有価証券報告書-第90期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
①経営成績の概要
当連結会計年度の世界の経済情勢は、AI関連需要の拡大などを背景に底堅い成長を維持しているものの、各国での通商政策の動向や不安定な中東情勢などの地政学リスクの高まりにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループが属するエレクトロニクス市場の部品需要は、AIサーバー及び周辺機器における電子部品の搭載数の増加によりデータセンター関連の需要が拡大しました。また、自動車市場はxEVの成長率の鈍化がみられるものの、AD/ADASの進展により堅調に推移しています。
そのような中、当連結会計年度の売上収益は、高周波モジュールや樹脂多層基板がスマートフォン向けで減少しましたが、積層セラミックコンデンサがサーバー向けを中心に幅広い用途で増加したことに加え、インダクタがスマートフォンやモビリティ向けで、EMI除去フィルタがサーバーやモビリティ向けで増加しました。その結果、為替変動(前連結会計年度比1円79銭の円高)の影響はありましたが、前連結会計年度比5.0%増の1,830,856百万円となりました。
利益につきましては、製品価格の値下がりや表面波フィルタ製品に係る事業において、のれんの減損損失を計上した影響はありましたが、生産高増加に伴う操業度益やコストダウンといった増益要因もあり、営業利益は前連結会計年度比0.8%増の281,835百万円、税引前当期利益は同1.4%増の308,643百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同0.0%増の233,920百万円となりました。
当連結会計年度のROIC(Return On Invested Capital)(税引後)は有形固定資産などの投下資本が増加したことにより、前年同期比0.3ポイント減の9.7%となりました。
(注)ROIC(税引後)= 営業利益×(1-実効税率)/期首・期末平均投下資本(有形固定資産・使用権資産・のれん・無形資産+棚卸資産+営業債権-営業債務)
ROIC(税引後)で用いる実効税率は、平均実際負担税率を用いております。
(参考)事業別セグメントROIC(税引前)
コンポーネント 2025年3月期 21.2% 2026年3月期 22.4%
デバイス・モジュール 2025年3月期 1.2% 2026年3月期 △3.5%
(注)ROIC(税引前)=営業利益/期首・期末平均投下資本(有形固定資産・使用権資産・のれん・無形資産+棚卸資産+営業債権-営業債務)
事業別セグメントについては、コンポーネントは売上収益が1,175,235百万円(前連結会計年度比12.6%増)で営業利益が315,132百万円(同14.5%増)、デバイス・モジュールは売上収益が655,981百万円(同5.9%減)で営業損失26,491百万円(前連結会計年度は営業利益9,995百万円)、その他は売上収益が69,701百万円(同3.6%増)で営業損失6,806百万円(前連結会計年度は営業損失5,443百万円)となりました。
②製品又は事業別の売上収益概況
当連結会計年度の製品又は事業別の売上収益を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。
[コンデンサ]
この区分には、積層セラミックコンデンサなどが含まれます。
当連結会計年度は、積層セラミックコンデンサがサーバー向けを中心に幅広い用途で増加しました。
その結果、コンデンサの売上収益は前連結会計年度に比べ12.6%増の936,418百万円となりました。
[インダクタ・EMIフィルタ]
この区分には、インダクタ、EMI除去フィルタが含まれます。
当連結会計年度は、インダクタがスマートフォンやモビリティ向けで、EMI除去フィルタがサーバーやモビリティ向けで増加しました。
その結果、インダクタ・EMIフィルタの売上収益は前連結会計年度に比べ11.0%増の223,316百万円となりました。
[高周波・通信]
この区分には、樹脂多層基板、高周波モジュール、コネクティビティモジュール、表面波フィルタなどが含まれます。
当連結会計年度は、高周波モジュールがスマートフォンやPC向けで、樹脂多層基板がスマートフォン向けで減少しました。
その結果、高周波・通信の売上収益は前連結会計年度に比べ11.0%減の394,829百万円となりました。
[エナジー・パワー]
この区分には、リチウムイオン二次電池、電源モジュールが含まれます。
当連結会計年度は、電源モジュールが代理店や産業機器向けで減少しましたが、サーバー向けで増加しました。一方で、リチウムイオン二次電池がサーバー向けで増加しましたが、ゲーム機向けで減少しました。
その結果、エナジー・パワーの売上収益は前連結会計年度に比べ1.1%減の154,063百万円となりました。
[機能デバイス]
この区分には、センサ、タイミングデバイスなどが含まれます。
当連結会計年度は、センサがモビリティ向けで、アクチュエータがコンピュータ向けで増加しました。
