兆2,237億円となりました。
アジアのうち中国については、自動車機器事業などの減少はありましたが、FAシステム事業などの増加により、前連結会計年度比102%の5,404億円となりました。
④ 欧州
自動車機器事業などの減少はありましたが、空調・家電事業やビルシステム事業などの増加により、前連結会計年度比108%の7,753億円となりました。
⑤ その他
その他の地域にはオセアニアなどが含まれており、前連結会計年度比101%の1,105億円となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
三菱電機グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、ソフトウエアやサービスなどの無形財も多く含まれることから、セグメントごとの生産規模を金額あるいは数量で示していません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称受注高(百万円)前連結会計年度比(%)
インフラ1,978,516103
インダストリー・モビリティ(FAシステム)865,647122
ライフ(ビルシステム)726,267105
デジタルイノベーション156,227104
セミコンダクター・デバイス320,467119

(注) 「インダストリー・モビリティ」セグメントのうち自動車機器事業、「ライフ」セグメントのうち空調・家電事業、及び「その他」については、受注生産形態をとらない製品が多く、受注規模を金額で示していません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりです。
事業の種類別セグメントの名称販売高(百万円)前連結会計年度比(%)
インフラ1,463,400119
インダストリー・モビリティ1,673,871102
ライフ2,318,257106
デジタルイノベーション158,021108
セミコンダクター・デバイス287,148100
その他823,56197
消去△829,511-
5,894,747107

(注) 各種類別セグメントの金額には、セグメント間の内部売上高(振替高)を含めて表示しています。
(3) 資産及び負債・資本の状況分析
総資産残高は、前連結会計年度末比9,818億円増加の7兆3,575億円となりました。退職給付に係る資産が3,001億円、のれん及び無形資産が2,538億円増加したことがその主な要因です。
退職給付に係る資産の増加は、株価上昇影響などによるものです。
負債の部は、その他の金融負債が2,159億円、契約負債が819億円増加したことなどから、負債残高は前連結会計年度末比4,282億円増加の2兆7,275億円となりました。
資本の部は、株主への配当金1,136億円、自己株式の取得1,014億円による減少等はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益4,077億円の計上等により、親会社株主に帰属する持分は前連結会計年度末比5,345億円増加の 4兆4,842億円、親会社株主帰属持分比率は60.9%(前連結会計年度末比△1.0ポイント)となりました。
⦅財政状態計算書関連指標⦆
前連結会計年度末当連結会計年度末前連結会計年度末比
売掛債権回転率3.71回転3.36回転0.35回転減
棚卸資産回転率4.44回転4.67回転0.23回転増
D/Eレシオ0.09倍0.08倍△0.01
親会社株主帰属持分比率61.9%60.9%1.0ポイント減

(注)1 売掛債権回転率は、売上債権と契約資産の合計より算出しています。
2 D/Eレシオ(負債資本倍率)は社債、借入金及びリース負債残高を株主資本*で除することにより算出しています。
* 株主資本:親会社株主に帰属する持分
(4) 資本の財源及び資金の流動性
①財務戦略に関する基本的な考え方
三菱電機グループは、健全な財務体質を維持するため、業績向上による資金収支の改善に加え、棚卸資産の縮減活動、売掛債権の回収促進といった資産の効率化、グループ内資金の更なる有効活用による資金の効率化に引き続き取り組んでいきます。
また、2030年度に向けた新たな中期経営戦略におけるキャピタル・アロケーション方針のもと、積極的な成長投資と株主還元の拡大をバランス良く実行し、更なる資本効率の向上を図ってまいります。
なお、成長戦略を進めていく中で、必要となります設備投資、研究開発、M&A等の資金につきましては、重点成長事業を中心とした営業活動において創出されたキャッシュ・フローを源泉に、自己資金の活用を図りつつ、必要に応じて金融機関等から機動的に資金調達を行っています。金融機関等からの資金調達にあたっては、一定の財務規律をもって実施し、レバレッジ活用の目安はD/Eレシオ0.3倍程度として取り組んでいきます。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが5,759億円の収入となった一方、投資活動によるキャッシュ・フローが3,444億円の支出となったため、フリー・キャッシュ・フローは2,315億円の収入となりました。これに対し、財務活動によるキャッシュ・フローは3,048億円の支出となったことなどから、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末比257億円減少の7,316億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当期純利益の増加等により、前連結会計年度比1,200億円の収入増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社の取得の増加等により、前連結会計年度比1,526億円の支出増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得の増加等により、前連結会計年度比394億円の支出増加となりました。
