有価証券報告書-第117期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 13:11
【資料】
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【項目】
117項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比べ5億76百万円増加し111億41百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比べ4億12百万円増加し32億72百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比べ1億64百万円増加し78億68百万円となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、相次ぐ自然災害はあったものの企業収益や雇用環境の改善などにより、景気は緩やかな回復基調にありますが、米中貿易摩擦の動向や世界経済の景気減速懸念などにより、依然として先行き不透明な状況で推移しております。
当社のセグメント別受注状況は、歯車及び歯車装置事業ではジャッキ及びその他の増減速機は減少いたしましたが、バルブ・コントロ-ルは増加いたしました。歯車につきましては、鉄道・船舶用、その他産業機械用が増加したことにより、受注は増加いたしました。これらにより、歯車及び歯車装置事業の受注は増加いたしました。工事事業では、発電所をはじめとする定期検査工事等が減少したことにより受注は減少いたしました。
その結果、当事業年度の受注高は80億97百万円(前事業年度比1.9%増)、売上高は73億93百万円(同0.1%増)となりました。
損益面につきましては、売上原価が51億73百万円(同0.7%増)、販売費及び一般管理費は17億59百万円(同10.3%減)となりました。これにより、営業利益は4億61百万円(同58.3%増)、経常利益は4億73百万円(同59.4%増)、当期純利益は3億17百万円(同45.8%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ1億1百万円増加し26億14百万円(前事業年度比4.0%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、4億47百万円(同274.6%増)となりました。これは主に売上債権の増加3億32百万円、たな卸資産の増加3億58百万円の支出に対し、税引前当期純利益4億84百万円、減価償却費2億44百万円、仕入債務の増加3億57百万円の収入によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、2億5百万円(同62.2%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1億21百万円、投資有価証券の取得による支出52百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、1億40百万円(前事業年度は2億74百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の調達による収入4億60百万円に対し、短期借入金の返済による支出2億80百万円、長期借入金の返済による支出2億5百万円、リース債務の返済による支出58百万円、配当金の支払額56百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
歯車及び歯車装置事業(千円)4,933,400△4.3
工事事業(千円)--
合計(千円)4,933,400△4.3

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.工事事業については、事業の性格上生産高実績は算出しておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
歯車及び歯車装置事業(千円)6,455,43016.5
工事事業(千円)1,642,046△31.8
合計(千円)8,097,4771.9

(注)1.金額は受注価格で示してあります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
歯車及び歯車装置事業(千円)5,540,0727.9
工事事業(千円)1,853,803△17.9
合計(千円)7,393,8760.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①経営成績等
a.財政状態の分析
(資産合計)
流動資産は、前事業年度末と比べ6億96百万円増加し80億29百万円となりました。これは主に未収還付法人税等が85百万円減少いたしましたが、たな卸資産が3億58百万円、受取手形が1億89百万円、電子記録債権が1億43百万円増加したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と比べ1億19百万円減少し31億11百万円となりました。これは主に機械及び装置が3億7百万円、ソフトウェアが1億50百万円増加いたしましたが、建設仮勘定が3億16百万円、投資有価証券が88百万円減少したことによるものであります。
(負債合計)
流動負債は、前事業年度末と比べ3億14百万円増加し24億61百万円となりました。これは主に短期借入金が2億80百万円減少いたしましたが、支払手形が2億39百万円、未払法人税等が1億58百万円、買掛金が1億17百万円増加したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べ97百万円増加し8億11百万円となりました。これは主にリース債務が52百万円減少いたしましたが、長期借入金が1億71百万円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