その結果、機能デバイスの売上収益は前連結会計年度に比べ9.5%増の107,074百万円となりました。
③用途別の売上収益概況
当連結会計年度の用途別の売上収益を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間からビジネスの実態に合わせて用途別の売上収益区分の集計範囲を変更しております。以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の金額を変更後の用途別の売上収益区分に組み替えた金額で比較分析しております。
[通信]
当連結会計年度は、スマートフォン向けで積層セラミックコンデンサやインダクタが増加しましたが、高周波モジュールや樹脂多層基板が減少しました。
その結果、通信用途の売上収益は前連結会計年度に比べ3.1%減の652,957百万円となりました。
[モビリティ]
当連結会計年度は、自動車向けで積層セラミックコンデンサやセンサ、インダクタが増加しました。
その結果、モビリティ用途の売上収益は前連結会計年度に比べ4.8%増の474,484百万円となりました。
[コンピュータ]
当連結会計年度は、PC向けで高周波モジュールが減少しましたが、サーバー向けで積層セラミックコンデンサやリチウムイオン二次電池が増加しました。
その結果、コンピュータ用途の売上収益は前連結会計年度に比べ28.4%増の310,392百万円となりました。
[家電]
当連結会計年度は、ゲーム機向けでリチウムイオン二次電池や積層セラミックコンデンサが減少しましたが、AV機器向けでコネクティビティモジュールが増加しました。
その結果、家電用途の売上収益は前連結会計年度に比べ0.1%増の142,694百万円となりました。
[産業・その他]
当連結会計年度は、代理店向けで電源モジュールが減少しましたが、積層セラミックコンデンサが増加しました。また、産業機器やエネルギー市場向けでコンデンサが増加しました。
その結果、産業・その他用途の売上収益は前連結会計年度に比べ7.8%増の250,329百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
イ)生産実績
当連結会計年度のセグメント別の生産実績は、下表のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.以下のセグメント別諸表については、主たる事業である電子部品並びにその関連製品の生産、受注及び販売の実績を記載しております。
ロ)受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注高及び受注残高は、下表のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.コンデンサの「受注残高」は、積層セラミックコンデンサの受注がサーバー向けを中心に増加し、受注高が売上を上回ったことにより、前連結会計年度比で大幅な増加となりました。
4.インダクタ・EMIフィルタの「受注残高」は、インダクタの受注がスマートフォンやサーバー向けを中心に増加したことに加え、EMIフィルタの受注がサーバーやモビリティ向けを中心に増加し、受注高が売上を上回ったことにより、前連結会計年度比で大幅な増加となりました。
ハ)販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、下表のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
ニ)用途別販売実績
当連結会計年度の用途別の販売実績は、下表のとおりであります。
(注)当社推計値に基づいております。
ホ)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当該割合が10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、のれんやその他の金融資産は減少しましたが、有形固定資産や棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ170,905百万円増加し、3,199,099百万円となりました。
負債合計は、リース負債は減少しましたが、未払法人所得税や営業債務の増加により、前連結会計年度末に比べ33,070百万円増加し、481,289百万円となりました。
資本合計は、自己株式は増加しましたが、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加により、前連結会計年度末に比べ137,835百万円増加し、2,717,810百万円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.2ポイント減少の85.0%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、425,222百万円のキャッシュ・イン(前年同期比26,683百万円の収入減少)となりました。
