有価証券報告書-第57期(2025/05/21-2026/05/20)

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2026/08/10 9:14
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国関税の影響の顕在化リスクといった不確実性の中、AI関連需要の力強さを背景に底堅い成長が継続しました。一方で、中東情勢の急激な不安定化により先行きの不透明感が増しており、エネルギー資源の高騰や供給制約、またそれに起因するサプライチェーンの混乱により、景気減速の圧力が強まっております。地域別には、米国では関税による下押し圧力の中、個人消費とAI関連をはじめとする設備投資により堅調さが継続しました。日本においても内需の堅調さから緩やかな成長を維持し、欧州でもプラス成長が継続しております。一方、中国においては政府が示すGDP成長率に反して、設備投資と民間消費ともに減速傾向がみられました。
エレクトロニクス業界におきましては、AIを活用した社会のデジタル化への推進を背景に、サーバーやデータセンター向けの半導体需要の増加が続いており、自動車や産業機器関連も底打ちの兆しが出てきております。
このような状況の中、当社グループでは顧客訪問による拡販活動、営業部門と開発部門の連携強化を継続して推進しており、新製品を中心に重点顧客への提案活動に注力いたしました。また、LITE-ON TECHNOLOGY CORPORATION(以下、LITE-ON)との連携活動では、新ブランド「COSELSYNC.」製品、及びLITE-ON製品の拡販活動に注力してまいりました。
新製品につきましては、FA制御機器、計測機器、表示器や半導体製造装置といった幅広い分野で利用可能なユニット型シングル出力AC-DC電源「PDAシリーズ」拡充2モデル「PDA300F/600F」を市場投入し、既存モデルと合わせて全7モデルを展開しております。また、低背タイプの小型汎用DC-DCコンバータ「MUシリーズ」拡充4モデル「MUS6/MUW6/MUS10/MUW10」を追加投入したことで、既存モデルを含め多彩なラインナップとなり、顧客ニーズへの対応力を強化いたしました。さらに、高入力電圧パワーモジュール電源「DCS1400B」を市場投入いたしました。
海外市場向けには、医用電気機器向けの高信頼性及び高安全性ニーズに応える標準サイズ2×4インチAC-DC電源「UMHA120F」を市場投入いたしました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、受注高は278億41百万円(前年同期比59.8%増)と回復傾向にありますが、売上高は250億46百万円(同7.4%減)となりました。利益面においては、売上高の大幅な減少に伴い収益力が低下し、経費の削減効果はあったものの固定費負担が重く、営業損失は6億95百万円(前年同期は営業利益6億28百万円)となりました。また、為替の影響等で経常利益は2億67百万円(前年同期比63.9%減)となりましたが、2026年5月20日付で当社連結子会社であるPowerbox International ABの株式譲渡契約を締結したことに伴い、関係会社整理損を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は34億6百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1億13百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 日本生産販売事業
日本国内では、AI活用による社会のデジタル化推進等を背景に、半導体製造装置関連全般に需要回復と在庫消化が進んでおります。受注は急速に回復しており、その一部は第4四半期連結会計期間の売上高にも寄与したものの、大部分については翌連結会計年度以降での売上寄与を見込んでおり、当連結会計年度の売上高は低調となりました。
営業活動につきましては、引き続き販売店との情報共有強化、訪問営業による新製品を中心とした拡販活動に加え、COSELSYNC.製品及びLITE-ON製品の拡販活動を活発化しております。
この結果、外部顧客への売上高は140億円(前年同期比15.3%減)、セグメント損失は3億16百万円(前年同期はセグメント利益5億20百万円)となりました。
② 北米販売事業
米国では、米国関税の影響の顕在化による先行きの不透明感から需要の調整局面が続いておりましたが、第3四半期連結会計期間以降の受注回復が売上寄与し、当連結会計年度の売上高については増加しました。
営業活動につきましては、セールスレップとの連携強化、動画を用いた新製品のプロモーション強化等、拡販活動を継続しております。また、COSELSYNC.製品及びLITE-ON製品の拡販活動にも努めております。
この結果、外部顧客への売上高は18億96百万円(前年同期比18.6%増)、セグメント利益は88百万円(前年同期比10.9%増)となりました。
③ ヨーロッパ生産販売事業
ヨーロッパでは、景気の不透明感はやや後退したものの、需要の調整局面が継続しております。顧客での発注調整の影響により新規受注の低迷が継続し、当連結会計年度の売上高は微増となりました。
営業活動につきましては、訪問営業とテレワークの両面で拡販活動を増やしております。
この結果、外部顧客への売上高は64億8百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント損失は7億23百万円(前年同期はセグメント損失4億円)となりました。
④ アジア販売事業
アジアにおいては、中国の景気鈍化に加え、米中の関税動向の影響により、需要の調整局面が継続していたものの、顧客での在庫消化が進んだことに加え大口案件の受注増加もあり、第3四半期連結会計期間以降は受注が急増しております。受注の回復に伴い当連結会計年度の売上高は微増となりました。