③財源及び流動性
運転資金需要のうち主なものは、生産に必要な材料購入費の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものです。
短期運転資金は、自己資金と金融機関からの短期借入等により、設備投資や長期運転資金は、自己資金の活用を図りつつ金融機関からの長期借入及び社債により調達を行っています。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は7,316億円、社債、借入金及びリース負債残高は3,632億円です。社債、借入金及びリース負債の内訳は、短期借入金364億円、コマーシャル・ペーパー300億円、社債499億円、長期借入金1,005億円、リース負債1,463億円です。
三菱電機グループは、上記施策を着実に展開することにより、更なる企業価値の向上を目指します。
(5) 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成しています。これらの連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を使用する必要があります。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の連結財務諸表の金額に重要な影響を与える可能性のある主要な会計上の見積り及び仮定は以下のとおりです。
①一定の期間にわたり履行義務を充足する契約における見積総費用
インフラ部門、ライフ部門及びデジタルイノベーション部門における一定の要件を満たす特定の工事請負契約については、当該工事請負契約の当期末時点の進捗度に応じて収益を計上しています。進捗度は、当連結会計年度までの発生費用を工事完了までの見積総費用と比較することにより測定しています。
見積総費用は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容、要求仕様、技術面における新規開発要素の有無、過去の類似契約における発生原価実績などのさまざまな情報に基づいて算定しています。
工事請負契約は、契約仕様や作業内容が顧客の要求に基づき定められており契約内容の個別性が強く、また比較的長期にわたる契約が多いことから、作業工程の遅れ等による当初見積りに対する原価の増加や、新規開発技術を利用した工事遂行における当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって、見積総費用が変動することがあります。
経営者は、四半期ごとに当四半期までの発生費用と事前の見積りとの比較や、その時点での工事の進捗状況等を踏まえた最新の情報に基づいて見直した工事請負契約の見積総費用を妥当なものと考えていますが、将来の状況の変化によって見積りと実績が乖離した場合は、三菱電機グループが認識する収益の金額に影響を与える可能性があります。
②引当金の認識及び測定
受注工事損失引当金は、インフラ部門、ライフ部門及びデジタルイノベーション部門における工事請負契約において、当該工事の見積総費用が請負受注金額を超える可能性が高く、かつ予想される損失額を合理的に見積もることができる場合に、将来の損失見込額を引当金として計上しています。当連結会計年度末における受注工事損失引当金の残高は、44,500百万円です。
見積総費用は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容、要求仕様、技術面における新規開発要素の有無、過去の類似契約における発生原価実績などのさまざまな情報に基づいて算定しています。
工事請負契約は、契約仕様や作業内容が顧客の要求に基づき定められており契約内容の個別性が強く、また比較的長期にわたる契約が多いことから、作業工程の遅れ等による当初見積りに対する原価の増加や、新規開発技術を利用した工事遂行における当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって、見積総費用が変動することがあります。
経営者は、四半期ごとに当四半期までの発生費用と事前の見積りとの比較や、その時点での工事の進捗状況等を踏まえた最新の情報に基づいて見直した将来工事損失見込額を妥当なものと考えていますが、将来の状況の変化によって見積りと実績が乖離した場合は、三菱電機グループの損益に影響を与える可能性があります。
製造上やその他の不具合に対し、製品の種類や販売地域及びその他の要因ごとに定められた期間又は一定の使用条件に応じて製品保証を行っており、期末日現在において将来の費用発生の可能性が高く、その金額を合理的に見積もることができる場合に、製品保証引当金を計上しています。将来の発生費用は、主に過去の無償工事実績及び補修費用に関する現状に基づいて見積っています。当連結会計年度末における製品保証引当金の残高は、84,420百万円です。
経営者は、発生費用の見積り額を妥当なものと考えていますが、将来の状況の変化によって見積りと実績が乖離した場合は、三菱電機グループの損益に影響を与える可能性があります。
③有形固定資産の回収可能価額
有形固定資産は、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合は、減損テストを実施しています。