これは、主に法人所得税の支払による支出が75,067百万円、棚卸資産の増加額が16,847百万円となった一方で、当期利益が233,781百万円、減価償却費及び償却費が178,212百万円となったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、193,814百万円のキャッシュ・アウト(前年同期比14,256百万円の支出減少)となりました。
これは、主に生産能力増強や生産棟の建設を中心とした有形固定資産の取得による支出が244,619百万円となったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、221,812百万円のキャッシュ・アウト(前年同期比20,921百万円の支出減少)となりました。
これは、主に配当金の支払額が110,720百万円、自己株式の取得による支出が100,008百万円となったことによるものです。
②資本の財源及び資金の流動性
イ)財務戦略と経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、健全な財務体質と高い資本効率を両立することを目指し、市場環境・競争環境に応じた最適な経営資源配分を行ってまいります。
財務体質については、事業環境の変化に機敏に対応し、持続的な利益成長を達成するとともに、厳しい環境下においても経営の安定を維持し、金融市場の市況悪化等のリスクへ備えるため自己資本の充実に努めております。また、信用格付は「AA+(信用力は極めて高く、優れた要素がある)」(格付投資情報センターによる)を取得し、資金調達が必要な場合に円滑かつ低コストの調達を可能としております。
経営資源の配分につきましては、「中期方針2027」に記載のキャピタル・アロケーション方針に基づき、資本効率と成長性を重視した投資と株主還元を行ってまいります。
資本効率については、継続的な資本効率の改善を目的として2027年度のROIC(税引後)12%以上を目標値として設定しております。また、資本コストを投資の意思決定と事業評価に反映しており、安定的にROICが資本コストを上回る構造を維持しております。なお、当連結会計年度末における当社グループの資本コスト(WACC)は9.4%(当社推計値)となっております。
株主還元については、長期的な企業価値の拡大と企業体質の強化を図りながら、2027年度を目標にDOE(親会社所有者帰属持分配当率)5%に引き上げることを実現することといたします。また、自己株式の取得につきましても株主還元の手段として、資本効率の改善等を目的として適宜実施することといたします。
ロ)資金調達と手許流動性
当社グループは、設備投資及びその他の事業資金については、自らの事業活動により獲得した内部資金で対応することを基本方針としておりますが、事業の成長に向けた投資や運転資金のために資金需要が生ずる場合には、時々の金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部から調達することとしており、銀行からの借入及び国内普通社債発行による資金調達を適宜実施しております。健全な財務体質を維持し、また主要な取引先金融機関と良好な関係を構築しており、今後の事業資金の調達に関して問題はないと認識しております。
完全子会社の資金需要に対しては、原則として銀行など外部からの資金調達を行わず、当社及び関係会社からのグループファイナンスにより対応しており、資金調達の一元化と資金効率の向上を図っております。
また、当社グループは、事業活動による資金需要への機動的な対応と金融市場の市況悪化等のリスクを最小限に抑えるため、月平均売上収益2.5か月~3.5か月を必要な資金流動性の水準としております。事業の状況によりこの水準を一時的に超過する場合もありますが、キャピタル・アロケーション方針に基づく資源配分へ資金の充当を進めることにより適正化を図ってまいります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物、短期投資、有価証券の流動性資金の残高は664,632百万円となり月平均売上収益4.4か月となっております。事業投資の原資として手許資金を保有しているため、投機目的の運用は行わず、信用リスクが小さいと考えられる銀行への預金など、安全性の高い金融商品に分散して資金を保有しております。なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は3,261百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は653,701百万円となっております。
(4)重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しております。当連結会計年度において、当社グループにおいて重要性があると認識している会計方針及び見積りは、連結財務諸表注記の「3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(1)経営成績
①経営成績の概要
