有価証券報告書-第116期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 11:46
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【項目】
83項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比べ1億57百万円減少し106億65百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比べ3億63百万円減少し29億61百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比べ2億5百万円増加し77億4百万円となりました。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、経済・金融施策を背景に個人消費や企業の設備投資が改善してきていることにより、総じて緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の政策運営の不透明感、長期金利上昇からの為替相場の変動、地政学的リスクの高まりなど、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。
当社のセグメント別受注概況は、歯車及び歯車装置事業ではジャッキ及びその他の増減速機は増加いたしましたが、バルブ・コントロールは減少いたしました。歯車につきましては、自動車用が大きく落ち込んだことにより、受注は減少いたしました。これにより歯車及び歯車装置事業全体では受注は減少いたしました。工事事業では火力発電所をはじめとする定期検査工事等が減少したことにより受注は減少となりました。
その結果、当事業年度の受注高は79億48百万円(前事業年度比3.0%減)、売上高は73億90百万円(同18.0%減)となりました。
損益面につきましては、売上原価が51億37百万円(同14.5%減)、販売費及び一般管理費は19億60百万円(同0.8%増)となりました。その結果、営業利益は2億91百万円(同72.6%減)、経常利益は2億97百万円(同72.1%減)、当期純利益は2億17百万円(同68.3%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、25億12百万円となり前事業年度末と比べ1億48百万円(前年同期比5.6%)の減少となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、1億19百万円(同78.0%減)となりました。これは主に税引前当期純利益3億59百万円、減価償却費2億3百万円、売上債権の減少4億4百万円の収入に対し、仕入債務の減少3億80百万円、前払年金費用の増加1億24百万円、法人税等の支払額3億59百万円等の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、5億42百万円(同400.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出3億71百万円、無形固定資産の取得による支出1億72百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、2億74百万円(前年同期は4億31百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が2億32百万円、リース債務の返済による支出が71百万円、配当金の支払額が71百万円に対し、短期借入による収入が2億80百万円、長期借入による収入が3億70百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
歯車及び歯車装置事業(千円)5,155,231△16.9
工事事業(千円)--
合計(千円)5,155,231△16.9

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.工事事業については、事業の性格上生産高実績は算出しておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
歯車及び歯車装置事業(千円)5,541,685△4.0
工事事業(千円)2,406,760△0.6
合計(千円)7,948,445△3.0

(注)1.金額は受注価格で示してあります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
歯車及び歯車装置事業(千円)5,132,186△17.7
工事事業(千円)2,257,983△18.7
合計(千円)7,390,170△18.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等
a.財政状態の分析
(資産合計)
流動資産は、前事業年度末と比べ6億82百万円減少し74億41百万円となりました。これは主に売掛金が72百万円、未収還付法人税等が85百万円増加いたしましたが、受取手形が4億77百万円、現金預金が1億48百万円減少したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と比べ5億25百万円増加し32億24百万円となりました。これは主に建物が28百万円、機械及び装置が45百万円、リース資産が71百万円減少いたしましたが、建設仮勘定が3億16百万円、投資有価証券が78百万円、前払年金費用が1億24百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
流動負債は、前事業年度末と比べ5億47百万円減少し21億47百万円となりました。これは主に短期借入金が2億80百万円増加いたしましたが、支払手形が3億68百万円、1年内返済予定の長期借入金が93百万円、未払法人税等が2億36百万円、賞与引当金が65百万円減少したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べ1億83百万円増加し8億13百万円となりました。これは主にリース債務が61百万円減少いたしましたが、長期借入金が2億30百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