資産又は資金生成単位の見積回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。使用価値の算定における見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合には、当期の純損益において減損損失を認識しています。
経営者は、使用価値の算定における見積将来キャッシュ・フロー及び処分コスト控除後の公正価値の見積りはいずれも妥当なものと考えていますが、三菱電機グループのビジネスや前提条件の変化等によって見積りが変更となることにより資産又は資金生成単位の見積回収可能価額が変動し、結果として、将来において有形固定資産の減損損失の認識に影響を与える可能性があります。
これらの前提条件を用いた見積りは、合理的であると判断していますが、翌連結会計年度において、経済環境の変化等により、見直しが必要となった場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④のれん及び無形資産の回収可能価額
耐用年数を確定できる無形資産は、減損の兆候の有無を判断しており、減損の兆候が存在する場合は、減損テストを実施しています。のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については少なくとも1年に一度、同時期に減損テストを実施しています。
重要なのれんはライフ部門に含まれる空調・家電事業及びビルシステム事業並びにデジタルイノベーション部門に配分されたのれんであり、減損テストの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい方の金額としています。
使用価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、主として経営者が承認した今後5年度分の事業計画及び成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積り額を現在価値に割り引いて算定しています。割引率は、税引前の加重平均資本コストを基に算定しており、当連結会計年度における割引率は、12.1%~14.8%です。成長率は、のれんが配分されている資金生成単位グループが属する市場の長期期待成長率を参考に算定しており、当連結会計年度における成長率は1.0%~2.0%です。
処分コスト控除後の公正価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、主に将来予測及び永久成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積り額を現在価値に割り引いて算定しています。割引率は、税引前の加重平均資本コストを基に算定しており、当連結会計年度における割引率は、主に15.3%です。永久成長率は、資金生成単位が属する市場の長期期待成長率を参考に算定しており、当連結会計年度における永久成長率は、2.2%です。
経営者は、事業計画や成長率を基礎としたキャッシュ・フローの見積り額や割引率は妥当なものと考えていますが、三菱電機グループのビジネスや前提条件の変化等によってキャッシュ・フローの見積り額や割引率が変更となることにより回収可能価額が変動し、結果として、将来においてのれん及び無形資産の減損損失の認識に影響を与える可能性があります。
⑤繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くない場合は、繰延税金資産の計上額を減額しています。
三菱電機グループは繰延税金資産の実現可能性の評価にあたり、繰延税金資産の一部又は全部が実現する可能性が実現しない可能性より高いかどうかを考慮しています。繰延税金資産の実現は、最終的には将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除が減算可能な期間における将来課税所得によって決定されます。その評価にあたり、予定される繰延税金負債の戻入、予測される将来課税所得及び税務戦略を考慮しています。
経営者は、当連結会計年度末の認識可能と判断された繰延税金資産が実現する蓋然性は高いと考えていますが、繰延期間における将来の見積課税所得が減少した場合には、実現する可能性が高いと考えられる繰延税金資産は減少することとなります。
⑥確定給付制度債務の測定
三菱電機グループは、従業員を対象とする従業員非拠出制の確定給付型退職給付制度を採用しています。従業員の確定給付制度債務は、割引率、退職率、一時金選択率や死亡率など年金数理計算上の基礎率に基づき算定しています。確定給付制度債務の現在価値及び制度資産の公正価値の再測定による変動は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しており、当連結会計年度末の割引率は3.1%です。
経営者は、年金数理計算上の基礎率の算定は妥当なものと考えていますが、実績との差異又は基礎率自体の変更により、確定給付制度債務の金額に影響を与える可能性があります。
⑦金融商品の公正価値
三菱電機グループは、主に取引関係維持・強化を目的として保有している資本性金融商品をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。このうち非上場株式及び出資金の公正価値については、投資先の純資産等に関する定量的な情報及び投資先の将来キャッシュ・フローに関する予想等を総合的に勘案して算定しています。
経営者は、公正価値の見積りは妥当なものと考えていますが、投資先の業績や将来キャッシュ・フロー等の見積りの前提条件が変動した場合は、三菱電機グループのその他の包括利益の金額に影響を与える可能性があります。

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