当連結会計年度の世界の経済情勢は、AI関連需要の拡大などを背景に底堅い成長を維持しているものの、各国での通商政策の動向や不安定な中東情勢などの地政学リスクの高まりにより、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループが属するエレクトロニクス市場の部品需要は、AIサーバー及び周辺機器における電子部品の搭載数の増加によりデータセンター関連の需要が拡大しました。また、自動車市場はxEVの成長率の鈍化がみられるものの、AD/ADASの進展により堅調に推移しています。
そのような中、当連結会計年度の売上収益は、高周波モジュールや樹脂多層基板がスマートフォン向けで減少しましたが、積層セラミックコンデンサがサーバー向けを中心に幅広い用途で増加したことに加え、インダクタがスマートフォンやモビリティ向けで、EMI除去フィルタがサーバーやモビリティ向けで増加しました。その結果、為替変動(前連結会計年度比1円79銭の円高)の影響はありましたが、前連結会計年度比5.0%増の1,830,856百万円となりました。
利益につきましては、製品価格の値下がりや表面波フィルタ製品に係る事業において、のれんの減損損失を計上した影響はありましたが、生産高増加に伴う操業度益やコストダウンといった増益要因もあり、営業利益は前連結会計年度比0.8%増の281,835百万円、税引前当期利益は同1.4%増の308,643百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同0.0%増の233,920百万円となりました。
当連結会計年度のROIC(Return On Invested Capital)(税引後)は有形固定資産などの投下資本が増加したことにより、前年同期比0.3ポイント減の9.7%となりました。
| 前連結会計年度 (2024年4月1日~2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2025年4月1日~2026年3月31日) | 増 減 | ||||
| 金額 (百万円) | 百分比 (%) | 金額 (百万円) | 百分比 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上収益 | 1,743,352 | 100.0 | 1,830,856 | 100.0 | 87,504 | 5.0 |
| 営業利益 | 279,702 | 16.0 | 281,835 | 15.4 | 2,133 | 0.8 |
| 税引前当期利益 | 304,404 | 17.5 | 308,643 | 16.9 | 4,239 | 1.4 |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 233,818 | 13.4 | 233,920 | 12.8 | 102 | 0.0 |
| ROIC(税引後) (%) | 10.0 | - | 9.7 | - | △0.3 | - |
| 対米ドル平均為替レート(円) | 152.57 | - | 150.78 | - | △1.79 | - |
(注)ROIC(税引後)= 営業利益×(1-実効税率)/期首・期末平均投下資本(有形固定資産・使用権資産・のれん・無形資産+棚卸資産+営業債権-営業債務)
ROIC(税引後)で用いる実効税率は、平均実際負担税率を用いております。
(参考)事業別セグメントROIC(税引前)
コンポーネント 2025年3月期 21.2% 2026年3月期 22.4%
デバイス・モジュール 2025年3月期 1.2% 2026年3月期 △3.5%
(注)ROIC(税引前)=営業利益/期首・期末平均投下資本(有形固定資産・使用権資産・のれん・無形資産+棚卸資産+営業債権-営業債務)
事業別セグメントについては、コンポーネントは売上収益が1,175,235百万円(前連結会計年度比12.6%増)で営業利益が315,132百万円(同14.5%増)、デバイス・モジュールは売上収益が655,981百万円(同5.9%減)で営業損失26,491百万円(前連結会計年度は営業利益9,995百万円)、その他は売上収益が69,701百万円(同3.6%増)で営業損失6,806百万円(前連結会計年度は営業損失5,443百万円)となりました。
②製品又は事業別の売上収益概況
当連結会計年度の製品又は事業別の売上収益を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。
[コンデンサ]
この区分には、積層セラミックコンデンサなどが含まれます。
当連結会計年度は、積層セラミックコンデンサがサーバー向けを中心に幅広い用途で増加しました。
その結果、コンデンサの売上収益は前連結会計年度に比べ12.6%増の936,418百万円となりました。
[インダクタ・EMIフィルタ]
この区分には、インダクタ、EMI除去フィルタが含まれます。
当連結会計年度は、インダクタがスマートフォンやモビリティ向けで、EMI除去フィルタがサーバーやモビリティ向けで増加しました。
その結果、インダクタ・EMIフィルタの売上収益は前連結会計年度に比べ11.0%増の223,316百万円となりました。
[高周波・通信]
