有価証券報告書-第56期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/18 15:29
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度につきましては、中国をはじめとするアジア地域やヨーロッパにおいて景気の停滞感が見られるものの、米国の景気は底堅く、世界経済は総じて堅調に推移しました。
当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、データセンター向け投資やスマートフォン需要を背景にメモリ半導体が市場の拡大をけん引してきました。期後半から、メモリ向け投資は調整局面を迎えておりますが、中長期的には、これまでのPCやモバイルに加え、人工知能(AI)や次世代通信規格(5G)に伴う新技術による半導体需要を背景にさらなる大きな市場の成長が見込まれております。
このような状況のもと、当連結会計年度の経営成績の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は1兆2,782億4千万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。国内売上高が2,087億9千6百万円(前連結会計年度比40.4%増)、海外売上高が1兆694億4千3百万円(前連結会計年度比8.9%増)となり、連結売上高に占める海外売上高の比率につきましては83.7%となりました。
売上原価は7,520億5千7百万円(前連結会計年度比14.7%増)、売上総利益は5,261億8千3百万円(前連結会計年度比10.8%増)となり、売上総利益率は41.2%(前連結会計年度比0.8ポイント減)となりました。
販売費及び一般管理費は2,156億1千2百万円(前連結会計年度比11.2%増)となり、連結売上高に対する比率は16.9%(前連結会計年度比0.2ポイント減)となりました。
これらの結果、営業利益は3,105億7千1百万円(前連結会計年度比10.5%増)となり、営業利益率は24.3%(前連結会計年度比0.6ポイント減)となりました。経常利益は、営業外収益113億5千4百万円、営業外費用2億6千3百万円を加減し3,216億6千2百万円(前連結会計年度比14.6%増)となりました。
税金等調整前当期純利益は3,215億8百万円(前連結会計年度比16.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,482億2千8百万円(前連結会計年度比21.5%増)となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は1,513円58銭(前連結会計年度の1株当たり当期純利益は1,245円48銭)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
DRAM、3次元構造のNANDフラッシュメモリに関しまして、期の後半からメモリメーカーにおける設備投資計画が調整局面に入っておりますが、当連結会計年度を通じては、モバイル向けに加えデータセンター向け需要の高まりにより、メモリ市場は堅調に推移しました。また、ロジック系半導体において最先端世代への移行に伴い設備投資が再開されており、半導体製造装置市場は堅調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は1兆1,667億8千1百万円(前連結会計年度比10.6%増)、セグメント利益は、3,267億1千6百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。
なお、当セグメントにおきましては、当連結会計年度に枚葉成膜装置「Triase+™ EX-II Pro™」、バッチ式スプレー洗浄装置「MERCURY™+」をリリースしました。
・FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
中国におけるテレビ用大型液晶パネル向けの設備投資が旺盛だったことに加え、モバイル端末用の中小型有機ELパネル向け設備投資も継続しておこなわれたことで、FPD製造装置市場は好調に推移しました。このような状況のもと、当セグメントの当連結会計年度の売上高は、1,112億6千1百万円(前連結会計年度比48.2%増)、セグメント利益は、242億4千1百万円(前連結会計年度比82.3%増)となりました。
また、当セグメントにおきましては、当連結会計年度に高精細フラットパネルディスプレイ向け第10.5世代ドライエッチング装置「Impressio™3300 PICP™」、有機ELディスプレイ製造用インクジェット描画装置「Elius™1000」をリリースしました。
・その他
当セグメントの当連結会計年度における売上高は、191億1千2百万円(前連結会計年度比3.9%減)、セグメント利益は10億3千5百万円(前連結会計年度は5千7百万円のセグメント損失)となりました。
また、当連結会計年度末の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ362億9千9百万円増加し、9,828億9千7百万円となりました。主な内容は、現金及び預金の増加902億5千6百万円、有価証券に含まれる短期投資の減少715億円によるものであります。
有形固定資産は、前連結会計年度末から241億1千6百万円増加し、1,500億6千9百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末から68億2千7百万円減少し、90億5千4百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末から12億4千2百万円増加し、1,156億7百万円となりました。
これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から548億3千万円増加し、1兆2,576億2千7百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ635億7千万円減少し、3,048億8千2百万円となりました。主として、支払手形及び買掛金の減少331億5千8百万円、前受金の減少229億6千1百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ17億9千3百万円増加し、646億2千8百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,166億7百万円増加し、8,881億1千7百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する当期純利益2,482億2千8百万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当1,247億5千4百万円の実施による減少によるものであります。この結果、自己資本比率は70.0%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、上記の前期末比較については、当該会計基準を遡って適用した後の前連結会計年度末の数値で比較しております。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ252億4千3百万円減少し、2,326億3千4百万円となりました。なお、現金及び現金同等物に含まれていない満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資1,600億円を加えた残高は、前連結会計年度末に比べ187億5千6百万円増加し、3,926億3千4百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度に比べ29億9千万円増加の1,895億7千2百万円の収入となりました。主な要因につきましては、税金等調整前当期純利益3,215億8百万円、減価償却費243億2千3百万円、売上債権の減少105億4千1百万円がそれぞれキャッシュ・フローの収入となり、法人税等の支払額1,029億3千2百万円、仕入債務の減少317億5千2百万円、前受金の減少220億7千7百万円、たな卸資産の増加147億6千5百万円がそれぞれキャッシュ・フローの支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として有形固定資産の取得による支出465億1千7百万円、短期投資の増加による支出440億円により、前連結会計年度の118億3千3百万円の支出に対し840億3千3百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主に配当金の支払1,247億5千4百万円により、前連結会計年度の825億4千9百万円の支出に対し1,297億6千1百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。また、販売の実績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」における各セグメントの業績に関連付けて説明しております。
なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
相手先販売高
(百万円)
割合
(%)
Samsung Electronics Co., Ltd.261,54423.1
Intel Corporation181,05316.0
SK hynix Inc.132,14611.7

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
相手先販売高
(百万円)
割合
(%)
Intel Corporation199,59415.6
Samsung Electronics Co., Ltd.175,31513.7
SK hynix Inc.174,46813.6
Micron Technology, Inc.131,82110.3

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 販売高には、当該顧客と同一の企業集団に属する顧客に対する販売高を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本「有価証券報告書」提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用された重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示情報に影響を与える見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断のもと継続的に見積り及び予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績については、拡大する半導体製造装置市場における競争力向上と、FPD製造装置市場におけるシェア拡大により、売上高は2期連続で過去最高を更新し、1兆2,782億4千万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。主力の半導体製造装置事業については、注力分野における事業展開が計画通り進捗し、市場成長を大きく上回る売上増を達成することができました。
売上高の増加に伴い、売上総利益、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に増加し、すべての利益項目において過去最高を達成しました。一方、営業利益率は24.3%と、前連結会計年度比0.6ポイント減となりましたが、これはIoT、5G等の普及を背景に半導体の需要が増加し付加価値が高まる中、更なる成長を図る事業戦略により、開発費等の成長投資を実施したことによるものです。なお、研究開発費の総額は前連結会計年度から168億7千7百万円増加の1,139億8千万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度から0.3ポイント上昇し8.9%となりました。