営業活動につきましては、新規開拓及び新製品拡販に向けたウェブマーケティングに継続して取り組んでおります。
この結果、外部顧客への売上高は27億40百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は1億4百万円(同28.4%増)となりました。
⑤ 中国生産事業
中国生産事業においては、第3四半期連結会計期間以降、既存製品、新製品ともに受注が回復基調にあり、それに伴い生産量も増加しております。今後もさらなる受注拡大が見込まれることから、増産体制の整備を推進いたしました。また、「品質の維持・向上」に向けた改善活動に加え、「生産性の向上」及び「コスト削減」を目的とした生産改善活動にも継続して取り組んでおります。
この結果、セグメント間の内部売上高は20億5百万円(前年同期比10.6%増)、セグメント利益は11百万円(前年同期比78.0%減)となりました。
財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金や電子記録債権等の営業債権、有価証券が増加した一方で、棚卸資産及び投資有価証券が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ5億78百万円増加し、605億76百万円となりました。負債の部では、買掛金、繰延税金負債が増加したことに加え、当社の連結子会社であるPowerbox International ABの譲渡決定に伴い、関係会社整理損失引当金を計上したこと等により、負債合計は前連結会計年度末に比べ42億51百万円増加し、84億13百万円となりました。純資産の部では、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失の計上、剰余金の配当等により利益剰余金が減少したことにより、純資産合計は前連結会計年度末に比べ36億72百万円減少し、521億63百万円となりました。この結果、自己資本比率は86.1%(前連結会計年度末は93.1%)となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億12百万円増加し、268億65百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、30億35百万円(前年同期は得られた資金38億58百万円)となりました。これは主に、減価償却費14億80百万円、関係会社整理損36億44百万円、棚卸資産の減少額25億3百万円、仕入債務の増加額1億81百万円、法人税等の還付額9億14百万円を計上した一方で、税金等調整前当期純損失34億25百万円、退職給付に係る資産の増加額1億41百万円、為替差益8億80百万円、売上債権の増加額12億17百万円、法人税等の支払額1億47百万円があったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、14億9百万円(前年同期は使用した資金16億21百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入3億円を計上した一方で、有形固定資産の取得による支出17億34百万円があったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、23億96百万円(前年同期は得られた資金92億28百万円)となりました。これは主に、リース債務の返済による支出1億34百万円、配当金の支払額22億61百万円があったこと等を反映したものであります。
3)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年5月21日
至 2026年5月20日)
前年同期比(%)
日本生産販売事業(百万円)16,32881.9
北米販売事業(百万円)--
ヨーロッパ生産販売事業(百万円)4,857102.7
アジア販売事業(百万円)--
中国生産事業(百万円)2,319105.1
合計(百万円)23,50487.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価額によっております。
b.受注実績
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
日本生産販売事業16,596190.46,452170.4
北米販売事業1,800131.3425139.0
ヨーロッパ生産販売事業6,380123.65,015116.8
アジア販売事業3,064141.1916159.4
中国生産事業----
合計27,841159.812,810142.9

(注)金額は販売価額によっております。
c.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年5月21日
至 2026年5月20日)
前年同期比(%)
日本生産販売事業(百万円)14,00084.7
北米販売事業(百万円)1,896118.6
ヨーロッパ生産販売事業(百万円)6,408102.3
アジア販売事業(百万円)2,740102.8
中国生産事業(百万円)--
合計(百万円)25,04692.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年5月21日
至 2025年5月20日)
当連結会計年度
(自 2025年5月21日
至 2026年5月20日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
リョーサン菱洋株式会社5,20419.24,23916.9

(注)2026年4月1日付で、株式会社リョーサンはリョーサン菱洋株式会社に社名変更しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。