この区分には、樹脂多層基板、高周波モジュール、コネクティビティモジュール、表面波フィルタなどが含まれます。
当連結会計年度は、高周波モジュールがスマートフォンやPC向けで、樹脂多層基板がスマートフォン向けで減少しました。
その結果、高周波・通信の売上収益は前連結会計年度に比べ11.0%減の394,829百万円となりました。
[エナジー・パワー]
この区分には、リチウムイオン二次電池、電源モジュールが含まれます。
当連結会計年度は、電源モジュールが代理店や産業機器向けで減少しましたが、サーバー向けで増加しました。一方で、リチウムイオン二次電池がサーバー向けで増加しましたが、ゲーム機向けで減少しました。
その結果、エナジー・パワーの売上収益は前連結会計年度に比べ1.1%減の154,063百万円となりました。
[機能デバイス]
この区分には、センサ、タイミングデバイスなどが含まれます。
当連結会計年度は、センサがモビリティ向けで、アクチュエータがコンピュータ向けで増加しました。
その結果、機能デバイスの売上収益は前連結会計年度に比べ9.5%増の107,074百万円となりました。
③用途別の売上収益概況
当連結会計年度の用途別の売上収益を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間からビジネスの実態に合わせて用途別の売上収益区分の集計範囲を変更しております。以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の金額を変更後の用途別の売上収益区分に組み替えた金額で比較分析しております。
[通信]
当連結会計年度は、スマートフォン向けで積層セラミックコンデンサやインダクタが増加しましたが、高周波モジュールや樹脂多層基板が減少しました。
その結果、通信用途の売上収益は前連結会計年度に比べ3.1%減の652,957百万円となりました。
[モビリティ]
当連結会計年度は、自動車向けで積層セラミックコンデンサやセンサ、インダクタが増加しました。
その結果、モビリティ用途の売上収益は前連結会計年度に比べ4.8%増の474,484百万円となりました。
[コンピュータ]
当連結会計年度は、PC向けで高周波モジュールが減少しましたが、サーバー向けで積層セラミックコンデンサやリチウムイオン二次電池が増加しました。
その結果、コンピュータ用途の売上収益は前連結会計年度に比べ28.4%増の310,392百万円となりました。
[家電]
当連結会計年度は、ゲーム機向けでリチウムイオン二次電池や積層セラミックコンデンサが減少しましたが、AV機器向けでコネクティビティモジュールが増加しました。
その結果、家電用途の売上収益は前連結会計年度に比べ0.1%増の142,694百万円となりました。
[産業・その他]
当連結会計年度は、代理店向けで電源モジュールが減少しましたが、積層セラミックコンデンサが増加しました。また、産業機器やエネルギー市場向けでコンデンサが増加しました。
その結果、産業・その他用途の売上収益は前連結会計年度に比べ7.8%増の250,329百万円となりました。
④生産、受注及び販売の実績
イ)生産実績
当連結会計年度のセグメント別の生産実績は、下表のとおりであります。
| 生産実績 (2025年4月1日~2026年3月31日) | ||||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 前連結会計 年度比(%) | ||
| コンデンサ | 923,244 | 50.9 | 8.6 | |
| インダクタ・EMIフィルタ | 214,386 | 11.8 | 3.3 | |
| コンポーネント | 1,137,630 | 62.7 | 7.6 | |
| 高周波・通信 | 400,898 | 22.1 | △7.7 | |
| エナジー・パワー | 153,462 | 8.5 | 9.3 | |
| 機能デバイス | 107,568 | 5.9 | 15.2 | |
| デバイス・モジュール | 661,928 | 36.5 | △0.9 | |
| その他 | 14,977 | 0.8 | 24.6 | |
| 計 | 1,814,535 | 100.0 | 4.4 | |
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.以下のセグメント別諸表については、主たる事業である電子部品並びにその関連製品の生産、受注及び販売の実績を記載しております。
ロ)受注実績
当連結会計年度のセグメント別の受注高及び受注残高は、下表のとおりであります。
| 受注高 (2025年4月1日~2026年3月31日) | 受注残高 (2026年3月31日現在) | ||||||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 前連結会 計年度比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 前連結会計 年度末比 (%) | ||
| コンデンサ | 1,063,569 | 53.5 | 27.7 | 269,158 | 60.3 | 89.5 | |