営業利益に、営業外損益及び特別損益を反映し、税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は2,482億2千8百万円となり、売上高に対する比率は前連結会計年度から1.3ポイント上昇し19.4%となりました。
財政状態及びキャッシュ・フローについては、事業規模の拡大により、現金及び預金、たな卸資産等の流動資産、有形固定資産を中心に総資産が増加し、当連結会計年度末における総資産は1兆2,576億2千7百万円(前連結会計年度末から548億3千万円増加)となりました。資産効率を示す総資産回転日数(注1)は、前連結会計年度末の390日から359日へ大きく改善しました。たな卸資産の残高は生産増に伴い増加しましたが、たな卸資産回転日数(注2)は前連結会計年度末の111日から101日へ改善し、また売上債権回転日数(注3)も前連結会計年度末の52日から42日へ改善しました。有形固定資産の増加は、宮城工場における新開発棟の竣工、山梨・東北工場における新生産棟の着工、評価用機械装置の取得等によるものですが、これらは、成長分野の開発・生産体制を拡充させるために、必要な投資を実施した結果であります。なお、投資に必要な資金は手元資金で賄っております。
過去最高の税金等調整前当期純利益を計上し、資産効率の改善についても継続して取り組む一方で、成長に必要な投資は積極的に実施した結果、現金及び現金同等物に満期日又は償還日までの期間が3ヶ月を超える定期預金及び短期投資を加えた残高は、前連結会計年度末から187億5千6百万円増加し、3,926億3千4百万円となりました。
なお、上述した親会社株主に帰属する当期純利益の対売上高比率の改善、及び総資産回転日数等の資産効率の改善の結果として、ROE(自己資本利益率)についても前連結会計年度の29.0%から30.1%へ上昇しました。
(注)1 総資産回転日数=当連結会計年度末の総資産÷当連結会計年度の売上高×365
2 たな卸資産回転日数=当連結会計年度末のたな卸資産÷当連結会計年度の売上高×365
3 売上債権回転日数=当連結会計年度末の売上債権÷当連結会計年度の売上高×365
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループでは売上高、営業利益率、ROE(自己資本利益率)を中期経営計画上の財務モデルにおける指標として使用しております。2018年5月時点において設定した2021年3月期を想定した各指標のモデルに対する、当連結会計年度の経営成績は次のとおりであり、ROE(自己資本利益率)については目標値を達成しました。
2021年3月期 財務モデル
(2018年5月公表)
2019年3月期 実績
半導体前工程製造装置
市場規模
550億米ドル620億米ドル-
売上高15,000億円17,000億円12,782億円
営業利益率26.5%28%24.3%
ROE(自己資本利益率)30%~35%30.1%

このような状況のもと、当社グループの高い成長機会を背景に、昨年発表した2021年3月期を対象とした財務モデルを改定し、より中長期の視点で更なる成長目標を追加しました。具体的には、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 ⑧ 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、連結損益計算書の税金等調整前当期純利益に対応しております。
・半導体製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比10.6%増の1兆1,667億8千1百万円となりました。当社グループの事業展開は、戦略どおり順調に進捗しております。結果として、2018年1月から12月における半導体前工程製造装置(WFE)の市場成長率16%に対して、同期間の当社グループの売上高は25%増加し、市場拡大を上回る成長を遂げました。本体装置の売上高を製品別に見ると、エッチング装置、コータ/デベロッパの売上が拡大し、また中古装置や改造、パーツ・サービスの売上高については、累積出荷台数と包括サービス契約の増加に伴い、大きく伸長しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は28.0%と、前連結会計年度の29.8%から1.8ポイント低下しました。これは、将来の成長を見据えた開発・生産体制の増強、及び研究開発費の増加等による固定費比率の上昇が主な要因であります。
・FPD製造装置
当セグメントの当連結会計年度における事業環境は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績及び財政状態の状況」に記載のとおりであります。当セグメントの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比48.2%増、1,112億6千1百万円となりました。モバイル用途の中小型パネル向け設備投資の継続、拡大する第10.5世代製造装置市場において差別化技術によりリーディングポジションを確立したこと、高性能PICPTMエッチング装置の順調な拡販等により、当セグメントとしては過去最高の売上高を達成しました。
セグメント利益率については、当連結会計年度は21.8%と、前連結会計年度の17.7%から4.1ポイント改善しました。売上拡大により固定費比率が低下したこと、新製品の拡販が順調に進捗したこと、また第10.5世代向け製造装置市場において高いシェアを獲得したことにより、利益率も過去最高を達成しました。

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