純資産の部は、前事業年度末と比べ1億64百万円増加し78億68百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が1億円減少いたしましたが、利益剰余金が2億60百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前事業年度と比べ3百万円(前年同期比0.1%)増加し73億93百万円となりました。このうち歯車及び歯車装置事業につきましては、4億7百万円増加いたしました。これは、バルブ・コントロールにつきましては、上下水道、輸出、石油・ガス向けが減少したものの、火力発電所向け、補修部品等が増加いたしました。ジャッキ、その他の増減速機につきましては減少いたしました。歯車につきましては、その他産業機械用が増加しました。
工事事業につきましては、火力発電所、原子力発電所、石油・ガス向けが減少したため、4億4百万円減少いたしました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、材料費が増加したことにより前事業年度と比べ35百万円(同0.7%)増加いたしました。販売費及び一般管理費は、人件費が減少したため、前事業年度と比べ2億1百万円(同10.3%)減少いたしました。
この結果、売上総利益は前事業年度と比べ31百万円(同1.4%)減少し22億20百万円となり、営業利益は前事業年度と比べ1億69百万円(同58.3%)増加し4億61百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前事業年度と比べ4百万円(同20.4%)増加し27百万円となり、営業外費用は、前事業年度と比べ2百万円(同12.0%)減少し14百万円となりました。
この結果、経常利益は前事業年度と比べ1億76百万円(同59.4%)増加し4億73百万円となりました。
(特別利益、特別損失)
特別利益は、製品保証引当金戻入額等が減少したことにより51百万円(同82.9%)減少し10百万円となりました。
この結果、税引前当期純利益は前事業年度と比べ1億24百万円(同34.7%)増加し4億84百万円となりました。
(法人税、住民税及び事業税)
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額は、前事業年度と比べ25百万円(同17.6%)増加し1億67百万円となりました。
この結果、当期純利益は前事業年度と比べ99百万円(同45.8%)増加し3億17百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、原材料の価格変動、災害等があります。
市場動向につきましては、当社の事業が関係する市場におきましては、国内外の企業との熾烈な競争が今後も展開されると予想されることから、当社を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、新規市場の開拓およびニーズの深耕により売上の拡大を図るとともに、生産体制のより一層の強化に取り組んでまいります。
原材料の価格変動につきましては、鉄・非鉄金属の市場価格上昇への対応、設計の標準化、部品の共有化、標準品の採用推進等に取り組むほか、3社以上による相見積もりによる価格交渉、密接な情報交換を行い、更なるコスト削減努力を行ってまいります。
災害等につきましては、防火委員会等の活動にて防火対策に取り組んでおります。
③資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社の資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要があります。
運転資金需要のうち主なものは製品を製造するための材料仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としては機械及び装置等の有形固定資産投資に加え、情報処理の為の無形固定資産投資等があります。
(財務政策)
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
長期借入金の調達につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
また、国内金融機関において合計6億円のコミットメントライン及び当座貸越を設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益性及び効率性の両面から体質を強化することが重要と捉え、「経常利益」及び「当期純利益」を重要な指標として位置付けております。当事業年度における経常利益は4億73百万円となり、経常利益率は6.4%となりました。当期純利益は3億17百万円となり、当期純利益率は4.3%となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
⑤セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(歯車及び歯車装置事業)
バルブ・コントロ-ルの受注高は、電力、輸出向けが減少したものの、石油・ガス、上下水道向け、補修部品等が増加したことにより、前事業年度比29.0%増加いたしました。売上高は、上下水道、輸出、石油・ガス向けが減少したものの、火力発電所向け、補修部品等が増加したことにより、前事業年度比18.7%増加いたしました。ジャッキにつきましては、受注高は前事業年度比3.9%減少し、売上高も前事業年度比10.1%減少いたしました。その他増減速機につきましては、受注高は前事業年度比5.0%減少し、売上高も前事業年度比20.7%減少いたしました。
歯車につきましては、その他産業機械用が増加したことにより、受注高は前事業年度比22.0%増加し、売上高は前事業年度比31.1%増加いたしました。
以上の結果、歯車及び歯車装置事業では、受注高は前事業年度比16.5%増加し、売上高も前事業年度比7.9%増加いたしました。
セグメント資産は、老朽化した機械装置および工具の除却等により、前事業年度末に比べ72百万円減少し26億98百万円となりました。
(工事事業)
受注高は火力発電所、原子力発電所向けが減少したことにより、前事業年度比31.8%減少いたしました。売上高は火力発電所、原子力発電所、石油・ガス向けが減少したことにより、前事業年度比17.9%減少いたしました。
セグメント資産は、電気設備の更新や簡易倉庫の新設等により、前事業年度末に比べ21百万円増加し8億81百万円となりました。