| インダクタ・EMIフィルタ | 234,078 | 11.8 | 15.3 | 42,219 | 9.5 | 34.2 | |
| コンポーネント | 1,297,647 | 65.3 | 25.3 | 311,377 | 69.8 | 79.5 | |
| 高周波・通信 | 403,740 | 20.3 | △6.8 | 52,607 | 11.8 | 20.4 | |
| エナジー・パワー | 164,281 | 8.2 | 14.9 | 59,398 | 13.3 | 20.8 | |
| 機能デバイス | 110,020 | 5.5 | 14.9 | 18,885 | 4.2 | 18.5 | |
| デバイス・モジュール | 678,041 | 34.0 | 0.9 | 130,890 | 29.3 | 20.3 | |
| その他 | 13,842 | 0.7 | 7.3 | 3,902 | 0.9 | △25.2 | |
| 計 | 1,989,530 | 100.0 | 15.6 | 446,169 | 100.0 | 55.2 | |
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.コンデンサの「受注残高」は、積層セラミックコンデンサの受注がサーバー向けを中心に増加し、受注高が売上を上回ったことにより、前連結会計年度比で大幅な増加となりました。
4.インダクタ・EMIフィルタの「受注残高」は、インダクタの受注がスマートフォンやサーバー向けを中心に増加したことに加え、EMIフィルタの受注がサーバーやモビリティ向けを中心に増加し、受注高が売上を上回ったことにより、前連結会計年度比で大幅な増加となりました。
ハ)販売実績
当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、下表のとおりであります。
| 販売実績 (2025年4月1日~2026年3月31日) | ||||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 前連結会計 年度比(%) | ||
| コンデンサ | 936,418 | 51.1 | 12.6 | |
| インダクタ・EMIフィルタ | 223,316 | 12.2 | 11.0 | |
| コンポーネント | 1,159,734 | 63.3 | 12.3 | |
| 高周波・通信 | 394,829 | 21.6 | △11.0 | |
| エナジー・パワー | 154,063 | 8.4 | △1.1 | |
| 機能デバイス | 107,074 | 5.9 | 9.5 | |
| デバイス・モジュール | 655,966 | 35.9 | △5.9 | |
| その他 | 15,156 | 0.8 | 16.0 | |
| 計 | 1,830,856 | 100.0 | 5.0 | |
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
ニ)用途別販売実績
当連結会計年度の用途別の販売実績は、下表のとおりであります。
| 販売実績 (2025年4月1日~2026年3月31日) | ||||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 前連結会計 年度比(%) | ||
| 通信 | 652,957 | 35.7 | △3.1 | |
| モビリティ | 474,484 | 25.9 | 4.8 | |
| コンピュータ | 310,392 | 16.9 | 28.4 | |
| 家電 | 142,694 | 7.8 | 0.1 | |
| 産業・その他 | 250,329 | 13.7 | 7.8 | |
| 計 | 1,830,856 | 100.0 | 5.0 | |
(注)当社推計値に基づいております。
ホ)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当該割合が10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、のれんやその他の金融資産は減少しましたが、有形固定資産や棚卸資産の増加により、前連結会計年度末に比べ170,905百万円増加し、3,199,099百万円となりました。
負債合計は、リース負債は減少しましたが、未払法人所得税や営業債務の増加により、前連結会計年度末に比べ33,070百万円増加し、481,289百万円となりました。
資本合計は、自己株式は増加しましたが、利益剰余金やその他の資本の構成要素の増加により、前連結会計年度末に比べ137,835百万円増加し、2,717,810百万円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.2ポイント減少の85.0%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、425,222百万円のキャッシュ・イン(前年同期比26,683百万円の収入減少)となりました。