純資産の部は、前事業年度末と比べ2億5百万円増加し77億4百万円となりました。これは主に利益剰余金が1億46百万円、その他有価証券評価差額金が53百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前事業年度と比べ16億25百万円(前年同期比18.0%)減少し73億90百万円となりました。このうち歯車及び歯車装置事業につきましては、11億7百万円減少いたしました。これは、バルブ・コントロールにつきましては、上下水道向けが増加したものの、補修部品、輸出、火力発電所向けが減少いたしました。ジャッキ、その他の増減速機につきましては増加いたしました。歯車につきましては、自動車用が大きく落ち込みました。
工事事業につきましては、上下水道向けが増加いたしましたが、火力発電所向け、原子力発電所向けが減少したため、5億17百万円減少いたしました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は材料費が減少したことにより前事業年度と比べ8億71百万円(同14.5%)減少いたしました。販売費及び一般管理費は株主優待引当金が増加したため、前事業年度と比べ16百万円(同0.8%)増加いたしました。
この結果、売上総利益は前事業年度と比べ7億54百万円(同25.1%)減少し22億52百万円となり、営業利益は前事業年度と比べ7億70百万円(同72.6%)減少し2億91百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は前事業年度並みとなり、営業外費用は前事業年度と比べ3百万円(同16.8%)減少し16百万円となりました。
この結果、経常利益は前事業年度と比べ7億68百万円(同72.1%)減少し2億97百万円となりました。
(特別利益、特別損失)
特別利益は製品保証引当金戻入額等が増加したことにより56百万円増加し62百万円となりました。
この結果、税引前当期純利益は前事業年度と比べ6億51百万円(同64.4%)減少し、3億59百万円となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
法人税、住民税及び事業税は、前事業年度と比べ2億53百万円(同79.1%)減少し、66百万円となりました。また、法人税等調整額は75百万円となりました。
この結果、当期純利益は前事業年度と比べ4億68百万円(同68.3%)減少し、2億17百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、原材料の価格変動、災害等があります。
市場動向につきましては、当社の事業が関係する市場におきましては、国内外の企業との熾烈な競争が今後も展開されると予想されることから、当社を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、新規市場の開拓およびニーズの深耕により売上の拡大を図るとともに、生産体制のより一層の強化に取り組んでまいります。
原材料の価格変動につきましては、鉄・非鉄金属の市場価格上昇への対応、設計の標準化、部品の共有化、標準品の採用推進等に取り組むほか、3社以上による相見積もりによる価格交渉、密接な情報交換を行い、更なるコスト削減努力を行ってまいります。
災害等につきましては、防火委員会等の活動にて防火対策に取り組んでおります。
③資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社の資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては機械及び装置等の有形固定資産投資に加え、情報処理の為の無形固定資産投資等があります。
(財務政策)
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
長期借入金の調達につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
また、国内金融機関において合計6億円のコミットメントライン及び当座貸越を設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益性及び効率性の両面から体質を強化することが重要と捉え、「経常利益」及び「当期純利益」を重要な指標として位置付けております。当事業年度における経常利益は2億97百万円となり、経常利益率は4.0%となりました。当期純利益は2億17百万円となり、当期純利益率は2.9%となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
⑤セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(歯車及び歯車装置事業)
バルブ・コントロ-ルの受注高は、輸出、上下水道向けが増加したものの、補修部品、火力発電所向け、原子力発電所向けが減少したことにより、前事業年度比9.8%減少いたしました。売上高は、上下水道向けが増加したものの、補修部品、輸出、火力発電所向けが減少したことにより、前事業年度比27.6%減少いたしました。ジャッキにつきましては、受注高は前事業年度比3.5%増加し、売上高も前事業年度比1.5%増加いたしました。その他の増減速機につきましては、受注高は前事業年度比17.9%増加し、売上高も前事業年度比14.6%増加いたしました。
歯車の受注高及び売上高は、自動車用が大きく落ち込み、受注高は前事業年度比13.2%減少し、売上高は前事業年度比25.1%減少いたしました。
以上の結果、歯車及び歯車装置事業全体では、受注高は前事業年度比4.0%減少し、売上高は前事業年度比17.7%減少いたしました。
セグメント資産は、試験装置の取得や冷暖房器具の更新等により、前事業年度末に比べ1億54百万円増加の27億71百万円となりました。
(工事事業)
受注高は上下水道向けが増加いたしましたが、火力発電所向け、原子力発電所向けが減少したため、前事業年度比0.6%減少いたしました。売上高は上下水道向けが増加いたしましたが、火力発電所向け、原子力発電所向けが減少したため、前事業年度比18.7%減少いたしました。
セグメント資産は、老朽化した建物附属設備および工具の除却等により、前事業年度末に比べ9百万円減少の8億60百万円となりました。