① のれん等無形固定資産の減損処理
当社グループは、減損会計の対象となるのれん、技術資産及び顧客関連資産を有しております。今後、市場の動向や業績の状況に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額の見積りが、帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要になる可能性があります。
② 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
④ 退職給付費用
当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、又は予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
⑤ 原材料の評価
当社の原材料の貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法により算定しております。また、保有期間が長期にわたる原材料は当社の品質管理上定められた保管期限及び将来の使用見込みを勘案し、適宜廃棄処分を行っております。
原材料の使用見込みは、顧客市場動向等の将来の経済状況の変動によって影響を受ける可能性があり、これにより収益性が低下したと判断される場合、原材料の評価損を計上する可能性があります。
⑥ 連結企業集団外部に対する貸付金
当社は、連結子会社であるPowerbox International AB(以下、「PRBX」)の株式譲渡契約の締結に伴い、PRBXに対する貸付金について、株式譲渡後も連結企業集団外部に対する貸付金として保有する予定です。当社は、契約条件、PRBXグループの財政状態及び将来の事業計画等を踏まえ、当該貸付金の回収可能性を評価しております。当事業年度末においては、回収不能と見込まれる金額を関係会社整理損として計上するとともに、貸倒引当金を計上しております。
貸付金の回収可能額は、PRBXグループの将来の収益性、累積EBITDA及び資金繰りの見通し等を前提として見積っており、これらの前提は市場環境や事業環境の変化、事業計画の達成状況等の影響を受けるため、実際の結果が見積りと異なった場合には、貸倒引当金の戻入れ又は追加計上が必要となる可能性があります。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、前連結会計年度以前に発生した顧客の先行手配による在庫積み増しの反動から、産業機器市場を中心に在庫調整が継続し、売上高は前年を下回る結果となりました。一方、第4四半期連結会計期間から半導体製造装置関連を中心に受注回復の動きが見られ、受注高は前年を上回る結果となり、市場環境は改善傾向にあります。
このような経営環境のもと、当社グループでは重点顧客への提案活動、新製品の市場投入、LITE-ONとの営業・開発・調達分野における協業を本格的に推進し、将来の成長に向けた事業基盤の強化に取り組みました。また、事業ポートフォリオの見直しや収益性改善施策を進めるとともに、生産性向上や固定費の適正化を推進し、企業価値向上に向けた経営改革を進めております。
① セグメント別業績
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 売上原価、売上総利益
売上高の減少に伴い工場操業度が低下したことに加え、部品・原材料価格の上昇や人件費及び減価償却費等の固定費負担が相対的に上昇したことにより、売上原価率は前年同期に比べ2.5ポイント上昇し、売上総利益率は24.1%となりました。
当社グループでは、第11次中期経営計画において、生産性向上及び原価低減活動を重点施策として位置付けており、収益構造の改善に継続して取り組んでまいります。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
売上高の減少及び売上原価率の上昇に加え、販売費及び一般管理費が人件費の増加等により前年に比べ増加したことにより、営業損失となりました。営業利益率は△2.8%となりました。
今後は、営業活動の強化、LITE-ONとの協業による販売機会の拡大、高付加価値製品の拡販及び固定費の最適化を推進し、収益力の回復を図ってまいります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、健全な財務基盤を維持しつつ、成長投資と株主還元の両立を基本方針としております。当連結会計年度末の自己資本比率は86.1%となり、高い財務健全性を維持しております。
今後は、第11次中期経営計画に基づき、研究開発、生産設備、DX及び戦略投資等への資金配分を進めるとともに、財務規律を維持しながら、持続的な企業価値向上及び株主還元の充実を図ってまいります。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な企業価値向上を目指し、資本コスト及び株価を意識した経営を推進しております。その実現に向け、収益力の向上、資本効率の改善及びキャッシュ創出力の強化を重要な経営課題と位置付けております。
第11次中期経営計画では、事業ポートフォリオの最適化、海外戦略の強化及び収益構造の改善を重点戦略として、収益力の向上及び資本効率の改善に取り組んでまいります。また、株主還元については、DOE(株主資本配当率)4.5%以上を下限とする累進配当を基本方針としております。
最終年度である2028年度の数値目標として、連結売上高400億円、連結営業利益34億円、連結営業利益率8.5%以上及び連結ROE5.2%以上を掲げ、これらの達成を通じて企業価値の向上を目指してまいります。

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