これは、主に法人所得税の支払による支出が75,067百万円、棚卸資産の増加額が16,847百万円となった一方で、当期利益が233,781百万円、減価償却費及び償却費が178,212百万円となったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、193,814百万円のキャッシュ・アウト(前年同期比14,256百万円の支出減少)となりました。
これは、主に生産能力増強や生産棟の建設を中心とした有形固定資産の取得による支出が244,619百万円となったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、221,812百万円のキャッシュ・アウト(前年同期比20,921百万円の支出減少)となりました。
これは、主に配当金の支払額が110,720百万円、自己株式の取得による支出が100,008百万円となったことによるものです。
②資本の財源及び資金の流動性
イ)財務戦略と経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、健全な財務体質と高い資本効率を両立することを目指し、市場環境・競争環境に応じた最適な経営資源配分を行ってまいります。
財務体質については、事業環境の変化に機敏に対応し、持続的な利益成長を達成するとともに、厳しい環境下においても経営の安定を維持し、金融市場の市況悪化等のリスクへ備えるため自己資本の充実に努めております。また、信用格付は「AA+(信用力は極めて高く、優れた要素がある)」(格付投資情報センターによる)を取得し、資金調達が必要な場合に円滑かつ低コストの調達を可能としております。
経営資源の配分につきましては、「中期方針2027」に記載のキャピタル・アロケーション方針に基づき、資本効率と成長性を重視した投資と株主還元を行ってまいります。
資本効率については、継続的な資本効率の改善を目的として2027年度のROIC(税引後)12%以上を目標値として設定しております。また、資本コストを投資の意思決定と事業評価に反映しており、安定的にROICが資本コストを上回る構造を維持しております。なお、当連結会計年度末における当社グループの資本コスト(WACC)は9.4%(当社推計値)となっております。
株主還元については、長期的な企業価値の拡大と企業体質の強化を図りながら、2027年度を目標にDOE(親会社所有者帰属持分配当率)5%に引き上げることを実現することといたします。また、自己株式の取得につきましても株主還元の手段として、資本効率の改善等を目的として適宜実施することといたします。
ロ)資金調達と手許流動性
当社グループは、設備投資及びその他の事業資金については、自らの事業活動により獲得した内部資金で対応することを基本方針としておりますが、事業の成長に向けた投資や運転資金のために資金需要が生ずる場合には、時々の金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部から調達することとしており、銀行からの借入及び国内普通社債発行による資金調達を適宜実施しております。健全な財務体質を維持し、また主要な取引先金融機関と良好な関係を構築しており、今後の事業資金の調達に関して問題はないと認識しております。
完全子会社の資金需要に対しては、原則として銀行など外部からの資金調達を行わず、当社及び関係会社からのグループファイナンスにより対応しており、資金調達の一元化と資金効率の向上を図っております。
また、当社グループは、事業活動による資金需要への機動的な対応と金融市場の市況悪化等のリスクを最小限に抑えるため、月平均売上収益2.5か月~3.5か月を必要な資金流動性の水準としております。事業の状況によりこの水準を一時的に超過する場合もありますが、キャピタル・アロケーション方針に基づく資源配分へ資金の充当を進めることにより適正化を図ってまいります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物、短期投資、有価証券の流動性資金の残高は664,632百万円となり月平均売上収益4.4か月となっております。事業投資の原資として手許資金を保有しているため、投機目的の運用は行わず、信用リスクが小さいと考えられる銀行への預金など、安全性の高い金融商品に分散して資金を保有しております。なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は3,261百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は653,701百万円となっております。
(4)重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRS会計基準に準拠して作成しております。当連結会計年度において、当社グループにおいて重要性があると認識している会計方針及び見積りは、連結財務諸表注記の「3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。